JPH0550504B2 - - Google Patents

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JPH0550504B2
JPH0550504B2 JP59110975A JP11097584A JPH0550504B2 JP H0550504 B2 JPH0550504 B2 JP H0550504B2 JP 59110975 A JP59110975 A JP 59110975A JP 11097584 A JP11097584 A JP 11097584A JP H0550504 B2 JPH0550504 B2 JP H0550504B2
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salt
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JP59110975A
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Masazumi Tomari
Masanori Saeki
Setsuo Yamashita
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Tokyo Tanabe Co Ltd
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Tokyo Tanabe Co Ltd
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Priority to AU42612/85A priority patent/AU4261285A/en
Priority to EP85303804A priority patent/EP0163537A1/en
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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の目的〕 産業上の利用分野 本発明は下記一般式〔〕で示される4′−シク
ロアルキル−プロピオフエノン誘導体及びその生
理的に許容される塩を提供するものであり、それ
らの化合物は中枢性筋弛緩作用を有するので痙性
麻痺、運動器疾患に伴う有痛性筋痙縮等の治療用
医薬として有用である。 (式中nは2〜5個の整数を、Rは炭素数1〜
6個の低級アルキル基を、Aは置換基を有してい
てもよいピロリジノ基、ピペリジノ基、ヘキサメ
チレンイミノ基又はヘプタメチレンイミノ基を表
わす。) 従来の技術 従来、中枢性筋弛緩作用を有する4′−置換−プ
ロピオフエノン誘導体がいくつか知られている。 例えば特公昭40−20390号には2,4′−ジメチ
ル−3−ピペリジノプロピオフエノン(一般名ト
ルペリゾン)が、特公昭55−27914号にはトリペ
リゾンよりも優れた薬理作用を有する化合物とし
て4′−エチル−2−メチル−3−ピペリジノプロ
ピオフエノン(一般名エペリゾン)が開示されて
おり、塩酸トルペリゾン及び塩酸エペリゾンは中
枢性筋弛緩剤として現在汎用されている。その他
4′−置換−2−アルキル−3−(1−環状アミノ)
プロピオフエノン化合物が種々知られているが、
それらはベンゼン環の置換基が水酸基、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、ハロゲン、フエニル
基、アミノ基、スルホニル基、カルボキシル基、
シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルオキシ
基、シクロヘキシルチオ基などであり、4′−置換
基がシクロアルキル基である化合物は知られてい
ない。 発明が解決しようとする問題点 中枢性筋弛緩剤作用を有する4′−置換−プロピ
オフエノン誘導体の中で代表される前述の塩酸ト
ルペリゾン、塩酸エペリゾンは中枢性筋弛緩剤と
して市販されているが、それらは作用の強さ及び
持続性の点で十分に満足のゆくものではない。 本発明者らは、それらに比べ薬理作用の強さ、
持続性に点でより優れた一般式〔〕の化合物及
びその生理的に許容される塩を見い出し、本発明
を完成した。 〔発明の構成〕 問題点を解決するための手段及び作用 一般式〔〕の本発明化合物において、nは2
〜5の整数を表わし、従つて構成されるシクロア
ルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチ
ル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基で
あり、Rで表わされる炭素数1〜6個の低級アル
キル基としてはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げ
られ、Aはピロリジン基、ピペリジノ基、ヘキサ
メチレンイミノ基又はヘプタメチレンイミノ基で
あり、それらは任意の位置に低級アルキル喜、水
酸基、フエニル基、フエニルアルキル基、カルボ
キシル基、アルコキシカルボニル基等によつて置
換されていてもよい。 一般式〔〕の本発明化合物は2位の炭素原子
が不斉炭素であるか(+)−体、(−)−体の光学
異性体が存在する。 一般式〔〕の本発明化合物の生理的に許容さ
れる塩としては塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸
塩等の無機酸塩及び酢酸塩、クエン酸塩、コハク
酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、
乳酸塩等の有機酸塩が挙げられる。 本発明化合物は次の反応式によつて製造できる (各式中n,R,Aは前記と同じ意味を有し、
Xはハロゲンを示す。) シクロアルキルベンゼン〔〕と脂肪酸ハロゲ
ン化物〔〕を等モル以上の無水塩化アルミニウ
ムの存在下、−75〜100℃で0.5〜6時間フリーデ
ル−クラフト(Friedel−Crafts)反応を行なつ
て4′−シクロアルキルフエノン化合物〔〕を得
る。脂肪酸ハロゲン化物〔〕の代りに脂肪酸無
水物を用いてもよい。反応溶媒としてクロロホル
ム、四塩化炭素、塩化メチレン、二硫化炭素、ニ
トロベンゼンなどを使用する。 次いで生成した化合物〔〕を環状アミン
〔〕の酸塩及びパラホルムアルデヒドの存在下
で、いわゆるマンニツヒ(Mannich)反応によ
り、使用した環状アミン〔〕の酸塩と同じ酸塩
として目的化合物〔〕を得る。反応を促進させ
るため濃塩酸、濃流酸などの酸を少量添加すると
よい。反応温度は10〜150℃であり、反応時間は
5分乃至15時間であり、反応溶媒はメタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノー
ル、アミルアルコール、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどを使用する。 斯くして得られた反応液を水と層分離し、しか
も目的化合物を溶解し得る有機溶媒、好ましくは
クロロホルム中へ注ぎ飽和食塩水で適宜洗浄す
る。目的化合物を含有する有機溶媒層を分取し、
無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥後溶媒を留去し、
得られた残渣を適当な有機溶媒で再結晶すること
により、4′−シクロアルキル−2−アルキル−プ
ロピオフエノン化合物〔〕の酸塩を得る。ま
た、得られた反応液を冷却し、反応液中にイソプ
ロピルエーテル、アセトン、エチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等の反応生成物を溶解しにくい
有機溶媒を加えて結晶を析出させ、取後再結晶
してもよい。 こうして得られた目的化合物〔〕の酸塩は通
常の脱酸剤で処理することにより塩基性化合物に
変換される。さらに、これらを適当な酸で処理す
ることにより所望の塩が得られる。 本発明化合物の光学分割は、光学活性N−アセ
チル−α−フエニルグリシンを作用させて生成す
る2種のジアステレオアイソマーを溶媒に対する
溶解度の差を利用する分別結晶法で行なう。 本発明化合物〔〕の(±)−体を(−)−N−
アセチル−D−α−フエニルグリシンと作用させ
ると(+)−〔〕・(−)−N−アセチル−D−α
−フエニルグリシン塩と(−)−〔〕・(−)−N
−アセチル−D−α−フエニルグリシン塩が生成
する。これらをアセトン−イソプロピルエーテ
ル、アセトン−エチルエーテルなどの混合溶媒又
は酢酸エチルなどにより結晶化及び/又は再結晶
して難溶性の(+)−〔〕・(−)−N−アセチル
−D−α−フエニルグリシン塩を分割精製するこ
とができる。得られた塩をアルカリ水溶液中で遊
離体とし、これをベンゼン、エチルエーテル、酢
酸エチル、クロロホルムなどで抽出することによ
り本発明化合物〔〕の(+)−体が得られ、所
望によりこれを酸塩とすることができる。 つづいて、易溶性の(−)−〔〕・(−)−N−
アセチル−D−α−フエニルグリシン塩が多量に
含まれている(+)−〔〕・(−)−N−アセチル
−D−α−フエニルグリシン塩の結晶化及び/又
は再結晶母液を減圧濃縮する。得られた残渣をア
ルカリ水溶液で遊離体とし、これをベンゼン、エ
チルエーテル、酢酸エチル、クロロホルムなどの
有機溶媒で抽出することにより〔〕の(−)−
体を多量に含む遊離体を得る。得られた遊離体を
アセトン、エタノールなどの有機溶媒に溶解し、
これに(+)−N−アセチル−L−α−フエニル
グリシンを加えると難溶性の(−)−〔〕・(+)
−N−アセチル−L−α−フエニルグリシン塩を
多く含む塩が得られる。これをアセトン−イソプ
ロピルエーテル、アセトン−エチルエーテルなど
の混合溶媒又は酢酸エチルなどの溶媒から結晶化
及び/又は再結晶して難溶性の(−)−〔〕・
(+)−N−アセチル−L−α−フエニルグリシン
塩を分割精製することができる。得られた塩を前
記の(+)−体の場合と同様の操作を行なつて本
発明化合物〔〕の(−)−体が得られ、所望に
よりこれを酸塩とすることができる。 また、(±)−体を(−)−N−アセチル−L−
α−フエニルグリシンと作用させて、前記と同様
の操作を順次行なつて(−)−体を、つづいて
(+)−体を分割精製してもよい。 なお、(+)−〔〕・(−)−N−アセチル−D−
α−フエニルグリシン塩、(−)−〔〕・(+)−N
−アセチル−L−α−フエニルグリシン塩、(+)
−〔〕・(+)−N−アセチル−L−α−フエニル
グリシン塩及び(−)−〔〕・(−)−N−アセチ
ル−D−α−フエニルグリシン塩のジアステレオ
アイソマーも新規化合物である。 本発明化合物〔〕及びその生理的に許容され
る塩が中枢性筋弛緩作用を有することを抗ニコチ
ン作用、抗トレモリン作用及び筋弛緩作用の動物
実験によつて確かめた。 ニコチンは中枢神経系、骨格筋に対し興奮作用
を呈し、痙攣、呼吸困難を起こして、ついに死に
至らせ、また、トレモリンは脳内アセチルコリン
量を増加させると同時に筋肉の収宿によつて頭
部、四肢などに振戦(tremor)を起こさせるの
で、これらの作用を抑制すれば中枢性筋弛緩作用
が期待できる。 試験に用いた本発明の代表的化合物は次の通り
である。
【表】 比較対照化合物として塩酸トルペリゾン及び塩
酸エペリゾンを用いた。 塩酸トリペリゾン 塩酸エペリゾン (イ) 抗ニコチン作用 体重28〜32gのddY系雄性マウスを1群8匹使
用した。試験化合物を蒸留水に溶解し200mg/Kg
を経口投与し、1時間後にニコチン2mg/Kgを静
脈内投与し、以後1時間にわたつて痙攣致死を観
察した。 致死抑制率=生存した動物数/使用した動物数×100
【表】 (ロ) 抗トレモリン作用 体重28〜32gのddY系雄性マウスを1群8匹使
用した。試験化合物を蒸留水に溶解し50mg/Kgを
経口投与し、30分後に塩酸トレモリン20mg/Kgを
皮下投与した。以後30分及び60分経過時点におけ
る振戦発生の有無を観察した。 振戦抑制率 =振戦発生のなかつた動物数/使用した動物数×10
0
【表】 (ハ) 筋弛緩作用 体重33〜37gのddY系雄性マウスを1群10匹使
用した。試験化合物は生理食塩水に溶解し50mg/
Kgを腹腔内投与した。筋弛緩作用の評価は、高さ
20cmの水平な針金(直径2mm)に前肢を懸垂さ
せ、後肢を引き上げる反応(traction test)につ
いてCourvoisierらの方法(“Psychotropic
Drugs,”ed.by Garattini,S.and Ghetti,V.,
Elsevier Pub.Co.,Amsterdam,1957,P.373)
に準じて行なつた。 薬物投与15分後にマウスの前肢を針金に掛け、
5秒以内に後肢が針金に掛からないとき筋弛緩作
用ありと判定した。なお、マウスは、予備試験で
その前肢を針金に掛けさせ、5秒以内に後肢を針
金に掛けることのできるものを選び本実験に供し
た。 筋弛緩率=弛緩を示した動物数/使用した動物数×10
0
【表】 (ニ) 急性毒性 体重25〜30gのddy系雄性マウスを各群5匹使
用した。試験化合物や蒸留水に溶解し各用量を経
口投与した。投与後7日間観察し、50%致死量
(LD50)値をBehrens−Ka¨rber法で求めた。
【表】 以上の薬理試験及び毒性試験結果次のことがわ
かる。 本発明化合物の抗ニコチン作用は、化合物F
を除いて塩酸トリペリゾンより顕著に強く、化
合物A,B,C,Dは塩酸エペリゾンより強
い。 本発明化合物の抗トレモリン作用は、30分後
ではいずれも塩酸トルペリゾンより顕著に強
く、化合物Gを除いて塩酸エペリゾンより強
い。また、60分後ではいずれも塩酸トルペリゾ
ン、塩酸エペリゾンより顕著に強く、作用持続
性を示す。 本発明化合物の筋弛緩作用は、いずれも塩酸
トルペリゾン、塩酸エペリゾンより強い。 本発明化合物の急性毒性は、いずれも塩酸ト
ルペリゾン、塩酸エペリゾンと同程度である。 本発明化合物の〔〕又はその生理的に許容さ
れる塩の治療患者への投与量は年齢、病気の症状
及び連続投与、間歇投与によつて異なるが、通常
成人の場合1回1〜50mgであり、1日の許容量は
300mg以下が望ましい。 本発明化合物〔〕又はその生理的に許容され
る塩は一般に用いられる製剤用添加剤を用い、一
般の方法により錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒
剤、注射剤、シロツプ剤、懸濁剤、乳剤、坐剤な
どの製剤にすることができる。製剤用添加剤とし
ては、セルロース、乳糖、蔗糖、マンニツト、ソ
ルビツト、でんぷん類(じやがいも、とうもろこ
し、米、麦など)、ゼラチン、アラビアゴム、テ
ラガカントゴム、ポリビニルピロリドン、カルボ
キシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコー
ル、ポリソルベート、グリセリン、カカオ脂、マ
クロゴールなどを剤型に従つて適宜使用する。 次に製剤について具体的な実施例をもつて説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 錠 剤 化合物A ……100g 結晶セルロース ……150g とうもろこしでんぷん ……142g 乳 糖 ……300g カルボキシメチルセルロースカルシウム 5gステアリン酸マグネシウム ……3g 計 700g 上記の各成分を一般的な混合機で十分に混和
し、そのまま又は細粒状あるいは顆粒状としたの
ち圧縮成型して錠剤5000錠を調整する。1錠の重
量は140mgであり、含有する活性成分化合物Aの
量は20mgである。成型された裸錠は必要に応じ
て、常法に従つて糖衣錠あるいはフイルムコーテ
イング錠にする。 カプセル剤 化合物B ……50g 粉末乳糖 ……146gタルク ……4g 計 200g 上記各成分を十分混合し、カプセル充填機を用
いてカプセル1000個に充填する。1カプセル200
mg中に活性成分化合物Bが50mg含有するカプセル
が製造できる。 注射剤 化合物C10gを注射用蒸留水1000mlに溶解し、
分注機でアンプル1000本に充填し、活性成分化合
物Cを10mg含有する内液量1mlのアンプルを製造
する。 また、上記の濃度の水溶液を所望の容量のバイ
アル瓶に充填してもよい。 次に、本発明化合物〔〕及びその酸塩の製造
法を具体的な実施例をもつて説明する。 製造中間体である4′−シクロアルキルフエノン
化合物〔〕は以下の参考例によつて製造した。 参考例 1 4′−シクロプロピルプロピオフエノン プロピオニルクロライド19.6g及び無水塩化ア
ルミニウム28.6gをクロロホルム200mlに溶解し、
−55〜−50℃に保ちながら1時間を要してシクロ
プロピルベンゼン25.0gを滴下した。滴下終了後
さらに10分間撹拌を続けたのち、反応液を濃塩酸
40ml−氷塊300gの中へ注ぎよく撹拌した。クロ
ロホルム層を分取し、水洗後無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた油状物
残渣を125〜128℃/5mmHgで減圧蒸留して4′−
シクロプロピルプロピオフエノン18.8g(51%)
を得た。 NMR(CDCl3)δppm:0.63〜1.16(4H,m),
1.18(3H,t),1.67〜2.20(1H,m),2.92
(2H,q),7.05(2H,d),7.78(2H,d) 参考例 2 4′−シクロペンチルプロピオフエノン 無水塩化アルミニウム21.3gを四塩化炭素95ml
に懸濁し、これに氷冷下でプロピオニルクロライ
ド14.8gを加え15分間撹拌したところ溶解した。
この溶液に反応温度5℃以下に保ちながらシクロ
ペンチルベンゼン20.0gを3時間を隣して滴下し
た。滴下終了後さらに1時間撹拌を続けたのち、
反応液を濃塩酸160ml−氷塊200gの中へ注ぎよく
撹拌した。四塩化炭素層を分取し、水洗後無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得
られた油状物残渣を148〜150℃/5mmHgで減圧
蒸留して4′−シクロペンチルプロピオフエノン
23.0g(83%)を得た。 NMR(CDCl3)δppm:0.90〜2.30(8H,m),
1.18(3H,t),2.50〜3.33(1H,m),2.93
(2H,q),7,27(2H,d),7.80(2H,d) 参考例 3〜10 目的の4′−シクロアルキルフエノン化合物
〔〕に対応するシクロアルキルベンゼン〔〕
及び脂肪酸ハロゲン化物〔〕を適宜選択して、
参考例1又は2の方法に準拠して表5に表わした
化合物を得た。
【表】 実施例 1 4′−シクロプロピル−2−メチル−3−ピペリ
ジノプロピオフエノン塩酸塩 参考例1で生成した4′−シクロプロピルプロピ
オフエノン2.94g、パラホルムアルデヒド0.66
g、ピペリジン塩酸塩2.46g及び濃塩酸1滴をイ
ソプロパノール1.5mlに加え、2.5時間加熱還流し
た。放冷後、反応液にクロロホルム50mlを加え、
飽和食塩水30mlで3回洗浄した。クロロホルム層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留
去して得られた残渣をイソプロパノール−エチル
エーテルの混合溶媒で再結晶して白色結晶の4′−
シクロプロピル−2−メチル−3−ピペリジノプ
ロピオフエノン塩酸塩を4.20g(81%)を得た。 融点174.5〜175.5℃(分解) IR(KBr)cm-1:2950,2930,2870,2800〜
2150,1670,1600 NMR(CDCl3)δppm:0.66〜4.19(17H,m),
1.32(3H,d),4.19〜4.92(1H,m),7.12
(2H,d),7.97(2H,d),11.96(1H,
broad) 元素分析値(C18H25NO・HClとして) C H N 理論値% 70.22 8.51 4.55 実験値% 69.96 8.58 4.45 実施例 2 4′−シクロプロピル−2−メチル−3−ピペリ
ジノプロピオフエノン 実施例1で得た4′−シクロプロピル−2−メチ
ル−3−ピペリジノプロピオフエノン塩酸塩2.00
gを水30mlに溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶
液でアルカリ性とした。析出した油状物をエチル
エーテルで抽出し、それを飽和食塩水で3回洗浄
した。エーテル層を分取し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー〔ワ
コーゲルC−200、溶離液はクロロホルム:エタ
ノール(20:1)〕で精製し4′−シクロプロピル
−2−メチル−3−ピペリジノプロピオフエノン
を油状物として1.68g(95%)得た。 IR(Neat)cm-1:3070,3000,2930,2850,
2830,1675,1600 NMR(CDCl3)δppm:0.57−3.00(17H,m),
1.13(3H,d),3.67(1H,sextex),7.08
(2H,d),7.83(2H,d) 実施例 3 4′−シクロプロピル−2−メチル−3−ピペリ
ジノプロピオフエノン硝酸塩 実施例2で得た4′−シクロプロピル−2−メチ
ル−3−ピペリジノプロピオフエノン1.00gをメ
タノール10mlに溶解し、30%硝酸を加えて酸性と
した。次いで、溶媒を減下留去して得られた残渣
にエチルエーテルを加えてよく撹拌した。析出し
た結晶を取し、イソプロパノール−エチルエー
テルの混合溶液から再結晶して4′−シクロプロピ
ル−2−メチル−3−ピペリジノプロピオフエノ
ン硝酸塩を0.99g(80%)得た。 融点130〜132℃(分解) IR(KBr)cm-1:3000,2960,2860,2800,
2200,1670,1600,1385 NMR(CDCl3)δppm:0.62〜4.65(18H,m),
1.28(3H,d),7.14(2H,d),7.90(2H,
d),10.70(1H,broad) 元素分析値(C18H25NO・HNO3として) C H N 理論値% 64.65 7.84 8.38 実験値% 64.57 7.90 8.44 実施例 4 4′−シクロプロピル−2−メチル−3−ピペリ
ジノプロピオフエノンコハク塩 実施例2で得た4′−シクロプロピル−2−メチ
ル−3−ピペリジノプロピオフエノン1.00gをメ
タノール10mlに溶解し、これにメタノール5mlに
溶解したコハク酸0.44gを加えた。よく撹拌した
後溶媒を減圧下留去し、得られた残渣に少量のア
セトンを加えて放置すると結晶化した。これを
取し、アセトン−エチルエーテルから再結晶して
4′−シクロプロピル−2−メチル−3−ピペリジ
ノプロピオフエノンコハク酸塩1.01g(70%)を
得た。 融点83〜85℃ IR(KBr)cm-1:2960,2940,2860,2800〜
2200,1710,1670,1640,1600 NMR(CDCl3)δppm:0.47〜2.20(11H,m),
1.23(3H,d),2.48(4H,s),2.67〜4.50
(7H,m),7.13(1H,d),7.88(2H,d),
13.48(2H,broad) 元素分析値(C18H25NO・C4H6O4として) C H N 理論値% 67.84 8.02 3.60 実験値% 67.99 8.10 3.67 実施例 5〜28 参考例1,3,4,5,6又は7で合成した化
合物とピペリジン塩酸塩、ピロリジン塩酸塩、ヘ
キサメチレンイミン塩酸塩、ヘプタメチレンイミ
ン塩酸塩、4−メチルピペリジン塩酸塩、2−メ
チルピペリジン塩酸塩、3−メチルピペリジン塩
酸塩、3,5−ジメチルピペリジン塩酸塩、4−
フエニルピペリジン塩酸塩、4−ベンジルピペリ
ジン塩酸塩、4−ヒドロキシピペリジン塩酸塩、
4−エトキシカルボニルピペリジン塩酸塩又は4
−カルボキシピペリジン塩酸塩を、目的とする化
合物に適応するよう随意選択した以外は実施例1
と同様の操作によつて製造した。得られた化合物
及びそれらの物性を表6に示した。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 29 4′−シクロペンチル−2−メチル−3−ピペリ
ジノプロピオフエノン塩酸塩 4′−シクロペンチルプロピオフエノン3.41g、
パラホルムアルデヒド0.66g、ピペリジン塩酸塩
2.46g及び濃塩酸1滴をエタノール1.5ml中へ加
え3時間加熱還流した。放冷後、反応液をクロロ
ホルム50mlに加え、飽和食塩水30mlで3回洗浄し
た。クロロマルム層を分取し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後溶媒を減圧下留去して得られた残渣を
イソプロパノールで再結晶して白色結晶の4′−シ
クロプロピル−2−メチル−3−ピペリジノプロ
ピオフエノン塩酸塩4.70g(83%)を得た。 融点174.0〜175.0℃(分解) IR(KBr)cm-1:2940,2860,2750〜2200,
1670,1600 NMR(CDCl3)δppm:1.15〜4.18(21H,m),
1.30(3H,d),4.29〜4.92(1H,m),7.29
(2H,d),7.94(2H,d),12.09(1H,
broad) 元素分析値(C20H29NO・HClとして) C H N 理論値% 71.51 9.00 4.17 実験値% 71.68 8.95 4.20 実施例 30〜34 参考例2又は8で合成した化合物とピペリジン
塩酸塩、ピロリドン塩酸塩又はヘキサメチレンイ
ミン塩酸塩を、目的とする化合物に適応するよう
随意選択した以外は実施例29と同様の操作によつ
て製造した。得られた化合物及びそれらの物性を
表7に示した。
【表】 実施例 35 4′−シクロヘキシル−2−メチル−3−ピロリ
ジノプロピオフエノン塩酸塩 4′−シクロヘキシルプロピオフエノン3.65g、
パラホルムアルデヒド0.66g、ピロリドン塩酸塩
2.17g及び濃塩酸1滴をエタノール−イソプロパ
ノール(1:1)の混合溶媒2ml中へ加え3.5時
間加熱還流した。放冷後、反応液をクロロホルム
50mlに加え、飽和食塩水30mlで3回洗浄した。ク
ロロホルム層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後溶媒を減圧下留去して得られた残渣をイソプ
ロパノール−エチルエーテルの混合溶媒で再結晶
して白色結晶の4′−シクロヘキシル−2−メチル
−3−ピロリジノプロピオフエノン塩酸塩4.37g
(77%)を得た。 融点176.0〜177.0℃(分解) IR(KBr)cm-1:2960,2920,2850,2750〜
2200,1680,1600 NMR(CDCl3)δppm:1.05〜4.08(21H,m),
1.25(3H,d),4.18〜4.85(1H,m),7.25
(2H,d),7.95(2H,d),12.28(1H,
broad) 元素分析値(C20H29NO・HClとして) C H N 理論値% 71.51 9.00 4.17 実験値% 71.48 9.20 4.30 実施例 36〜40 参考例9又は10で合成した化合物とピペリジン
塩酸塩、ピロリジン塩酸塩又はヘキサメチレンイ
ミン塩酸塩を、目的とする化合物に適応するよう
随意選択した以外は実施例35と同様の操作によつ
て製造した。得られた化合物及びそれらの物性を
第8表に示した。
〔発明の効果〕
本発明化合物〔〕及びその生理的に許容され
る塩は、前述の表1,2及び3から明らからよう
に、塩酸トルペリゾン、塩酸ペリゾンに比べより
優れた抗ニコチン作用、抗トレモリン作用及び筋
弛緩作用を有し、特に抗トレモリン作用の60分後
においては効果の差がより顕著に表われ、作用の
持続時間を延長することが判つた。従つて、本発
明化合物〔〕及びその生理的に許容される塩は
従来化合物よりも効力の強さ及び作用の持続性の
点で改善された中枢性筋弛緩剤として、脳卒中後
遺症、脳性麻痺、痙性脊髄麻痺、頭部外傷等によ
る痙性麻痺及び腰背痛症、頚肩腕痛症等の有痛性
筋痙縮の治療に極めて有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中nは2〜5個の整数を、Rは炭素数1〜
    6個の低級アルキル基を、Aは炭素数1〜3個の
    低級アルキル基、フエニル基、ベンジル基、炭素
    数1〜3個の低級アルコキシカルボニル基、カル
    ボキシル基若しくは水酸基で置換されていてもよ
    いピロリジノ基、ピペリジノ基、ヘキサメチレン
    イミノ基又はヘプタメチレンイミノ基を表す。た
    だし、nは4〜5の整数であり、Rがメチル基、
    Aがピロリジノ基の場合を除く。)で示される
    4′−シクロアルキル−プロピオフエノン誘導体又
    はその生理的に許容される塩。 2 一般式 (式中nは2〜5個の整数を、Rは炭素数1〜
    6個の低級アルキル基を、Aは炭素数1〜3個の
    低級アルキル基、フエニル基、ベンジル基、炭素
    数1〜3個の低級アルコキシカルボニル基、カル
    ボキシル基若しくは水酸基で置換されていてもよ
    いピロリジノ基、ピペリジノ基、ヘキサメチレン
    イミノ基又はヘプタメチレンイミノ基を表す。た
    だし、nが4〜5の整数であり、Rがメチル基、
    Aがピロリジノ基の場合を除く。)で示される
    4′−シクロアルキル−プロピオフエノン誘導体又
    はその生理的に許容される塩を有効成分とする中
    枢性筋弛緩剤。
JP59110975A 1984-06-01 1984-06-01 4′−シクロアルキル−プロピオフエノン誘導体及びそれを有効成分とする中枢性筋弛緩剤 Granted JPS60255767A (ja)

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