JPH055197Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は水槽の膨張防止、換気等の目的で貯
水槽等の上壁に貫通して取り付ける空気抜きに関
する。

〈従来の技術〉 このような空気抜きは本出願人が提案した実公
昭51−48018号公報で公知である。

一般にFRP製水槽の色はアイボリー、ベージ
ユ調の淡い色が最適とされ、空気抜きもその色に
マツチした淡い色彩のプラスチツクで成形されて
いる。

〈考案が解決しようとする問題点〉 FRP製水槽は太陽光線の遮光性が悪く、水槽
内に藻が発生することが問題になつてきた。その
ため、太陽光線の透過が少ない水槽に開発され
つゝあるが、水槽自体をそのように改善しても空
気抜きから水槽内に洩れる太陽光線をも無くさな
ければ完全とは言えない。空気抜きから水槽内に
太陽光線が洩れ入るのを防止する一つの方法は、
空気抜きの構成部材を黒色のプラスチツクで成形
することであるが、黒の空気抜きは淡色の水槽に
マツチしないと共に、黒色のプラスチツク成形品
は耐候性が悪く、早期に老化する欠点がある。
又、空気抜きの内面を黒色に塗装することも考え
られるが、それには非常に手数がかかる他に、長
期間のうちには塗膜が剥れ、効果を失うと共に、
剥れた塗料の細片が水槽内の水中に混入する。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで本考案は、内側環状枠５と、それよりも
直径が大きい同心の外側環状枠４を有し、上記両
環状枠４，５の間の環状空間に防虫網７を張設し
た通風枠３の、上記内側環状枠５を、水槽の上壁
１に貫通、固定する通風筒２の上端部外周に嵌合
固定し、前記外側環状枠４の外周に嵌合する拡径
した環状段部１′を下端部に備えた帽状のキヤツ
プ１の上記環状段部１′を通風枠３の外側環状枠
４の外周に嵌合、固定した水槽用空気抜きにおい
て、 上記キヤツプ１の環状段部１′よりも上の内面
に嵌合、密着する遮光キヤツプ１４を、キヤツプ
１とは別に成形し、この遮光キヤツプの下端に外
周から張出すフランジ１５を設け、該遮光キヤツ
プ１４を前記キヤツプ１の内面に嵌合し、上記フ
ランジ１５をキヤツプの環状段部１′の上端と、
前記通風枠３の外側環状枠４の上面とに挟んで固
定したことを特徴とする。

〈実施例〉 図示の一実施例において、１は下端が開放した
帽状のキヤツプ、２は通風筒、３は通風枠を示
し、これらはアイボリ色のプラスチツクで夫々成
形してある。

通風枠３はキヤツプ１の内周下端部に拡径して
形成した環状段部１′に嵌合する外側環状枠４と、
通風筒２の外周に嵌合する内側環状枠５と、上記
両枠４，５を連結する放射状の複数本のアーム６
……と、上記両枠４，５の間の環状空間に張られ
た防虫網７とからなる一体の成形物である。

通風筒２は上端から少し下の外周に環状張出部
８を有し、その上に通風枠３の内側環状枠５を受
け止め、該枠５の上面と、通風筒の上面を同一レ
ベルにする。又、通風筒２は高さの中間に外方に
張出した鍔９を備え、その鍔９から下の外周には
雄ねじ１０が設けてある。従つて、通風筒２の下
半部を水槽の上壁１１に開設した孔に上から通
し、該下半部に下端からパツキン１２を嵌めたの
ちナツト１３を該下半部の雄ねじ１０に下からね
じ込み、前記鍔９とナツト１３の間で上壁１１の
孔の回りを締付けて通風筒２を上壁１１に貫通状
に植立することができる。尚、このナツト１３も
プラスチツクで成形してある。

キヤツプ１の内部には黒色等、光を吸収する色
のプラスチツクで成形した遮光キヤツプ１４を嵌
合する。この遮光キヤツプ１４は肉薄で、キヤツ
プ１の環状段部１′から上の内面にピツタリと密
着する形状を有し、下端外周には環状段部１′の
上端に突出するフランジ１５を一体に備えてい
る。

従つて、環状張出部８から上の通風筒２の上端
部を通風枠３の内側環状枠５に嵌めて接着剤など
で固定すると共に、遮光キヤツプ１４を内面に嵌
合したキヤツプ１の環状段部１′に通風枠３の外
側環状枠４を嵌めて接着剤などで固定してキヤツ
プ１、通風筒２、通風枠３を組立てることができ
る。尚、遮光キヤツプ１４のフランジ１５は環状
段部１′の上面と、外側環状枠４の上面の間に固
定される。

そして、前述のように通風筒２を水槽の上壁１
１に貫通状に植立することにより虫が水槽内に侵
入するのを防虫網７で防止し、且つ雨水の飛入を
キヤツプで防止して水槽内部を外気と連通させ
る。遮光キヤツプ１４には小孔１４′を例えば頂
部中心に開設し、キヤツプ１の内部に嵌合する際
にキヤツプ内面と遮光キヤツプ外面間に残ろうと
する空気を上記小孔１４′から排除し、上記両面
を密着させることが好ましい。

〈考案の効果〉 キヤツプ１の内面には黒色の遮光キヤツプ１４
が嵌合してあるので、淡色の水槽上壁１１に反射
し、通風枠の防虫網７を透過し、キヤツプ１の内
部に入る太陽光線は遮光キヤツプ１４に吸収され
る。従つて、従来はキヤツプ１の内面で再反射し
て水槽内部に洩れ入る太陽光線を本考案の空気抜
きでは完全に遮断でき、空気抜きによる太陽光線
の問題は確実に解消する。

そして、遮光キヤツプはキヤツプで保護されて
直接に太陽光線に露光しないので老化が防げ、長
寿命に使用できると共に、キヤツプの内面に嵌め
込んで組立てるだけでよいため製作にも手数が
かゝらない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の空気抜きの一実施例を示すもの
で、第１図は水槽上壁に取り付けた使用状態の一
半を断面にした側面図、第２図は分解斜視図であ
る。 図中、１はキヤツプ、２は通風筒、３は通風
枠、１４は遮光キヤツプを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内側環状枠５と、それよりも直径が大きい同心
   の外側環状枠４を有し、上記両環状枠４，５の間
   の環状空間に防虫網７を張設した通風枠３の、上
   記内側環状枠５を、水槽の上壁１に貫通、固定す
   る通風筒２の上端部外周に嵌合固定し、前記外側
   環状枠４の外周に嵌合する拡径した環状段部１′
   を下端部に備えた帽状のキヤツプ１の上記環状段
   部１′を通風枠３の外側環状枠４の外周に嵌合、
   固定した水槽用空気抜きにおいて、 上記キヤツプ１の環状段部１′よりも上の内面
   に嵌合、密着する遮光キヤツプ１４を、キヤツプ
   １とは別に成形し、この遮光キヤツプの下端に外
   周から張出すフランジ１５を設け、該遮光キヤツ
   プ１４を前記キヤツプ１の内面に嵌合し、上記フ
   ランジ１５をキヤツプの環状段部１′の上端と、
   前記通風枠３の外側環状枠４の上面とで挟んで固
   定したことを特徴とする水槽用空気抜き。