JPH0772093B2 - 化学強化フロ−トガラス - Google Patents

化学強化フロ−トガラス

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JPH0772093B2 JP61032864A JP3286486A JPH0772093B2 JP H0772093 B2 JPH0772093 B2 JP H0772093B2 JP 61032864 A JP61032864 A JP 61032864A JP 3286486 A JP3286486 A JP 3286486A JP H0772093 B2 JPH0772093 B2 JP H0772093B2
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    • C03C21/001Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フロート方式で製造されたガラス、例えば板
厚が3mm以下のソーダ石灰系フロートガラスを、電子材
料の基板、ことに光デイスク用ガラス基板、フオトマス
ク用ガラス基板、各種デイスプレイ、デイバイス部材等
として適用することのできる火造り面を活かした反りも
小さい平坦度のよい高強化度をもつ化学強化フロートガ
ラスに関する。
さらに本発明は、上記のほか、薄板で大面積の建築用お
よび車輌用窓ガラス、フロートガラスを用いた各種成型
品、調理用硝子製品および各種電子電気機器の基板等、
幅広く用いられるものである。
〔従来の技術〕
フロートガラスはいわゆる各種板ガラスに比べ表面平滑
性、平坦性、厚みの均一性等に優れているので建築、車
輌等の分野に加え電子材料分野、例えば液晶やプラズマ
等のデイスプレイなどにも広く利用されつつある。
さらに最近の傾向として3mm厚以下の薄板ガラスが賞用
されており、厚みが薄くなるほど、強度の向上が望まれ
ている。
薄板ガラスを効果的に強化するために、低温型あるいは
高温型等のアルカリイオン置換による化学強化方法を適
用することは周知であるが、フロートガラスにそのまま
化学強化法を用いた場合、ガラスに反りが生じて(例え
ば約1mm厚で0.4〜1.3mm/300mm径)平坦性を損ない、こ
とに光デイスク基板等において要求される平坦度(例え
ば約1mm厚で0.2mm/300mm径以下)を得ることができない
ものであつた。
前記反りの原因はガラスのフロート成形時における溶融
金属、通例Snの接触ガラス面への浸入の影響によるもの
と推定されるが、この反りに対する画期的な対処法は見
出されていない。例えば、ガラスのSn浸入面を研削、研
摩したうえでアルカリイオン置換処理することが実施さ
れているが、該Snの接触ガラス面におけるSnの拡散層は
10〜20μmあり、最大この層の研削研摩が必要となり、
この方法では工程が煩雑であるのみならず、そのための
ガラスの割れおよび欠陥を生じるという研削研摩自体に
も問題があるものであつて、コスト上も高価なものとな
る。
したがつて、上述の方法では光デイスク基板等にはフロ
ートガラスが採用されないものであつた。
なお、フロートガラスを化学的に強化しようとするもの
としては、例えば、特公昭43-11106号公報および特開昭
58-115043号公報ならびにガラス組成がフロートガラス
に限定してないものとしては特公昭54-17765号公報等が
あり、特公昭43-11106号公報には、その表面は実質的に
応力をもたないが、化学的に低原子価状態にある元素に
富む表面層をもつガラス物品を形成させ、そしてこの物
品の表面を、ガラスの歪点に近いまたはそれ以下の温度
において、該ガラスの表面層中の低原子価状態の元素と
反応し得る物質と接触させて、低原子価状態の元素より
高原子価状態の元素の化合物に転化させかくしてガラス
表面に圧縮層を形成させる増強された破壊強度をもつガ
ラスの製造法が記載され、溶融錫浴の表面に帯状のガラ
スを生成せしめるフロート方式において、ガラス帯の下
部表面に導入される錫は一般にその最高原子価を示さな
い状態にあり、酸化第一錫の形でガラス帯の下部表面に
存在するものと考えられるので、ガラス帯の上部表面に
酸化第一錫蒸気等を用いて処理して、ガラス帯の上下部
両表面に同等の濃度となるよう導入せしめて、酸化雰囲
気あるいは酸化剤を用いて、第一錫化合物を第二錫化合
物への転化をさせることで、ガラス表面に圧縮層を形成
せしめ、平らな変形の少ない増強された破壊強度をもつ
ガラスとなることが開示されている。また特開昭58-115
043号公報には、ガラスを該ガラスの徐冷点から歪点ま
での間を少なくとも2時間かけて精密徐冷をし、前記ガ
ラスの厚さ中央の残留歪を5μm/cm以下にした後、該ガ
ラスをイオン交換処理する板ガラスのイオン交換方法が
記載され、その実施例において、フロートガラスを本発
明の精密徐冷して、上・下面砂掛け研磨して平坦度を出
し、次にこのガラスを低温イオン交換法による化学強化
処理を行い、平坦度変化の少ないガラス基板が得られる
ことが開示されている。
さらに、特公昭54-17765号公報には、ガラス物品をその
歪点より低い温度でガラス物品中の主アルカリ金属イオ
ンAよりイオン半径の大きいアルカリ金属イオンBによ
り置換してガラス物品の強度を増大せしめる方法におい
て、まず前段処理としてガラス物品をその歪点以下の温
度で一定時間アルカリ金属イオンB及びアルカリ金属イ
オンAを所望の比率Pを含む塩に接触せしめ、次いで後
段処理として前記温度よりは更に低い温度もしくは前記
処理時間よりは短い時間の少くとも一方を満足する条件
で前記比率Pよりは高い比率Qでアルカリ金属イオンB
を多く含む塩と接触せしめるガラス物品の処理方法が開
示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述したように、フロートガラスを化学強化する際、前
記特公昭43-11106号公報に開示されているようにフロー
トガラス帯の上・下部両表面における酸化第一錫を同一
濃度にし、この酸化第一錫を酸化第二錫に転化した程度
では、平らさは得られたとしてもかなり小さな表面圧縮
応力値しか得られず、しかも破壊強度も必ずしも充分な
ものとはいえないものであり、むしろ表面圧縮応力は極
めて小さいので化学強化ガラスとは言い難いものであ
り、前記特開昭58-115043号公報に開示されているよう
にフロートガラスの表面、少くともその溶融錫接触面を
研剤、研磨し、Sn拡散層を除去しないかぎり、該ガラス
の反り等の発生を阻止して本来の化学強化製品とするこ
とはできないものであり、この方法ではフロートガラス
の火造り面を活かした未研磨のフロートガラスでは光デ
イスク用基板、フオトマスク用ガラス基板、各種デイス
プレイ・デイバイス部材等に適用し得ないか適用できた
としても不充分なものであり、前記特公昭54-17765号公
報に開示されている方法で、フロートガラスを化学強化
した場合、反りの発生に対する解消効果は得られないも
のである。すなわち前段と後段の処理を行つてもその反
りを制御することはできないものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、従来のかかる欠点に鑑みてなしたものであ
り、機械的研磨をせずに、フロートガラス独特の火造り
表面を活かそうとすると平坦度および強化度がきびしく
て採用されなかつた分野においても充分使用されるよう
な化学強化したフロートガラスを提供するものである。
すなわち、本発明は、フロート方式で製造され、加工し
た板状体を表面研磨せずに、Liイオン、Naイオンあるい
はこれらの混合無機塩に浸漬または接触せしめた後、常
法により化学強化したフロートガラスについて、該ガラ
スの表面圧縮応力値が25〜120kg/mm2板厚1.1±0.1に対
し反り量が±0.4μm/cm以内である火造り面を有するこ
とを特徴とする化学強化フロートガラスである。
ここで、表面圧縮応力値は東芝硝子製の表面応力計で測
定した数値であり、表面圧縮応力値を25〜120kg/mm2
限定したのは、25kg/mm2未満では、強化板ガラスとして
満足されず、例えばボールテスト、曲げ破壊強度等も小
さくなり、化学強化ガラスとして評価を受けがたいもの
であり、120kg/mm2を超えると反り量を修正するための
前処理時間が長くなりコスト高となるだけでなく、フロ
ートガラスの火造り表面の良さが薄らぐ、あるいは例え
ばヘイズ(くもり)が出る等の可能性があり、反り量に
対しても本発明による制御がし難いものとなり、その限
定範囲をも超えるものとなりやすくなり、またそのガラ
スの複屈折量が増えるため電子材料用基板等の分野で一
部使用できなくなるようになり、さらにまたフロートガ
ラスとしての組成成分のうち、例えばNa2O、Li2Oあるい
はZrO2等の表面圧縮応力値に影響を与える成分を大幅に
増量する必要が生じ、フロートガラス方式での製造上極
めて困難なものとなる等実用上も問題を生じ、種々障害
が発生するためである。なお、表面圧縮応力値として好
ましい範囲は35〜80kg/mm2である。一方反り量はDEKTAK
II(SLOAN社製)等で測定した数値であり、板厚1.1±0.
1に対し反り量を±0.4μm/cm以内に限定したのは、フロ
ートガラスの火造り表面を保持し活かして充分な強度を
得る処理のなかで±0.4μm/cm以内を超えると電子材料
用基板等として使用できないものとなるためである。な
お反り量として好ましい範囲は±0.2μm/cm以内であ
る。さらにフロートガラス表面は一種の火造り研磨とな
つていて表面状態が最もすぐれているので、これを活か
した化学強化物品とすることができるものである。
本発明のフロートガラスの組成成分についてはソーダ石
灰系、ホウケイ酸系、アルミナケイ酸系ガラス等である
が、フロート方式によつて製造できるものであればとく
に限定する必要ないものであり、好ましくはソーダ石灰
系フロート板ガラス組成、すなわち、重量%でSiO2 68
〜75%、Al2O3 0〜5%、CaO 5〜15%、MgO 0〜5%、N
a2O 10〜20%、K2O 0〜5%等の成分から成り、これにF
e2O3、As2O3、TiO2、CeO2その他の微量成分が加わる組
成である。加工した板状体とは平板でも曲げ板でもよく
種々の形状を包含することはいうまでもない。また板厚
については、とくに限定する必要はなないが、3mm以下
ことに2mm以下のものが好ましく顕著な効果をもたらす
ものである。
本発明の化学強化フロートガラスを得るための方法とし
てはとくにこだわらないが、例えば、本出願人が先に提
案した特願昭60-44926に記載の保持温度350〜650℃のNa
イオンを含む溶融塩中に0.5〜100時間浸漬処理後、化学
強化するフロートガラスの化学強化方法、特願昭60-473
68に記載のNaイオンを含む無機塩をフロートガラスの溶
融金属接触面に塗着し、380〜650℃の温度で0.1〜70時
間加熱処理後、化学強化するフロートガラスの化学強化
方法、特願昭60-240430に記載の保持温度350〜650℃のL
iイオンを含む溶融塩中またはLiイオンとNaイオンを含
む混合溶融塩中に0.01〜50時間浸漬処理後、化学強化す
るフロートガラスの化学強化方法、および特願昭60-240
431に記載のLiイオン含有無機塩またはLiイオンとNaイ
オン含有混合無機塩をフロートガラスの溶融金属接触面
に塗着し、380〜650℃で0.01〜30時間処理後、化学強化
するフロートガラスの化学強化方法等があり、なかでも
前述の機械的研磨をしない通常のフロートガラスの表面
に対して、該ガラス組成中のアルカリ成分と同種のアル
カリイオン、例えばNaイオンあるいはLiイオンを含む溶
融塩または混合溶融塩を用いて、該ガラスの表裏両表面
ないし該ガラスの板成形時の溶融錫接触面のみのどちら
かに、気相法、塗布、浸漬あるいは塗着等の手段で、約
350〜650℃の温度範囲で0.01〜100時間処理後、低温型
または高温型イオン交換法による化学強化を行う方法が
好ましい。とくに低温型イオン交換法を行うのが好まし
いが、場合によつては高温型でもさしつかえがないこと
は言うまでもない。
なお曲げ板ガラスについての反り量は例えばフロートガ
ラスの曲げ加工後を基準形状とし、化学強化処理後の変
形を測定し、その変形量をいうものである。
また、反り量とは前記板状体の径または長さ1cm当りの
反り量の測定値あるいは前記円盤状基板の径または長さ
当たりの反り測定量に対し、径または長さを2乗した数
値の逆数を比例係数として計算した換算値(μm/cm単位
で少数点第2位を四捨五入した数値)をいうものであ
り、例えば30cm径の円盤状基板であれば、30cm当りの反
り量を測定して、その測定値が0.2mmであつたとする
と、0.2×(1/900)=0.00022mm/cm≒0.2μm/cmを反り
量として採用するものである。
〔作用〕
前述したとおり、本発明の化学強化フロート板ガラスに
よつて、とくに3mm程度の板厚より薄くなるにしたがつ
て風冷強化法では安価な強化ガラスが得られにくいとい
う問題を含め、化学強化することによつて生じるフロー
トガラスでの反りの問題について、フロートガラスの成
形時に生じる上下両面での錫拡散層の深さおよび錫分布
量の差等によつて化学強化時例えばカリウムイオンを用
いての置換の際、このカリウムイオンの置換量に差が生
じることに着目して本発明のようにカリウムイオンの拡
散を結果的にガラスの上下両面で制御することで、充分
なる強化度をもたらすなかで反り量を表面加工なしでほ
ぼ生板に近い数値内に制御して所要の化学強化フロート
ガラス製品を得ることができるものとなるとともに、研
磨等せずに表面あらさ、面平行性および平滑性等のフロ
ートガラスの本来の特性を活かせるものとなり、さらに
より薄く比較的大面積でしかも高強度であつて反りがな
い等高精密形状でしかも高平滑性である板状強化ガラス
が要求されつつあるなかで、これに答える化学強化フロ
ートガラスを提供し得るものであつて、デイスプレイ等
はもちろん反り量が1mm厚さで0.2mm/300mm径以下という
ようなデイスク基板の仕様をも満足するものとなり、さ
らに種々の分野に広く採用できるものとなるものであ
り、その製造歩留等も大きく向上するという特徴を有す
るものである。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。
実施例1 重量%でSiO2 72.30%、Al2O3 1.70%、Fe2O3 0.10%、
CaO 7.70%、MgO 3.75%、Na2O 13.00%、K2O 1.00%そ
の他の組成の板厚約1.1mmの大きさが直径約300mmのフロ
ートガラスの円盤状基板を用い、先ず該ガラス基板の表
面を洗浄してホルダーにセツトし、徐々に前記基板を約
550℃の温度に保持されている硝酸ナトリウム溶融塩浴
中に約1時間ホルダーごと浸漬処理した後、該浴槽から
取出し前記基板の表面を洗浄乾燥する。該ホルダーに再
び前記基板をセツトし、約490℃の温度に保持されてい
る硝酸カリウム溶融塩浴中に前記ホルダーごと約2.5時
間浸漬し、前記ガラス基板表面層中のナトリウムイオン
とカリウムイオンをイオン交換し、該ガラス基板表面層
に圧縮応力層を形成せしめ、前浴槽から取出し洗浄乾燥
して化学強化フロートガラス基板を得た。
このようにして得られた多数のガラス基板を種々の特性
について調べた。その結果、化学強化度として、表面応
力計(東芝硝子製)を用いて測定したところ表面圧縮応
力値は70〜80kg/mm2であり、反り量としてはDEKTAKII
(SLOAN社製の形状測定器)等を用いて測定したとこ
ろ、その最大値は−0.1〜+0.2μm/cm(−0.1〜+0.2mm
/300mm径)であり、曲げ破壊強度としては同心円負荷曲
げ法を用いて測定したところ50〜80kg/mm2であり、さら
に表面状態については光学顕微鏡(×100)で観察した
結果処理前とほとんど変わらない状態であつた。得られ
た化学強化フロートガラス円盤状基板はソリ、うねりが
殆んど観察されない平面性のよい高強度で高密度・高精
度用光デイスクガラス基板として採用し得た。
実施例2 重量%でSiO2 72.40%、Al2O3 0.15%、Fe2O3 0.09%、
CaO 8.65%、MgO 4.20%、Na2O 13.80%、K2O 0.05%、
その他の組成の板厚約1.3mmの大きさが直径約300mmのフ
ロートガラスの円盤状基板を用い、先ず該ガラス基板の
表面を洗浄してホルダーに該フロートガラスの板成形時
の溶融錫接触面を下側にしてセツトし、徐々に前記基板
を約500℃の温度に保持されている硝酸ナトリウム溶融
塩浴の表層部に前記基板の溶融錫接触面を接触浸漬して
約5時間処理した後、該浴槽からホルダーごと取出し、
前記基板の表面を洗浄乾燥する。化学強化については処
理は実施例1と同様に実施し化学強化フロートガラス基
板を得た。
実施例1と同様に得られた多数のガラス基板を種々の特
性について調べた結果、表面圧縮応力値は70〜90kg/m
m2、反り量の最大値は−0.1〜+0.2μm/cm(−0.1〜+
0.2mm/300mm径)、曲げ破壊強度は55〜80kg/mm2であつ
た。さらに表面状態についても基板の表裏両表面とも処
理前とほぼ同一で不変であつた。
実施例1と同様に光デイスクガラス基板として採用し、
平面性が非常によく高強度で高密度・高精度用に適する
ものとなつた。
なお、さらに表面圧縮応力値を120kg/mm2に近ずけるに
は、例えばガラス組成中のNa2O成分を約15.00重量%に
増量する等で達成できるものである。なお反り量のマイ
ナス表示は、溶融金属面に接触する側が凸であることを
示す。
従来例 実施例1と同一のフロートガラスを用いて、硝酸ナトリ
ウムによる浸漬処理をせずにそのまま、他の条件につい
ては実施例と同一として化学強化処理をし、従来の化学
強化ガラス基板を得た。
実施例と同一の測定機器を用いて測定した結果、表面圧
縮応力値は40〜55kg/mm2、反り量の最大値は0.7〜1.3μ
m/cm(0.65〜1.2mm/300mm径)、曲げ破壊強度は30〜50k
g/mm2であり、さらに表面状態については実施例とほぼ
同一であつた。
この従来の化学強化ガラス基板は、特に反り量が大きく
光デイスク基板に採用できなかつた。
〔発明の効果〕
前述した本発明の実施例と従来例からも明らかなよう
に、本発明によつてフロートガラスの火造り研磨で平面
性の良さを活かし、反り量を未化学強化物品とほぼ同一
形状といえる程度に減少して化学強化した物品であり、
表面圧縮応力値および曲げ破壊強度についても充分なも
のとなる化学強化フロートガラス物品であるので、従来
採用されなかつた分野でも採用できる物品である。なお
本発明の化学強化フロートガラスにおける表面からの圧
縮応力層の深さについてはEPMAによる測定で20μm以上
が得られているものであり、表面硬度等についても向上
するものである。
なおフロート方式以外の板成形法で製造された板ガラス
はいずれも表面状態がフロートガラスより悪く、高品位
の物品については表面研磨をよぎなくされることがある
ものであり、本発明のものはこれよりすぐれたものであ
る。
以上のように、本発明の化学強化フロートガラスは、従
来のフロートガラスの化学強化物品では解決し得なかつ
た反りを解決しているもので、高強度で、平担度および
平滑度が極めてよい製品を安定して安価な高品位のもの
として供給できるので、電子材料分野、とくに光デイス
ク基板等あるいは車輌用から建築用等まで広い分野に薄
板を含め採用できるようになるという卓劾を奏するもの
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フロート方式で製造され、加工された板状
    体を表面研磨せずに、Liイオン、Naイオンあるいはこれ
    らの混合無機塩に浸漬または接触せしめた後、常法によ
    り化学強化したフロートガラスであって、該ガラスの表
    面圧縮応力値が25〜120kg/mm2、板厚1.1±0.1mmに対し
    反り量が±0.4μm/cm以内である火造り面からなること
    を特徴とする化学強化フロートガラス。
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