JPH0552621A - 電磁流量計 - Google Patents

電磁流量計

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JPH0552621A
JPH0552621A JP21895991A JP21895991A JPH0552621A JP H0552621 A JPH0552621 A JP H0552621A JP 21895991 A JP21895991 A JP 21895991A JP 21895991 A JP21895991 A JP 21895991A JP H0552621 A JPH0552621 A JP H0552621A
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Yasuyoshi Koike
泰美 小池
Norihiro Shukutani
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Yokogawa Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2周波形の電磁流量計でノイズに対する応答
を改良した電磁流量計を提供するにある。 【構成】 励磁手段により高周波と低周波で励磁され流
量に対応して発生する信号電圧を励磁電流の立上り/立
下りに同期してサンプリングして出力するサンプリング
手段と、この出力を第1周波数(高周波)に基づいて弁
別して出力する第1復調手段と,この出力の変化をスパ
ンAに対してx%のリミット値でリミットする第1リミ
ット手段と、この出力を高域濾波する高域濾波手段と,
このサンプリング手段の出力を第2周波数(低周波)に
基づいて弁別して復調する第2復調手段と、この出力の
変化をスパンAに対してN*x%(N:第2周波数成分
に対する第1周波数成分の信号サンプリング回数の比
率)のリミット値でリミットする第2リミット手段と、
この出力を低域濾波する低域濾波手段と、高域濾波手段
と低域濾波手段との各出力を合成する合成手段とを具備
する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁場を被測定流体に印
加し発生する起電力からその流量を測定する電磁流量計
に係り、特にノイズに対する応答を改良した電磁流量計
に関する。
【0002】
【従来の技術】工業用の電磁流量計は従来から商用電源
を用いて励磁する商用周波の励磁方式が採用されてき
た。商用周波の励磁方式は,(イ)応答速度が早く低コ
ストに出来る。(ロ)スラリ性の流体や低導電率の流体
で発生する流速と共に増加する低周波のランダムノイズ
(以下,フロ−ノイズという)の影響を受けがたい,と
いう利点があるが,稼動状態で比較的に長期,例えば1
日程度の間,放置しておくとゼロ点が変動するという欠
点がある。
【0003】このため,商用周波の1/2,あるいはこ
れ以下の低周波で励磁する低周波励磁方式が採用される
ようになった。低周波励磁方式にすると周知のようにゼ
ロ点の安定な電磁流量計が得られる利点がある。しか
し,励磁周波数が低いのでフロ−ノイズの周波数帯域と
近接し,このためフロ−ノイズの影響を受け易く,特に
流速が大になるとこの影響が顕著になる。また,フロ−
ノイズの影響を軽減するためにダンピングをかけると応
答が遅くなる欠点を有している。
【0004】そこで,この問題を解決するために、商用
周波数の励磁電流成分とこれより低い周波数の励磁電流
成分を励磁コイルに同時に流して複合磁場を形成する複
合励磁方式が提案されている。以下、図5〜図10を用
いてこの種の電磁流量計について説明する。
【0005】図5は従来の電磁流量計の構成を示すブロ
ック図である。10は電磁流量計の検出器の導管であ
り,絶縁性のライニングがその内面に施されている。1
1a,11bは信号電圧を検出するための電極である。
12は励磁コイルであり,これによって発生した磁場が
被測定流体に印加される。励磁コイル12には,励磁回
路13から励磁電流If が供給されている。
【0006】励磁回路13は次のように構成されてい
る。基準電圧E1 は増幅器Q1 の非反転入力端(+)に
印加され,その出力端はトランジスタQ2 のベ−スに接
続されている。トランジスタQ2 のエミッタは抵抗Rf
を介してコモンCOMに接続されると共に増幅器Q1
反転入力端(−)に接続されている。コモンCOMとト
ランジスタQ2 のコレクタとの間には励磁電圧Es がス
イッチSW2 とSW3 の直列回路とこれに並列に接続さ
れたスイッチSW4 とSW5 の直列回路を介して印加さ
れる。励磁コイル12はスイッチSW2 、SW3 の接続
点とスイッチSW 4 、SW5 の接続点にそれぞれ接続さ
れる。タイミング信号S2 ,S3 、S4 ,S5 はそれぞ
れスイッチSW2 、SW3 、SW4 、SW5 の開閉を制
御する。
【0007】一方,信号電圧は電極11a,11bで検
出され,前置増幅器14に出力される。前置増幅器14
でコモンモ−ド電圧の除去とインピ−ダンス変換がなさ
れその出力端15に出力される。出力端15における前
置増幅器14の出力はアナログ/デジタル変換器(A/
L )16とアナログ/デジタル変換器(A/DH )1
7でそれぞれデジタル信号に変換されてバス18を介し
てランダムアクセスメモリ(RAM)19に格納され
る。リ−ドオンリ−メモリ(ROM)20には所定の演
算プログラムおよび初期デ−タが格納されており、プロ
セッサ(CPU)21の制御の基にROM20に格納さ
れた演算手順にしたがって演算され、その結果はRAM
19に格納される。22はクロック発生器であり、ここ
で発生されたクロックは分周器23で1/nに分周され
システムクロックSh としてCPU21とアナログ/デ
ジタル変換器17に供給される。
【0008】CPU21はROM20に格納された演算
プログラムに従いバス18を介してタイミング信号出力
ポ−ト(TO)24に励磁電流If の波形を決めるタイ
ミングを出力する。タイミング信号出力ポ−ト24はこ
のタイミングに従い励磁電流を切換えるタイミング信号
2 、S3 、S4 、S5 を出力する。また、タイミング
信号出力ポ−ト24はCPU21の指定するタイミング
に従いタイミング信号SL をアナログ/デジタル変換器
16に出力し前置増幅器14の出力をサンプルする。
【0009】一方、ROM20に格納された演算プログ
ラムによりRAM19に格納されたデ−タを用いてCP
U21により所定の演算が実行され、その演算の結果は
RAM19に格納されると共にバス18を介してデジタ
ル/アナログ変換器25を介して出力端26に流量出力
として出力される。
【0010】次に、図6に示すタイミング図、図7に示
すフロ−チャ−ト図、図8に示す演算図を用いて図5に
示す電磁流量計の動作を説明する。図5に示す分周器2
3の出力に得られるシステムクロックSh は図6(a)
に示す波形であり、これがCPU21に供給されてい
る。
【0011】図7のステップ1において、CPU21は
このシステムクロックSh の割込タイミング(図6
(g))に同期してROM20に格納された所定の演算
プログラムによりバス18を介してタイミング信号出力
ポ−ト24に励磁波形の切換タイミングを示すタイミン
グ信号を出力する。
【0012】ステップ2において、タイミング信号出力
ポ−ト24はこの切換タイミングを受け、タイミング信
号S5 (図6(b))、S4 (図6(c))、S3 (図
6(d))、S2 (図6(e))をそれぞれ励磁回路1
3のスイッチSW5 、SW4 、SW3 、SW2 に出力す
る。或いはタイミング信号S4 をスイッチSW3 、SW
4 に同時に出力し、かつタイミング信号S2 をスイッチ
SW2 、SW5 に同時に出力しても良い。励磁回路13
はこれ等のタイミング信号を受け図6(f)に示す波形
の励磁電流If を励磁コイル12に出力する。この励磁
波形は図6(h)(i)に示すようにタイミング番号i
が0〜15で1サイクルを構成してこれを繰り返す波形
であり、図6ではnサイクルの部分を中心にして示して
ある。この励磁波形は低周波の波形と高周波の波形を乘
算した乘算形の波形をしている。
【0013】次に、ステップ3に移行する。ステップ3
〜ステップ6まではアナログ/デジタル変換器16、1
7からのデ−タの読み込みをする手順を示している。ス
テップ3ではシステムクロックSh (図6(a))に同
期して各サイクル毎にアナログ/デジタル変換器17か
ら入力されるデ−タを図6(j)に示すようにバス18
を介してCPU21の制御の基にRAM19の所定のデ
−タ領域Hi に格納する。
【0014】次に、ステップ4に移り、読み込んだタイ
ミング番号iが0か否かを判断し、0でなければステッ
プ6に移行し、0ならばステップ5に移行する。ステッ
プ6では読み込んだタイミング番号iが8か否かを判断
し8でなければステップ8に移行し、8ならばステップ
7に移行する。
【0015】ステップ5では、タイミング信号出力ポ−
ト24から出力されたタイミング信号SL (図6
(k))によるサンプルタイミングにより、アナログ/
デジタル変換器16から入力されるデ−タを図6(L )
に示すようにバス18を介してCPU21の制御の基に
RAM19の所定のデ−タ領域…、L0 (n−1)、L
0 (n)、L0 (n+1)、…に格納し、ステップ5に
移る。
【0016】次に、ステップ7では、タイミング信号出
力ポ−ト24から出力されたタイミング信号SL (図6
(k))によるサンプルタイミングにより、アナログ/
デジタル変換器16から入力されるデ−タを図6(L )
に示すようにバス18を介してCPU21の制御の基に
RAM19の所定のデ−タ領域…、L1 (n−1)、L
1 (n)、L1 (n+1)、…に格納し、ステップ8に
移る。
【0017】ステップ8ではタイミング番号iが奇数か
否かを判断し、奇数ならばステップ9に移行し、奇数で
ないならばステップ11に移行する判断をする。ステッ
プ9は高周波の復調演算をする。復調演算に際しては、
RAM19に格納されたデ−タHi を用い、図6(m)
に示すタイミングでCPU21の制御の基にROM20
に格納された図8に示す高周波復調演算eHiの欄で示す
演算式で演算をしてその結果をRAM19に格納する。
そして、この演算の結果は演算フロ−の中継点CT1、
CT2を介してステップ10に送られる。この中継点C
T1、CT2の間には後述するリミット演算処理がなさ
れる演算ステップが介在する。この復調演算により電極
11a、11bに発生する電気化学的な直流電圧は除去
され、微分ノイズは一定値に保持され誤差要因とはなら
ない。なお、図8においてAなる定数は、Tc を微分或
いは積分の定数、ΔTc を図6(f)に示す演算周期と
すればA=Tc /(Tc +ΔTc )で示される。
【0018】次に、ステップ10に移る。ここでは、高
周波側の高域濾波演算FHiを実行する。濾波演算に際し
ては、RAM19に格納されたデ−タeHiと前回の濾波
演算結果とを用い、CPU21の制御の基にROM20
に格納された図8に示す高域濾波演算FHiの欄で示す演
算式で演算をしてその結果をRAM19に格納する。次
にステップ11に移る。ステップ11ではタイミング番
号iが0または8か否かを判断し、0または8ならばス
テップ12に移行し、0または8でないならばステップ
14に移行する判断をする。
【0019】ステップ12では、低周波の復調演算をす
る。復調演算に際しては、RAM19に格納されたデ−
タ…、L0 (n−1)、L0 (n)、L0 (n+1)、
…L 1 (n−1)、L1 (n)、L1 (n+1)、…を
用い、図6(n)に示すタイミングでCPU21の制御
の基にROM20に格納された図6に示す低周波復調演
算eLiの欄で示す演算式で演算をしてその結果をRAM
19に格納する。そして、この演算の結果は演算フロ−
の中継点CT3、CT4を介してステップ13に送られ
る。この中継点CT3、CT4の間には後述するリミッ
ト演算処理がなされる演算ステップが介在する。なお、
図8において、定数Bは、B=ΔT/(ΔT+T)で示
される。
【0020】ステップ13では、低周波側の低域濾波演
算FLiを実行する。濾波演算に際しては、RAM19に
格納されたデ−タeL0、eL8と前回の濾波演算結果とを
用い、CPU21の制御の基にROM20に格納された
図8に示す低域濾波演算FLiの欄で示す演算式で演算を
してその結果をRAM19に格納する。
【0021】ステップ14ではタイミング番号iが奇数
か否かを判断し、奇数ならばステップ15に移行し、奇
数でないならばステップ16に移行する判断をする。ス
テップ15は加算演算を実行する。RAM19に格納さ
れた高域濾波演算の結果FHiと低域濾波演算の結果FLi
とを用い、CPU21の制御の基にROM20に格納さ
れた図8に示す加算演算eA の欄で示す演算式で演算を
してその結果をRAM19に格納し、ステップ17に移
行する。ステップ17では、次の割り込みのタイミング
まで待機し、次の割り込みのタイミングが来たらステッ
プ1からステップ17までのフロ−を再び実行する。
【0022】以上のようにして、電極11a、11bで
検出した低周波と高周波の2周波を含む信号電圧は、マ
イクロコンピュ−タを用いて低周波側と高周波側とに分
けられて読み込まれ、低周波側は低周波で復調してその
出力を低域濾波器を介して、高周波側は高周波で復調し
てその出力を高域濾波器を介してそれぞれ出力し、低域
濾波器と高域濾波器の各出力を加算合成して出力するこ
とにより、ゼロ点が安定でフロ−ノイズに対しても強
く、かつ応答の良い流量出力が得られる。
【0023】しかしながら、以上の演算処理だけではノ
イズなどにより流量信号が急激に変化すると、このノイ
ズがなくなっても正常な流量信号に復帰するのに時間が
かかるので、図9、図10に示すリミット処理を行う演
算が挿入されている。図9は高周波側に対するリミット
処理、図10は低周波側に対するリミット処理を行う演
算フロ−をそれぞれ示している。
【0024】図9について説明する。ステップ9で得ら
れた高周波の復調デ−タは中継点CT1を介してステッ
プL1に導入される。ステップL1ではバックアップさ
れたRAM19に格納された所定の高周波のリミット値
LMTH に対して今回読み込んだデ−タeH (n)と前
回読み込んだデ−タeH (n−1)との差[eH (n)
−eH (n−1)]とを比較してリミット値の上限を越
えているか否かを判断する。リミット値LMTH を越え
ているときはステップL2に移行して、ここで前回読み
込んだデ−タeH (n−1)にリミット値LMTH を加
算して中継点CT2を介してステップ10に移行する。
【0025】リミット値LMTH 以下であればステップ
L3に移行し、リミット値LMTH に対して前回読み込
んだデ−タeH (n−1)と今回読み込んだデ−タeH
(n)との差[eH (n−1)−eH (n)]とを比較
してリミット値の下限を越えているか否かを判断する。
リミット値LMTH を越えているときはステップL4に
移行して、ここでリミット値LMTH を前回読み込んだ
デ−タeH (n−1)から減算して中継点CT2を介し
てステップ10に移行する。リミット値LMT H 以下で
あればステップL5に移行し、今回読み込んだデ−タe
H (n)をそのまま中継点CT2を介してステップ10
に伝送する。この場合のリミット値LMTH は、例えば
スパンの30%程度に固定的に設定されている。
【0026】図10について説明する。ステップ12で
得られた低周波の復調デ−タは中継点CT3を介してス
テップL6に導入される。ステップL6ではバックアッ
プされたRAM19に格納された所定の低周波のリミッ
ト値LMTLに対して今回読み込んだデ−タeL (n)
と前回読み込んだデ−タeL (n−1)との差[e
L (n)−eL (n−1)]とを比較してリミット値の
上限を越えているか否かを判断する。リミット値LMT
L を越えているときはステップL7に移行して、ここで
前回読み込んだデ−タeL (n−1)にリミット値LM
L を加算して中継点CT4を介してステップ13に移
行する。
【0027】リミット値LMTL 以下であればステップ
L8に移行し、リミット値LMTL に対して前回読み込
んだデ−タeL (n−1)と今回読み込んだデ−タeL
(n)との差[eL (n−1)−eL (n)]とを比較
してリミット値の下限を越えているか否かを判断する。
リミット値LMTL を越えているときはステップL9に
移行して、ここでリミット値LMTL を前回読み込んだ
デ−タeL (n−1)から減算して中継点CT4を介し
てステップ13に移行する。リミット値LMT L 以下で
あればステップL10に移行し、今回読み込んだデ−タ
L (n)をそのまま中継点CT4を介してステップ1
3に伝送する。この場合のリミット値LMTL は、例え
ばスパンの100%程度に固定的に設定されている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ようなノイズに対するリミット手段では、例えばステッ
プ状に流量出力が0%に戻るような信号が入力された場
合には、高周波側と低周波側との信号のサンプリングの
タイミングの相違から0%になる時間が長くなり応答性
が低下するという問題がある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するために、第1周波数とこれより低い第2周波数
の2つの異なった周波数を有する励磁電流を供給する励
磁手段と、この励磁手段により励磁され流量に対応して
発生する信号電圧を励磁電流の立上り/立下りに同期し
てサンプリングして出力するサンプリング手段と、この
サンプリング手段の出力を第1周波数に基づいて弁別し
て出力する第1復調手段と,この第1復調手段の出力の
変化をスパンAに対してx%のリミット値でリミットす
る第1リミット手段と、この第1リミット手段の出力を
高域濾波する高域濾波手段と,このサンプリング手段の
出力を第2周波数に基づいて弁別して復調する第2復調
手段と、この第2復調手段の出力の変化をスパンAに対
してN*x%(N:第2周波数成分に対する第1周波数
成分の信号サンプリング回数の比率)のリミット値でリ
ミットする第2リミット手段と、この第2リミット手段
の出力を低域濾波する低域濾波手段と、高域濾波手段と
低域濾波手段との各出力を合成する合成手段とを具備す
るようにしたものである。
【0030】
【作 用】励磁手段により第1周波数とこれより低い第
2周波数の2つの異なった周波数を有する励磁電流を供
給する。サンプリング手段はこの励磁手段により励磁さ
れ流量に対応して発生する信号電圧を励磁電流の立上り
/立下りに同期してサンプリングして出力する。第1復
調手段はこのサンプリング手段の出力を第1周波数に基
づいて弁別して出力し、第1リミット手段はこの第1復
調手段の出力の変化をスパンAに対してx%のリミット
値でリミットする。そして、高域濾波手段はこの第1リ
ミット手段の出力を高域濾波する。
【0031】第2復調手段はこのサンプリング手段の出
力を第2周波数に基づいて弁別して復調する。第2リミ
ット手段はこの第2復調手段の出力の変化をスパンAに
対してN*x%(N:第2周波数成分に対する第1周波
数成分の信号サンプリング回数の比率)のリミット値で
リミットする。低域濾波手段はこの第2リミット手段の
出力を低域濾波する。そして、合成手段はこれらの高域
濾波手段と低域濾波手段との各出力を合成して出力す
る。これにより、高周波側と低周波側の演算周期と、高
周波側と低周波側の流量変化量に対するリミット値に関
連性を持たせることができ、信号の変化割合を同じくし
てノイズに対する影響を小さくしながら高速応答をも可
能としている。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を用いて説
明する。図1、図2は本発明の1実施例の要部を説明す
るフロ−図である。図3は図1に示すフロ−の演算を実
行するブロック図である。なお、図5〜図10に示す従
来の電磁流量計と同一の機能を有する部分には同一の符
号を付して適宜にその説明を省略する。
【0033】図3は本実施例の構成を示すブロック図で
あるが、RAM30或いはROM31の中に格納されて
いる演算プログラム、設定されているパラメ−タは図5
に示すRAM19、或いはROM20と異なっている。
【0034】その他の構成に関しては図5に示す構成と
ほぼ同一である。基本的な演算処理の手順は図7に示す
フロ−トほぼ同一であるが、本実施例の特徴点である中
継点CT1、CT2の中に挿入される演算プログラムは
図1に示す演算プログラムとなり、中継点CT3、CT
4の中に挿入される演算プログラムは図2に示す演算プ
ログラムとなる点で異なっている。
【0035】図1について説明する。ステップ9に示す
高周波復調演算での演算結果は中継点CT1を経由して
ステップL11に示す設定演算に移行する。ステップL
11では高周波側のリミット値LMTH ´として、スパ
ンをA(m/s)とすると、このスパンAに対してx
(%)のリミットをかけるための設定をする。
【0036】ステップL12ではこのリミット値LMT
H ´に対して今回読み込んだデ−タeH (n)と前回読
み込んだデ−タeH (n−1)との差[eH (n)−e
H (n−1)]とを比較してリミット値の上限を越えて
いるか否かを判断する。リミット値LMTH ´を越えて
いるときはステップL13に移行して、ここで前回読み
込んだデ−タeH (n−1)にリミット値LMTH ´を
加算して中継点CT2を介してステップ10に移行す
る。
【0037】リミット値LMTH ´以下であればステッ
プL14に移行し、リミット値LMTH ´に対して前回
読み込んだデ−タeH(n−1)と今回読み込んだデ−
タe H (n)との差[eH (n−1)−eH (n)]と
を比較してリミット値の下限を越えているか否かを判断
する。リミット値LMTH ´を越えているときはステッ
プL15に移行して、ここでリミット値LMTH ´を前
回読み込んだデ−タe H (n−1)から減算して中継点
CT2を介してステップ10に移行する。リミット値L
MTH ´以下であればステップL16に移行し、今回読
み込んだデ−タeH (n)をそのまま中継点CT2を介
してステップ10に伝送する。
【0038】図2について説明する。ステップ12で得
られた低周波の復調デ−タは中継点CT3を介してステ
ップL17に導入される。ステップL17では低周波側
のリミット値LMTL ´を設定する。例えばROM31
の中に格納された低周波での1周期に対する高周波側で
の信号のサンプリングの回数Nを読み出してRAM30
の中に格納されたA*N(X/100)を演算する演算
プログラムを実行して低周波側のリミット値LMTL ´
をRAM30の中に格納された演算プログラムのパラメ
−タとして設定する。
【0039】ステップL18では、設定された低周波の
リミット値LMTL´に対して今回読み込んだデ−タe
L (n)と前回読み込んだデ−タeL (n−1)との差
[e L (n)−eL (n−1)]とを比較してリミット
値の上限を越えているか否かを判断する。リミット値L
MTL ´を越えているときはステップL19に移行し
て、ここで前回読み込んだデ−タeL (n−1)にリミ
ット値LMTL ´を加算して中継点CT4を介してステ
ップ13に移行する。
【0040】リミット値LMTL ´以下であればステッ
プL20に移行し、リミット値LMTL ´に対して前回
読み込んだデ−タeL(n−1)と今回読み込んだデ−
タe L (n)との差[eL (n−1)−eL (n)]と
を比較してリミット値の下限を越えているか否かを判断
する。リミット値LMTL ´を越えているときはステッ
プL21に移行して、ここでリミット値LMTL ´を前
回読み込んだデ−タe L (n−1)から減算して中継点
CT4を介してステップ13に移行する。リミット値L
MTL ´以下であればステップL22に移行し、今回読
み込んだデ−タeL (n)をそのまま中継点CT4を介
してステップ13に伝送する。
【0041】次に、以上のようなリミット処理をする演
算を実行すると応答が改善され点について説明する。い
ま、入力信号がB(m/s)から0(m/s)にステッ
プ状に変化したときの応答時間について説明する。低周
波周波数をfL (Hz)とすると、低周波と高周波での各
値は次のようになる。
【0042】まず、低周波では、周波数=fL (Hz)、
サンプリング1回当りの周期=1/2fL (s)、リミ
ット値=NX(%)、実際のリミット値=B*(NX/
100)(m/s)、リミットにかかる回数=A[1/
B(NX/100)](回)となる。そこで、低周波側
の応答時間TL は、 TL =(サンプリング1回当りの周期)*(リミットに
かかる回数) =[1/2fL ]*A[1/B(NX/100)] =50A/(BNXfL ) となる。
【0043】これに対して高周波側では、周波数=2N
L (Hz)、サンプリング1回当りの周期=1/2Nf
L (s)、リミット値=X(%)、実際のリミット値=
B*(X/100)(m/s)、リミットにかかる回数
=A[1/B(X/100)](回)となる。そこで、
高周波側の応答時間TH は、同様にして、 TH =[1/2NfL ]*A[1/B(X/100)] =50A/(BNXfL ) 以上のようにして、低周波側の応答時間TL と高周波側
の応答時間TH とが等しくなることが分かる。
【0044】この点を図4を用いて従来と比較して説明
する。横軸は時間経過、縦軸は出力を示している。
αL0、αH0は従来の場合のリミットが実行された後の低
周波側と高周波側の各出力であり、この出力に基づいて
濾波された低域濾波演算後の出力がαL1、高域濾波演算
後の出力がαH1である。高周波側はサンプリング周期が
速いので低周波の場合に比べて速く0%に達する。
【0045】このように、従来は低周波側出力αL0と高
周波側出力αH0の応答が異なっているので、これ等の合
成出力δは図示のように長い時間に亘り出力が出て0%
に達するのに時間がかかる。これに対して、本実施例の
場合は、リミットが実行された後の低周波側と高周波側
の各出力βL0、βH0は同時に変化しているので、これ等
を合成した合成出力γは図示のように速やかに0%に達
する。なお、βL1は出力βL0に基づいて濾波された低域
濾波演算後の出力であり、βH1は高域濾波演算後の出力
をれぞれ示している。
【0046】
【発明の効果】以上、実施例と共に具体的に説明したよ
うに本発明によれば、低周波側の1回の信号サンプリン
グに対する高周波側の信号のサンプリング数の比率を各
リミット値との関係で設定するようにしたので、低周波
側と高周波側の出力のズレがなく、合成出力として高速
応答が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の第1の要部構成を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の1実施例の第2の要部構成を示すブロ
ック図である。
【図3】本発明の1実施例の全体の構成を示すブロック
図である。
【図4】本発明の実施例の特性を説明する特性図であ
る。
【図5】従来の電磁流量計の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】図5に示す電磁流量計の動作を説明する波形図
である。
【図7】図5に示す電磁流量計の信号処理の手順を示す
フロ−チャ−ト図である。
【図8】図7のフロ−における演算手順を示す演算図で
ある。
【図9】図7に示す信号処理の一部の手順を示すフロ−
チャ−ト図である。
【図10】図7に示す信号処理の他の一部の手順を示す
フロ−チャ−ト図である。
【符号の説明】
10 導管 12 励磁コイル 13 励磁回路 16、17 アナログ/デジタル変換器 18 バス 19、30 ランダムアクセスメモリ 20、31 リ−ドオンリ−メモリ 21 マイクロプロセッサ 22 クロック発生器 24 タイミング信号出力ポ−ト

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1周波数とこれより低い第2周波数の2
    つの異なった周波数を有する励磁電流を供給する励磁手
    段と、この励磁手段により励磁され流量に対応して発生
    する信号電圧を前記励磁電流の立上り/立下りに同期し
    てサンプリングして出力するサンプリング手段と、この
    サンプリング手段の出力を前記第1周波数に基づいて弁
    別して出力する第1復調手段と,この第1復調手段の出
    力の変化をスパンAに対してx%のリミット値でリミッ
    トする第1リミット手段と、この第1リミット手段の出
    力を高域濾波する高域濾波手段と,このサンプリング手
    段の出力を前記第2周波数に基づいて弁別して復調する
    第2復調手段と、この第2復調手段の出力の変化をスパ
    ンAに対してN*x%(N:第2周波数成分に対する第
    1周波数成分の信号サンプリング回数の比率)のリミッ
    ト値でリミットする第2リミット手段と、この第2リミ
    ット手段の出力を低域濾波する低域濾波手段と、前記高
    域濾波手段と前記低域濾波手段との各出力を合成する合
    成手段とを具備することを特徴とする電磁流量計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6530402B2 (en) * 2000-06-06 2003-03-11 Yamatake Corporation Filling machine
JP2010266257A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Yokogawa Electric Corp 電磁流量計

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