JPH055054Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばワンボツクスカーのごとき乗
物において、そのルーフサイド部から光を取り入
れることができるようにした光取入構造に関す
る。

〔従来の技術〕

従来より、ワンボツクスカーに限らず、種々の
乗物において、いわゆるサンルーフと呼ばれる天
窓をそなえたものがある。かかるサンルーフはル
ーフ部の中央部に窓開口を形成したものである
が、ルーフサイド部（ハイルーフタイプのワンボ
ツクスカーでは、このルーフサイド部は大きく彎
曲している）から光を取り入れるようにした窓
（この窓をそなえたルーフをＴルーフまたはクリ
スタルライトルーフという）も考えられている。
すなわち、かかる光取入用窓は光取入開口がルー
フサイド部を含むように切り欠かれ、この光取入
開口にカーブドガラスを嵌め込んだ構造を有して
いる。

そして、かかるタイプの光取入構造では、日よ
けのため、カーブドガラスの車室内側部分におい
てカーブドガラスを覆いうる巻込み式のブライン
ド部材（ロールブラインド）が設けられる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このようなロールブラインド付
き光取入構造では、ロールブラインドを引き出し
てカーブドガラスを覆う際に、カーブドガラスの
彎曲部にロールブラインドを沿わせることが難し
く、またロールブラインドでカーブドガラスを覆
つた状態にしても外部の光が室内側へ入つてくる
おそれがある。

本考案は、このような問題点を解決しようとす
るもので、漏光を防止し且つカーブドガラスの彎
曲部にロールブラインドを十分沿わせることがで
きるようにした、乗物のロールブラインド付き光
取入構造を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、本考案の乗物のロールブラインド付
き光取入構造は、乗物のルーフ部に同ルーフ部の
彎曲縁部を含むように切欠き形成された光取入開
口と、同光取入開口に嵌合され上記ルーフ部の輪
郭形状とほぼ同じ形状を有するカーブドガラス
と、上記カーブドガラスの室内側部分において同
カーブドガラスを覆いうる巻込み式のブラインド
部材と、同ブラインド部材の巻込みおよび繰出し
を案内すべく室内側から上記カーブドガラスに沿
うように設けられたガイドレールとをそなえ、同
ブラインド部材の先端部を上記カーブドガラスの
曲面に沿わせるべく、同ブラインド部材の先端部
に、所要本数のステー部材が取り付けられるとと
もに、上記ブラインド部材における上記ステー部
材の配設部分よりも先端寄りの部分に帯状の引出
し片が設けられて、上記ブラインド部材によつて
上記カーブドガラスを覆つた状態で上記の引出し
片とガイドレールとの間の〓間部を通じての漏光
を防止すべく、上記〓間部に栓部材が設けられた
ことを特徴としている。

〔作用〕

上述の本考案の乗物のロールブラインド付き光
取入構造では、カーブドガラスを覆うために巻込
み式のブラインド部材をガイドレールに沿つて引
き出すと、ブラインド部材の先端部に取り付けら
れた所要本数のステー部材によつて、ブラインド
部材はその先端部がカーブドガラスの曲面に沿う
ようにガイドレールを覆つて、日よけとして作用
する。

このとき、栓部材が設けられているので、引出
し片とカーブドガラスとの間の〓間部を通じての
漏光が防止される。

〔実施例〕

以下、図面により本考案の一実施例としての乗
物のロールブラインド付き光取入構造について説
明すると、第１図はその車幅方向に沿い切断した
状態を示す部分断面図、第２図は第１図の−
線に沿い切断した状態を示す部分断面図、第３図
は第１図の−線に沿い切断した状態を示す部
分断面図、第４図はそのロールブラインドアセン
ブリを示す斜視図であり、第５，６図はいずれも
本構造を有するハイルーフタイプのワンボツクス
カーを示すもので、第５図はその側面図、第６図
はその平面図である。

さて、第５，６図に示すごとく、ワンボツクス
カー１の両ルーフサイド部に光取入用天窓２が２
対設けられている（このような天窓をそなえたも
のをＴルーフまたはクリスタルライトルーフとい
う）。各天窓２は、第１〜３に示すごとく、ワン
ボツクスカー１のルーフ部３にこのルーフサイド
部における彎曲縁部を含むように切欠き形成され
た光取入開口４と、この光取入開口４にシール材
６を介して嵌合されたルーフ部３の輪郭形状とほ
ぼ同じ彎曲形状を有するカーブドガラス５とをそ
なえて構成されている。

また、カーブドガラス５の車室内部分には、第
４図に示すようなロールブラインドアセンブリ７
が第１〜３図に示すように取り付けられている。
このロールブラインドアセンブリ７は、カーブド
ガラス５を覆いうる巻込み式のブラインド部材
（ロールブラインド）８と、このロールブライン
ド８を後述の棒状ステー部材１２，１３付きのロ
ーラ１２ａ，１３ａ（これらのローラ１２ａ，１
３ａには静粛性を保つため植毛が施されている）
を介して案内するガイドレール（以下単に「レー
ル」という）９，９と、ロールブラインド８を巻
込みうるリトラクタ１０とをそなえて構成されて
いる。

レール９，９およびリトラクタ１０は光取入開
口４の車室内側部分においてヘツドライニング１
１で隠されるように取り付けられており、更にカ
ーブドガラス５の縁部にはセラミツクプリントが
施されているので、レール９やリトラクタ１０は
外部および車室内からは見えないようになつてい
る。また、各レール９は基端部から先端部へ向け
ほぼ直線状に形成され先端部でルーフ部の曲がり
に沿うように下方へ向け彎曲している。

ロールブラインド８はその基端部がリトラクタ
１０に巻き取られるようになつており、ロールブ
ラインド８の先端部の帯状の引出し片８Ｃをもつ
て引き出すと、ロールブラインド８の縁部付きの
ローラがレール９に案内されながら、ロールブラ
インド８が引き出されるようになつている。

ところで、ロールブラインド８の先端部には、
ロールブラインド８をカーブドガラス５の曲面に
沿わせるために、２本のステー部材１２，１３が
所要の間隔をあけて取り付けられている。このス
テー部材１２，１３の取付け構造を更に詳細に説
明する。

すなわち、ステー部材１２，１３を所要の間隔
をあけてロールブラインド８の車室外側の面上に
配置し、更にステー部材１２，１３に隣接するよ
うにレジンフエルト（フエルトに樹脂を含浸させ
たもの）等の熱伸縮性の少ない材料から成る芯材
１４，１５，１６を配置し、これらの上から帯状
の表皮材１７をかぶせて、各ステー部材１２，１
３の両側を縫製することが行なわれる。また、ロ
ールブラインド８の先端縁の部分も縫製すること
が行なわれる。これにより各ステー部材１２，１
３が熱伸縮性の少ない材料から成る芯材１５，１
６を介してロールブラインド８に縫製されること
になる。

このようにして、ステー部材１２，１３が芯材
１４〜１６といつしよに縫い合わされることによ
り、このロールブラインド８は、その基端部から
先端部へ至る大部分を占める可撓性の主ブライン
ド部分８Ａと、ステー部材１２，１３間の帯状の
中間ブラインド部分８Ｂと、ステー部材１３より
も先端側の帯状の引出し片８Ｃとで構成されるこ
とになる。

なお、ステー部材１２は、ロールブラインド８
を引き出した状態でカーブドガラス５やレール９
が曲がりはじめる部分に位置するように取り付け
られるとともに、ステー部材１３は同じくロール
ブラインド８を引き出した状態でカーブドガラス
５やレール９の曲がりの中間部分に位置するよう
に取り付けられる。

また、主ブラインド部分８Ａ、中間ブラインド
部分８Ｂ，引出し片８Ｃから成るロールブライン
ド８は、そのカーブドガラス５側の表面および表
皮材１７がポリエステル等の布にアルミコーテイ
ング処理を施したアルミコーテイング面として形
成されるとともに、車室内側表面がヘツドライニ
ング１１等の内張り材と同じ材質（例えば不織布
やニツト等）で被覆されている。これによりロー
ルブラインド８の使用時に外部からの光が効果的
に反射されるとともに、車室内より見た美観を損
なうこともない。

ところで、ロールブラインド８によつてカーブ
ドガラス５を覆つた状態で、引出し片８Ｃは、第
１，４図に示すごとく、やや上方へはね上がつた
ような状態となり、これにより引出し片８Ｃとレ
ール９との間に〓間部が生じるが、第１，２，４
図に示すごとく、この〓間部を覆う栓部材として
のコーナトリム（樹脂インジエクシヨン品）１８
が両レール９にそれぞれビス止めされている。こ
れにより上記〓間部を通じての漏光を十分に防止
ができる。

なお、ロールブラインド８を引き出してカーブ
ドガラス５を完全に覆つた状態にするとロールブ
ラインド８と係合してロールブラインド８がリト
ラクタ１０内へ引き込まれるのを防止するストツ
パが設けられており、このストツパはロールブラ
インド８でカーブドガラス５を完全に覆つている
状態で引出し片８Ｃをもつて少し引き出すか手で
操作すると外れるようになつている。かかるスト
ツパ機構は公知であるので、その詳細な構造は省
略する。

また、図中の符号１９はオープリングトリム、
２０はサイドヘツドライニングを示している。

上述の構成により、ローラブラインド８をリト
ラクタ１０に巻き取つた状態にすると、カーブド
ガラス５を通じて車室内へ光を取り入れることが
できる。次に光を取り入れるのをやめたい場合
は、引出し片８Ｃをもつてロールブラインド８が
カーブドガラス５を完全に覆いロールブラインド
８がストツパと係合するところまでロールブライ
ンド８を引き出してゆく。このときロールブライ
ンド８はステー部材１２，１３付きのローラ１２
ａ，１３ａの作用によつて円滑に引き出される。
このようにして、ロールブラインド８でカーブド
ガラス５を覆うことができ、これにより日よけと
して作用するが、このときロールブラインド８の
先端部付きのステー部材１２，１３がカーブドガ
ラス５ひいてはレール９の曲がりに沿うように位
置している。その結果、ロールブラインド８を引
き出した状態で、ロールブラインド８をカーブド
ガラス５の曲面に沿わせることができ、車室内か
らロールブラインド８を見た場合に、他のヘツド
ライニング１１の部分との整合性をとることがで
き、美観を損なうことがない。

なお、仮にロールブラインド８に１本のステー
部材１３だけを取り付けた場合を考えると、ロー
ルブラインド８はこれを引き出した状態で第１図
に鎖線で示すようにレール９からはみ出してしま
い、美観を損なう。

ところで、このときコーナトリム１８によつて
引出し片８Ｃとレール９との間の〓間部が塞がれ
ているので、この〓間部を通じての漏光が防止さ
れる。

そして、再度ロールブラインド８をリトラクタ
１０内へ巻き込んで、日光を車室内へ取り込むに
は、引出し片８Ｃを少し引つ張るか手で操作し
て、ロールブラインド８とストツパとの係合を解
けばよく、これによりロールブラインド８はリト
ラクタ１０内へ巻き込まれる。

このようにロールブラインド８によつて日よけ
としての機能を十分に発揮することができること
はもちろんのこと、ロールブラインド８を引き出
して日よけとして使用する場合に、ロールブライ
ンド８の先端部をカーブドガラス５の曲面ひいて
はレール９の形状（これは車室内天井の形状とほ
ぼ同じ）に沿わせることができ、美観を損なうこ
とがなく、更にロールブラインド８の先端部にお
けるステー部材１２，１３が熱伸縮性の少ない材
料から成る芯材１４〜１６を介してロールブライ
ンド８に縫製されているので、環境の温度変化
［例えば100（80）〜−30℃］によつても、ロール
ブラインド８とステー部材１２，１３との縫製部
にしわを生じることがない。

また、ロールブラインド８でカーブドガラス５
を覆つている状態で、光が車室内側へ漏れて入つ
てくることもない。

なお、芯材１４〜１６としては、その他クラフ
ト紙を用いてもよい。

また、ステー部材は、３本以上設けてもよい。

さらに、本構造は、ワンボツクスカー以外の自
動車はもちろんのこと、鉄道車両や船等の乗物に
も適用できることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案の乗物のロールブ
ラインド付き光取入構造によれば、乗物のルーフ
部に同ルーフ部の彎曲縁部を含むように切欠き形
成された光取入開口と、同光取入開口に嵌合され
上記ルーフ部の輪郭形状とほぼ同じ形状を有する
カーブドガラスと、上記カーブドガラスの室内側
部分において同カーブドガラスを覆いうる巻込み
式のブラインド部材と、同ブラインド部材の巻込
みおよび繰出しを案内すべく室内側から上記カー
ブドガラスに沿うように設けられたガイドレール
とをそなえ、同ブラインド部材の先端部を上記カ
ーブドガラスの曲面に沿わせるべく、同ブライン
ド部材の先端部に、所要本数のステー部材が取り
付けられるとともに、上記ブラインド部材におけ
る上記ステー部材の配設部分よりも先端寄りの部
分に帯状の引出し片が設けられて、上記ブライン
ド部材によつて上記カーブドガラスを覆つた状態
で上記の引出し片とガイドレールとの間の〓間部
を通じての漏光を防止すべく、上記〓間部に栓部
材が設けられているので、ブラインド部材を引き
出した状態でこれをカーブドガラスの曲面に沿わ
せることができ、これにより車室内からブライン
ド部材を見た場合の美観の向上をはかれるほか、
ブラインド部材を引き出した状態で、ブラインド
部材付きの引出し片とガイドレールとの〓間部を
通じての漏光をも防止できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例としての乗物のロールブ
ラインド付き光取入構造を示すもので、第１図は
その車幅方向に沿い切断した状態を示す部分断面
図、第２図は第１図の−線に沿い切断した状
態を示す部分断面図、第３図は第１図の−線
に沿い切断した状態を示す部分断面図、第４図は
そのロールブラインドアセンブリを示す斜視図で
あり、第５，６図はいずれも本構造を有するハイ
ルーフタイプのワンボツクスカーを示すもので、
第５図はその側面図、第６図はその平面図であ
る。 １……ワンボツクスカー、２……光取入用天
窓、３……ルーフ部、４……光取入開口、５……
カーブドガラス、６……シール材、７……ロール
ブラインドアセンブリ、８……ロールブラインド
（巻込み式ブラインド部材）、８Ａ……主ブライン
ド部分、８Ｂ……中間ブラインド部分、８Ｃ……
引出し片、９……レール（ガイドレール）、１０
……リトラクタ、１１……ヘツドライニング、１
２，１３……ステー部材、１２ａ，１３ａ……ロ
ーラ、１４〜１６……芯材、１７……表皮材、１
８……栓部材としてのコーナトリム、１９……オ
ープリングトリム、２０……サイドヘツドライニ
ング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗物のルーフ部に同ルーフ部の彎曲縁部を含む
   ように切欠き形成された光取入開口と、同光取入
   開口に嵌合され上記ルーフ部の輪郭形状とほぼ同
   じ形状を有するカーブドガラスと、上記カーブド
   ガラスの室内側部分において同カーブドガラスを
   覆いうる巻込み式のブラインド部材と、同ブライ
   ンド部材の巻込みおよび繰出しを案内すべく室内
   側から上記カーブドガラスに沿うように設けられ
   たガイドレールとをそなえ、同ブラインド部材の
   先端部を上記カーブドガラスの曲面に沿わせるべ
   く、同ブラインド部材の先端部に、所要本数のス
   テー部材が取り付けられるとともに、上記ブライ
   ンド部材における上記ステー部材の配設部分より
   も先端寄りの部分に帯状の引出し片が設けられ
   て、上記ブラインド部材によつて上記カーブドガ
   ラスを覆つた状態で上記の引出し片とガイドレー
   ルとの間の〓間部を通じての漏光を防止すべく、
   上記〓間部に栓部材が設けられたことを特徴とす
   る、乗物のロールブラインド付き光取入構造。