JPH0550204U

JPH0550204U - ダンパ

Info

Publication number: JPH0550204U
Application number: JP3037492U
Authority: JP
Inventors: 健一亀高; 勝木下
Original assignee: エヌ・オー・ケー・メグラスティック株式会社
Priority date: 1991-10-18
Filing date: 1992-04-10
Publication date: 1993-07-02

Abstract

(57)【要約】【目的】タイマー用突起５を備えたダンパについて、
部品点数を削減し、組立てを簡単にし、防錆性を持た
せ、金型の構造を簡単にする。【構成】タイマー用突起５をゴム状弾性材製とし、こ
のタイマー用突起５を加硫成形すると同時に質量体２、
ハブ１またはスリーブ６に接着する。弾性体３とタイマ
ー用突起５はこれらを一体成形することが可能である。
タイマー用突起５には必要に応じて導電性ゴムまたは磁
気反応タイプのゴムを使用する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ダンパの改良に関する。本考案のダンパは自動車または各種の産業機械の回転駆動系に装着され、クランクシャフト等の回転シャフトに生起される捩り振動を減衰するトーショナルダンパとして用いられる。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、図８および図９に示すように、ハブ５１と質量体５２をゴム状弾性材製の弾性体５３を介して接続し、ハブ５１に板金製のタイマープレート５４をねじ５５止めしたダンパが知られている。タイマープレート５４は回転作動時に回転数のパルスを拾うために用いられるものであって、環状を呈し、その外周縁に所要数のタイマー用突起５６を一体突設されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術には次の問題がある。ハブ５１、質量体５２および弾性体５３よりなるダンパ本体に対してタイマープレート５４とねじ５５が別体であるために部品点数が多い。しかもねじ５５は複数である。またこのタイマープレート５４をねじ５５止めしているために組立てが厄介である。タイマープレート５４が板金製であるために錆び易い。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は以上の点に鑑み、上記従来技術にみられる問題を解消すべく案出されたものであって、この目的を達成するため、ハブと質量体を弾性体を介して接続し、タイマー用突起を設けたダンパにおいて、前記タイマー用突起をゴム状弾性材製とし、前記タイマー用突起を加硫成形すると同時に前記質量体に接着したことを特徴とするダンパを提供する（請求項１）。またハブと質量体を弾性体を介して接続し、タイマー用突起を設けたダンパにおいて、前記タイマー用突起をゴム状弾性材製とし、前記タイマー用突起を加硫成形すると同時に前記ハブまたは前記ハブに嵌着するスリーブに接着したことを特徴とするダンパを提供する（請求項２）。また上記ダンパにおいて、弾性体とタイマー用突起を一体成形したことを特徴とするダンパを提供する（請求項３）。

【０００５】

【作用】

上記構成によれば、タイマー用突起を質量体と一体とし、またはタイマー用突起をハブまたはスリーブと一体としたために当該ダンパの部品点数を削減することが可能であり、またねじ止めを不要としたために組立てが簡単になる。タイマー用突起はゴム状弾性材製であるために錆びにくいものである。また弾性体とタイマー用突起はこれらを一体成形することが可能である。

【０００６】

【実施例】

つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明する。

【０００７】図１および図２に示すように、ハブ１と質量体２がゴム状弾性材製の弾性体３を介して接続され、ゴム状弾性材製の環状体４が加硫成形されると同時に質量体２の外周縁に接着され、この環状体４に所要数のタイマー用突起５が径方向外方へ向けて一体突設されている。尚、このダンパはハブ１の外周側にスリーブ６を有してブッシュタイプに構成されており、すなわち弾性体３を加硫成形すると同時にスリーブ６と質量体２に接着し、スリーブ６をハブ１に嵌着している。

【０００８】タイマー用突起５の材質は次のとおりである。Ａ．当該ダンパを電気的に回転数のパルスを拾う装置と組み合わせる場合には導電性ゴムを使用する。導電性ゴムはゴムに多量の金属粉末、グラファイト、カーボンブラック等を加えて抵抗値を低減させたものである。導電性ゴムにはポリアニリンやポリチオフェンが含まれる。Ｂ．当該ダンパを光センサ等により回転数のパルスを拾う装置と組み合わせる場合にはその種類を特に問わない。これに対して、弾性体３の成形材料には、専らダンピング作用に適したゴムが使用される。この結果、弾性体３とタイマー用突起５は異種のゴムによって成形される場合と同種のゴムによって成形される場合とがあり、前者の場合は異種ゴム同時加硫を行ない、後者の場合はそれぞれを別個に加硫成形しても良いが、図３および図４に示すように、質量体２の端面全体にゴムを回して弾性体３とタイマー用突起５を一体成形しても良く、この場合には金型の構造を簡素化することができる効果がある。

【０００９】図５および図６に示すように、ハブ１と質量体２がゴム状弾性材製の弾性体３を介して接続され、ゴム状弾性材製の環状体４が加硫成形されると同時にスリーブ６の外周面に接着され、この環状体４に所要数のタイマー用突起５が径方向外方へ向けて一体突設されている。このダンパもブッシュタイプである。タイマー用突起５の材質については上記Ａ、Ｂの他に、当該ダンパをクランクアングルセンサと組み合わせることにして磁気反応タイプのゴムを使用しても良く、このタイプのゴムの例としてゴムに酸化鉄（Ｆｅ₂ Ｏ₃ ）の粉末を加えたものを挙げることができる。弾性体３とタイマー用突起５は異種のゴムによって成形される場合と同種のゴムによって成形される場合とがあり、前者の場合は異種ゴム同時加硫を行ない、後者の場合はそれぞれを別個に加硫成形しても良いが、図７に示すように、弾性体３とタイマー用突起５を一体成形しても良い。尚、この実施例のようにタイマー用突起５を加硫成形すると同時にハブ１またはスリーブ６に接着した場合には、ハブ１が回転シャフトに固定され、スリーブ６がハブ１に嵌着され、もってハブ１およびスリーブ６が回転シャフトと完全に同時回転するために回転数のパルスを正確に拾うことができる効果がある。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は次の効果を奏する。すなわち、タイマー用突起を質量体と一体とし、またはタイマー用突起をハブまたはスリーブと一体としたために、当該ダンパの部品点数を削減することができ、タイマー用突起を加硫成形すると同時に質量体、ハブまたはスリーブに接着したために、組立て（製造）が簡単である。ゴム状弾性材製のタイマー用突起は錆びにくく防錆性に優れるものである。また弾性体とタイマー用突起を一体成形した場合には金型の構造を簡素化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例に係るダンパの半裁断面図

【図２】同ダンパの一部側面図

【図３】本考案の第二実施例に係るダンパの半裁断面図

【図４】同ダンパの一部側面図

【図５】本考案の第三実施例に係るダンパの半裁断面図

【図６】同ダンパの一部側面図

【図７】本考案の第四実施例に係るダンパの半裁断面図

【図８】従来例に係るダンパの半裁断面図

【図９】同ダンパの一部側面図

【符号の説明】

１ハブ２質量体３弾性体４環状体５タイマー用突起６スリーブ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ハブ１と質量体２を弾性体３を介して接
続し、タイマー用突起５を設けたダンパにおいて、前記
タイマー用突起５をゴム状弾性材製とし、前記タイマー
用突起５を加硫成形すると同時に前記質量体２に接着し
たことを特徴とするダンパ。
【請求項２】ハブ１と質量体２を弾性体３を介して接
続し、タイマー用突起５を設けたダンパにおいて、前記
タイマー用突起５をゴム状弾性材製とし、前記タイマー
用突起５を加硫成形すると同時に前記ハブ１または前記
ハブ１に嵌着するスリーブ６に接着したことを特徴とす
るダンパ。
【請求項３】請求項１または請求項２のダンパにおい
て、弾性体３とタイマー用突起５を一体成形したことを
特徴とするダンパ。