JPH0550317B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は攪拌体の裏側へボタン等が侵入するこ
とを防止する様に改良した洗濯機に関する。

［発明の技術的背景とその問題点］ 従来より、洗濯機に於いては、第４図に示すよ
うに洗濯槽１の内底部にパルセータと称される攪
拌体２を配設して、この攪拌体２を正逆回転させ
ることにより洗濯をするようにしている。然しな
がら、このものに於いては、第５図に示すように
洗濯物から落ちたボタン３等が洗濯に伴い洗濯槽
１の内周面に沿つて攪拌体２の周縁部との間から
攪拌体２の裏側に入り込み、該攪拌体２の裏側で
攪拌体２に当たつて異音を発するという問題点が
あつた。

［発明の目的］ 本発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、
その目的は、攪拌体裏側へのボタン等の侵入を防
止し得る洗濯機を提供するにある。

［発明の概要］ 本発明は、洗濯槽のうち、凹状の攪拌体を配設
した部分の上端部に攪拌体の外周縁部が収納され
る上向きの環状溝を形成し、この環状溝の一部に
例えば深底或いは幅広といつた断面形状の大なる
収容部を設ける構成とすることにより、洗濯槽の
内周面に沿つて攪拌体との間から入り込むボタン
等を環状溝により受止めて攪拌体の裏側への侵入
を防止すると共に、環状溝内に入り込んだボタン
等は攪拌体の回転により収容部に集めて、いつま
でも異音を発生することのない様にしたものであ
る。

［発明の実施例］ 以下本発明の一実施例につき第１図乃至第３図
を参照して説明する。１１は二槽式洗濯機の外箱
であり、内部に洗濯槽１２と図示しない脱水槽と
を並設している。この洗濯槽１２は、下方部を有
底の円筒壁部１３として形成すると共に、その上
方部を円筒壁部１３より一回り大きな四角い角筒
壁部１４として形成している。また洗濯槽１２に
は、円筒壁部１３の底部から円筒壁部１３の周壁
を経て角筒壁部１４の周壁上端に至る部分を外方
に膨出することにより溢水排水室１５を形成して
いる。１６は洗濯槽１２の底部中心部に固定した
軸受で、これに軸１７を支承せしめ、この軸１７
に減速機１８の出力軸を連結している。そして、
減速機１８の入力軸と正逆回転可能なモータ１９
との間をベルト伝導機構２０を介して連結してい
る。２１は洗濯槽１２の円筒壁部１３内に配設し
軸１７に取着した攪拌体で、浅底の円形容器状を
成す凹状のものであり、その周壁部内面には凸部
２２を複数突設する一方、外底面にはポンプ羽根
２３を同じく複数突設している。２４及び２５は
ストレーナー部材たる溢水ストレーナ及び排水ス
トレーナで、これらは溢水排水室１５のうち攪拌
体２１上端部より上方の部分を閉鎖して洗濯槽１
２と区画すべく溢水排水室１５に上下の位置関係
をもつて洗濯槽１２の内方から着脱可能に取付け
られている。２６は溢水排水室１５内に攪拌体２
１のポンプ羽根２３と対向する様に配設固定した
ケーシングで、これは攪拌体２１の回転に伴つて
ポンプ羽根２３から送られてくる水を吐出するた
めのもので、その吐出口２６ａにホース２７を接
続し、更にこのホース２７を継手２８を介して溢
水ストレーナ２４の裏側に設けた揚水路２９に接
続している。３０は揚水路の上端部に取着したリ
ントフイルタである。

而して、洗濯槽１２のうち、攪拌体２１を配設
した円筒壁部１３の上端部分をやや径大に形成
し、これにより生じた段部１３ａの内周側に環状
壁１３ｂを突設することにより、溢水排水室１５
に対応する部分を除く全周にＵ字状の溝３１を形
成している。そして、その溝３１の形成から除か
れた溢水排水室１５に対応する部分には、前記継
手２８に一体に形成した収容ケース３２を配設
し、この収容ケース３２の前立上壁３２ａと上面
を覆う排水ストレーナ２５との間に溝３１に連続
する間隙３３を形成している。そして、上記溝３
１と間隙３３とによつて、攪拌体２１が配設され
た部分即ち円筒壁部１３の上端周囲部に環状溝３
４を構成すると共に、この環状溝３４と連なるよ
うにその一部を構成する収容ケース３２を環状溝
３４から攪拌体２１より外方へ張出して設け、こ
れを他よりも深底の収容部としている。一方、攪
拌２１の上端部分には環状の垂下壁３５ａを有し
た断面Ｕ字状のフランジ３５を延設しており、こ
のフランジ３５の垂下壁３５ａを環状溝３４内に
遊嵌状態に収納している。尚、３６は溢水排水室
１５内に上下可能に設けた溢水パイプ、３７は溢
水パイプ３６の下端に設けた排水弁用のシール部
材、３８はこのシール部材３７により開閉される
洗濯槽１２底部の排水口である。

次に上記構成の作用を説明する。洗濯時にはモ
ータ１９を例えば1.2秒間通電してその後0.6秒間
断電するという短時間の間欠モードで正逆両方向
に交互に回転させることにより、攪拌体２１をベ
ルト伝動機構２０及び減速機１８を介して正逆両
方向に交互に回転させる。而してこの洗濯時、洗
濯物（図示せず）から落ちたボタン３８等は、第
１図に矢印Ａで示す様に攪拌体２１の回転による
遠心力により攪拌体２１の凹状の内周面に沿つて
揚げられその勢いで洗濯槽１２の内面に移行す
る。そして、洗濯槽１２の内面を滑り降りると
き、ボタン３８等が該攪拌体２１の上端フランジ
３５と洗濯槽１２の内周面との間の隙間内に侵入
することがあるが、その侵入箇所は環状溝３４と
して構成されているから、ボタン３８等は環状溝
３４内に止どめられ攪拌体２１の裏側に入り込む
ことはない。そして、環状溝３４内に止どめられ
ているボタン３８等は攪拌体２１の回転により環
状溝３４内を移動して最終的には収容ケース３２
内に落下収容される。従つて、ボタン３８等が何
時までも環状溝３４内を移動し、異音を発すると
いう不具合は生じない。そして、収容ケース３２
内に収容されたボタン３８等は排水ストレーナ２
５を洗濯槽１２内方から取外すことで容易に収容
ケース３２から除去できる。

尚、本発明は上記し且つ図面に示した実施例に
のみ限定されるものではなく、例えば収容部とし
ては深底形状でなくとも外方に拡径されただけの
形状にても同様の効果を有するものであり、その
他、二槽式洗濯機に限らず脱水兼用洗濯機であつ
てもよい等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更
して実施し得る。

［発明の効果］ 本発明は以上説明した様に、洗濯槽と攪拌体と
の間の隙間から侵入するボタン等を洗濯槽に形成
した環状溝により捕獲して攪拌体裏側へのボタン
等の侵入を確実に防止することができ、しかもそ
の環状溝により捕獲したボタン等を環状溝の一部
に設けた収容部内に攪拌体から離して収容し、も
つてボタン等がいつまでも環状溝内で転動するこ
とがなく、異音の発生を防止できる等の優れた効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の一実施例を示した
もので、第１図は一部除去して示す要部の縦断面
図、第２図は要部の分解斜視図、第３図は洗濯機
の全体的な縦断面図であり、そして第４図は従来
構造の洗濯槽部分の縦断面図、第５図は同部分の
一部の拡大縦断面図である。 図中、１２は洗濯槽、１５は溢水排水室、１９
はモータ、２１は攪拌体、２４は溢水ストレーナ
（ストレーナ部材）、２５は排水ストレーナ（スト
レーナ部材）、２６はケーシング、２８は継手、
２９は揚水路、３２は収容ケース（収容部）、３
４は環状溝、３５はフランジ、３８はボタンであ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗濯槽の内下部に正逆回転される凹状の攪拌
   体を配設して成るものにおいて、前記洗濯槽のう
   ち、前記攪拌体を配設した部分の上端周囲部に、
   攪拌内の外周縁部が収納される上向きの環状溝を
   形成し、この環状溝と連なる収容部を環状溝から
   攪拌体より外方へ向けて張出して設けると共に、
   この収容部の上面を洗濯槽内方より着脱可能なス
   トレーナ部材によつて覆つたことを特徴とする洗
   濯機。