JPH0552192B2 - - Google Patents

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JPH0552192B2
JPH0552192B2 JP60249851A JP24985185A JPH0552192B2 JP H0552192 B2 JPH0552192 B2 JP H0552192B2 JP 60249851 A JP60249851 A JP 60249851A JP 24985185 A JP24985185 A JP 24985185A JP H0552192 B2 JPH0552192 B2 JP H0552192B2
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用性〕 本発明は、新規なヒト顆粒球−単球系幹細胞増
殖因子の製造法に関し、詳しくは、本発明は顆粒
球−単球系造血障害の治療に有用な新規な造血因
子を、自発増殖性を賦与したヒトリンパ球細胞の
培養によつて製造する方法に関する。 〔技術の背景及び先行技術〕 人間の血液構成細胞は、骨髄に存在する血球幹
細胞が様々な特異的造血因子の作用を受けて増
殖、分化し、血液中へ生産、放出されることによ
つて維持されている。幹細胞が、それ自身の欠陥
又は薬物、放射線等による二次的損傷を受ける
と、幹細胞の増殖が阻害されて、骨髄での細胞産
生能が低下する、いわゆる骨髄低形成状態とな
り、貧血、血小板減少症或いは顆粒球減少症等の
障害が出現することになる。再生不良性貧血、骨
髄性白血病或いは抗癌剤等の薬剤投与後等にみら
れる顆粒球減少症は、顆粒球系幹細胞の増殖障害
に起因するものと考えられている。 近年、顆粒球減少症の治療に、顆粒球−単球系
幹細胞の特異的な造血因子であるコロニー形成刺
激因子〔コロニー・ステイミユレーテイング・フ
アクター(colony−stimulating factor)。以下
CSFと略記する〕の適用が試みられ、その有用性
が証明されて来ている。このような特異的造血因
子を造血障害及びそれに起因する各種の疾患の治
療へ応用することは、幹細胞の輸血に相当する骨
髄移植と相まつて画期的な治癌法であると期待さ
れている。 顆粒球−単球系幹細胞に対する特異的造血因子
であるCSFは、その作用から顆粒球を産生させる
G−CSF、顆粒球及び単球を産生させるGM−
CSF、単球−マクロフアージを産生させるM−
CSF、更に顆粒球、単球、赤芽球及び巨核球を産
生させるMulti−CSFに分類されている。これま
でヒトCSFとしては、人尿CSF及びある種の腫瘍
細胞が産生するCSF、単球−マクロフアージが産
生するCSF、抗原刺激リンパ球が産生するCSF等
いくつかが知られている。 従来、正常なヒトT−リンパ球にCSFを産生さ
せる方法としては、正常なヒトT−リンパ球を各
種レクチンで刺激する方法、及び細菌菌体等の抗
原で刺激する方法(特開昭59−78122号公報)が
知られている。しかし、正常なヒトT−リンパ球
細胞による細胞増殖及びCSF(主としてGM−
CSF)産生のためにレクチン又は抗原による刺激
が必要であり、CSFの大量生産法としては欠点が
あつた。 本発明者らは、新たなヒトCSF材料の検索にお
いて、正常なヒトリンパ球細胞を成人T−リンパ
球白血病ウイルス(以下、ATLVと略記するこ
とがある)と混合培養すると、形質を転換し、多
量のヒト顆粒球−単球系幹細胞の特異的な造血因
子のコロニー形成刺激因子(CSF)の活性を産生
すること、およびこのCSF活性の産生した培養液
の加熱をヒト血清アルブミン、牛血清アルブミ
ン、ヒト血清または牛血清などの存在下に行なう
と、産生したCSF活性を保持しうることを見出
し、これらの知見に基づいて本発明に到達した。 〔発明の目的および発明の要約〕 本発明の目的は、ヒト顆粒球−単球系幹細胞増
殖因子を大量に生産しうる方法を提供することに
ある。 本発明のもう1つの目的は、GM−CSF活性を
も有するヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子を提
供することにある。 本発明は、自発増殖性を賦与したヒトリンパ球
細胞を細胞培養用培地において培養して、ヒト顆
粒球−単球系幹細胞の増殖を促進する作用を有す
る物質を生産すること、この培地を加熱処理する
こと、およびヒト顆粒球−単球系幹細胞の増殖を
促進する作用を有する有効成分を回収することか
らなる新規なヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子
の製造法である。 自発増殖性を賦与したヒトリンパ球細胞は、正
常なヒトリンパ球細胞を成人T−リンパ球白血病
ウイルス感染細胞と混合培養することによつて得
ることができ、加熱処理は、ヒト血清アルブミ
ン、牛血清アルブミン、ヒト血清、牛血清または
これらの混合物の存在下において行なうことがで
き、またこの加熱処理はPH6〜8および60±2℃
において10〜15時間行なうことができ、さらにこ
れらの加熱処理は、1〜5%(w/v)のアルブ
ミンの存在下または5〜20%(v/v)の血清の
存在下において行なうことができる。 〔発明の具体的な説明〕 (1) 自発増殖性を賦与した正常なヒトリンパ球細
胞の樹立 正常人の末梢血管の血液より正常なリンパ球を
採取し、予め15000RのX線照射を行なつた
ATLV形質転換細胞のMT−2細胞〔三好勇夫
ら:ネイチアー(Nature):第294巻 第770〜
771頁(1981年)〕およびこの正常なリンパ球を
各々5×105個/mlの割合で10%(v/v)牛胎
児血清を含むRPMI−1640培地に加え、96穴マイ
クロプレートに200μ/穴の割合で播種し、5
%(v/v)CO2の通気下の37℃において30日間
培養した。培養後、MT−2細胞により形質転換
され、自発増殖性を獲得して増殖した細胞の中か
ら増殖性の高い細胞を選別し、これを、10%
(v/v)牛胎児血清を添加したRPMI−1640培
地へ移して、さらに前記と同様にして培養した。
培養後、培地上澄中のCSF活性をイーレ(Ihre)
らの方法〔ジエイ・エヌ・イーレら:ザ・ジヤー
ナル・オブ・イミユーノロジー(J.N.Ihre et
al:The Journal of Immunology)第131巻
第282〜287頁(1983年)〕により、マウス骨髄細
胞を用いて測定し、CSF活性の高い細胞株をさら
に選別した。次にこの選別された細胞株をリミテ
イング・ダイリユーシヨン(Limiting Dilution)
法によりクローニングし、CSF産生能の高い形質
転換T−リンパ球細胞Q1C1−1およびQ1C1−2
を純粋に樹立した。 CSF産生能の高い形質転換T−リンパ球細胞の
Q1C1−1およびQ1C1−2の樹立は、上記の方法
の他に、チエン(Chen)らの方法〔プロシーデ
イング・オブ・ザ・ナシヨナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシズ(Proceeding of the
National Academy of Sciences)第80巻 第
7006〜7009頁(1983年)〕の方法により行なうこ
とができ、これによつて前記と同様に、目的とす
る純粋な細胞株を取得することができる。 (2) ヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子の製造 前記(1)で得た細胞を1〜5×105個/mlの割合
で、ヒト血清、牛血清または牛胎児血清を1.0〜
10%(v/v)の濃度において含有する細胞培養
用培地〔たとえばRPMI−1640培地、MEM培地、
α−培地またはハム(Ham)培地等〕に接種し、
炭酸ガスの通気下、37℃において2〜7日間培養
する。この細胞は支持体吸着性があり、ガラス、
プラスチツクスまたはキヤリアビーズ等に吸着し
て増殖するが、増殖すると同時に、多量のヒト顆
粒球−単球系幹細胞の増殖を促進する作用を有す
る物質を産生する。培養終了後、培地上澄を回収
し、再度新たな培地を加えて培養する。この培地
交換を少なくとも5回以上行ない、培養液を回収
する。次に回収した培養液を500〜2500Gにおい
て5分間遠心分離し、上澄液を孔径0.45〜3μの濾
過膜で濾過し、濾過した上澄液に対して、ヒト血
清アルブミン、牛血清アルブミンを1〜5%
(v/v)の濃度において加えるか、または分子
量10000以上を排除する限外濾過膜を使用して、
この培地上澄液を濃縮し、最初に培地に加えたヒ
ト血清、牛血清または牛胎児血清の濃度を5〜20
%(v/v)に調整する。次いでPHを6〜8に調
整し、60℃前後において10〜15時間加熱処理す
る。 加熱処理された培養液の上澄は、ATLV感染
の危険性がなく、この培養液上澄を公知のイオン
交換体クロマトグラフイー、ゲル濾過または逆相
クロマトグラフイー等の精製法に付して、新規な
ヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子を高度に精製
することができる。 (3) ヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子の生物学
的活性 (3−1) ヒト骨髄細胞に対するコロニー形
成刺激作用(CSF活性) 正常人志願者より骨髄細胞を採取し、実施例1
で得られたヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子の
GM−CSF活性およびMulti−CSF活性をアー
ル・シー・アツシユ(R.C.Ash)らの方法〔アー
ル・シー・アツシユら:ブラツド(R.C.Ash et
al:Blood)第58巻 第309〜316頁(1981年)〕
により0.9%メチルセルロース、30%牛胎児血清
を含むイスコブ(Iscove′s)改変培地を使用して
試験した。 その結果を第1表に示す。なお公知のCSFと比
較するために、GM−CSFとしてGCT−細胞培養
液〔以下、GCT−CMと略記することがある、ギ
ブコ(Gibco)社製の市販品〕およびMulti−
CSFとしてフイトヘマグルチニン(Phyto
hemagglutinin)刺激白血球培養液(以下PHA
−LCMと略記する)〔エー・ワーンシヤフら:エ
クスペリメンタル・ヘマトロジー(A.
Wahnschaffe et al:Experimental
Hematology)第12巻 第655〜659頁(1984年)〕
を使用した。
【表】 この結果によると、実施例一の増殖因子は、ヒ
ト骨髄細胞に対してGM−CSF活性を示すが、
Multi−CSF活性を示さなかつた。 (3−2) ヒト顆粒球−単球系幹細胞に対す
る増殖促進作用 ヒト骨髄細胞中の顆粒球−単球系幹細胞(以
下、CFU−GMと略記することがある)数の及ぼ
す作用について、公知のGM−CSFと比較するた
めに次の試験を行なつた。 正常人の志願者の骨髄細胞を前記のアール・シ
ー・アツシユ等の方法で非吸着骨髄細胞として、
実施例1の増殖因子およびGCT−細胞培養液を
それぞれ1000単位/ml(後述のマウス骨髄細胞で
定量)ならびに因子非添加(対照)の20%(v/
v)牛胎児血清を含むイスコブ(Iscove′s)改変
ダルベコ(Dulbecco′s)MEM培地(以下IMDM
培養と略記することがある)に1×106個/mlの
割合で播種し、7.5%CO2の通気下、37℃におい
て培養した。培養開始から0、24、48および72時
間後に、それぞれの骨髄細胞を遠心洗浄し、細胞
懸濁液を得た。ヒト顆粒球−単球系幹細胞
(CFU−GM)刺激因子として、フイトヘマグル
チニン刺激白血球培養液(PHA−LCM)1000単
位(後述のマウス骨髄細胞で定量)、20%牛胎児
血清および0.3%(w/v)の寒天を含むIMDM
培地に、前記の細胞懸濁液を10%(v/v)の濃
度にいおて混和し、7.5%CO2の通気下、37℃に
おいて14日間培養した。培養後、50個以上の細胞
からなる集塊をCFU−GMとして、骨髄細胞1×
105個当りに含まれるCFU−GM数を計測した。 その結果は第2表に示すとおりであつた。
【表】 この結果によると、GM−CSFであるGCT−
CMおよび対照では、CFU−GM数の増加はみら
れなかつたが、実施例1の増殖因子はCFU−GM
数を増加する作用を有することがわかつた。 (3−3) マウス骨髄細胞に対するコロニー
形成刺激作用(CSF活性) マウス骨髄細胞に対するGM−CSFおよび
Multi−CSF活性をC57BL/6Nマウス骨髄細胞
を用いたこと以外は前記のイーレらの方法により
試験した。 また本発明の試験で使用した各種刺激因子の生
物学的力価を統一するために、各因子の力価をマ
ウス骨髄細胞に対するCSF力価として表わした。
すなわち、C57BL/6Nマウス骨髄細胞1×105
個/mlを含む20%(v/v)牛胎児血清および
0.3%寒天添加マツコイ(McCoy′s)5A培地に、
各因子を混和し、7.5%CO2通気下の37℃におい
て7日間培養し、形成された50個以上の細胞集塊
をコロニーとして計測し、1コロニーを1単位と
してCSFの力価として表示した。 マウス骨髄細胞に対するGM−CSFとしては
GCT−CM、Multi−CSFとしては、WEHI−3
細胞培養液上澄〔以下WEHI−3−CMと略記す
ることもある、ジエイ・エヌ・イーレら:ザ・ジ
ヤーナル・オブ、イミユーノロジー(J.N.Ihre
et al:The Journal of Immunology)第129巻
第2431 〜2436頁(1982年)を使用した。 本発明の増殖因子のマウス骨髄細胞に対する
CSF活性は第3表に示すとおりであつた。
【表】 ※ 第1表に同じ。

(3−4) マウスインターロイキン3依存性
細胞に対する増殖促進作用 マウスインターロイキン3(以下IL−3と略記
することがある)依存性細胞であるFDC−P2細
胞を用いて、イーレらの方法〔ジエイ・イーレ
ら:ザ・ジヤーナル・オブ・イミユーノロジー
(J.Ihre et al:The Journal of Immunology)
第129巻 第2431〜2436頁(1982年)〕により、放
射能標識チミジン(3H−Thymidine)取込み量
を測定し、実施例1のヒト顆粒球−単球系幹細胞
増殖因子のマウスインターロイキン3の活性を試
験した。 その結果は第1図に示すとおりであつた。 第1図において、タテ軸は3H−チミジン取込
み量を示し、横軸は希釈倍数を対数で示し、(−
●−)は対照を、(−△−)はGCT−CM、(−□
−)は実施例1の増殖因子を、そして(−○−)
はWEHI−3−CMをそれぞれ示す。 実施例1の増殖因子はマウスインターロイキン
3標品であるWEHI−3−CMとほぼ同様のIL−
3活性を示し、FDC−P2細胞の増殖を促進した。
一方、GM−CSFであるGCT−CMはIL−3活性
を全く示さなかつた。 (4) ヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子の理化学
的性質および熱安定性 (4−1) 陰イオン交換体クロマトグラム 実施例1の方法により得られた加熱処理培養上
澄液を0.02Mリン酸緩衝液(PH:7.0)に平衡化
させて、陰イオン交換体であるDEAE−セフアロ
ースカラムクロマトグラフイーにかけ、CSF活性
をマウス骨髄細胞でIL−3活性をFDC−P2細胞
を用いて、それぞれ前記の方法により測定した。 その結果は第2図に示すとおりであつた。 第2図において左タテ軸は吸光度(−○−で表
わす)を示し、右タテ軸はCSF活性(−▲−で表
わす)およびIL−3活性(−●−)を示し、横
軸はフラクシヨン番号を示す。 第2図によると、実施例1のヒト顆粒球−単球
系幹細胞増殖因子はDEAE−セフアロースに非吸
着の分画として溶出され、CSF活性およびIL−
3活性が完全に一致していた。 (4−2) ゲル濾過クロマトグラム 前記のDEAE−セフアロース非吸着の分画とし
て溶出された実施例1のヒト顆粒球−単球系幹細
胞増殖因子を限外濾過膜濃縮装置(アミコン社
製、PM−10)で濃縮して、TSK3000SW(東洋
ソーダ社製)高速液体ゲル濾過クロマトグラフイ
ーにかけ、その分子量を測定した。 その結果は第3図に示すとおりであつた。 第3図において、左タテ軸のは吸光度を示し、
右タテ軸はCSF活性(−○−で表わす)および
IL−3活性(−×−で表わす)を示し、そして
横軸はフラクシヨン番号を示す。 第3図によると、実施例1のヒト顆粒球−単球
系幹細胞増殖因子は分子量25000〜40000の範囲溶
出された。 (4−3) コンカナバリンA−セフアロース
クロマトグラム 前記のゲル濾過クロマトグラフイーによつて得
た分子量25000〜40000の分画を限外濾過膜(旭化
成社製、ミニモジユールNM−3)により濃縮
し、0.5M NaCl添加0.02Mリン酸緩衝液(PH:
7.2)と平衡させ、これをコンカナバリンA−セ
フアロースカラムクロマトグラフイーにかけた。 その結果は第4図に示すとおりであつた。 第4図において、左タテ軸は吸光度(−●−で
表わす)を示し、右タテ軸はCSF活性(−○−で
表わす)を示し、横軸はフラクシヨン番号を示
す。 第4図によると、実施例1の増殖因子はコンカ
ナバリンA−セフアロースに吸着し、0.15Mのα
−メチルマンノシド溶液で溶出された。 (4−4) 熱安定性試験 実施例1の方法によつて得られた培養上澄液を
0.45μの濾過膜で濾過した後、該培養液上澄を60
±2℃において10時間加熱し、熱安定性および安
定化剤の効果について試験した。増殖因子の安定
性は、前記と同様に、マウス骨髄細胞に対する
CSF活性およびFDC−P2細胞に対するIL−3活
性により測定した。 第4表はヒト血清アルブミンまたは牛血清アル
ブミンの添加による熱安定化効果を、非加熱の対
照を100とした場合の各試料の回収率で表わした
試験の結果である。
【表】 第4表によると、培養液上澄(牛胎児血清1
%、PH:7.1)をそのまま60℃において10時間加
熱処理すると、増殖因子の生物活性は約50%減少
するのに対して、ヒト血清アルブミンまたは牛血
清アルブミンを1.0〜5.0%(w/v)において添
加すると、培地のPHは6.4〜7.0に変化するが、加
熱安定性が増大し、この添加量ではほぼ70%以上
の回収率を得ることができた。 第5表はヒト血清または牛血清の添加による熱
安定化効果を前記と同様にして表わした結果であ
る。
〔発明の効果〕
(1) ヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子を大量に
生産することができる。 (2) 本発明により生産される物質は、ヒトのGM
−CSF活性および顆粒球−単球系幹細胞そのも
のの増殖を促進する作用を有する。 (3) 本発明により生産される物質は、マウスの骨
髄細胞に対してGM−CSF活性、Multi−CSF
活性およびマウスインターロイキン3活性を有
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1のヒト顆粒球−単球系幹細
胞増殖因子のマウスインターロイキン3依存性細
胞に対する増殖促進作用を示す図表、第2図は、
実施例1の加熱処理培養上澄液のDEAE−セフア
ロースカラムクロマトグラフイーによる分離の結
果を示す図表、第3図は、実施例1のヒト顆粒球
−単球系幹細胞増殖因子の高速液体ゲル濾過クロ
マトグラフイーによる分子量測定の結果を示す図
表、および第4図は、実施例1のヒト顆粒球−単
球系幹細胞増殖因子のコンカナバリンA−セフア
ロースクロマトグラフイーの結果を示す図表であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 自発増殖性を賦与したヒトリンパ球細胞を細
    胞培養用培地において培養して、ヒト顆粒球−単
    球系幹細胞の増殖を促進する作用を有する物質を
    生産すること、この培地を加熱処理すること、お
    よびヒト顆粒球−単球系幹細胞の増殖を促進する
    作用を有する有効成分を回収することを特徴とす
    る新規なヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子の製
    造法。 2 自発増殖性を賦与したヒトリンパ球細胞が、
    正常なヒトリンパ球細胞を成人T−リンパ球白血
    病ウイルス感染細胞と混合培養することにより得
    られたものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載の新規なヒト顆粒球−単球系幹細
    胞増殖因子の製造法。 3 加熱処理が、ヒト血清アルブミン、牛血清ア
    ルブミン、ヒト血清、牛血清およびこれらの混合
    物からなる群より選択される物質の存在下のPH6
    〜8および60±2℃において10〜15時間行なわれ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項または
    第2項に記載の新規なヒト顆粒球−単球系幹細胞
    増殖因子の製造法。 4 加熱処理が、1〜5%(w/v)のアルブミ
    ンの存在下において行なわれることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに
    記載の新規なヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子
    の製造法。 5 加熱処理が、5〜20%(v/v)の血清の存
    在下において行なわれることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の
    新規なヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子の製造
    法。
JP60249851A 1985-11-07 1985-11-07 新規なヒト顆粒球−単球系幹細胞増殖因子の製造法 Granted JPS62107796A (ja)

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