JPH0552169A - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

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Publication number
JPH0552169A
JPH0552169A JP3306495A JP30649591A JPH0552169A JP H0552169 A JPH0552169 A JP H0552169A JP 3306495 A JP3306495 A JP 3306495A JP 30649591 A JP30649591 A JP 30649591A JP H0552169 A JPH0552169 A JP H0552169A
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JP
Japan
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ignition timing
control
fail
driving force
retard
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Application number
JP3306495A
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English (en)
Inventor
Naoki Inoue
直樹 井上
Shinichi Maeda
真一 前田
Katsutoshi Yamazaki
克俊 山崎
Seiji Onozawa
聖二 小ノ澤
Takayuki Konuma
隆之 小沼
敏充 ▲高▼石
Toshimitsu Takaishi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0552169A publication Critical patent/JPH0552169A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K28/00Safety devices for propulsion-unit control, specially adapted for, or arranged in, vehicles, e.g. preventing fuel supply or ignition in the event of potentially dangerous conditions
    • B60K28/10Safety devices for propulsion-unit control, specially adapted for, or arranged in, vehicles, e.g. preventing fuel supply or ignition in the event of potentially dangerous conditions responsive to conditions relating to the vehicle 
    • B60K28/16Safety devices for propulsion-unit control, specially adapted for, or arranged in, vehicles, e.g. preventing fuel supply or ignition in the event of potentially dangerous conditions responsive to conditions relating to the vehicle  responsive to, or preventing, skidding of wheels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/1701Braking or traction control means specially adapted for particular types of vehicles
    • B60T8/1706Braking or traction control means specially adapted for particular types of vehicles for single-track vehicles, e.g. motorcycles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/175Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel spin during vehicle acceleration, e.g. for traction control

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 切換手段509が駆動力制御用点火時期演算
手段67の出力を選択している場合において、駆動力制
御用のシステム550のフェールがフェール検出手段2
01により検出されたときには、現在の点火時期遅角量
が遅角量増加手段515により、最大遅角量記憶手段5
16に記憶された最大遅角量に達するまで徐々に増加さ
れる。フェール制御用点火時期演算手段202は、この
ように増加された遅角量と、標準点火時期とを用いて点
火時期を演算し、出力する。 【効果】 駆動力制御中に該駆動力制御システムがフェ
ールした時には点火時期の遅角量が徐々に大きくなり、
スロットル弁の開度状態にかかわらず当該車両の速度が
徐々に低下する。したがって、前記フェール時に、車両
に制御の切換ショック等が生じるおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用駆動力制御装置に
関するものであり、特に、滑りやすい路面での発進又は
加速時において、車両の過大なスリップを防止すること
のできる車両用駆動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の駆動輪及び従動輪の回
転数よりスリップレベルを検出し、検出されたスリップ
レベルが所定レベルよりも大きい場合には、点火時期、
スロットル弁の開度等を調整して当該車両の駆動力を抑
え、過大なスリップを防止する車両用駆動力制御装置が
提案されている。このような車両用駆動力制御装置は、
例えば特開昭63−20253号公報に記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような車両用駆
動力制御装置においては、駆動力制御中に、駆動力制御
用のシステムが故障(フェール)した場合には、通常の
走行状態に復帰するように構成されている。
【0004】ここで、比較的大きな駆動力の減少制御が
行われているときにシステムがフェールすると、減少さ
れた駆動力が通常の駆動力に即座に復帰するので、車両
に切換ショック等が生じるおそれがある。
【0005】本発明は、前述の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、駆動力制御用のシス
テムがフェールしても、車両にショック等が生じない車
両用駆動力制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、点火時期を調整することにより車両
の駆動力を制御するように構成された車両用駆動力制御
装置において、駆動力制御中に駆動力制御用のシステム
がフェールした場合には、点火時期の遅角量を遅角側に
漸次増加させ、該遅角量を用いて点火時期を演算するよ
うにした点に特徴がある。
【0007】また、駆動力制御中に駆動力制御用のシス
テムがフェールした場合には、フェール表示手段を付勢
するようにした点にも特徴がある。
【0008】さらに、前記遅角量の増加を、エンジン回
転数に応じて設定された最大遅角量まで行うようにした
点にも特徴がある。
【0009】さらにまた、遅角量が最大遅角量にまで遅
角された後、該遅角量を進角側に漸次減少させるように
した点に特徴がある。
【0010】
【作用】点火時期の遅角量を漸次増加させることによ
り、スロットル弁の開度状態にかかわらず、当該車両の
速度が低下する。
【0011】また、遅角量が最大遅角量にまで達した
後、該遅角量を漸次減少させることにより、当該車両の
速度は徐々に増加する。
【0012】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説
明する。図3は本発明の一実施例が適用される自動二輪
車の側面図、図4は図3の平面図である。各々の図にお
いて、同一の符号は、同一又は同等部分をあらわしてい
る。
【0013】各々の図において、自動二輪車1のエンジ
ン5には、エンジン回転数検出用の一対の第1パルサ2
A及び第2パルサ2Bが設けられている。前記第1パル
サ2Aは、クランク軸が所定角度回転するたびにパルス
信号PC1を発生し、第2パルサ2Bは、クランク軸が
所定角度に達するたびにパルス信号PC2を発生する。
自動二輪車1の前輪(従動輪)及び後輪(駆動輪)に
は、それぞれの車輪の回転速度を検出するための前輪速
度センサ3及び後輪速度センサ4が設けられている。こ
れらのセンサ3及び4は、前輪及び後輪が所定角度回転
するたびにパルス信号を発生する。
【0014】点火制御用ECU31は、メータパネル2
0の裏側(各種メータが配置された側と反対側)に配置
され、第1パルサ2A及び第2パルサ2Bより検出され
たエンジン回転数Ne 、前輪速度センサ3及び後輪速度
センサ4の出力信号等を用いて、後述するように、イグ
ニションコイル8の点火時期(点火角)を制御する。こ
の点火制御用ECU31は、図6に関して後述するよう
に、標準的な点火時期を演算する点火CPU305A
(図6)と、当該車両の、主に加速時の車輪のスリップ
を制御するための、駆動力制御(トラクションコントロ
ール)用の点火時期を演算する駆動力制御CPU305
B(図6)とを備えた、電子制御回路305を備えてい
る。
【0015】ALB用ECU32は、本発明の動作とは
直接は関係ないが、ブレーキ操作時において、当該自動
二輪車のスリップ率あるいはスリップ量が所定レベルを
超えた場合に、フロントキャリパ37及びリアキャリパ
38によるブレーキ動作を制御する。符号33,34,
35,36は、これらの制御を行うためのフロントモジ
ュレータ、リアモジュレータ、フロントブレーキマスタ
シリンダ、リアブレーキマスタシリンダである。
【0016】符号20はメータパネルであり、図4に示
されるように、スピードメータ21、タコメータ22、
フュエルメータ23、水温メータ24、ターンランプ
(左)25及びターンランプ(右)26を備えている。
このメータパネル20の上部にはインジケータパネル1
0が設けられている。
【0017】図5はインジケータパネル10の詳細を示
す平面図である。同図において、フレーム10Aには、
当該駆動力制御が解除されたことを示す解除ランプ1
1、当該駆動力制御が実行されていることを示す作動ラ
ンプ12、サイドスタンドが出ていることを示すサイド
スタンドランプ13、前記ALB用ECU32により実
行されるブレーキ制御(ALB)システムがフェールし
たことを表示するALBフェールランプ14及びALB
フェールLED94、オイル切れを表示するオイル警告
ランプ15、後述の駆動力制御システムがフェールした
ことを表示するフェールランプ16及びフェールLED
96、燃料切れを表示する燃料警告ランプ17、ヘッド
ライトの配光状態がハイ(ハイビーム)であることを表
示するハイビームランプ18、並びにエンジンの変速装
置がニュートラル状態であることを表示するニュートラ
ルランプ19が設けられている。
【0018】前記ランプ11〜13はオレンジ色、ラン
プ及びLED14〜17,94,96は赤色、ランプ1
8は青色、そしてランプ19は緑色である。なお、符号
10Bは、インジケータパネル10の取付穴である。
【0019】図3に戻り、符号28及び29はホーン及
び警告ブザー、図4において符号27,41,42,4
3,44は、それぞれ当該駆動力制御システムの解除ス
イッチ、スロットルグリップ、スイッチケース、イグニ
ションキー穴、ハンドルカバーである。
【0020】図6は本発明の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。同図において、図3及び図4と同一の符
号は同一又は同等部分をあらわしているので、その説明
は省略する。
【0021】第1パルサ2A及び第2パルサ2B、前輪
速度センサ3、並びに後輪速度センサ4より出力される
信号は、それぞれ波形整形回路301〜303を介して
電子制御回路305に入力される。
【0022】この電子制御回路305は、前述のように
点火CPU305A及び駆動力制御CPU305Bを備
えた、いわゆるデュアルCPU方式であり、各CPUは
相互に相手のCPUを監視している。以下に示すフロー
チャートでは、点火CPU305A及び駆動力制御CP
U305Bの動作が混在して示されているが、原則的に
は、前記点火CPU305Aはエンジンの標準的な点火
時期を演算し、前記駆動力制御CPU305Bはそれ以
外の駆動力制御用の点火時期等を演算する。
【0023】前記各点火時期への移行条件の判定は、前
記CPU305A及び/あるいはCPU305Bで行わ
れるが、後述のように駆動力制御CPU305Bがフェ
ールしたり、あるいは駆動力制御CPU305Bによる
駆動力制御が実行不能となった場合には、点火CPU3
05Aが、その後の制御(例えば図28や図38の制
御)を引き続き行う。
【0024】前記電子制御回路305には、前記各CP
U305A及び305Bの他にマイクロコンピュータを
構成する各種構成要素(ROM、RAM、インターフェ
ース)等が設けられている。そして、前記電子制御回路
305は、入力された各種信号を用いて、後述するよう
な手法で点火時期θig(後述するSθig(n) 、Cθig
(n) 、θig(n) )を演算し、ドライバ(点火制御装置)
69に出力する。これにより、イグニションコイル8に
よる点火時期がスリップ状態に応じて制御される。
【0025】本発明にかかる駆動力制御を行うか否かを
選択するための解除スイッチ27は、前記電子制御回路
305に接続されている。また前記電子制御回路305
は、本発明にかかる、スリップ状態に応じた駆動力制御
が行われている場合には、ドライバ71を介してインジ
ケータパネル10に設けられた作動ランプ12を点灯す
る。
【0026】インジケータパネル10に設けられた解除
ランプ11及びフェールランプ16は、ドライバ72及
び207を介して、前記電子制御回路305に接続され
ている。またフェールLED96は直接電子制御回路3
05に接続されている。またメータパネル20内に配置
された警告ブザー29は、ドライバ108を介して、前
記電子制御回路305に接続されている。
【0027】前記電子制御回路305は、必要に応じ
て、当該自動二輪車1の他の制御(燃料噴射制御、排気
制御、自動変速機の変速比制御、減速時におけるブレー
キ制御、ヘッドライト装置の配光制御等)を行う。
【0028】次に点火制御用ECU31で演算される本
発明の一実施例の動作を説明する。図7は当該自動二輪
車のイグニションスイッチ投入時に実行される処理を示
すフローチャートである。
【0029】まずステップS1においては、点火制御用
ECU31のイニシャライズが開始される。この際、後
述する各種フラグがリセットされる。ステップS2にお
いては、フェールランプ16、フェールLED96及び
解除ランプ11に通電され、点灯される。また警告ブザ
ー29に通電され、該警告ブザー29が所定の音量で鳴
る。
【0030】ステップS3においては、点火制御用EC
U31内の駆動力制御CPU305Bに故障が生じてい
るか否か、あるいは前輪速度センサ3、後輪速度センサ
4等のセンサが断線し、駆動力制御CPU305Bによ
る駆動力制御が実行不能となっていないか等が、公知の
手法により判定される。これらのフェールの場合には、
前述のように、点火CPU305Aで後の処理を継続す
ることができる。
【0031】後述するように、当該車両用駆動力制御装
置は、通常は、標準的な点火時期Sθig(n) を用いて点
火時期制御を行うものであるが、所定の条件を満たした
場合には、駆動力制御用の点火時期Cθig(n) (及びC
−Sθig(n) )を用いて、駆動力の制御を行う。標準的
な点火時期Sθig(n) は前記点火CPUで演算され、点
火時期Cθig(n) (及びC−Sθig(n) )は、駆動力制
御CPUで演算される。イグニションスイッチの投入
時、又はSθig(n) を用いて制御が行われている時にお
いて、駆動力制御CPU、又は前輪速度センサ3もしく
は後輪速度センサ4のフェールが確認された場合には、
第1フェールフラグが1となり、点火CPUにより標準
的な点火時期Sθig(n) のみを用いて点火制御される。
また、点火時期Cθig(n) (又はC−Sθig(n) )によ
り駆動力制御が行われている最中に、前記のフェールが
確認された場合には、第2フェールフラグが1となり、
点火CPUにより後述する図8のステップS23(図2
8)の駆動力制御のフェール制御が行われる。
【0032】フェールしていなければ、ステップS4に
おいてイニシャライズが終了したことが判定された後、
ステップS5において、前記解除ランプ11及び警告ブ
ザー29への通電が解除される。
【0033】前記ステップS3においてフェールが判定
された場合には、ステップS6において、第1フェール
フラグが1にセットされ、ステップS7において、前記
フェールランプ16及びフェールLED96が断続的に
通電され、それらが点滅する。そして、ステップS8に
おいて、イニシャライズが終了したか否かが判定され
る。ステップS5又はS7の処理の後、図8〜図10の
メインフローに移行する。
【0034】図8〜図10は本発明の一実施例の動作の
メインフローチャートであり、定時間経過ごとに実行さ
れる。まずステップS11においては、イニシャライズ
時に0にリセットされたnに1が加算される。
【0035】ステップS12においては、前記前輪速度
センサ3及び後輪速度センサ4より出力される信号を用
いて、公知の手法により、前輪回転速度の移動平均値
(以下、前輪速度という)VF(n) 及び後輪回転速度の
移動平均値(以下、後輪速度という)VR(n) が演算さ
れる。このステップS12の詳細を図11に示す。
【0036】図11において、ステップS61では、前
輪速度センサ3の出力パルスの周期TFを検出する。前
輪速度センサ3及び後輪速度センサ4の出力パルスを図
12に示す。同図においてTF(TR)は、前輪速度セ
ンサ3(後輪速度センサ4)の出力パルスの周期であ
る。
【0037】ステップS62においては、このルーチン
における前輪回転速度VVF(n) を第1式より算出す
る。
【0038】 VVF(n) =KF/TF …(1) ここで、KFは所定の定数である。
【0039】ステップS63においては、前輪回転速度
の移動平均値(前輪速度)VF(n)を、過去m個のVV
F(n) を用いて第2式より算出する。
【0040】 VF(n) =(VVF(n) +VVF(n-1) +VVF(n-2) +…+VVF(n-m+1) )/m …(2) ここで、mは正の整数である。
【0041】ステップS64においては、ステップS6
1〜S63に示されたような手法を用いて、後輪回転速
度の移動平均値(後輪速度)VR(n) を算出する。
【0042】図8に戻り、ステップS13においては、
第3式より当該自動二輪車の実際のスリップ量Vb(n)を
演算する。
【0043】 Vb(n)=VR(n) −VF(n) …(3) もちろん、前輪が駆動輪で、後輪が従動輪である場合に
は、VF(n) 及びVR(n) の値は入れ替えて用いられ
る。
【0044】ステップS14においては、第4式より当
該自動二輪車の実際のスリップ率Sb(n)を演算する。
【0045】 Sb(n)=Vb(n)/VR(n) …(4) この結果、スリップ率Sb(n)は、0〜1の範囲内で演算
される。
【0046】ステップS15においては、他の処理にお
いてPC1及びPC2を用いて公知の手法により演算さ
れたエンジン回転数Ne が読み出される。
【0047】ステップS16においては、後述するVT
減少制御に移行したときに1にセットされるVT減少フ
ラグが1であるか否かが判定される。1である場合には
ステップS19に移行し、0である場合にはステップS
17に移行する。
【0048】ステップS17においては、駆動力制御時
の目標となるスリップ量(以下、目標スリップ量とい
う)VT(n) が演算される。このVT(n) の演算は、例
えば図13に示すようなテーブルを予め記憶装置内に設
けておき、演算された前輪速度VF(n) に応じて目標ス
リップ率VT(n) を読み出すことにより行われる。な
お、図13のテーブルでは、VF(n) が減少中である場
合には、VF(n) が増加中である場合に比較してVT
(n) の値が大きくなるように、ヒステリシスが設けられ
ている。
【0049】ステップS18においては、標準的な点火
時期制御から駆動力制御用の点火時期制御に移行する際
の条件となる制御開始スリップ率(判定レベル)S1
(n) 、及び駆動力制御用の点火時期制御から標準的な点
火時期制御に移行する際の条件となる制御終了スリップ
率S2(n) が演算される。
【0050】前記スリップ率S1(n) の演算は、例えば
図14に示されるようテーブルを予め記憶装置内に設け
ておき、検出された車速(あるいは前輪速度)に応じて
S1(n) を読み出すことにより行われる。図14ではS
1(n) は車速が小さくなるにつれて小さくなるように設
定されている。
【0051】スリップ率S2(n) の演算は、S1(n) の
演算と同様にテーブルからのテーブル読み出しにより行
っても良いが、車速等の車両の条件にかかわらず、一定
の値(例えば7[%])に設定しておいても良い。
【0052】ここで、図13の目標スリップ量VT(n)
、並びに図14の前記スリップ率S1(n) 及びS2(n)
の一例を、車速(前輪速度VF(n) 、横軸)、及び車
輪速(この例は後輪速度VR(n) 、縦軸)の関係に換算
して図15に示す。この図15では、前輪速度VF(n)
も併記(この場合には縦軸は横軸と同じ前輪速度VF
(n) である)されている。
【0053】この図15より明らかなように、S1(n)
及びVT(n) は、当該車両の発進直後くらいまでの極低
速域においては、少なくとも中速域で設定されるレベル
とほぼ同等又はそれ以上に設定され、極低速域及び低速
域の境界においては、全車速域で最小レベルとなるよう
に一旦大きく減少された後、速度が上昇するにつれて漸
次上昇するように設定されている。
【0054】S1(n) 及びVT(n) は、高速域において
も漸次上昇するようになっているが、その上昇率は低速
域のそれの方が大きく設定されている。また、この例で
はS1(n) はVT(n) よりも大きく設定されている。
【0055】図8に戻り、ステップS19においては、
公知の手法により、エンジン回転数Ne を用いて、エン
ジンの標準的な点火時期(以下、標準点火時期という)
Sθig(n) が演算される。
【0056】ステップS20Aにおいては、駆動力制御
CPU、又は前輪速度センサ3若しくは後輪速度センサ
4のフェールが確認されているか否か、換言すれば、第
1又は第2フェールフラグが1であるか否かが判定され
る。フェールであれば、ステップS20Bにおいて第1
フェールフラグが1であるか否かが判定される。第1フ
ェールフラグが1であればステップS27に移行し、第
2フェールフラグが1であればステップS23に移行す
る。
【0057】フェールが確認されない場合には、ステッ
プS21においてチェックフラグが1であるか否かが判
定される。このチェックフラグは、図30のステップS
185に関して後述するように、イグニションスイッチ
投入後、後輪速度VR(n) が初めて所定車速VRmin を
超えた場合に1となる。チェックフラグが0であればス
テップS27に移行し、1であればステップS22に移
行する。
【0058】ステップS22においては、解除フラグが
1であるか否かが判定される。この解除フラグは、解除
スイッチ27(図4)の押下により、当該駆動力制御が
解除され、標準点火時期制御のみにより駆動力制御が行
われる場合に、1にセットされる。この解除フラグが1
であればステップS27に移行し、0であればステップ
S24に移行する。なお、解除スイッチ27が再び押下
されると、解除フラグは再び0となる。
【0059】ステップS24においては、現在、駆動力
制御用点火時期Cθig(n) でエンジンが制御中であるか
否かが判別される。駆動力制御用点火時期で制御中であ
ればステップS47に移行し、それ以外はステップS2
5に移行する。
【0060】ステップS25においては、駆動力制御用
点火時期を用いた制御に移行すべき条件であるか否かが
判別される。駆動力制御用点火時期を用いた制御に移行
すべき条件となった場合にはステップS32に移行し、
それ以外は、ステップS26に移行する。
【0061】前記ステップS25の処理の詳細を図16
に示す。図16より明らかなように、ステップS71に
おいて実際のスリップ率Sb(n)がS1(n) を超えている
と判定され、ステップS72において後輪速度VR(n)
が所定の車速VRonを超えていると判定され、ステップ
S73において今回検出された後輪速度VR(n) が前回
検出された後輪速度VR(n-1) を超えている(すなわち
後輪速度が上昇している)と判定され、ステップS74
において変速機がニュートラルでないと判定され、そし
てステップS75において前輪速度VF(n) が0を超え
ていると判定された場合には、図9のステップS32に
移行する。それ以外の場合には、図9のステップS26
に移行する。
【0062】図9に戻り、ステップS26においては移
行フラグが1であるか否かが判定される。この移行フラ
グは、後述するステップS37の移行制御が実行されて
いるときに1にセットされる。移行フラグが1である場
合にはステップS37に移行し、0である場合にはステ
ップS27に移行する。
【0063】ステップS27においては、点火時期θig
(n) としてステップS19で演算された標準点火時期S
θig(n) が採用される。
【0064】ステップS41においては、決定された点
火時期による点火タイミングであるか否が判別される。
点火タイミングであれば、ステップS42において点火
され、その後ステップS43に移行する。また、点火タ
イミングでなければ、直接ステップS43に移行する。
【0065】ステップS43においては、点火時期θig
(n) として、後述する駆動力制御用点火時期Cθig(n)
(あるいは移行制御中のC−Sθig(n) )が採用された
か否かが判別される。Cθig(n)(又はC−Sθig(n)
)が採用されていなければ、ステップS46において
作動ランプ12が消灯(オフ)され、その後、当該処理
は終了する。
【0066】前記ステップS43において、Cθig(n)
(又はC−Sθig(n) )の採用が判定されたならば、ス
テップS44において、Cθig(n) (又はC−Sθig
(n) )とSθig(n) との差の絶対値が所定角度R度以上
であるか否かが判別される。前記所定角度R度未満であ
ればステップS46に移行し、R度以上であればステッ
プS45に移行する。
【0067】ステップS45においては、作動ランプ1
2が点灯(オン)され、その後、当該処理は終了する。
【0068】さて、ステップS25において、駆動力制
御への移行タイミングであることが判定された場合に
は、ステップS32において、駆動力制御用点火時期C
θig(n) が演算される。この処理の詳細を図17に示
す。
【0069】図17において、まずステップS81にお
いては、PIDフィードバック制御項である比例項Tp
、積分項Ti 及び微分項Td が、第5式〜第7式より
演算される。
【0070】 Tp =(Vb(n)−VT(n) )×Gp =ΔV(n) ×Gp …(5) Ti =(ΔV(n) +ΔV(n-1) +ΔV(n-2) +…+ΔV(1) )×Gi =dtΣΔV(n) ×Gi …(6) Td =(ΔV(n-1) −ΔV(n) )×Gd …(7) ここで、Gp 、Gi 及びGd は予め設定された制御ゲイ
ン、ΔV(n) は現在の実スリップ量Vb(n)と目標スリッ
プ量VT(n) との差である。また、dtΣΔV(n) は、
最初の定時間割込において演算されたΔV(n) の値(す
なわちΔV(1))から、今回の定時間処理において演算
されたΔV(n) の値までの総和である。
【0071】次にステップS82においては、第8式よ
り前記各制御項の合算値Ktotal が演算される。
【0072】 Ktotal =Tp +Ti +Td …(8) ステップS83においては、前記Ktotal 及び前記ステ
ップS15において読み込まれたエンジン回転数Ne を
用いて、基本補正量Δθigが設定される。この基本補正
量Δθigは、図18に示されるようにKtotal 及びエン
ジン回転数Neをパラメータとするマップから読み出さ
れる。このマップでは、Δθigは、Neに対しては図1
9に示されるような関係で、またKtotal に対しては図
20に示されるような関係で予めセッティングされてい
る。なお、図18〜図20においては、Δθigの+値は
点火時期の進角側、−値は遅角側のデータである。
【0073】ステップS84においては、後述するステ
ップS87でセットされた減算補正量Zが0であるか否
かが判別される。ステップS87においては、減算補正
量Zは、正の値にセットされる。
【0074】Zが0であれば、ステップS85におい
て、前回演算された実スリップ量Vb(n-1)が、目標スリ
ップ量VT(n) と予め設定されたスリップ量V3 との和
の値を下回っているか否かが判別される。下回っていな
ければステップS88に移行し、下回っていればステッ
プS86に移行する。
【0075】ステップS86においては、今回演算され
た実スリップ量Vb(n)が、目標スリップ量VT(n) と前
記スリップ量V3 との和の値以上であるか否かが判別さ
れる。前記和の値以上でなければステップS88に移行
し、前記和の値以上であればステップS87に移行す
る。
【0076】ステップS87においては、例えば前輪速
度VF(n) (すなわち車速)に応じて減算補正量Zが読
み出され、その後、ステップS88に移行する。ここで
前記減算補正量Zは、例えば図21に示されるように前
輪速度VF(n) が大きいほど大きな値に設定される。
【0077】一般に同じスリップ状態であっても、低速
時よりも高速時の方が早く駆動力を抑制することが望ま
しい。この実施例では、車速に応じた減算補正量Zの設
定が行われることにより、駆動力制御がさらに良好に行
われるようになる。このZは、後述のように、Δθigと
同様に駆動力制御用点火時期の遅角量となる。
【0078】前記ステップS84においてZが0でない
と判別された場合には、ステップS92においてZから
所定値(所定遅角量)Qが減算され、その後、ステップ
S88に移行する。
【0079】ステップS88においては、図8のステッ
プS19において演算された標準点火時期Sθig(n) が
読み出される。ステップS89においては、第9式よ
り、当該自動二輪車1の変速機(図示せず)のギヤ比R
が演算される。
【0080】 R=(VR(n) ×1000)/(Ne ×60) …(9) ステップS90においては、前記ギヤ比Rに応じてギヤ
比係数Kg が設定される。このギヤ比係数Kg は、図2
2に示すように、ギヤ比Rが大きい場合には大きな値に
設定される。これにより、後述のように、エンジンのト
ルクが大きい場合には、小さい場合に比較してΔθigの
値が大きく補正される。
【0081】ステップS91においては、第10式よ
り、駆動力制御用点火時期Cθig(n)が演算される。
【0082】 Cθig(n) =Sθig(n) +{(Δθig×Kg )−Z} …(10) このようにしてCθig(n) が演算された後は、この図1
7の処理は終了する。なお、第10式より明らかなよう
に、減算補正量Zがセットされた直後の場合には、Zが
セットされていない場合(Z=0の場合)に比較して、
点火時期Cθig(n) が大きく遅角される。
【0083】図9に戻り、ステップS33においては、
駆動力制御用点火時期で制御を継続すべき条件である
か、標準点火時期を用いた制御に移行するための移行制
御に移行すべき条件であるかが、判別される。駆動力制
御用点火時期で制御を継続すべき条件である場合にはス
テップS38に移行し、前記移行制御に移行すべき条件
となった場合には、ステップS34に移行する。
【0084】このステップS33の処理の詳細を、図2
3に示す。図23において、まずステップS101で
は、実スリップ率Sb(n)が前記制御終了スリップ率S2
(n) を下回ったか否かが判別される。下回っていなけれ
ばステップS108に移行し、下回っていればステップ
S102に移行する。
【0085】ステップS102においては、Cθig(n)
とSθig(n) との差の絶対値が所定角度r度以上である
か否かが判別される。前記所定角度r度未満であればス
テップS108に移行し、r度以上であればステップS
103に移行する。
【0086】ステップS103においては、標準制御へ
の復帰用第1タイマ(以下、標準制御復帰用第1タイマ
という)が時間を計測中であるか否かが判定される。計
測中であれば、ステップS105に移行し、計測中でな
ければ、ステップS104において、前記タイマをリセ
ットした後、スタートし、時間の計測を開始する。
【0087】ステップS105においては、前記標準制
御復帰用第1タイマが所定時間Tnを計測したか否かが
判別される。Tn の経過が判別されない場合には、ステ
ップS38に移行する。
【0088】Tn の経過が判別された場合には、ステッ
プS106において前記タイマがストップされ、リセッ
トされる。そして、ステップS107において、Zが0
にリセットされた後、当該処理はステップS34に移行
する。
【0089】前記ステップS101又はS102におい
て否定判断が成された場合には、ステップS108にお
いて、前記標準制御復帰用第1タイマが時間を計測中で
あるか否かが判定され、計測中であればステップS10
9において該タイマがストップ、リセットされた後、ス
テップS38に移行する。計測中でなければ直接ステッ
プS38に移行する。
【0090】図9に戻り、前記ステップS33において
移行制御への移行タイミングでないことが判定された場
合には、ステップS38において、点火時期θig(n) と
して駆動力制御用点火時期Cθig(n) が採用される。
【0091】ステップS39においては、駆動力制御が
開始されてからの時間を計測するためのCθigタイマが
時間を計測中であるか否かが判別される。計測中であれ
ばステップS41に移行し、計測中でなければ、ステッ
プS40において前記Cθigタイマがリセットされ、ス
タートされる。その後、ステップS41に移行する。前
記ステップS33において標準点火制御への移行タイミ
ングであることが判定された場合には、ステップS34
において、前記Cθigタイマがストップされ、リセット
される。
【0092】そして、ステップS36において、移行フ
ラグが1にセットされる。その後、当該処理はステップ
S37に移行する。このステップS37の詳細を図24
に示す。
【0093】図24において、ステップS111では、
基本補正量Δθigの絶対値が、該Δθigの絶対値から所
定値Lだけ減算された値にセットされる。
【0094】ステップS112においては、前記Δθig
が0となったか否かが判定され、0であれば、ステップ
S114において移行フラグが0にリセットされた後、
ステップS27に移行する。また、Δθigが0でなけれ
ば、ステップS113において第11式を用いて、点火
時期C−Sθig(n) が演算される。
【0095】 C−Sig(n) =Sθig(n) +Δθig …(11) なお、この第11式においては、ステップS111で算
出されたΔθigに対して、さらにギヤ比係数Kg を乗算
したものを用いても良い。この後、当該処理はステップ
S41に移行する。
【0096】さて、前記ステップS47においては、V
T減少フラグが1であるか否かが判別される。1である
場合にはステップS31に、0である場合にはステップ
S30に移行する。
【0097】ステップS30の処理の詳細を図25に示
す。同図において、まずステップS121においては、
Cθigタイマが所定時間Tcont(例えば3[sec])を計
測したか否かが判定される。計測していなければステッ
プS32へ、また計測していればステップS122に移
行する。
【0098】ステップS122においては、実スリップ
率Sb(n)が制御終了スリップ率S2(n) 以上であるか否
かが判定される。Sb(n)がS2(n) 未満であればステッ
プS32に移行し、Sb(n)がS2(n) 以上であれば、ス
テップS123においてVT減少フラグが1にセットさ
れ、その後、図9のステップS31のVT減少制御処理
へと移行する。
【0099】なお、ステップS122の処理を省略し、
ステップS121の処理のみで、VT減少制御開始タイ
ミングの判定を行なっても良い。
【0100】ステップS31の処理の詳細を図26に示
す。同図において、まずステップS131においては、
目標スリップ量VT(n) が所定スリップ量VTmin (例
えば0[km/h]、すなわちVF(n) =VR(n) )以下と
なったか否かが判別され、VTmin 以下であればステッ
プS133に移行し、VTmin 以下でなければ、ステッ
プS132において目標スリップ量VT(n) から所定値
Wが減算された値を新たな目標スリップ量VT(n) とし
た後、ステップS133に移行する。
【0101】次のステップS133からステップS14
0までの処理は、VT(n) をVTmin に減少させて駆動
力制御を継続するか、該制御から標準点火時期Sθig
(n) による制御へ移行するかを判定する処理である。
【0102】ステップS133においては、実スリップ
量Vb(n)が前記VTmin 以下であるか否かが判定され
る。Vb(n)がVTmin を超えていればステップS139
に移行し、VTmin 以下であればステップS134に移
行する。
【0103】ステップS134においては、Cθig(n)
とSθig(n) との差の絶対値が所定角度r度以下である
か否かが判別される。所定角度r度を超えていればステ
ップS139に移行し、r度以下であればステップS1
35に移行する。なお、このステップS134における
しきい値rは、前記ステップS102のrと同一である
が、異なる値であっても良い。
【0104】ステップS135においては、ステップS
133及びS134の肯定判断が成されてからの時間を
計測し、標準制御への移行判定を行う復帰用第2タイマ
(以下、標準制御復帰用第2タイマという)が時間を計
測中であるか否かが判定される。計測中であればステッ
プS137に移行し、計測中でなければステップS13
6において、前記タイマをリセットした後、スタート
し、時間の計測を開始する。
【0105】ステップS137においては、前記標準制
御復帰用第2タイマが所定時間Tnを計測したか否かが
判別される。Tn の経過が判別されない場合には、ステ
ップS32に移行する。またTn の経過が判別された場
合には、ステップS138において前記タイマがストッ
プ、リセットされた後、ステップS141でVT減少フ
ラグが0にリセットされ、その後、ステップS34に移
行する。なお、このステップS137における時間Tn
は前記ステップS105のTn と同一であるが、異なる
値であっても良い。
【0106】前記ステップS133又はS134におい
て否定判断が成された場合には、ステップS139にお
いて、前記標準制御復帰用第2タイマが時間を計測中で
あるか否かが判定され、計測中であればステップS14
0において該タイマがストップ、リセットされた後、ス
テップS32に移行する。計測中でなければ直接ステッ
プS32に移行する。
【0107】さて、これらの処理が実行されている間
に、所定の手法により、点火制御用ECU31内の駆動
力制御CPUに故障が生じているか否か、あるいは前輪
速度センサ3、後輪速度センサ4等のセンサが断線して
いないか等、すなわち当該駆動力制御システムがフェー
ルしたか否かが判定される。このフェール判定時にSθ
ig(n) が出力されている場合には、割込処理により第1
フェールフラグが1となる。また前記フェール判定時
に、Cθig(n) が出力されている場合には、図27に示
された割込処理が実行される。
【0108】図27において、ステップS151では、
第2フェールフラグが1にセットされる。ステップS1
52においては、フェールランプ16及びフェールLE
D96が点滅される。その後、当該処理は終了し、元の
ルーチンに戻る。
【0109】このステップS151において第2フェー
ルフラグが1となった場合には、図8のステップS20
BからステップS23のフェール処理に移行する。この
ステップS23の処理の詳細を図28に示す。このフェ
ール処理は、前述のように駆動力制御用CPUによる点
火時期演算が不能となったときに実行される。この処理
は点火CPUで実行されることができるが、フェール時
用に用いられるCPUを別に設けておき、該CPUで実
行するようにしても良い。
【0110】図28において、まずステップS161で
は図29に示されるようなテーブルから、エンジン回転
数Ne に応じて点火時期の遅角量Rθigmax (−値)が
読み出される。
【0111】ステップS162においては、フェール制
御開示フラグ(このフラグは、図28の処理に最初に移
行した場合に1にセットされる)が1にセットされてい
るか否かが判定される。セットされていない場合、すな
わち当該処理に最初に移行した場合には、ステップS1
63においてフェール制御開始フラグが1にセットされ
る。
【0112】ステップS164においては、現在の点火
時期遅角量(−値)がRθigmax (−値)以下であるか
否かが判定される。現在の点火時期遅角量とは、点火時
期制御が駆動力制御中である場合(ステップS38の処
理を通過した場合)には第10式に示される{(Δθig
×Kg )−Z}なる値(−値)、点火時期制御が駆動力
制御から標準点火時期制御への移行途中での移行制御で
ある場合(ステップS37の処理を通過した場合)には
第11式のΔθigなる値(−値)、また点火時期制御が
標準点火時期制御である場合(ステップS27の処理を
通過した場合)には0なる値である。
【0113】現在の点火時期遅角量がRθigmax 以下で
ある場合、すなわち、現在の遅角量がRθigmax と同じ
か、Rθigmax よりも遅角側にある場合には、ステップ
S165において現在の点火時期遅角量がRθigmax に
セットされる。また現在の点火時期遅角量がRθigmax
を超えている場合、すなわちRθigmax よりも進角側に
ある場合には、ステップS166において現在の点火時
期遅角量から所定量M(+値)が減算された値がRθig
max にセットされる。すなわち、現在の遅角量がMだけ
さらに遅角されてRθigmax がセットされる。なお、前
記ステップS165の処理は省略されても良い。
【0114】ステップS167においては、第12式を
用いて点火時期θig(n) が演算される。
【0115】 θig(n) =Sθig(n) +Rθigmax …(12) ステップS168においては、後述するステップS16
9及びS170で用いられるRθig(n) として、Rθig
max がセットされる。その後、当該処理はステップS4
1(図10)に移行する。
【0116】前記ステップS162においてフェール制
御開始フラグが1にセットされていることが判別された
場合には、ステップS169において、前回のこの処理
のステップS168でセットされたRθig(n) 、すなわ
ちRθig(n-1) が、ステップS161でセットされたR
θigmax 以下であるか否かが判別される。Rθig(n-1)
がRθigmax 以下である場合には、ステップS171に
おいて第1フェールフラグが1にセットされると共に、
第2フェールフラグが0にリセットされる。その後、ス
テップS167に移行する。Rθig(n-1) がRθigmax
を超えていれば、ステップS170においてRθig(n-
1) から所定の遅角量Mが減算された値がRθigmax に
セットされる。すなわち、Rθig(n-1) がMだけ遅角側
に修正された後、Rθigmax にセットされる。その後、
ステップS167に移行する。
【0117】なお、前記ステップS171の処理を省略
し、該処理の代りに、ステップS161で読み出された
Rθigmax をSθig(n) に加算して点火時期θig(n) を
演算し、遅角量を図29のテーブルでセットされる値に
保持したまま、走行を続けるようにしても良い。
【0118】次に図5に示した各種ランプ等の制御を説
明する。図30は定時間割込により行われるランプ等処
理の詳細を示すフローチャートである。同図において、
ステップS181においては、第1又は第2フェールフ
ラグが1であるか否かが判定される。
【0119】1でなければステップS182において、
ステップS22(図8)に関して前述した解除フラグが
1にセットされているか否かが判別される。解除フラグ
が1である場合にはステップS183において解除ラン
プ11(図5)がオン(点灯)され、0である場合には
ステップS184において該ランプ11がオフ(消灯)
される。
【0120】ステップS185においては、チェックフ
ラグが1であるか否かが判定される。このチェックフラ
グは、ステップS187で示されるように、イグニショ
ンスイッチ投入後、後輪速度VR(n) が初めて所定速度
VRmin を超えた場合に1となる。チェックフラグが1
となっている場合にはステップS190に移行し、0で
ある場合にはステップS186に移行する。
【0121】ステップS186においては、後輪速度V
R(n) が所定速度VRmin を超えたか否か(すなわち、
前述のように、イグニションスイッチ投入後、VR(n)
が初めてVRmin を超えたか否か)が判別される。超え
ていなければ、ステップS189において、フェールラ
ンプ16及びフェールLED96(図5)が点滅された
後、ステップS190に移行する。
【0122】VR(n) がVRmin を超えていれば、ステ
ップS187においてチェックフラグが1にセットさ
れ、続いてステップS188において前記フェールラン
プ16及びフェールLED96がオフ(消灯)された
後、ステップS190に移行する。
【0123】ステップS190においては、駆動力制御
が行われている場合には、該制御が開始されてからの時
間を計測しているCθigタイマ(図9のステップS39
参照)が所定時間TBを計測したか否かが判別される。
TBを計測していないときにはそのまま当該処理は終了
し、TBを計測しているときにはステップS191に移
行する。
【0124】ステップS191において、図31に示さ
れたようなテーブルから、前輪速度VF(n) に応じてデ
ューティ比を読み出す。ステップS192においては、
読み出されたデューティ比に応じて警告ブザー29に通
電される。前記警告ブザー29に対しては、図32に示
されるような電圧が印加される。図32においては、複
数のパルスより成るパルス群D2が周期D1で発生する
ようになっていて、この各パルス群D2のパルスの個数
が前記デューティ比に応じて変化するようになってい
る。
【0125】図31では、前記デューティ比は前輪速度
VF(n) が大きくなるほど大きくなるようにセットされ
ているので、車速が大きいほど各パルス群D2のパルス
数が大きくなり、警告ブザー29に印加される平均電圧
が大きくなる。したがって、音圧が高くなる。このステ
ップS192の処理が終了した後は、当該処理は終了す
る。
【0126】前記ステップS181において、第1又は
第2フェールフラグが1であると判定された場合には、
ステップS193においては、消灯スイッチ(図示せ
ず)がオンであるか否かが判定される。オンでなければ
そのまま当該処理は終了し、オンであればステップS1
94においてフェールランプ16のみがオフ(消灯)と
された後、当該処理は終了する。もちろん、ステップS
194の処理に移行した時点ですでにフェールランプ1
6がオフであった場合には、そのまま終了する。
【0127】図1、図2及び図34は本発明の一実施例
の機能ブロック図である。各々の図において、図6と同
一の符号は、同一又は同等部分をあらわしている。図
1、図2及び図34において、Ne 検出手段62は、第
1パルサ2A及び第2パルサ2Bの出力信号PC1及び
PC2を用いてエンジン回転数Neを検出する。
【0128】パルス周期計測手段3A及び4A、車輪速
演算手段3B及び4B、並びに平均車輪速演算手段3C
及び4Cは、それぞれ前輪速度センサ3及び後輪速度セ
ンサ4より出力されるパルス信号を用いて、図11に示
されたように、TF及びTR、VVF(n) 及びVVR
(n) 、並びにVF(n)及びVR(n) を演算する。
【0129】スリップ量演算手段51は、第3式より実
際のスリップ量Vb(n)を演算する。またスリップ率演算
手段52は、第4式より実際のスリップ率Sb(n)を演算
する。 目標スリップ量記憶手段53には、図13に示
されたようなテーブルが記憶されていて、VF(n) に応
じた目標スリップ量VT(n) が、切換手段54を介して
制御項演算手段55に出力される。
【0130】制御項演算手段55は、第5式〜第7式を
用いてフィードバック制御項Tp 、Ti 及びTd を演算
する。Ktotal 演算手段56は、第8式を用いてKtota
l を演算する。
【0131】Δθig設定手段57には、図18〜図20
に示されるような基本補正量テーブルが記憶されてい
て、Ktotal 及びエンジン回転数Ne に応じた基本補正
量Δθigが駆動力制御用点火時期演算手段67に出力さ
れる。
【0132】状況判定手段58は、図17のステップS
85及びS86に示された処理を、今回演算されたスリ
ップ量Vb(n)、前回演算されたスリップ量Vb(n-1)、目
標スリップ量VT(n) 、及びV3記憶手段59に記憶さ
れたV3を用いて行う。
【0133】Z設定手段60は、後述する漸減制御手段
61よりZが出力されていない場合(Z=0の場合)
に、状況判定手段58の出力により付勢され、前輪速度
VF(n) に応じて減算補正量Zをセットする。このセッ
トは、図21に示したような、例えばVF(n) 応じて予
めZの値が記憶されたテーブルから、Zのデータを読み
出すことにより行われる。
【0134】漸減制御手段61は、Z設定手段60より
出力されるZの値を所定時間ごと(例えば駆動力制御用
点火時期演算手段67による演算タイミングごと)に減
少して、該演算手段67に出力する。また、この漸減制
御手段61は、Zが0となるまで、Z設定手段60によ
るZの再セットを禁止する。
【0135】R演算手段63は、エンジン回転数Ne 及
び後輪速度VR(n) 、並びに第9式を用いて、ギヤ比R
を演算する。
【0136】Kg 設定手段64は、ギヤ比Rに応じてギ
ヤ比係数Kg をセットする。このセットは、図22に示
したように、例えばギヤ比Rに応じて予めKg の値が記
憶されたテーブルから、Kg のデータを読み出すことに
より行われる。セットされたKg は、前記駆動力制御用
点火時期演算手段67に出力される。
【0137】標準点火時期演算手段65は、公知の手法
を用いて、エンジン回転数Ne を用いて標準点火時期S
θig(n) を演算する。このデータは、点火時期記憶手段
66に一時的に記憶されると共に、切換手段68に出力
される。
【0138】前記駆動力制御用点火時期演算手段67
は、Δθig設定手段57より出力される基本補正量Δθ
ig、Kg 設定手段64より出力されるKg 、漸減制御手
段61より出力されるZ、及び点火時期記憶手段66に
記憶されたSθig(n) を用いて、第10式より、駆動力
制御用点火時期Cθig(n) を演算し、切換手段68に出
力する。
【0139】切換手段36は、常時はSθig(n) をイグ
ニションコイル8のドライバ(点火制御装置)69に出
力するが、第1切換制御手段70より制御信号が出力さ
れた場合には、Cθig(n) をドライバ69に出力する。
前記ドライバ69は、入力された点火時期でイグニショ
ンコイル8を付勢する。
【0140】前記第1切換制御手段37は、図9のステ
ップS25(すなわち図16)に示されたような機能を
有し、図16のステップS22において肯定判断が成さ
れた場合に、標準的な点火制御から駆動力制御用の点火
制御へ切り換えるための制御信号を、切換手段68に出
力する。
【0141】切換手段68よりCθig(n) が出力されて
いる場合には、ドライバ71は、Cθig(n) 及びSθig
(n) を用いて、図10のステップS44の判断を行い、
該判断が肯定である場合には、作動ランプ12を付勢
し、点灯する。
【0142】また、切換手段68がCθig(n) を選択
し、出力している場合には、Cθigタイマ101が起動
される。このCθigタイマ101が所定時間Tcontを計
測した場合には、アンドゲート102が開かれる。この
後、実スリップ率Sb(n)が、S2記憶手段103に記憶
された制御終了スリップ率S2(n) 以上であると、比較
手段104により判定された場合には、VT減少制御手
段105が起動されると共に、切換手段54が付勢さ
れ、前記VT減少制御手段105の出力信号を制御項演
算手段55に出力するようになる。
【0143】前記VT減少制御手段105は、前記目標
スリップ量記憶手段53よりVF(n) に応じて読み出さ
れた目標スリップ量VT(n) と、VTmin 記憶手段10
6に記憶されたVTmin と、所定値Wとを用いて、図2
6のステップS131及びS132に示されたような処
理を行い、目標スリップ量VT(n) を減少させる。この
減少された目標スリップ量VT(n) は、切換手段54を
介して制御項演算手段55に出力される。
【0144】前記VT減少制御手段105の出力信号
が、切換手段54を介して制御項演算手段55に出力さ
れているときには、第3切換制御手段109が起動さ
れ、図26のステップS133〜S141で示される判
定処理が行われる。そして、第3切換制御手段109に
より、図26のステップS137で示される処理が肯定
判断された場合には、切換手段54が初期状態に復帰さ
れ、さらに、切換手段68が付勢され、該切換手段68
から、移行制御用点火時期演算手段74の出力信号であ
るC−Sθig(n) がドライバ69に出力されるようにな
る。
【0145】前記移行制御用点火時期演算手段74は、
点火時期の遅角量である基本補正量Δθigを所定値Lだ
け0に近付け、そのΔθigと、点火時期記憶手段66に
記憶されたSθig(n) とを用いて、第11式より点火時
期C−Sθig(n) を演算する。
【0146】前記移行制御用点火時期演算手段74は、
Δθigが0となった時点で切換手段68を付勢し、点火
時期記憶手段66に記憶されたSθig(n) を、再びドラ
イバ69に出力する。
【0147】切換手段54が目標スリップ量記憶手段5
3に記憶された目標スリップ量VT(n) を制御項演算手
段55に出力しており、かつCθig(n) が切換手段68
からドライバ69に出力されているときには、第2切換
制御手段73が起動され、図23のステップS101〜
S109で示される判定処理が行われる。そして、第2
切換制御手段73により、図23のステップS105で
示される処理が肯定判断された場合は、第3切換制御手
段109の場合と同じように、切換手段68が付勢さ
れ、該切換手段68から、移行制御用点火時期演算手段
74の出力信号であるC−Sθig(n) がドライバ69に
出力されるようになる。
【0148】前記Cθigタイマ101が所定時間TBを
計測した場合には、デューティ比設定手段107におい
て、図31に示したようなテーブルからVF(n) に応じ
てデューティ比が読み出される。そして、このデューテ
ィ比に応じて、ドライバ108が警告ブザー29を制御
する。
【0149】解除スイッチ27は、前記駆動力制御用点
火時期演算手段67又は移行制御用点火時期演算手段7
4で演算される点火時期Cθig(n) 又はC−Sθig(n)
を用いてイグニションコイル8の制御を行わないように
するためのスイッチである。この解除スイッチ27が押
下された場合には、切換手段68は、Sθig(n) のみを
ドライバ69に出力する。またこの場合には、ドライバ
72が付勢され、解除ランプ11が点灯される。前記解
除スイッチ27を再度押下すると、再び、点火時期Cθ
ig(n) 又はC−Sθig(n) を用いた制御が可能となり、
ドライバ72が消勢されて、解除ランプ11が消灯され
る。
【0150】さて、フェール検出手段201は、切換手
段68がCθig(n) (又はC−Sθig(n) )を選択、出
力している場合に、点火制御用ECU31内の駆動力制
御CPUに故障が生じているか否か、あるいは前輪速度
センサ3、後輪速度センサ4等のセンサが断線していな
いか等、当該駆動力制御システムがフェールしたか否か
を判定する。
【0151】フェールが検出された場合には、フェール
制御用点火時期演算手段202が付勢されると共に、該
点火時期演算手段202より出力される点火時期θig
(n) がドライバ69に出力されるように、切換手段68
が制御される。
【0152】Rθigmax 記憶手段204には、図29に
示されるようなテーブルが記憶されていて、エンジン回
転数Ne に応じたRθigmax がフェール制御用点火時期
演算手段202に出力される。
【0153】前記フェール制御用点火時期演算手段20
2に対しては、移行制御用点火時期演算手段74で演算
されたC−Sθig(n) 、又は駆動力制御用点火時期演算
手段67で演算されたCθig(n) のうち、切換手段68
より出力されているほうの点火時期がオアゲート203
より出力される。そして、フェール制御用点火時期演算
手段202は、前記点火時期、並びにRθigmax 記憶手
段204より出力されたRθigmax 、及び点火時期記憶
手段66に記憶されたSθig(n) を用いて、図28のス
テップS167で示されたような演算を行い、演算結果
である点火時期θig(n) を、切換手段68に出力する。
この点火時期Cθig(n) がドライバ69に出力される。
【0154】図示されない消灯スイッチの出力信号は、
インバータ205を介して、オアゲート206の一方の
端子に出力される。したがって、前記消灯スイッチが押
下されていない場合には、オアゲート206は開かれ
る。
【0155】フェール検出手段201によりフェールが
検出された場合には、該フェール検出手段201は、前
記オアゲート206の他方の端子、及びフェールLED
96に“1”を出力する。したがって、前記消灯スイッ
チが押下されていない場合には、前記フェールの検出に
よりフェールランプ16及びフェールLED96の双方
が点滅される。また、前記消灯スイッチが押下された場
合には、インバータ205の出力が“0”となり、フェ
ールランプ16の点滅が解除される。
【0156】なお、符号75はS1記憶手段であり、制
御開始スリップ率S1(n) を記憶している。このS1
(n) は前記第1切換制御手段70による判定条件として
用いられる。
【0157】さて、図15には、目標スリップ量VT
(n) 、並びに制御開始スリップ率S1(n) 及び制御終了
スリップ率S2(n) の一例を、車速(前輪速度VF(n)
、横軸)、及び車輪速(この例は後輪速度VR(n) 、
縦軸)の関係に換算して示したが、それらの他の例を図
35に示す。同図においては、縦軸はスリップ量(第3
式参照)で示してある。また、同図に示された百分率
は、制御開始スリップ率S1(n) 及び制御終了スリップ
率S2(n) の各ライン上における点の実際の数値であ
る。
【0158】また、図18に示された基本補正量Δθig
マップは、図19及び図20に示されたような関係でセ
ッティングされるものとしたが、具体的には、図36及
び図37のような関係でセッティングされることができ
る。なお、図36においてはKtotal 値は0〜12の値
にセットされているが、これは当該電子制御回路305
(図6)が演算しうる最大のKtotal の値が30である
場合のものである。
【0159】ここで、図36の符号Aで示された領域で
は、エンジン回転数Ne の上昇にかかわらず、Δθigの
値は一定値を保つようになっているが、これは次の理由
による。すなわち、本発明者は、種々の実験を行った結
果、Ktotal がほぼ0であり、エンジン回転数が符号A
の領域にある場合には、高摩擦係数(μ)路においてス
ロットル弁をほぼ全開状態として加速している状況であ
るとの実験データを得ている。このような場合には、点
火時期の遅角を大きくすると、スロットル弁全開加速の
状態にはそぐわないので、このような場合には遅角量の
増大を抑えて、加速性能を向上するようにしている。
【0160】さて、図28に示されたフェール制御(図
8のステップS23)の内容は、駆動力制御中において
当該駆動力制御システムがフェールした時には、点火時
期の遅角量を現在の遅角量から図29のテ―ブルより読
出されたRθigmax まで徐々に増大させるものであり、
この結果、車両にショック等が生じない。このような処
理に加えて、遅角量が前記Rθigmax に達した後から所
定時間を経過した後には、逆に前記遅角量を徐々に小さ
くして、点火時期を標準点火時期に復帰させるようにし
ても良い。もちろん、当該システムのフェール表示はそ
のままである。
【0161】このような処理動作のフローチャートを図
38に示す。同図において、図28と同一の符号は同一
又は同等部分をあらわしているので、その説明は省略す
る。フェール後、最初に当該処理に移行した場合には、
ステップS162からステップS163及びS164に
移行し、現在の点火時期遅角量(−値)がステップS1
61で読み出された遅角量Rθigmax (−値)以下であ
る場合、すなわち現在の遅角量がRθigmax と同じか、
Rθigmax よりも遅角側にある場合には、Rθigmax が
そのままSθig(n) に加算されて、点火時期θig(n) が
演算される(ステップS167)。また、点火時期遅角
量がRθigmax を超えている場合、すなわちRθigmax
よりも進角側にある場合には、ステップS166におい
て現在の点火時期遅角量から所定量M(+値)が減算さ
れた値がRθigmax にセット(現在の遅角量がMだけさ
らに遅角されてRθigmax がセット)される。そしてこ
のRθigmax がSθig(n) に加算されて、点火時期θig
(n) が演算される。
【0162】フェール後、2回目以降に当該処理に移行
した場合には、ステップS162からステップS169
に移行し、前回のこの処理で読み出され、あるいはセッ
トされたRθigmax であるRθig(n) 、すなわちRθig
(n-1) が、今回のステップS161で読み出されたRθ
igmax 以下であるか否か(Rθigmax よりも遅角側であ
るか否か)が判別される。Rθig(n-1) がRθigmax を
超えていれば(Rθigmax よりも進角側であれば)、ス
テップS170においてRθig(n-1) から所定量Mが減
算された値がRθigmax にセットされた後、ステップS
167において点火時期θig(n) が演算される。また、
Rθig(n-1) がRθigmax 以下である(Rθigmax より
も遅角側である)場合には、ステップS201以降の処
理に進む。
【0163】ステップS201においては、Rθigmax
カウンタ(あるいはタイマ)がカウント中であるか否か
が判定される。このステップS201の判定が最初に実
行される場合には、Rθigmax カウンタはカウント中で
はないから、ステップS202に移行し、該Rθigmax
カウンタのカウントが開始される。
【0164】ステップS203においては、前記Rθig
max カウンタが3秒を計測したか否かが判定される。3
秒経過していなければ、ステップS167に移行して、
ステップS161で読み出されたRθigmax がそのまま
Sθig(n) に加算され、点火時期θig(n) が演算され
る。
【0165】3秒が経過していれば、ステップS204
においてRθig(n-1) から所定量Mが加算された値がR
θigmax にセットされる。換言すれば、ステップS17
0とは逆に、Rθig(n-1) がMだけ進角側に修正され
て、Rθigmax にセットされる。
【0166】ステップS205においては、セットされ
たRθigmax が0以上であるか、すなわちRθigmax が
点火時期の遅角量として機能するためのマイナス値では
なくなったかが判定される。Rθigmax が今だマイナス
値である場合には、ステップS167に移行し、ステッ
プS204で修正されたRθigmax を用いて点火時期θ
ig(n) が演算される。また、Rθigmax が0以上の値と
なった場合には、ステップS206においてRθigmax
が0にセットされ、ステップS207において第1フェ
ールフラグが1にセットされた後、ステップS167に
移行する。
【0167】第1フェールフラグが1にセットされた後
は、図8のステップS20Bの判定処理が肯定判断とな
り、フェール制御を実行するまでもなく、ステップS2
7において標準点火時期Sθig(n) が点火時期θig(n)
に採用される。
【0168】さて、図28又は図38のステップS16
1において行われるRθigmax の読出しは、図29の代
りに図39の太線で示されるようなテーブルを用いても
行われても良い。この図39中には、図38のステップ
S167の処理でSθig(n)に加算される遅角量(点火
時期θig(n) の演算に用いられる実際の遅角量)が同図
38の処理により変化する様子を細線で併記してある。
もちろん、前記遅角量は第12式のRθigmax である
が、このRθigmax は、ステップS161で読み出され
るRθigmax (図39の太線)ではない。すなわち、ス
テップS161で読み出されるRθigmax はフェール時
の最大遅角量であるのに対し、ステップS167で標準
点火時期Sθig(n) に加算されるRθigmax はフェール
制御に用いられる実際の遅角量である。
【0169】図39に併記された実際の遅角量は、○印
の時点でフェールが生じた場合の変化を示すものであ
る。同図より明らかなように、フェールが生じると、ス
テップS166及びS170の処理により実際の遅角量
がMずつ増加(数値としては減少)し、図39で読み出
されるRθigmax に達した時点で、該Rθigmax の値に
3秒間保持される(ステップS203)。3秒が経過す
ると、ステップS204の処理により実際の遅角量は逆
にMずつ減少(数値としては増加)し、該遅角量が0と
なる(数値としては0以上になる)と、その後は遅角量
は0のままで走行が継続される。
【0170】図40は本発明の機能ブロック図である。
同図において、図1、図2及び図34と同一の符号は同
一又は同等部分をあらわしている。また、符号550
は、駆動力制御CPU305B、並びに前輪速度センサ
3及び後輪速度センサ4(図6)等の主な機能を示して
いる。
【0171】駆動輪速度検出手段503で検出される駆
動輪速度、及び従動輪速度検出手段504で検出される
従動輪速度は、スリップレベル検出手段505に入力さ
れ、該手段505においてスリップレベル(スリップ量
又はスリップ率)が検出される。
【0172】遅角量演算手段507は、検出されたスリ
ップレベル、目標スリップレベル記憶手段506に記憶
された目標スリップレベル等に応じて、点火時期の遅角
量を演算する。
【0173】標準点火時期演算手段65は、エンジン回
転数(Ne )検出手段62より出力されるエンジン回転
数に応じて標準点火時期を演算する。この標準点火時期
は、前記遅角量と共に、駆動力制御用点火時期演算手段
67に入力され、該手段67は、それらのデータを用い
て駆動力制御用点火時期を演算する。
【0174】前記のように検出されたスリップレベル
は、比較手段511に入力される。この比較手段511
は、前記スリップレベルを、判定レベル記憶手段512
に記憶された判定レベルと比較し、該比較結果に応じて
切換手段509を切換制御する。切換手段509より出
力される標準点火時期、又は駆動力制御用点火時期は、
オアゲート510を介してドライバ69(図6、図3
4)に出力される。
【0175】フェール検出手段201は、前記駆動力制
御用点火時期演算手段67による駆動力制御用点火時期
の演算が不能となったこと(フェール)を検出する。フ
ェールが検出されるとその旨がフェール表示手段514
を用いて表示され、また遅角量増加手段515は遅角量
演算手段507より出力されていた遅角量を、徐々に増
加させる。この増加は、遅角量が最大遅角量記憶手段5
16に記憶された最大遅角量に達するまで行われる。な
お、前記最大遅角量記憶手段516は、図29又は図3
9に示されたテ―ブルに対応するものであり、前記最大
遅角量は、それらより読み出されたRθigmax に対応す
る。
【0176】前記比較手段511が切換手段509に対
して駆動力制御用点火時期演算手段67の出力信号を選
択するように指令を出力している場合には、フェール制
御用点火時期演算手段202は、前記遅角量増加手段5
15より出力される遅角量と、前記標準点火時期演算手
段65より出力された標準点火時期とを加算し、フェー
ル制御用点火時期を演算する。このフェール制御用点火
時期はオアゲート510を介して出力される。
【0177】前記遅角量増加手段515の動作により、
遅角量が最大遅角量に達すると、タイマ518が付勢さ
れ、所定時間(前述のように例えば3秒)を計測する。
前記所定時間の経過が判定されると、次は遅角量減少手
段519により、最大遅角量に達した遅角量が、0にな
るまで徐々に減少される。フェール制御用点火時期演算
手段202は、この減少された遅角量を用いてフェール
制御用点火時期を演算する。なお、符号560は点火時
期を選択し、出力する点火制御手段である。
【0178】さて、前述の説明においては、減速制御量
Zは車速に応じて決定されるものとして説明したが、例
えば車速に応じて変化しない、固定値であっても良い。
【0179】さらに、ギヤ比Rは、第9式より演算され
るものとして説明したが、当該車両の変速機がマニュア
ルミッションである場合には、第9式のような演算を行
うことなく、単に変速機のギヤ位置からRの値をセット
しても良い。
【0180】さらにまた、VT(n) 、Δθig、Z、Rθ
igmax 及びKg は、それぞれ前掲した特性以外のテーブ
ルより設定されても良い。これらのテーブルは、当該車
両の走行特性等により決定されることができる。
【0181】また、その他の係数の具体的数値も、前記
した値のみに限定されない。
【0182】さらに、駆動力制御を点火時期を遅角させ
ることにより行うものとして説明したが、本発明は、例
えばスロットル弁の開度を調整することにより駆動力制
御を行う駆動力制御装置に適用されても良い。
【0183】さらにまた、前記解除スイッチ27は、そ
の押下によりオン/オフされるタイプのものであると説
明したが、例えば図33に示されるように、回転式のも
のであっても良い。図33の例では、解除スイッチ27
Aは、「OFF」の位置で駆動力制御オフ(すなわちS
θig(n) のみにより点火時期制御)とし、「MAX」〜
「MIN」の任意の位置でΔθig、Z等の点火時期遅角
量を運転者の好みに応じて可変とし、さらに「AUT
O」の位置で路面の状態(摩擦係数の状態)やタイヤの
磨耗の度合いに応じて、自動的に前記の可変量を設定す
るモードとするものである。
【0184】さらに、本発明を自動二輪車に適用して説
明したが、自動車等に適用されても良いことは当然であ
る。
【0185】
【発明の効果】(1) 請求項1記載の車両用駆動力制御装
置によれば、駆動力制御中に駆動力制御用のシステムが
フェールした場合には、点火時期の遅角量が遅角側に漸
次増加されるので、スロットル弁の開度状態にかかわら
ず当該車両の速度が徐々に低下する。したがって、前記
フェール時に制御切換による切換ショック等が車両に生
じない。
【0186】(2) 請求項2記載の車両用駆動力制御装置
によれば、駆動力制御用システムのフェール時には、車
両の速度が低下すると共に、フェール表示手段が付勢さ
れて、当該車両の運転者に前記フェールの事実が直接通
知される。したがって、前記フェールの事実を運転者に
確実に通知することができる。
【0187】(3) 一般に、点火時期はエンジン回転数に
応じて決定されているので、エンジン回転数にかかわら
ず一様に点火時期を遅角させると、エンジンに対して好
ましくない場合がある。
【0188】これに対して、請求項3記載の車両用駆動
力制御装置によれば、前記の点火時期の遅角量の増加
が、エンジン回転数に応じて設定された最大遅角量まで
しか行われないので、エンジン性能を悪化させることが
なく、あらゆる運転状況下においても、良好に車速を落
とすことができる。
【0189】(4) 請求項4記載の車両用駆動力制御装置
によれば、遅角量が最大遅角量にまでが増加され、その
後、該遅角量が減少していくので、当該車両のドライバ
に対して当該駆動力制御システムのフェールを体感させ
た後に、車両の走行状態を通常の走行状態に戻すことが
できる。すなわち、ドライバは、前記フェールの認識を
した後、その意図により通常走行を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の機能ブロック図である。
【図2】 本発明の一実施例の機能ブロック図である。
【図3】 本発明の一実施例が適用される自動二輪車の
側面図である。
【図4】 図3の平面図である。
【図5】 インジケータパネルの詳細を示す平面図であ
る。
【図6】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図7】 当該自動二輪車のイグニションスイッチ投入
時に実行される処理を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の一実施例の動作のメインフローチャ
ートである。
【図9】 本発明の一実施例の動作のメインフローチャ
ートである。
【図10】 本発明の一実施例の動作のメインフローチ
ャートである。
【図11】 ステップS12の詳細を示すフローチャー
トである。
【図12】 前輪速度センサ及び後輪速度センサの出力
パルス波形を示す図である。
【図13】 目標スリップ量VT(n) と前輪速度VF
(n) との関係の一例を示す図である。
【図14】 スリップ率S1と車速との関係の一例を示
す図である。
【図15】 目標スリップ量VT(n) 、スリップ率S1
(n) 及びS2(n) の一例を、車速及び車輪速度を用いて
表した図である。
【図16】 ステップS25の処理の詳細を示すフロー
チャートである。
【図17】 ステップS32の処理の詳細を示すフロー
チャートである。
【図18】 基本補正量Δθigマップを示す図である。
【図19】 Δθigとエンジン回転数Ne との関係の一
例を示す図である。
【図20】 ΔθigとKtotal との関係の一例を示す図
である。
【図21】 Zと前輪速度VF(n) との関係を示す図で
ある。
【図22】 Kg とギヤ比Rとの関係の一例を示す図で
ある。
【図23】 ステップS33の処理の詳細を示すフロー
チャートである。
【図24】 ステップS37の処理の詳細を示すフロー
チャートである。
【図25】 ステップS30の処理の詳細を示すフロー
チャートである。
【図26】 ステップS31の処理の詳細を示すフロー
チャートである。
【図27】 駆動力制御が行われている場合に、当該駆
動力制御システムがフェールしたときに実行される割込
処理を示すフローチャートである。
【図28】 ステップS23の処理の一例の詳細を示す
フローチャートである。
【図29】 ステップS161で読み出されるRθigma
x とエンジン回転数Ne との関係の一例を示す図であ
る。
【図30】 定時間割込により行われるランプ等処理の
詳細を示すフローチャートである。
【図31】 警告ブザーを制御するためのデューティ比
と前輪速度VF(n)との関係の一例を示す図である。
【図32】 警告ブザーに通電される電圧波形の一例を
示す図である。
【図33】 解除スイッチの他の例を示す図である。
【図34】 本発明の一実施例の機能ブロック図であ
る。
【図35】 目標スリップ量VT(n) 、スリップ率S1
(n) 及びS2(n) の他の例を、車速及びスリップ量を用
いて表した図である。
【図36】 Δθigとエンジン回転数Ne との関係の他
の例を示す図であり、図19と同様の図である。
【図37】 ΔθigとKtotal との関係の他の例を示す
図であり、図20と同様の図である。
【図38】 ステップS23の処理の他の例の詳細を示
すフローチャートであり、図28と同様の図である。
【図39】 ステップS161で読み出されるRθigma
x とエンジン回転数Ne との関係の他の例を示す図であ
り、図29と同様の図である。
【図40】 本発明の機能ブロック図である。
【符号の説明】
1…自動二輪車、3…前輪速度センサ、4…後輪速度セ
ンサ、8…イグニションコイル、16…フェールラン
プ、51…スリップ量演算手段、52…スリップ率演算
手段、53…目標スリップ量記憶手段、54…切換手
段、55…制御項演算手段、56…Ktotal 演算手段、
57…Δθig設定手段、62…Ne 検出手段、65…標
準点火時期演算手段、67…駆動力制御用点火時期演算
手段、68…切換手段、69…ドライバ、96…フェー
ルLED、101…Cθigタイマ、102…アンドゲー
ト、103…S2記憶手段、104…比較手段、105
…VT減少制御手段、106…VTmin 記憶手段、20
1…フェール検出手段、202…フェール制御用点火時
期演算手段、204…Rθigmax 記憶手段、305…電
子制御回路、305A…点火CPU、305B…駆動力
制御CPU、503…駆動輪速度検出手段、504…従
動輪速度検出手段、505…スリップレベル検出手段、
506…目標スリップレベル記憶手段、507…遅角量
演算手段、509…切換手段、511…比較手段、51
2…判定レベル記憶手段、514…フェール表示手段、
515…遅角量増加手段、516…最大遅角量記憶手
段、518…タイマ、519…遅角量減少手段、560
…点火制御手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02P 5/15 L 9150−3G (72)発明者 小ノ澤 聖二 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 小沼 隆之 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 ▲高▼石 敏充 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転数を検出するエンジン回転
    数検出手段と、 駆動輪の速度を検出する駆動輪速度検出手段と、 従動輪の速度を検出する従動輪速度検出手段と、 前記駆動輪速度及び従動輪速度により当該車両のスリッ
    プレベルを検出するスリップレベル検出手段と、 エンジン回転数に応じて標準点火時期を演算する標準点
    火時期演算手段と、 少なくともエンジン回転数及び当該車両のスリップ状態
    に応じて、点火時期の遅角量を演算する遅角量演算手段
    と、 前記標準点火時期及び遅角量を用いて駆動力制御用点火
    時期を演算する駆動力制御用点火時期演算手段と、 当該車両のスリップレベルが所定の判定レベルを超えた
    場合に、標準点火時期に代えて前記駆動力制御用点火時
    期を採用する点火制御手段とを具備した車両用駆動力制
    御装置において、 前記駆動力制御用点火時期の演算が不能となったことを
    検出するフェール検出手段と、 前記駆動力制御用点火時期が採用されている場合に前記
    フェール検出手段により前記不能状態が検出されたとき
    は、前記遅角量演算手段により演算された遅角量を遅角
    側に漸次増加させる遅角量増加手段と、 前記遅角量増加手段により増加された遅角量を用いて、
    フェール制御用点火時期を演算するフェール制御用点火
    時期演算手段とをさらに具備し、 前記点火制御手段は、前記フェール検出手段により前記
    不能状態が検出されたときには、前記フェール制御用点
    火時期を採用することを特徴とする車両用駆動力制御装
    置。
  2. 【請求項2】 フェール表示手段をさらに具備し、 前記フェール表示手段は、前記フェール検出手段により
    前記不能状態が検出されたときに付勢されることを特徴
    とする請求項1記載の車両用駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記遅角量増加手段は、前記遅角量演算
    手段により演算された遅角量を、エンジン回転数に応じ
    て設定される最大遅角量まで増加させることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の車両用駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記遅角量増加手段により遅角量が最大
    遅角量まで増加された後、該遅角量を進角側に漸次減少
    させる遅角量減少手段をさらに具備したことを特徴とす
    る請求項3記載の車両用駆動力制御装置。
JP3306495A 1991-02-20 1991-10-25 車両用駆動力制御装置 Pending JPH0552169A (ja)

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