JPH0549553B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、底壁とこの底壁の２つの側面に接す
る底部側壁とから成るケース底部、およびふた壁
とこのふた壁の両面に少なくとも一部接するふた
部側壁とから成るケースふた部、およびケース底
部とケースふた部の間のヒンジ装置を有する、扁
平な物品、特に包装した磁気記録担体用のほぼ直
方体の保管ケースに関する。

（従来技術） フランス国特許第1430304号明細書によれば、
カセツトのための２分割の折たたみ可能なケース
が公知であり、このケースではケースふた部はカ
セツト用収容ポケツトを有し、かつケース底部は
ポケツトの前側に対応した切抜きを有し、ケース
を閉じた際この切抜き内にポケツトの前側が入る
ようになつているので、閉じた直方体のケーシン
グが形成される。その際ケースふた部とケース底
部は、２つのピン、穴ヒンジを介して互いに結合
されている。このケースは、デイスプレイ用パツ
ケージとしては不適当であり、ヒンジは、単純で
ありかつ負荷をかけることができず、またケース
底部とケースふた部は分離し易く、従つて紛失す
ることがある。

ドイツ連邦共和国特許出願公告第2366195号公
報によれば、ケースふた部に回動制限突起を取付
け、180°開いた時にケース底部側部の端縁に当た
るようにすることによつて、カセツトを抜け落ち
にくくすることはできるが、実際には脱落は防止
できない。

この回動制限突起は、ケース底部とケースふた
部とが容易に分離するのを回避する作用は持つて
いない。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第3201487号公
報によれば磁気記憶素子、特にいわゆるフレキシ
デイスク（バスフ社の商標）用の１片で作られた
ケースが公知であり、このケースは折たたみケー
スとして形成されており、かつ弾性ヒンジ装置お
よび容器上部と下部の間の支持装置を有するの
で、ケースは、開いた時陳列ケースとして、かつ
閉じた時保管ケースとして使用できる。その際支
持および保護装置は、一方の側壁にある簡単な止
め部または底部溝内で動くピンから成る。

（発明が解決しようとする課題） 本発明の課題は、２分割したケース部分を、こ
のケース部分の製造および組立てが簡単であるに
もかかわらず、それらが容易には分離しないよう
に、従つてそれらの一方が紛失することがないよ
うに相互にかみ合うようにすることである。

（課題を解決するための手段） この課題は次のようにして解決される。すなわ
ち、２つのケース部分のうちの一方のケース部分
の両側壁が、他方のケース部分の各側壁に面して
いる側面に、上記軸線に関して同心的に延び、し
かも内周面に環状溝が形成されている環状縁部を
有する第１のロツク部を有しており、一方、上記
２つのケース部分のうちの他方のケース部分の両
側壁が、上記一方のケース部分の各側壁に面して
いる側面に、上記第１のロツク部と略々相補的で
上記の環状溝にかみ合わさるようになされた面取
り縁を持つ第２のロツク部を有しており、上記の
両ロツク部が、ケース底部とケースふた部との上
記の回動の所定の範囲に亘つてのみ有効に係合す
るようにその寸法を定められている。

従つてケースふた部とケース底部は、所定の角
度位置において互いに取付け可能になり、かつ場
合によつては別の所定の角度位置において互いに
取はずし可能になる。環状縁部と環状溝の組合わ
せは、その一部又は全部と相補的面取り縁とのか
み合いを可能にする。

環状溝が環状縁部の切込みによつて形成できる
ことは実際に有利であり、従つて射出成形による
製造および簡単な組立て、および良好な動作が可
能である。

実際的な構成において、ケース底部の側壁は半
円形の端部を有している。これは、なにげなく行
われる分離作用に対する十分な安全策であり、ま
たケース部分の製造を容易にする。

別の有利な構成において、面取り縁及び環状縁
部並びに環状溝が略々100°の孤を成しており、両
ケース部分が閉鎖位置またはその近くにある時に
だけロツク部分がはずれることができる。

特に陳列またはデイスプレイケースとして使用
するため、ケース底部の側壁において面取り縁に
対して平行に、環状縁部の幅とほぼ同じ幅を有す
る同心的なスリツトを設けてもよい。スリツトの
長さによりふたの最大開き角をあらかじめ決める
ことができ。

ヒンジ装置が、ケースふた部の側壁にそれぞれ
設けた円柱状突起と、ケース底部の側壁に設けた
相応した円形開口とから成ると実際に有利であ
る。

組立てを容易にするため円柱状突起および／ま
たはケース底部の側壁の端部に、ケース底部の側
壁の押し込みを容易にする傾斜部を設けることが
できる。

（実施例） 本発明の実施例を以下図面によつて説明する。

保管ケース１０は、ケース底部１１とケースふ
た部１２とから成り、ケースふた部１２のふた壁
９の内側に、１つまたは複数の扁平物品を収納す
るポケツト１３が設けられており、また切欠き１
５を備えた底壁１４が設けてあり、この切欠きの
輪郭は、ポケツト１３の前壁１６の輪郭に対応し
ている。第１図において、保管ケース１０は、ケ
ースふた部１２をほぼ90°だけ持上げて示されて
おり、これは、保管ケース１０のデイスプレイ位
置に相当する。保管ケース１０を閉じた際、前壁
１６は底部切欠き１５を閉じ、またポケツト内に
ある物品、例えばデイスク、デイスクレコード、
テープリール、フイルムリールのように立方体ま
たは任意の輪郭を持つた扁平な物品は全体を完全
に保護される。

ケース底部１１は、底壁１４以外に、側壁１７
と１８、およびこれらの壁に結合された前壁１９
を有している。ケースふた部１２は、ポケツト１
３にほぼ半円柱周面状の底壁２０を有し、この底
壁は、前壁１６と側壁２１および２２に結合して
いる。ヒンジ装置２３を介してケース底部１１と
ケースふた部１２は互いに結合されている。ヒン
ジ装置２３は、ケースふた部１２の側壁２１と２
２の外側に設けたほぼ円柱形の、なるべく端面の
凹んだ突起２４と、ケース底部１１の側壁１７と
１８の自由端１７ａと１８ａに設けた円形凹所ま
たは円形開口２５とから成る。円柱状突起２４の
端面の球面状の凹所は、製造後の冷却による材料
盛上りを防ぐので、製造上望ましい。環状縁部２
７へ続き、かつ閉鎖位置において側壁１７の上縁
上に載る、側壁２１から突出した縁２６が無けれ
ば、ふた壁９の外面が底壁１４の前縁に当たるま
で、ケースふた部１２を回動させることができ、
従つて閉鎖位置から考えてほぼ300°の角度の回動
が可能である。従つて自由に回動するヒンジ装置
２３の場合、保管すべき物品が抜け落ちることが
あり、かつデイスプレイケースとして保管ケース
１０を利用するためにケースふた部１２も開いて
立てておくこともできない。もちろんポケツトの
底壁２０を平らな壁に変えることにより、90°の
ところでデイスプレイ位置が設定でき、かつこの
位置は安定である。要素２４と２５から成るだけ
このようなヒンジ装置３２は、容易に、それ故に
不意にはずれることがあり、それぞれの部分１１
と１２は紛失することがあり、かつその他に側部
１７と１８の自由端１７ａと１８ａが破損する危
険があり、それによりケースは使用できなくな
る。

この欠点は、次に説明するようにヒンジ装置２
３の強制ロツクにより排除でき、かつその場合環
状縁部２７に重要な意味がある。環状縁部２７
は、第２図に示すように環状縁部２７の端部２９
からほぼα＝100°にわたつて環状溝２８を持つよ
うに形成されている。環状溝２８は、第３図から
わかるように環状縁部２７への切り込みとして形
成でき、従つて断面でみた場合に、適当な角度を
持つた斜面として形成できる。しかし対向片、す
なわち第２のロツク部が相応して相補的な段上に
形成されている場合には、環状溝は、段状の断面
になつていてもよい。

環状溝２８にかみ合う第２のロツク部は、円形
開口２５に対して同心的な面取り縁３０（第４
図）から成り、その際面取り縁３０は、側壁端部
１７ａまたは１８ａに形成した同心スリツト３１
に沿つてのびている。面取り縁３０の孤の長さ
（β）は、ほぼ環状溝２８の孤の長さ（α）に対
応している。

保管ケース１０が第１図に示すデイスプレイ位
置にある時、環状溝２８全体が面取り縁３０に重
複しており、それにより最大の強制ロツクの位置
をなしている。

この時ケースふた部１２を矢印Ａの方向に閉鎖
位置へ向けて折たたむと、面取り縁３０は徐々に
環状溝２８から外れ、かつほとんど外れた場合、
側壁端部１７ａ，１８ａの横方向へ広げて円柱状
突起２４から離すことができ、かつケースふた部
１２およびケース底部１１は、互いに容易に離す
ことができる。

側壁端部１７ａまたは１８ａにスリツト３１を
設ける必要はなく、たとえば壁端部１８ａのハツ
チングで示す隅（第４図）を除去してもよい。た
だしこの場合、第１図の強制ロツク位置におい
て、ケース部分１１と１２の分離が容易になる。
環状溝断面の傾斜面を段として形成することによ
り強制ロツクはさらに強くすることができる。な
ぜならこの時適当な寸法にすることによつて、環
状面取り縁とかみ合つていない位置でしか分離が
行われないからである。この範囲は、両ロツク部
の当初の係合を容易にする付加適な傾斜面によつ
て幾分か拡げてもよい。傾斜切り込みの場合の分
離の可能性は、傾斜面の角度（断面角γ）及びか
み合いの範囲に依存する。第３図の例において、
角度γはほぼ60°である。この角度の大きさは、
材料と寸法を選択すれば完全なロツクをもたら
す。材料をさらに丈夫にしかつ／または環状縁部
の厚さを増せば、同様にほぼ45°の角度で十分な
こともある。それ故に角度γは、ほぼ45°ないし
90°の範囲、なるべく50°ないし75°の範囲にする。
環状溝を射出成形法によつて切り込みとして作る
場合、円柱状突起２４から軸線方向に動かされる
慣用のスライドの他に、このスライドの一体部分
を形成しているドラグスライド（drag slide）が
環状溝２８のために必要である。

スリツト３１、即ちこのスリツトの所定の限定
した長さ部分は、環状縁部２７の端部２９がスリ
ツト端部３２に当たるので、ケースふた部１２と
ケース底部１１との間の回動制限部を形成してい
る。原則的にスリツトの長さを適当に選定するこ
とにより制限角が選択できる。しかしデイスプレ
イ姿勢にある保管ケース１０が転倒しないように
するため、陳列すべき物品の重量、およびケース
ふた部１２とケース底部１１の重量との重量差
は、設計の際注意すべき事項である。10枚のミニ
フレキシデイスク（商標）（ほぼ150×150×30mm
の大きさ）のパツクに対して、ほぼ80°ないし
100°の設定角が望ましくかつ確実であるとわかつ
た。その他の、特にそれより長い、かつ／または
重い収納すべき物体の場合には、ケースふた部１
２とケース底部１１を変えずに形成した際、それ
により小さな角度に設計することが望ましい。

第５図に示したようにプラスチツク材料、例え
ば耐衝撃性のポリスチロール454Cまたは半耐衝
撃性のポリスチロール427を型から取出し冷却し
た後に、ケース底部の側壁１７と１８の端部１８
ａまたは１７ａは破線で示す内方へ偏移した状態
になつており、従つて組立後に初応力が維持さ
れ、この初応力は両ケース部分の回動運動を制動
するのみならず、両ケース部分の分離に抗する。
実線で示した端部１８ａは、組立状態に対応し、
かつ１８′ａは組立前の状態に対応している。１
８ａと１８′ａの間の距離は調節可能でありかつ
材料に依存する。

閉鎖位置でケースふた部１２とケース底部１１
とをロツクするため、例えば側壁２１，２２にそ
れぞれ１つのロツク突起３８が設けられており、
この突起は、閉鎖した際に、ケース底部の側壁１
７または１８の上側縁の近くに設けた、場合によ
つては面取り部３５を備えた対応凹所３４内に入
る。それにより不意に保管ケースが開きかつ物品
が抜け落ちることがさらに確実に防止される。保
管ケースのデイスプレイ位置における物品の脱落
または転倒は、ポケツト１３の前壁１６のほぼＵ
字形の切欠き、およびそれにより左右の引上げら
れた前壁部分によつて防止される。

ケース底部１１とケースふた部１２との結合
は、第２図の状態にあるケースふた部１２を矢印
ａの方向へまた第４図の状態にあるケース底部１
１を反対方向（矢印ｂ）の方向へ、互いに押込む
ことによつて行われる。この結合の際に側壁端部
１７ａと１８ａは、まず側壁２１と２２によつて
案内され、かつそれからピン２４によつて広げら
れ、最後に端部１７ａと１８ａのリング状の部分
を側方から押すことによつて最終位置に達する。
最後の段階において面取り縁３０は環状溝２８内
にはまり込み、従つて保管ケース１０のケース底
部１１とケースふた部１２は組立てられ、かつ互
いに強制ロツクされる。円柱状突起２４の外側の
傾斜部３６および側壁端部１７ａと１８ａの内側
の傾斜部３７により、ケース部分１１と１２の組
立てが容易になる。基本的にはロツク部の角度α
およびβの孤を大きくまたは小さくまたは相違す
るように形成することもでき、または環状縁部２
７または側壁端部１７ａと１８ａのリング状部に
上記以外の配置で形成してもよい。その際それぞ
れの適当な孤の長さは、使用した材料の可撓性に
も依存し、また環状溝２８としての切欠みの断面
の角度γまたは環状溝の段状部と対向片にも依存
している。

本発明を保管ケース１０の例について説明し
た。明らかに本発明の対象は、特許請求の範囲の
上位概念に示すようなあらゆる種類のケースに適
用できる。従つてその他の２つの立方体状のケー
ス部分を本発明によるヒンジ装置およびロツク装
置によつて互いに結合することができる。同様に
例えばケースの閉鎖装置、または回動制限、また
は組立容易化のための装置に別の変更を行つても
よいことは明らかである。

（発明の効果） 本発明によれば、第１のロツク部と第２のロツ
ク部は、回動運動の所定の角度範囲に亘つて効果
的にかみ合つており、それによつて、この所定の
角度範囲では、例えばケース底部の側壁が、両ケ
ース部分の回動軸線と平行な方向へ、互いに拡が
つてケースふた部の側壁から離脱してしまうこと
が防止され、従つて、離脱してケース部分の何れ
かを紛失し、保管ケースが使用できなくなるとい
う状況の発生を僅少にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による保管ケースを示す斜視
図、第２図は、ケースふた部の側面図、第３図
は、第２図の−線に沿つた断面図、第４図
は、ケース底部を内側から見た側面図、第５図
は、第４図の矢印Ｂの方向に見た側壁の平面図で
ある。 ９……ふた壁、１０……保管ケース、１１……
ケース底部、１２……ケースふた部、１３……ポ
ケツト、１４……底壁、１５……切欠き、１６…
…前壁、１７，１８……ケースの底部の側壁、２
１，２２……ケースふた部の側壁、２３……ヒン
ジ装置、２７……環状縁部、２８……環状溝、３
０……面取り縁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 包装した磁気記録担体のような扁平な物品用
   のほぼ直方体の保管ケースであつて、この保管ケ
   ース１０が、２つのケース部分１１，１２、即ち
   可撓性の側壁１７，１８を両側に有するケース底
   部１１及び両側部の少なくとも一部に側壁２１，
   ２２を有するケースふた部１２と、ケース底部１
   １及びケースふた部１２間に設けられ固定軸線に
   関するケース底部とケースふた部との回動を許容
   するヒンジ装置２３とを有しており、上記２つの
   ケース部分１１，１２のうちの一方のケース部分
   の両側壁が、他方のケース部分の各側壁に面して
   いる側面に、上記軸線に関して同心的に延び、し
   かも内周面に環状溝２８が形成されている環状縁
   部２７を有する第１のロツク部を有しており、一
   方、上記２つのケース部分１１，１２のうちの他
   方のケース部分の両側壁が、上記一方のケース部
   分の各側壁に面している側面に、上記第１のロツ
   ク部と略々相補的で上記の環状溝２８にかみ合わ
   さるようになされた面取り縁３０を持つ第２のロ
   ツク部を有しており、上記の両ロツク部が、ケー
   ス底部１１とケースふた部１２との上記の回動の
   所定の範囲に亘つてのみ有効に係合するようにそ
   の寸法を定められていることを特徴とする、保管
   ケース。 ２ 環状縁部２７に切り込まれた環状溝２８が斜
   めの溝である、特許請求の範囲第１項記載の保管
   ケース。 ３ ２つのケース部分１１，１２のそれぞれの側
   壁１７，１８；２１，２２が半円形の端部を有
   し、面取り縁３０及び環状縁部２７が上記半円形
   端部の周辺付近に形成されている、特許請求の範
   囲第１項又は第２項に記載の保管ケース。 ４ ケースふた部１２の環状縁部２７の幅と略々
   同じ幅を有するスリツト３１が、対応する環状溝
   ２８に隣接し且つ同心的に、ケース底部１１の側
   壁１７，１８に設けてある、特許請求の範囲第１
   項乃至第３項のうち何れか１項に記載の保管ケー
   ス。 ５ 面取り縁３０及び環状縁部２７並びに環状溝
   ２８が略々100°の孤を成している、特許請求の範
   囲第１項乃至第４項のうち何れか１項に記載の保
   管ケース。 ６ ２つのケース部分１１，１２のうちの一方の
   ケース部分の側壁が、両ケース部分の閉鎖位置付
   近においてのみ、他方のケース部分から分離でき
   るように、上記の100°の孤が配置されている、特
   許請求の範囲第５項に記載の保管ケース。 ７ ヒンジ装置２３が、ケースふた部１２の各側
   壁２１，２２に設けた円柱状突起２４と、ケース
   底部１１の各側壁１７，１８に設けた円形開口２
   ５とから成つている、特許請求の範囲第１項乃至
   第６項のうち何れか１項に記載の保管ケース。 ８ 少なくとも円柱状突起２４が、保管ケースの
   組立の際、ケース底部１１の側壁１７，１８を押
   し込み易いように、傾斜部３６を具備している、
   特許請求の範囲第７項に記載の保管ケース。 ９ 第２のロツク部が一方のケース部分の側壁に
   曲がりスリツト３１を有しており、このスリツト
   が制限された長さを有しており、環状縁部２７が
   両ケース部分１１，１２の回動末端位置で上記ス
   リツト３１の端部３２に接触し、相対的回動運動
   の範囲を制限するする寸法になされている、特許
   請求の範囲第１項乃至第８項のうち何れか１項に
   記載の保管ケース。