JPH055160A - 高温熱疲労寿命にすぐれた耐熱鋳鋼 - Google Patents

高温熱疲労寿命にすぐれた耐熱鋳鋼

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JPH055160A
JPH055160A JP18301491A JP18301491A JPH055160A JP H055160 A JPH055160 A JP H055160A JP 18301491 A JP18301491 A JP 18301491A JP 18301491 A JP18301491 A JP 18301491A JP H055160 A JPH055160 A JP H055160A
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JP
Japan
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high temperature
cast steel
resistant cast
thermal fatigue
heat resistant
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JP18301491A
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English (en)
Inventor
Makoto Takahashi
誠 高橋
Nobuyuki Sakamoto
伸之 坂本
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 石油化学反応管材料等として使用される耐熱
鋳鋼の高温熱疲労寿命等の改善。 【構成】 C:0.03%以上、0.1%未満、Si:0.5〜3
%、Mn:5%以下、Cr:23〜39%、Ni:35〜60
%、Nb:0.2〜2%、およびTi:0.01〜0.5%、Z
r:0.01〜0.5%のいずれか1 種もしくは2 種の元素、
残部実質的にFeからなり、所望によりFeの一部が0.
02〜0.6%のAlで置換された化学組成を有する耐熱鋳
鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油化学工業用反応管
材料等として有用な高温熱疲労寿命にすぐれた耐熱鋳鋼
に関する。
【0002】
【従来の技術】石油化学工業における炭化水素類の熱分
解・改質炉内の反応管、例えばエチレンクラッキングチ
ューブは、多数の直管を、U字型管やエルボウ管等のベ
ンド管を介して溶接することにより炉内に配管構築され
る。
【0003】上記反応管は、高温高圧操業(温度:約75
0 〜1100℃、圧力:約40Kgf/cm2 )に耐え得る諸特性、
殊に高温クリープ破断強度、耐酸化性、耐浸炭性等を必
要とし、また溶接による配管構築や補修施工のための良
好な溶接性が要求される。
【0004】従来より、反応管材料として、ASTM
HP40(0.4C−25Cr−35Ni−Fe)や、これにN
b、Mo等が添加されたHP改良材等が専ら使用されて
きた。また、反応管の耐久性改善等を目的として多くの
提案がなされており、例えば特公昭63−4897号公報に
は、C0.3〜0.5%、Cr30〜40%、Ni:40〜50%、A
l:0.02〜0.6 %を含有し、これにNb、W、Ti、Z
r等が添加された化学組成の耐熱鋳鋼、特公平2−5097
6 号公報には、C0.3〜0.6% Cr20〜30%、Ni30〜
40%、Al0.02〜0.5%を含有し、これにTi、B、N
b、W、Mo等が添加された化学組成を有する耐熱鋳鋼
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記反応管は、高温高
圧操業下に、熱サイクルによる引張応力と圧縮応力が繰
返し作用する。その熱サイクルは比較的緩慢であるが、
長期使用過程において、熱応力の反復による疲労が進
み、管内面にクラックが生じる原因となる。
【0006】反応管の熱疲労は、直管部分に比し、ベン
ド管の部分に生じ易い。直管と異なってベンド管の製造
には、遠心力鋳造法を適用することができないので、置
き注ぎ鋳造法によらざるを得ず、置き注ぎ鋳造で、引け
巣等の鋳造欠陥を防ぎ、健全な鋳造品質を得るには、管
壁を肉厚に設計しなければならないからである。また、
実使用過程で、管内の反応系から析出する固形炭素は、
直管部分よりもベンド管の内面に沈着し易く、その付着
堆積層により、管の内部と外部との間の伝導伝熱が阻害
されることも上記熱疲労を促進する一因となる。
【0007】反応管の熱疲労が進むと、クラックを生じ
管体破壊の事故を招く原因となる。反応管の耐用寿命の
向上・安定化を図るには、高温クリープ強度、耐熱性、
耐浸炭性等のほか、熱疲労強さにもすぐれていることが
必要である。従来の反応管用耐熱鋳鋼は高温クリープ強
度や耐浸炭性等の点では満足し得るものの、熱疲労強さ
の点で改良すべき余地が残されている。本発明は上記に
鑑みてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の耐熱
鋳鋼は、C:0.03%以上、0.1%未満、Si:0.5〜3
%、Mn:5%以下、Cr:23〜39%、Ni:35〜60
%、Nb:0.2〜2%、およびTi:0.01〜0.5%、Z
r:0.01〜0.5%、Al:0.02〜0.6 %のいずれか1種
もしくは2種以上の元素、残部実質的にFeからなる化
学組成を有している。本発明の耐熱鋳鋼の成分限定理由
は次のとおりである。
【0009】C:0.03%以上、0.1%未満 Cは鋳造凝固時に、Nb等と結合し粒界に共晶炭化物を
形成して粒界破壊抵抗性を高め、クリープ破断強度の向
上に寄与する。また、オーステナイト地に固溶したCは
高温使用過程で、炭化物を形成して基地中に分散析出し
クリープ破断強度を高める。この効果を得るために0.03
%を下限とする。添加増量により効果を増すが、その反
面、高温使用過程で炭化物の過剰析出による延性の低下
をきたす。この時効延性の低下により室温伸びが小さく
なると、溶接補修施工における溶接性が低下する。この
ため0.1%未満とする。
【0010】Si:0.5 〜3% Siは脱酸作用、および溶湯の流動性向上・鋳造性改善
効果を有するほか、高温使用時に、部材表面にSiO2
の被膜を形成する。そのSiO2被膜は浸炭防止効果を
有する。この効果は0.5%以上の添加により得られる。
しかし、多量に添加するとクリープ破断強度の低下およ
び溶接性の低下をきたすので、3%を上限とする。
【0011】Mn:5%以下 Mnは脱酸作用を有すると共に、SをMnSとして固定
することにより、溶接性の向上に奏効する。添加増量に
より効果を増すが、5%をこえる添加の利益はなく、却
って耐酸化性の低下を招く。このため、5%を上限とす
る。
【0012】Cr:23〜39% Crは耐酸化性および高温強度を高め、また耐浸炭性の
向上に奏効する。1000℃をこえる高温使用におけるこれ
らの効果を確保するためには、少なくとも23%の添加を
必要とする。添加増量に伴ってその効果を増すが、あま
り多くすると、高温使用過程でのCr炭化物の過剰析出
により、時効延性の低下を招くので、39%を上限とす
る。
【0013】Ni:35〜60% Niは、Cr、Fe等と共にオーステイナト地を形成す
る元素であり、組織の安定化、耐酸化性の改善効果を有
する。また、高温域でのCr炭化物の安定性を高め、時
効延性の低下を抑制する効果を有するほか、合金表面の
酸化被膜を安定化し、耐浸炭性の向上に寄与する。これ
らの効果を得るために下限量を35%とする。添加増量に
よりその効果を増すが、60%までで十分であり、それ以
上の添加は経済性を損なう。
【0014】Nb:0.2 〜2% Nbは粒界に共晶炭化物を形成し、粒界破壊抵抗性を高
めクリープ破断強度の向上に寄与する。その効果は0.2
%以上の添加により現れる。しかし、多量添加に伴い却
ってクリープ破断強度が低下し、また耐酸化性も悪くな
るので、2%を上限とする。
【0015】Ti:0.01〜0.5% Tiは高温域でのCr炭化物の成長粗大化を抑制遅延さ
せることによりクリープ破断強度の向上に寄与する。こ
の効果は0.01%以上の添加により得られる。しかし、多
量添加に伴って酸化物系介在物の増量、および析出物の
粗大化等により却ってクリープ破断強度の低下をきたす
ので、0.5%を上限とする。
【0016】Zr:0.01〜0.5% Zrはオーステナイト地の固溶強化により、クリープ破
断強度を高める。この効果は0.01%以上の添加により現
れ、添加増量に伴ってその効果を増す。しかし、0.5%
をこえると、合金の清浄度が悪くなり却ってクリープ破
断強度の低下をきたす。このため、0.5%を上限とす
る。
【0017】Al:0.02〜0.6% Alは高温域において合金表面に保護皮膜を形成し、高
温耐酸化性を高めるほか、浸炭雰囲気からのCの侵入を
防止する。この効果を得るには0.02%以上を必要とす
る。しかし、多量の添加は室温延性の低下を招くので、
0.6%を上限とする。
【0018】なお、通常の溶製技術上不可避的に混入す
る不純物はこの種の鋼に許容される範囲内で混在して差
し支えなく、例えば0.03%以下のP、0.03%以下のSの
混在によって本発明の趣旨が損なわれることはない。
【0019】
【実施例】高周波誘導溶解炉で溶製した鋳鋼溶湯を、遠
心力鋳造に付して供試管材を得た。管サイズ(機械加工
後)は、外径138 mm、肉厚26mm、長さ380 mm、である。
各供試管材の化学成分組成を表1に示す。表1中、供試
No. 1〜5は発明例、No.101〜103 は比較例である。比
較例No.101〜103 のうち、No.101はHP40改良材相当の
例、No.102はCおよびNi含有量、No.103はC含有量が
本発明の規定からはずれている例である。
【0020】各供試管材について、高温低サイクル熱疲
労試験、高温クリープ破断試験、酸化試験、浸炭試験、
溶接性試験等を行って表2に示す結果を得た。
【0021】〔I〕高温低サイクル熱疲労試験 下記試験条件で破損繰返し数Nf(応力範囲が最大応力の
75%に達した時点までの回数) を求める。 試験片形状:中実丸棒、直径10mm 試験温度:1000℃ 全歪範囲(εt ):±0.4 % 歪速度 :10-2%/秒(C−C型両振り三角波) 標点距離(G.L.):15mm
【0022】〔II〕クリープ破断試験 JIS G 2272に規定された引張クリープ試験に
より破断寿命(Hr)を測定。 試験片形状:断面径8mm、標点距離40mm 試験温度:1038℃、引張応力:3.0 Kgf/mm2
【0023】〔IV〕浸炭試験 試験片(Φ12×60l,mm)を固体浸炭剤( デグサKG30)
中に埋覆して加熱し、850 ℃から1150℃まで30Hrを要
して昇温させ、1150℃に18Hr保持したのち室温まで降
温させるヒートパタンを7回反復実施( 試験時間:(30
H+18Hr)×7=336 Hr)。試験後、試験片表層
(深さ4mmまで)から、切粉を採取し、化学分析により
C増加量を求めた。
【0024】〔VI〕溶接性試験 供試管材の管端面にU字開先を形成し、GTAW溶接に
よる突合わせ溶接を行い、初層および最終層の割れの有
無をダイチェックにより判定すると共に、溶接部に機械
加工(加工代1mm )を加えて研削面をダイチェックし、
割れの有無を判定した。表2中、「溶接性」欄の○マー
クは割れのないことを表している。 (1)開先形状 開先角度:10°、ルート半径:4mm、ルートギャップ:
1.6mm (2)溶接姿勢 水平下向 (3)溶接棒 WEL TIG 45A (4)溶接電流:90〜140 A,溶接速度5.2 〜11.2cm/
分 (5)肉盛層数:5層
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】上記実施例の試験結果から明らかなよう
に、発明例No. 1〜5は、従来の代表的耐熱鋳鋼である
HP40材等を凌ぐ改良された高温熱疲労寿命を有してい
る。また、耐浸炭性、および溶接性等も従来材と同等以
上である。
【0028】
【発明の効果】本発明の耐熱鋳鋼は、改良された熱疲労
寿命を有し、かつ耐浸炭性や、構造材料として必要な溶
接性も良好である。従って石油化学反応管材料等として
有用であり、高温・高圧環境における信頼性・安定性に
すぐれ、耐用寿命の向上、メンテナンスの軽減等の効果
を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 C:0.03%以上、0.1%未満、Si:0.5
    〜3%、Mn:5%以下、Cr:23〜39%、Ni:35〜
    60%、Nb:0.2〜2%、およびTi:0.01〜0.5%、Z
    r:0.01〜0.5%、Al:0.02〜0.6 %のいずれか1種
    もしくは2種以上の元素、残部実質的にFeからなる高
    温熱疲労寿命にすぐれた耐熱鋳鋼。
JP18301491A 1991-06-26 1991-06-26 高温熱疲労寿命にすぐれた耐熱鋳鋼 Pending JPH055160A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0765948A2 (en) * 1995-09-29 1997-04-02 Kubota Corporation Heat-resistant Ni-Cr alloy

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0765948A2 (en) * 1995-09-29 1997-04-02 Kubota Corporation Heat-resistant Ni-Cr alloy
EP0765948A3 (en) * 1995-09-29 1997-11-05 Kubota Corporation Heat-resistant Ni-Cr alloy

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