JPH0551237A - ガラスの強化方法 - Google Patents

ガラスの強化方法

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Publication number
JPH0551237A
JPH0551237A JP21399591A JP21399591A JPH0551237A JP H0551237 A JPH0551237 A JP H0551237A JP 21399591 A JP21399591 A JP 21399591A JP 21399591 A JP21399591 A JP 21399591A JP H0551237 A JPH0551237 A JP H0551237A
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JP
Japan
Prior art keywords
glass
thin film
oxide thin
glass substrate
strengthening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21399591A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Aoki
慎一 青木
Akihide Kudo
章英 工藤
Shinji Noguchi
晋治 野口
Osamu Kuramitsu
修 倉光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の形状のガラスを短時間で強化すること
ができる方法を提供する。 【構成】 ガラス表面の少なくとも一面に、下式の条件
を満たす膨張率αt(×10-7/℃)を有する酸化物薄
膜を100℃以上で形成させるようにする。 αt ≦αb −5.0 〔式中、αb はガラスの膨張率(×10-7/℃)を表
す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガラス表面に酸化物
薄膜を形成させることによりガラスを強化する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガラスが割れる場合、引っ張り
応力により割れが発生する。たとえば、ガラスグローブ
外面に鋼球が当たって割れが発生する場合、引っ張り応
力は内面に発生する。そのため、割れを防止するために
は、引っ張り応力が加わる面、すなわちガラスグローブ
内面に圧縮応力層を形成させればよい。
【0003】従来、ガラスを強化する(ガラスの強度を
向上させる)方法としては、一般に、物理的強化法と化
学強化法の2つがある。物理的強化法としては、たとえ
ば、風冷強化法がある。この方法は、ガラスを軟化点に
近い温度に加熱しておいて、これを均一に急冷し、ガラ
スの表面と内部の温度差により生ずる熱応力を利用して
ガラスの表面に圧縮応力層を残存させる強化方法であ
る。
【0004】一方、化学強化法としては、イオン交換法
が一般的である。この方法は、ガラス中に含まれるアル
カリイオン(たとえば、Na+ イオン)よりもイオン半
径の大きいアルカリイオン(たとえば、K+ イオン)で
ガラス表面のイオンを置き換え、その表面に圧縮応力を
発生させる方法である。たとえば、ソーダライムガラス
であれば、420〜450℃のKNO3 溶融塩中にガラ
スを10〜15時間浸漬すれば強化できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の従来
法には、下記のような問題があった。すなわち、風冷強
化法では、板ガラス等の均一な形状のものは強化するこ
とができるが、複雑な形状のものは強化することができ
ない。また、化学強化法では、処理に長時間を要する。
【0006】そこで、この発明は、任意の形状のガラス
を短時間で強化することができる方法を提供することを
課題とする。
【0007】
〔式中、αb はガラスの膨張率(×10-7/℃)を表す。〕
酸化物薄膜の形成方法としては、何ら限定しないが、た
とえば、蒸着法、有機金属塗料を用いたディッピング塗
装法またはスプレー法等が挙げられる。
【0008】酸化物薄膜の材料としては、前記のαt
αb −5.0の条件を満たすものであれば、何ら限定し
ないが、たとえば、ガラスの膨張率αb が αb =94×10-7/℃ の場合、SiO2 、TiO2 、Al2 3、LiAlS
iO4 等が挙げられる。酸化物薄膜の膜厚についても、
特に限定しない。
【0009】酸化物薄膜を形成させる面は、ガラス表面
の少なくとも一面であればよい。これは、前述したよう
に、ガラスに鋼球等が当たって割れが発生する場合、割
れを防止するためには、少なくとも引っ張り応力が加わ
る面に圧縮応力層を形成させればよいからである。ま
た、板ガラスのような形状のものに対しては、両面に酸
化物薄膜を形成させることが望ましい。
【0010】
〔式中、αb はガラスの膨張率(×10-7/℃)を表す。〕
の条件を満たす膨張率αt (×10-7/℃)を有する酸
化物薄膜を100℃以上で形成させるようにすると、冷
却する際の温度差により、酸化物薄膜層に圧縮応力が付
与され、その結果、ガラスの強度が向上する。
【0011】もしも、酸化物薄膜の膨張率αt が、前記
の条件を満たさない、すなわち、 αt >αb −5.0 の場合は、強化の効果はほとんどなく、特にαt >αb
の場合、かえってガラスの強度を低下させてしまう。酸
化物薄膜を形成させる温度が高ければ高い程、冷却後の
酸化物薄膜層の圧縮応力は大きくなり、これにより強化
効果も顕著になるのであるが、もしも、酸化物薄膜の形
成温度が100℃より低くなると、強化効果はそれ程認
められない。
【0012】また、薄膜の形成により強化するため、ガ
ラスの透明性を損なうことがなく、ガラスの形状に制約
を受けなくなるとともに、処理時間が短くなる。ただ
し、薄膜形成を蒸着法により行う場合は、多少の形状の
制約を受ける。
【0013】
【実施例】次に、この発明の実施例を比較例と併せて示
すが、この発明は、下記実施例に限定されない。また、
下記実施例および比較例で用いたガラス基板は、いずれ
も94×10-7/℃の膨張率を有する150mm×150
mm(t=2.0mm)のソーダライムガラス基板であり、
予めアルカリ脱脂処理を行っておいた。
【0014】−実施例1− 141.8gのSi(OC2 5)4 、652.6gのC
2 5 OH、3.8gのHClおよび18.4gのH2
Oを配合してなる塗料中にガラス基板を浸漬し、一定速
度で引き上げ、塗膜を形成させた後、120℃で20分
間および550℃で30分間順次焼成して、SiO2
薄膜を形成させた。このような薄膜形成工程を3回繰り
返すことにより、最終的に1.0μmの膜厚および6×
10-7/℃の膨張率を有するSiO2 薄膜が両面に形成
されたガラス基板を得た。
【0015】−実施例2− β−ユークリプタイト(Li2 O・Al2 3 ・2Si
2 )をターゲットとして、真空度10-4Torr、ガラス
基板温度300℃の条件下でスパッタリング法を行うこ
とにより、ガラス基板の片面に膜厚0.3μmおよび膨
張率−64×10-7/℃の酸化物薄膜を形成させた。
【0016】−実施例3− 実施例2において、ターゲットとしてβ−ユークリプタ
イトの代わりにチタン酸アルミニウム(Al2 3 ・T
iO2 )を用いるようにした以外は実施例2と同様にし
て、ガラス基板の片面に膜厚0.5μmおよび膨張率−
19×10-7/℃の酸化物薄膜を形成させた。
【0017】−実施例4− 実施例2において、ターゲットとしてβ−ユークリプタ
イトの代わりにアルミナ(Al2 3 )を用いるように
した以外は実施例2と同様にして、ガラス基板の片面に
膜厚0.3μmおよび膨張率79×10-7/℃の酸化物
薄膜を形成させた。
【0018】−実施例5− アルミニウムアセチルアセトナートを加熱して蒸発さ
せ、水素(H2 )をキャリアガスとして送り、400℃
にしたガラス基板表面で反応させることにより、ガラス
基板の両面に膜厚1.0μmおよび膨張率79×10-7
/℃の酸化物薄膜を形成させた。
【0019】以上の実施例1〜5で酸化物薄膜が形成さ
れたガラス基板について、落球衝撃強度試験を行った。
落球衝撃強度は、JIS−R3206に基づき、図1に
示すように、片面または両面に酸化物薄膜2を形成した
ガラス基板1の両側下面を台3で支持しておいて、その
上方から225gの鋼球4をガラス基板1の中央に落下
させ、破壊が起きる時の、n=5の平均破壊落球高さで
評価した。図中、ガラス基板1内および酸化物薄膜内2
に記載した矢印は、鋼球落下時の応力の掛かり方を示
す。なお、片面に酸化物薄膜2を形成させたガラス基板
1については、落球衝突面は、図にみるように、薄膜形
成面2の反対側の面(薄膜が形成されていない面)とし
た。
【0020】−比較例− 酸化物薄膜が全く形成されていないガラス基板について
も、前記と同様の落球衝撃強度試験を行った。それらの
結果を下記表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】表1にみるように、酸化物薄膜が形成され
た実施例1〜5のガラス基板は、酸化物薄膜が全く形成
されていない比較例のガラス基板に比べて、いずれも平
均破壊落球高さの値が大きく、落球衝撃に対する強度が
高いことが確認された。
【0023】
【発明の効果】この発明にかかるガラスの強化方法によ
れば、任意の形状のガラスを短時間で強化することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜5で酸化物薄膜が形成されたガラス
基板に対する落球衝撃強度試験の方法を模式的に説明す
る図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 酸化物薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉光 修 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス表面の少なくとも一面に、下式の
    条件を満たす膨張率αt (×10-7/℃)を有する酸化
    物薄膜を100℃以上で形成させるようにするガラスの
    強化方法。 αt ≦αb −5.0 〔式中、αb はガラスの膨張率(×10-7/℃)を表
    す。〕
JP21399591A 1991-08-26 1991-08-26 ガラスの強化方法 Pending JPH0551237A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015512853A (ja) * 2012-02-29 2015-04-30 コーニング インコーポレイテッド 容器健全性を確保するガラス包装
JP2020504842A (ja) * 2016-12-30 2020-02-13 コーニング インコーポレイテッド 残留圧縮応力を有する光学コーティングを備えた被覆物品
US11179295B2 (en) 2012-02-29 2021-11-23 Corning Incorporated Glass packaging ensuring container integrity

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JP2020504842A (ja) * 2016-12-30 2020-02-13 コーニング インコーポレイテッド 残留圧縮応力を有する光学コーティングを備えた被覆物品
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US11618711B2 (en) 2016-12-30 2023-04-04 Corning Incorporated Coated articles with optical coatings having residual compressive stress

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