JPH054914A - 付着性を改良したカプセル剤 - Google Patents

付着性を改良したカプセル剤

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JPH054914A
JPH054914A JP3181621A JP18162191A JPH054914A JP H054914 A JPH054914 A JP H054914A JP 3181621 A JP3181621 A JP 3181621A JP 18162191 A JP18162191 A JP 18162191A JP H054914 A JPH054914 A JP H054914A
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JP
Japan
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dietary fiber
soft capsule
film
capsule
substance
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Withdrawn
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JP3181621A
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English (en)
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Ninpei Kuno
忍平 久野
Tetsuo Miura
哲男 三浦
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Fuji Capsule Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Fuji Capsule Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温、高湿下においても軟カプセル剤同志の
付着を防止し、調剤、包装作業での軟カプセル剤の滑走
性を高めて作業性を向上させる。 【構成】 軟カプセル剤の皮膜中に食物繊維またはその
誘導体またはその加工物の配合量が、前記軟カプセル剤
の皮膜重量に対し0.5重量%以上である。 【効果】 上記の目的が達成されると共に、軟カプセル
皮膜が変色することもなく、さらに崩壊性も良好であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膜中に食物繊維また
はその誘導体またはその加工物を配合した軟カプセル剤
に関し、さらに詳しくは、高温高湿下における軟カプセ
ル剤同志の付着を防止し、かつ、調剤または包装作業で
の軟カプセル剤の滑走性を高めるため、皮膜中に食物繊
維またはその誘導体またはその加工物を配合した軟カプ
セル剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カプセル剤とは、主にゼラチンを
皮膜基剤として製した皮膜中に、医薬品、食品、化粧
品、入浴剤等の内容物を封入した固型剤を意味し、一般
には、軟カプセル剤と硬カプセル剤に分類される。これ
らのカプセル剤の内、特に軟カプセル剤は、その皮膜中
に可塑剤であるグリセリンやD−ソルビット等を多量に
配合することにより、皮膜自体に弾力性を付与し、カプ
セル剤の強度を高めている。ところが、これらの可塑剤
は、一般に吸湿性が極めて高いために、軟カプセル皮膜
の含水率は環境条件によっては好ましい範囲から容易に
逸脱してしまうことが知られている。含水率の好ましい
範囲とは通常6〜12%であるが、当該範囲を超えて必
要以上に含水率が高くなった場合、特に高温下において
軟カプセル皮膜は湿潤軟化し、軟カプセル剤同志の付着
や容器内壁への付着を起こしたり、調剤包装作業におい
て、カプセル剤の滑走性を低下させ、著しく作業性を困
難にするという欠点がある。しかし、軟カプセル皮膜中
の可塑剤を減じた場合は、低温下や低湿下において軟カ
プセル皮膜が硬化し、ひび割れを起こす可能性が危惧さ
れる。そこで、従来よりカプセル剤の付着を防止する方
法として、さまざまな方法が提案されている。
【0003】このうち比較的知られているものに、軟カ
プセル外殻をカルナウバロウで表面処理する方法(特開
昭56−156212号)および硬化油で表面処理する
方法(特開昭64−42419号)とカプセル剤皮膜中
に天然カルシウム等を配合する方法(特開平2−222
21号)とがある。前二者の方法は、共に軟カプセル外
殻を水分を通さない油脂にて被覆することにより、軟カ
プセル皮膜中の含水率を好ましい範囲内に維持し、軟カ
プセル剤の軟化を防ぐことを目的としている。ところ
が、これらの方法は、40℃、70%RHのような高
温、高湿下においては軟カプセル剤同志の付着がみられ
る点や、油脂の被覆という特別な作業工程が増える点で
満足な方法とは言えない。また、後者の方法は、軟カプ
セル皮膜中に天然カルシウムを配合し、皮膜自体に滑沢
性を付与するものであって、その付着防止効果は十分満
足できるものであるが、軟カプセル皮膜が白く着色する
ために、軟カプセル剤の色を選定する際、不自由な場合
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温、高湿
下においても軟カプセル剤同志の付着を防止し、調剤、
包装作業での軟カプセル剤の滑走性を高め作業性を向上
させることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため鋭意研究した結果、主にゼラチンを皮膜基剤
として製したものであって、軟カプセル剤の皮膜中に食
物繊維またはその誘導体またはその加工物を適量配合す
れば、40℃、70%RHのような高温高湿下において
も、付着防止効果に優れ、かつ、外観が通常の軟カプセ
ル剤とほとんど変わることのない軟カプセル剤が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、軟カプセル剤の皮膜
中に、食物繊維またはその誘導体またはその加工物を配
合してなることを特徴とする付着性を改良した軟カプセ
ル剤である。
【0007】本発明において食物繊維とは、人の消化酵
素で消化されない食物中の難消化成分をいい、植物由
来、動物由来、あるいは水溶性、非水溶性に限定されな
い。具体的には、寒天、カラギーナン、アルギン酸、キ
チン、ツェイン、カードラン、コンニャクマンナン、ペ
クチン、ローカストビーンガム、アラビアガム、キサン
タンガム、ジェランガム、リグニン等が挙げられる。
【0008】また、その誘導体とは、前述の食物繊維に
化学的に修飾を施した高分子化合物をいい、例えば、ア
ルギン酸カルシウム、キトサン、ヒドロキシプロピルス
ターチ等である。
【0009】また、その加工物とは食物繊維を含む食物
や、その他の原料を様々な方法で加工して得た食物繊維
含有加工物をいい、例えば、特表昭63−2991に開
示した、アルカリ金属水酸化物水溶液から再生されたセ
ルロースIIの結晶型を持つセルロースと食用多糖類と
の均質体が、連続体として少なくとも10%以上含有さ
れているものが挙げられる。ここで、連続体とは、構造
物の断面を透過型電子顕微鏡または光学顕微鏡にて検鏡
したときに、ある相を包みこんだ形で分布している相を
いい、主として断面の観察には透過型電子顕微鏡写真が
用いられるが、大きな領域にわたって観察する場合、光
学顕微鏡写真を用いることができる。また、連続体と
は、穿孔はあっても連続して分布している相を指し、顕
微鏡上、たとえ小さな斑点がみえても一つの相とみられ
る構成体であればよい。この連続体が10%以上存在す
ることが必要な理由は、糸やフィルムが形をとどめ、適
切な機械的強度を有するためである。
【0010】糸やフィルムの強度が特に要求される場
合、例えば、ケーシング用途の場合には、連続体の比率
は80〜90%またはそれ以上が好ましい。セルロース
と食用多糖類からなる食用繊維状物は、両者が均質な一
つの連続体となって存在する。また、セルロースとポリ
ペプチドからなる可食体の場合には、セルロースがポリ
ペプチドのまわりを連続体となって囲んだ形として存在
する。一例として、セルロースと大豆分離蛋白質からな
る可食体を透過型電子顕微鏡で観察した場合、蛋白質成
分の大きさは、その製造法によっても異なるが、断面で
最小0.05μmから最大100μmまで様々に観察さ
れ、大きさとしてはこの程度のものが食感上好ましい。
蛋白質成分の形は様々であるが、おおむね円形または楕
円形である。また、可食体とは、セルロースの紙的食感
が抑制され、人が食しうる構造体を指す。
【0011】さらに詳しく述べると、木材パルプ、綿、
麻等の天然セルローズやそれらを酸加水分解によって重
合度を調整したもの、あるいはそれらを機械的に粉砕し
たり、爆破処理したり、高温高圧下で押し出し処理する
ことによって得られたセルロースをアラビアガム、アル
ギン酸、ガデイガム、カラギーナン、カラヤガム、ザン
タンガム、グアガム、タマリンド、クラガム、トラカン
トガム、ファーセレラン、プルラン、ペクチン、キチ
ン、ローカストビーンガム、キシラン、マンナン、各種
デンプン類、ならびにこれらのNa、KおよびCa塩の
中から選ばれた少なくとも一つの多糖類、あるいは天然
タンパク質およびその部分加水分解物の中から選ばれた
少なくとも一つとを、アルカリ金属水酸化物の水溶液中
に溶解あるいは分散させ、それらを、エキストルーダー
やギアポンプ圧送等による輸送の後に適当な紡口、スリ
ットから吐出し、酸性浴で凝固、水洗することによって
得ることができる。あるいはブロー紡糸等により、フイ
ブリル状のものも得ることができる。ポリペプチドおよ
び多糖類は生体構造物の形態であってもよい。生体構造
物とは、植物、動物または微生物由来のポリペプチド、
多糖類の両者または一方を含有する生体構成物であっ
て、水を除く全固形分中に占める両者の合計の割合が5
0%以上のものが好適に利用される。
【0012】植物由来の生体構造物の代表的な例は、油
かす類、穀類、豆類、植物茎葉類、藻類、果実、塊根類
であり、その具体例としては、脱脂大豆、大豆油粕、き
な粉、あまに油粕、綿実油粕、落花生油粕、サフラワー
粕、ゴマ油粕、ひまわり油粕、小麦、大麦、米、大豆
(生脂大豆)等が挙げられる。動物由来の生体構成物と
しては、魚粉、フッシュリリュブル、肉粉、肉骨粉、分
解毛、分解皮、フェザーシール、脱脂粉乳、魚肉、蓄肉
(牛肉、豚肉、羊肉等)、臓器、卵構成物(卵黄、卵
白)、オキアミ、乳構成物等が挙げられる。微生物由来
の生体構成物は、酵母、バクテリア、カビ類である。こ
れらの生体構成物は、蛋白質および/または多糖類を主
成分とするが、脂質、核酸類、リグニン類、無機塩類な
どの、いわゆる夾雑物を含む。
【0013】夾雑物を含んでいてもセルロース溶液との
混合には全く支障がないばかりでなく、かえって、可紡
性や曳糸性を向上するとか、紡糸された糸間の適度な融
着を与えるなどの利点を示す場合もある。セルロースと
混合するポリペプチド、食用多糖類および生体構造物の
中から選ばれるゲスト成分は、単一のものである必要は
なく、2種以上の組合わせ使用も可能である。
【0014】それらの構造体を必要に応じて切断、粉
砕、あるいは磨砕したもの、または、さらにそれらをス
プレードライ等により乾燥したものを用いる。さらに、
一般に市販されているものに、日本食品化工(株)の
「セルエース」および「セルファー」、ファイザー
(株)の「ポリデキストロース」、松谷化学工業(株)
の「パインファイバー」、旭フーズ(株)の「セキセ
ル」等が挙げられる。(いずれも商品名)
【0015】カプセル剤皮膜への配合量は特に制限はな
いが、目的とする付着性の改善を十分達成するために
は、カプセル剤皮膜重量に対し0.5重量%以上の配合
が必要である。また、好ましい範囲は、配合する食物繊
維等の種類により若干変動があるが、1〜30重量%で
ある。なお、本発明において、食物繊維またはその誘導
体またはその加工物を皮膜に配合した軟カプセル剤を製
造するには、通常の軟カプセル剤の皮膜製造法および内
容物充填法をそのまま用いればよく、なんら特別な操作
を必要としない。
【0016】従来、軟カプセル剤、硬カプセル剤はカプ
セル表面が滑らかなため、錠剤では一般的な腸溶性また
は徐放性等のフィルムコーティング剤がコーティングし
にくく、また、経時的にフィルムコーティング層が剥離
する場合があったが、本発明のカプセル剤は、カプセル
表面に微細な凹凸を形成しているので、腸溶性または徐
放性等のフィルムコーティング剤がカプセル剤に付しや
すいのである。また、本発明による皮膜を用いた軟カプ
セル剤は、付着防止効果を有するとともに、あわせて食
物繊維補給効果をも期待できるものである。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を挙げ
て説明する。 実施例1,2および比較例1〜7
【0018】表1に示すとおりの原料を混合調合して、
実施例1、2および比較例1〜7の軟カプセル皮膜溶液
を作った。食物繊維含有加工物として、でん粉とセルロ
ースとからなる食物繊維加工物であるセキセル(旭フー
ズ(株)製)、またはコーンファイバーであるセルファ
#200(日本食品化工(株)製)を使用した。
【0019】次いで、該軟カプセル皮膜用溶液を軟カプ
セル製造装置に仕込み、内容物を流動パラフィンとした
OVAL5型の軟カプセル剤を調整した。比較例2〜5
においては、表1に示した油脂で常法により表面処理を
施した。
【0020】
【表1】
【0021】脱離試験 実施例1,2および比較例1〜7のカプセルを10個ず
つ6号ガラスサンプルビン内に入れ、ビン口を開口した
状態で、100%RH(30℃)および70%RH(4
0℃)の恒温恒湿槽内に24時間保存し、室温にもどし
た後に、該サンプルビンを次に示す状態にした場合の該
サンプルビンから脱離し落下した軟カプセル剤の数をも
って、各検体の付着性を判定した。(a)サンプルビン
を静かに逆さにする。(b)サンプルビンを静かに逆さ
にして机上1cmより落とす。(c)上記(b)と同様に
して机上3cmから落とす。(d)上記(b)と同様にし
て机上5cmから落とす。その結果は表2、表3に示すと
おりである。なお、表2、表3において、数値は累積の
数を示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】崩壊試験 実施例1,2および比較例1〜7について日本薬局方規
定の崩壊試験器中に入れ、36℃の日本薬局方1液中で
の溶解時間を測定した。また、同検体をガラス製サンプ
ルビン中に10個ずつ入れ、密栓して40℃に恒温槽中
で3ケ月保存後、同様な崩壊試験を行った。その結果は
表4に示すとおりである。
【0025】
【表4】
【0026】外観の観察 実施例1,2および比較例1〜7について1個ずつと
り、目視による観察および実体顕微鏡(倍率20倍)に
よる観察を行った。その結果は表5に示すとおりであ
る。
【0027】
【表5】
【0028】付着テスト、崩壊テストおよび外観の観察
に基づく考察 表2、表3より明らかなように、本発明による軟カプセ
ル剤は、公知の技術であるカプセル外殻を油脂で表面処
理する方法、およびカプセル剤皮膜中に天然カルシウム
等を配合する方法に比較して、前者の方法よりも付着防
止効果が高く、後者の方法とは同等であった。しかし、
表5に示されるように、後者の方法では得られない透明
なカプセルを得ることができた点で優れていた。また、
表4より明らかなように、本発明による軟カプセル剤
は、崩壊性についても劣ることはなかった。また、表5
に示されるように、本発明による軟カプセル剤は、目視
においてはカプセル皮膜中に何も配合していない軟カプ
セル剤と変わらないが、顕微鏡によりカプセル表面を観
察した場合、微細な凹凸がみられた。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では下記の
ような効果がある。 (1)高温、高湿下であっても特に油脂類による表面処
理を行なわなくても、軟カプセル剤同志の付着を防止
し、調剤、包装作業での軟カプセル剤の滑走性を高める
ことができる。 (2)付着防止効果が大きいにもかかわらず軟カプセル
皮膜が変色することがなく、また、崩壊性も良好であ
る。 (3)軟カプセル剤表面に微細な凹凸があるためフィル
ムコーティング基剤が付着しやすく、フィルムコーティ
ング作業が容易になり、また、経時的なフィルムコーテ
ィング層の剥離を防止できる。 (4)食物繊維補給効果が期待できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟カプセル剤の皮膜中に、食物繊維また
    はその誘導体またはその加工物を配合してなることを特
    徴とする付着性を改良した軟カプセル剤。
  2. 【請求項2】 食物繊維またはその誘導体またはその加
    工物の配合量が、軟カプセル剤の皮膜重量に対し0.5
    重量%以上である請求項1記載の付着性を改良した軟カ
    プセル剤。
JP3181621A 1991-06-27 1991-06-27 付着性を改良したカプセル剤 Withdrawn JPH054914A (ja)

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