JPH0550894U - 電気音響変換器用振動板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボイスコイルリード線の引き回しが容易に行
え、ボイスコイルリード線を捩じってダンゴ状にしてし
まう恐れのない構造のもの。 【構成】 振動板１に設けられた孔２から振動板１の外
周までスリット３を設け、振動板１の背面のボイスコイ
ルからのボイスコイルリード線を振動板１に設けられた
スリット３を介して孔２に持ってくる。従って、孔通し
の作業がなく、ボイスコイルリード線の引き回しが容易
に行え、ボイスコイルリード線を捩じってしまう恐れが
ない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気音響変換器に使用される電気音響変換器用振動板に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の振動板を図３乃至図５に基づいて説明する。図３は従来例における振動 板の平面図である。図において、１は振動板でボイスコイルリード線を通す孔２ が設けられている。

【０００３】 図４はボイスコイルリード線の引き出しを説明するための振動板とボイスコイ ルボビンの断面図である。振動板１は図３で示したものと同一である。振動板１ の背面にはボイスコイルボビン６が取り付けられている。ボイスコイル７はこの ボイスコイルボビン６に巻着されている。ボイスコイル７からのボイスコイルリ ード線７ａは孔２を通して振動板１の表側に引き出される。

【０００４】 図５は振動板の斜視図である。図における作業を説明すると、先ず、ボイスコ イル７からのボイスコイルリード線７ａを振動板１に設けられた孔２に通して振 動板１の表側に引き出す（図４参照）。振動板１の表側に引き出されたボイスコ イルリード線７ａをフォーミングする。フォーミングされたボイスコイルリード 線７ａをラグ８に接続固定する。最後に孔２を接着剤等で塞ぐ。必要な場合はボ イスコイルリード線７ａも移動しないように接着剤等で固定する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の電気音響変換器用振動板では、ボイスコイルリード線フォーミ ングは、振動板に設けられた孔からボイスコイルリード線を通してラグへ持って いくような構造をとっているので、次のような問題がある。この場合、振動板 の孔へボイスコイルリード線を通す作業が難しい事、ボイスコイルリード線を 捩じってダンゴ状にしてしまいパワーテスト等でリード線が断線してしまう恐れ がある事である。

【０００６】 本考案はこのような点に鑑みてなされたものであり、ボイスコイルリード線の 引き回しが容易に行え、ボイスコイルリード線を捩じってダンゴ状にしてしまう ことのないようにするための構造を持った電気音響変換器用振動板を提供するこ とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案による電気音響変換器用振動板は、マイク、 スピーカ、イヤホーン等の電気音響変換器に使用される電気音響変換器用振動板 において、振動板に設けられた孔から振動板の外周又は内周までスリットを設け たことに特徴を有している。

【０００８】 また、本考案による他の電気音響変換器用振動板は、マイク、スピーカ、イヤ ホーン等の電気音響変換器に使用される電気音響変換器用振動板において、振動 板に設けられたリード線を通す為の孔から振動板の外周又は内周までスリットを 設けたことに特徴を有している。

【０００９】

【作用】

振動板に設けられた孔から振動板の外周又は内周までスリットを設け、ボイス コイルからのボイスコイルリード線を振動板に設けられたスリットを介して振動 板に設けられた孔に持ってくる。従って、孔通しの作業がなく、ボイスコイルリ ード線の引き回しが容易に行え、ボイスコイルリード線を捩じってしまう恐れが ない。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 先ず、第１実施例を図１に基づいて説明する。図において、１は振動板、２は 孔である。孔２と振動板１の外周との間はスリット３が設けられている。このス リット３はボイスコイルリード線の引き回しを容易にするために設けられたもの である。すなわち、作業手順として、磁気回路空隙に治具を介してボイスコイル ボビンを載置し、このボイスコイルボビンに上記振動板１を固着することができ ない。従って、図４に示されているように、この振動板１の背面には予めボイス コイルボビンが取り付けられている。何故なら、この振動板１には中央部に空間 が設けられていないので、治具を上方向に引き抜くことができないからである。

【００１１】 ボイスコイルリード線の処理は、振動板１の背面に取りつけられたボイスコイ ルからのボイスコイルリード線をスリット３を介して孔２に持ってくる。この時 にスリット３のガイドして切欠き４を振動板１の外周に設けてもよい。通常は、 ボイスコイルリード線の引き回しが完了した後に、孔２とスリット３を接着剤等 で埋める。場合によっては、このスリット３を接着剤等で埋めないで、ユニット の内圧を逃がすことにより変形防止その他振動板の保護に役立てる。従って、作 業工数の削減にも効果がある。

【００１２】 次に、第２実施例を図２に基づいて説明する。図において、１１は振動板、２ は孔、５は中央に設けられた孔である。孔２と振動板１との内周の間はスリット １３が設けられている。このスリット１３はボイスコイルリード線の引き回しを 容易にするために設けられたものである。すなわち、作業手順として、磁気回路 空隙に治具を介してボイスコイルボビンを載置し、このボイスコイルボビンから のボイスコイルリード線を中央に寄せて立ち上げておき、振動板１１の中央の穴 ５にこのボイスコイルリード線を通して振動板１１とボイスコイルを固着する。

【００１３】 ボイスコイルリード線の処理は、振動板１の中央の穴５からスリット１３を介 して孔２に持ってくる。この時にスリット１３のガイドして切欠き４を振動板１ １の内周に設けてもよい。図ではドーム形の振動板で説明したが、コーン形その 他の振動板の場合でも本考案は適用できる。

【００１４】

【考案の効果】 以上説明したように、本考案における電気音響変換器用振動板は、振動板に設 けられた孔から振動板の外周又は内周までスリットを設けたので、 ボイスコイルからのボイスコイルリード線を振動板に設けられたスリットを介 して振動板に設けられた孔に持ってくることができる。従って、孔通しの作業が なく、ボイスコイルリード線の引き回しが容易に行え、ボイスコイルリード線を 捩じってしまう恐れがなく、作業工数の削減、品質の向上に大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例における振動板の平面図で
ある。

【図２】本考案の第２実施例における振動板の平面図で
ある。

【図３】従来例における振動板の平面図である。

【図４】従来例における振動板とボイスコイルボビンの
断面図である。

【図５】従来例における振動板の斜視図である。

【符号の説明】

１、１１ 振動板 ２ 孔 ３、１３ スリット ４ 切欠き ５ 孔 ６ ボイスコイルボビン ７ ボイスコイル ７ａ ボイスコイルリード線 ８ ラグ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 マイク、スピーカ、イヤホーン等の電気
   音響変換器に使用される電気音響変換器用振動板におい
   て、 振動板（１）に設けられた孔（２）から振動板（１）の
   外周又は内周までスリット（３）を設けたことを特徴と
   する電気音響変換器用振動板。
2. 【請求項２】 前記孔（２）はリード線を通すためのも
   のであることを特徴とする請求項１記載の電気音響変換
   器用振動板。