JPH055153Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は、透明なセロフアンや同じく透明なビ
ニール等といつたプラスチツク製の袋であつて、
菓子や小物などの商品を収容する包装用袋の改良
に関する。

ロ 従来技術 上記透明な包装用袋は、湿気から守られた中身
が透けて見えるし、通常その表面には内容物の表
記や絵柄等が印刷されているので安心して品選び
ができる。しかし袋自体はあくまで包装機能しか
持ち合わせておらず、菓子や小物などの商品を販
売するに都合が良いから利用されているにすぎな
い。袋詰めの商品にあえて付加価値を見出そうと
すれば、シール等のおまけ、景品がそれに該当す
るであろう。

ハ 考案が解決しようとする課題 菓子袋であれば、少しずつ取り出して食し、そ
の間袋体には何ら興味を示さないし、内容物を取
り出した後、袋体は用済みとなつて何のためらい
もなく破棄されてしまう。又小物の場合でも、袋
自体のデザインは購買力にそれほど影響せず専ら
内容が重視される。つまり袋自体には全く魅力が
ないのである。

ニ 課題を解決するための手段 本考案は、従来包装以外の利用について返り見
られなかつた透明袋に新らたな付加価値を持た
せ、実用性を踏まえての遊びの要素を取り入れる
べく鋭意研究の結果開発した包装用袋であつて、
その構成は、透明袋体の表面へ、所望箇所を除い
て印刷面に書き込み可能な不透明インキにてマス
キング印刷をすると共に、そのマスキング印刷が
されていない透明部に特定の表示を印刷し、更に
袋体内面の少なくとも前記透明部を透かして見え
る部分に前記特定の表示に関連させた表示を印刷
し又、前記特定な表示に、印刷面が書き込み可能
な不透明インキを用いたことにある。

尚ここでいう印刷面が書き込み可能な不透明イ
ンキは、書き込みのみならず塗り込みも可能であ
る。

ホ 作用 内容物が詰まつている間、袋体表面には書き込
み可能なマスキング部と、内容物を見ることがで
きる透明な窓及びその窓に印刷されている特定な
表示が目に入る。よつて第１にはマスキング部の
書き込み可能な利点を生かした用途が考えられ
る。又内容物が取り出されるにつれて、透明な窓
部にはその窓部の向う側に、袋体内面の前記特定
な表示に関連した表示が見えるようになり、両表
示が合わさつた時点で何らかの効果が生まれるよ
うにするなど、工夫次第で活用範囲が広がる。

ヘ 実施例 図面は本考案に係る包装用袋の実施例を示した
もので、１はポリプロピレンの透明な合成樹脂製
袋体表面中央に、方形の窓部２を残し、印刷面に
書き込み可能な不透明インキの印刷によりマスキ
ング３が施され、前記透明な窓部２には、卵から
生まれたばかりのひよこの絵と、それを祝う”は
つぴい？”文字とが描かれた包装用袋である。前
記印刷面に書き込み可能な不透明インキとして
は、例えばポリウレタン樹脂を炭化水素系溶剤で
溶かし、それにエステル系溶剤、ケトン系溶剤、
アルコール系溶剤、ワツクス、シリカ、及び顔料
を混合した溶液や、ポリウレタン樹脂／塩化ビニ
ール−酢酸ビニル共重合体を炭化水素系溶剤で溶
かし、それにエステル系溶剤、ケトン系溶剤、ア
ルコール系溶剤、ワツクス、シリカ、及び顔料を
混合した溶液等があり、粗面化処理して書き込み
及び塗り込みを可能とするインキであればそれ以
外のインキを用いることができる。そして前記包
装用袋１の内面には、前記透明な窓部２を介して
見える部分に、フライパンとねこの絵が描かれ、
前記絵と重ね合わせることにより、ひよこがフラ
イパンの中に入れられ、それをねこが狙つている
様子に一変する。

このように形成された包装用袋１に、スナツク
菓子４を詰めて販売すれば、最初は何気無く見え
る袋であるが、そのスナツク菓子４が減るにつれ
てひよこの背後に何か得体の知れない者が表われ
るので袋に興味が集中し、それがねこと判明する
まで推理を楽しむことができる。これをねこでな
く兄弟ひよこや親鳥とするなど組み合わせをかえ
たり、他の動物や物の組み会わせとするなどいろ
いろと考えられる。又マスキング部３は書き込み
が可能であるから、メモ、落書用として使用で
き、単なる包装用袋の利用にとどまらない。

上記実施例は菓子袋について説明したが、消耗
品的な小物包装用としても同様の効果が期待でき
る。

又表示部にも書き込み可能なインキを用いれ
ば、利用範囲は更に拡大される。

本考案の包装用袋は、透明な袋体にマスキング
印刷を施して形成するので、不透明な袋体に窓部
を形成してその窓部へ透明なシートを張り合わ
せ、更に表面へ印刷するものと比べ、工程が少な
く形成容易である。

尚透明袋体の素材に、ポリプロピレン以外のポ
リエチレン、ポリエステル等といつた他の合成樹
脂やセロフアンを用いたり、透明窓部の位置や形
状は自由であるし、数も複数とすることができ
る。又表示は絵合わせ以外にくじ的な要素を取り
入れたり、クイズ、占い等に利用しても良い。更
にマスキング部に教育要素を導入した遊び感覚で
解ける問題を印刷すれば、知識、想像力を高める
上で価値が高い。

ト 効果 本考案によれば、内容物が取り出すことにより
次第に減つてくる現象を効果的に利用して、窓部
の絵とその窓部を介して見える絵との巧みな組み
合わせにより、奇抜さを狙つたり、遊びの要素を
取り入れた知識の情報源として活用したり、想像
力を養う推理ゲームとしたりするなど広範囲に応
用できる。又マスキング部の書き込み可能な利点
が利用できる効果もある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る包装用袋の実施例を示した
もので、第１図はスナツク菓子が詰められた状態
の説明図、第２図はそのスナツク菓子を半分取り
出した状態の説明図、第３図は袋内が空となつた
状態の説明図である。 １……包装用袋、２……窓部、３……マスキン
グ、４……スナツク菓子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 透明袋体の表面へ、所望箇所を除いて印刷面
   に書き込み可能な不透明インキにてマスキング
   印刷をすると共に、そのマスキング印刷がされ
   ていない透明部に特定の表示を印刷し、更に袋
   体内面の少なくとも前記透明部を透かして見え
   る部分に前記特定の表示に関連させた表示を印
   刷して成る包装用袋。 ２ 前記特定な表示に、印刷面に書き込み可能な
   不透明インキを用いた請求項１の包装用袋。