JPH0549343U - カラーインクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクの重ね順が一定で美しい画像を、効率
よく短い画像記録時間で得る。 【構成】 カラーインクジェット記録ヘッドを、図２に
示すように、各色それぞれのノズル列を記録ヘッドの走
行方向に並べ、各色のノズル群を記録ヘッドの走行方向
に千鳥に配するという構成にし、記録ヘッドを記録紙上
で一時固定して記録紙を一方向に１回移送し、必要な場
所に必要な色のインクを噴射し、１色あたりのノズル列
の長さ（図２におけるｂ）の帯状の画像を形成する。そ
の後、記録ヘッドを記録紙の移送方向に直角な方向に１
色あたりのノズル列の長さ分だけ走行させ、記録紙を前
回と逆方向に移送し画像記録を行う。以後、これを繰り
返して必要な大きさの画面の記録を行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、一色あたり複数のインク噴射ノズルを有するオンデマンド型カラ ーインクジェット記録ヘッドを搭載した、カラーインクジェット記録装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、カラーインクジェット記録装置における、１色あたり複数のインク噴射 ノズルを有するオンデマンド型カラーインクジェット記録ヘッドは、図３に示す ように、各色それぞれのノズル列を記録ヘッドの走行方向に直角に並べ、各色の ノズル群を記録ヘッドの走行方向に一列に配していた。この記録ヘッドによる画 像記録の方法を図面に基づいて説明する。

【０００３】 図５（ａ）において、記録紙８を一時固定して、カラーインクジェット記録ヘ ッド９を矢印の方向に１回走行させ、必要な場所に必要な色のインクを噴射し、 １色あたりのノズル列の長さ（図３におけるａ）の帯状の画像を記録する。その 後、図５（ｂ）において、記録紙８をカラーインクジェット記録ヘッド９の走行 方向に直角な方向に１色あたりのノズル列の長さ分だけ移送し、カラーインクジ ェット記録ヘッド９をインクを噴射させず左方向の図５（ａ）サイドの位置に戻 す。

【０００４】 図５（ａ）と図５（ｂ）の動作を繰り返し必要な記録をするのが一般的である 。図５（ｃ）においては、まず、図５（ａ）にある記録ヘッド９を右方向に移動 し記録後、記録用紙８を記録ヘッド９のノズル列の長さ分移送後、記録紙８を一 時固定してカラーインクジェット記録ヘッド９を矢印の方向に１回走行させ、必 要な場所に必要な色のインクを噴射し、１色あたりのノズル列の長さの帯状の画 像を、前回の画像のとなりに記録する。

【０００５】 その後、図５（ｄ）において、記録紙８をカラーインクジェット記録ヘッド９ の走行方向に直角な方向に１色あたりのノズル列の長さ分だけ移送し、カラーイ ンクジェット記録ヘッド９を右方向に移動させながら、必要な色のインクを噴射 し帯状画像を記録し元の位置に戻す。以後、これら一連の動作を繰り返して必要 な大きさの画面の記録を行う。

【０００６】 これは、カラーインクジェット記録ヘッド９を元の位置に戻す際においてもイ ンクを噴射して画像記録を行い、画像記録時間の短縮をはかる場合に使われる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

従来の記録ヘッドを搭載したカラーインクジェット記録装置では、１バンド（ １色あたりのノズル列の長さ、図３におけるａの幅の帯）の画像記録において、 １往復の記録ヘッドの走行が行われているが、実際に画像を形成しているのは片 方向の走行の時だけの方式が多いので、時間的な効率が悪かった。

【０００８】 また、画像記録時間短縮のために行われる双方向の走行での画像記録では、記 録ヘッドの走行方向によりインクの噴射順序が逆になるため、複数のインクが重 なる箇所でインクの重なり順も逆になる。また、少数のインクで多数の色を記録 しようとする場合インクを重ねる事が必要になるが、後から上に重ねたインクが 先に打たれたインクより広がってしまったり、インクの物性によって重ね順によ り発色が異なる為に、重ね順を変えても同じ色に見えるようにする事はほとんど 不可能である。従って、双方向の画像記録では、バンドごとに色が異なってしま うという問題があった。

【０００９】 そこで、この考案の目的は、これらの従来の課題を解決するために、インクの 重ね順が一定で美しい画像が、効率よく短い画像記録時間で得られるカラーイン クジェット記録ヘッドを提供する事である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】 本考案は、カラーインクジェット記録ヘッドを、図２に示すように、各色それ ぞれのノズル列を記録ヘッドの走行方向に並べ、各色のノズル群を記録ヘッドの 走行方向に千鳥に配するという構成にした。

【００１１】

【作用】

記録ヘッドを記録紙上で一時固定して記録紙を一方向に１回移送し、必要な場 所に必要な色のインクを噴射し、１色あたりのノズル列の長さ（図２におけるｂ ）の帯状の画像を形成する。その後、記録ヘッドを記録紙の移送方向に直角な方 向に１色あたりのノズル列の長さ分だけ走行させ、記録紙を前回と逆方向に移送 し画像記録を行う。図２のように、４色の記録ヘッドの場合だと、最初はＹ（イ エロー）のノズル群のみが１バンド画像記録をし、次の記録紙の移送時には、Ｍ （マゼンタ）のノズル群が前回Ｙ（イエロー）が記録した箇所に重ねて記録を行 い、同時にイエローのノズル群が１バンド隣に画像記録を行う。順次、Ｃ（シア ン）、Ｋ（ブラック）が加わり、これを繰り返して必要な大きさの画面の記録を 行う。

【００１２】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１において、図２に示すノズル配列をしたカラーインクジェット記録ヘッド １は、インク噴射口を下方に向け、キャリッジ２に固定されている。また、カラ ーインクジェット記録ヘッド１には、図示しないインク供給手段から４色分のイ ンク供給用の４本のチューブと、図示しないコントローラ部から記録ヘッド１内 部の図示しないインク噴射手段に適時インク噴射の信号及びエネルギーを伝達す るための配線が、キャリッジ２を通して接続されている。キャリッジ２は、図示 しない筺体に固定された２本のシャフト３ａ、３ｂに、摺動自在に支持されてい る。またキャリッジ２は、ベルト４が取り付けられ、このベルト４を介して図示 しないモータにより、シャフト３ａ、３ｂ上を矢印ｃの方向に自在にカラーイン クジェット記録ヘッド１を搬送する。

【００１３】 カラーインクジェット記録ヘッド１の搬送領域の下方には、カラーインクジェ ットヘッド記録ヘッド１のインク噴射口に対向して、プラテン５が図示しない筺 体に固定されている。プラテン５の下方には、図示しないモータ、ギア等の駆動 機構により駆動されるグリップローラ６ａ、６ｂが、プラテン５上の穴から一部 分を出して、図示しない筺体に回転自在に支持されている。前記グリップローラ ６ａ、６ｂの上部には、ピンチローラ７ａ、７ｂが、図示しないコイルバネ等を 利用した押圧機構により前記グリップローラ６ａ、６ｂに押圧されて図示しない 筺体に回転自在に取り付けられている。記録紙８は、前記グリップローラ６ａと 前記ピンチローラ７ａ、及び前記グリップローラ６ｂとピンチローラ７ｂに挟持 され、前記プラテン５上を、前記カラーインクジェットヘッド記録ヘッド１の搬 送方向とは直角な矢印ｄの方向に駆動、移送される。また、記録紙８の移送面は 、前記カラーインクジェットヘッド記録ヘッド１のインク噴射ノズルが配列され た面と平行で、１ｍｍ前後の隙間を保っている。

【００１４】 次に、画像記録の動作について説明する。図４は、図１と図２で説明した実施 例を上方より見て簡略化したものである。図４（ａ）において、カラーインクジ ェット記録ヘッド１を記録紙８上で一時固定して記録紙８を矢印方向に１回移送 し、まずＹ（イエロー）のノズル群のみが必要な場所にインクを噴射し、１色あ たりのノズル列の長さ（図２におけるｂ）の帯状の画像を形成する。その後、図 ４（ｂ）において、カラーインクジェット記録ヘッド１を記録紙８の移送方向に 直角な方向に１色あたりのノズル列の長さ分だけ走行させ、図４（ｃ）において 、記録紙８を前回と逆方向に移送し、Ｍ（マゼンタ）のノズル群が前回イエロー が記録した箇所に重ねて記録を行い、同時にイエローのノズル群が１バンド隣に 画像記録を行う。

【００１５】 図４（ｄ）において、カラーインクジェット記録ヘッド１を記録紙８の移送方 向に直角な方向に１色あたりのノズル列の長さ分だけ走行させ、図４（ｅ）にお いて、記録紙８を前回と逆方向に移送し、Ｃ（シアン）のノズル群が前回Ｍ（マ ゼンタ）が記録した箇所に重ねて記録を行い、同時にＭ（マゼンタ）のノズル群 が前回Ｙ（イエロー）が記録した箇所に重ねて記録を行い、Ｙ（イエロー）のノ ズル群が１バンド隣に画像記録を行う。

【００１６】 図４（ｆ）において、カラーインクジェット記録ヘッド１を記録紙８の移送方 向に直角な方向に１色あたりのノズル列の長さ分だけ走行させ、図４（ｇ）にお いて、記録紙８を前回と逆方向に移送し、Ｋ（ブラック）のノズル群が前回Ｃ（ シアン）が記録した箇所に重ねて記録を行い、同時にＣ（シアン）のノズル群が 前回Ｍ（マゼンタ）が記録した箇所に重ねて記録を行い、Ｍ（マゼンタ）のノズ ル群が前回Ｙ（イエロー）が記録した箇所に重ねて記録を行い、Ｙ（イエロー） のノズル群が１バンド隣に画像記録を行う。図４（ｈ）において、カラーインク ジェット記録ヘッド１を記録紙８の移送方向に直角な方向に１色あたりのノズル 列の長さ分だけ走行させ、さらに、順次これら一連の動作を繰り返して必要な大 きさの画面の記録を行う。

【００１７】

【考案の効果】

以上、本考案は、カラーインクジェット記録ヘッドを、各色それぞれのノズル 列を記録ヘッドの走行方向に並べ、各色のノズル群を記録ヘッドの走行方向に千 鳥に配するという構成により、インクの重ね順が一定で美しい画像が、効率よく 短い画像記録時間で得られるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の斜視図である。

【図２】本考案のカラーインクジェット記録ヘッドのイ
ンク噴射ノズル配列図である。

【図３】従来のカラーインクジェット記録ヘッドのイン
ク噴射ノズル配列図である。

【図４】本考案の画像記録方法を示す図である。

【図５】従来の画像記録方法を示す図である。

【符号の説明】

１ 本考案のカラーインクジェット記録ヘッド ２ キャリッジ ３ シャフト ４ ベルト ５ プラテン ６ グリップローラ ７ ピンチローラ ８ 記録紙 ９ 従来のカラーインクジェット記録ヘッド ａ 従来の１色あたりのノズル列の長さ ｂ 本考案の１色あたりのノズル列の長さ ｃ 記録ヘッド搬送方向 ｄ 記録紙移送方向

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 各色それぞれのノズル列を記録ヘッドの
   走行方向に並べ、各色のノズル群を記録ヘッドの走行方
   向に千鳥に配した事を特徴とするオンデマンド型カラー
   インクジェット記録ヘッドを搭載した、カラーインクジ
   ェット記録装置。