JPH054888A - シリコン単結晶の製造装置 - Google Patents

シリコン単結晶の製造装置

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JPH054888A
JPH054888A JP15454291A JP15454291A JPH054888A JP H054888 A JPH054888 A JP H054888A JP 15454291 A JP15454291 A JP 15454291A JP 15454291 A JP15454291 A JP 15454291A JP H054888 A JPH054888 A JP H054888A
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silicon
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JP15454291A
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Yasumitsu Nakahama
泰光 中濱
Makoto Suzuki
真 鈴木
Yoshinobu Shima
芳延 島
Hiroshi Kamio
寛 神尾
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 OSF密度のごく低いシリコン単結晶製造装
置を提供することを目的とする。 【構成】 単結晶育成部Bと原料溶解部Aとに分割し、
シリコン溶融液7が流通できるように小孔9を設けた仕
切り部材8と、仕切り部材8と原料溶解部Aを覆う保温
カバ−10とを有するCZ法のシリコン単結晶製造装置
につおいて、保温カバ−10が、灰分が20ppm,以下、
又は嵩密度が1.7g/cm3 以上の黒鉛材で作られ、円
筒部体積が6800cm3 以下であることを特徴としたも
のである。 【効果】 本発明の装置にて作られたシリコン単結晶か
らから得られたウエハ−のOSF密度が15個/cm2
下の高品質・大径の単結晶が安定して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー法
(以下CZ法と言う)による大径シリコン単結晶の製造
装置特に保温カバ−に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSI分野で用いられるシリコン単結晶
は、通常CZ法によって製造されているが、このCZ法
では、シリコン単結晶成長と共にるつぼ内のシリコン溶
融液が減小する。従ってシリコン単結晶成長と共にシリ
コン単結晶中のドーパント濃度が上昇し、酸素濃度が低
下することになる。即ち、シリコン単結晶の性質がその
成長方向によって変化することになる。
【0003】LSIの高密度化とともに、シリコン単結
晶に要求される品質が年々厳しくなるため、それに伴っ
て歩留まりが低下すると言う問題が生ずることになる。
【0004】この問題を解決する手段として、例えば特
公昭40−10184号公報(1頁右欄20行〜35
行)には、CZ法の石英るつぼ内をシリコン溶融液の小
孔を有する円筒状もしくはるつぼ状の石英製仕切り部材
で仕切り、この仕切り部材の外側(原料溶解部)に原料
シリコンを供給しながら、仕切り部材の内側(単結晶育
成部)でシリコン単結晶を育成する方法(連続引き上げ
法)が開示されている。この方法の大きな問題点は、特
開昭62−241889号公報(2頁左下欄2行〜6
行)にも指摘されている通り、仕切り部材の内側で仕切
り部材を起点として、シリコン溶融液の凝固が発生しや
すいことである。
【0005】即ち、単結晶育成部のシリコン溶融液の液
面の、仕切り部材と接触している部分から凝固が発生す
る。この凝固は、温度の低いるつぼ中央部に向かって成
長し、シリコン単結晶育成を阻害する。この原因は次の
通りである。
【0006】仕切り部材として通常使用される石英ガラ
スは、熱線を貫通しやすく、しかも通常の場合、仕切り
部材上部のシリコン溶融液液面上に露出している部分か
ら、水冷された炉壁に対する放熱が大きいため、シリコ
ン溶融液中の熱は、仕切り部材中を上方に伝達し、仕切
り部材の溶融面上に露出している部分より放散される。
従って、仕切り部材近傍では溶融液温度が大きく低下し
ている。
【0007】このように、仕切り部材に接触している溶
融液液面は、非常に凝固が発生しやすい状態になってい
る。
【0008】最近は、高品質の粒状シリコンが製造でき
るようになり、連続引き上げ法における原料シリコンと
して、この粒状シリコンを連続的にシリコン溶融液中に
供給することは、比較的容易であると考えられる。
【0009】しかし、粒状シリコンがシリコン溶融液液
面に供給される際に、粒状シリコンに対して十分な融解
熱をあたえられない場合には、粒状シリコンの溶け残り
が生じ、そして粒状シリコンの溶け残りから凝固が発生
し拡大していくことが少なくない。
【0010】これは、密度差のために、固体の粒状シリ
コンが溶融液面に浮かび、固体の粒状シリコンの方がシ
リコン溶融液よりも熱放射率が大きいために、熱が奪わ
れやすくなるためである。特に、粒状シリコンが原料溶
解部のシリコン溶融液面で仕切り部材に付着凝集した場
合には、前記の単結晶育成部での凝固の場合と同じく、
仕切り部材を通して熱が急速に奪われるため、凝固の発
生・拡大が起こりやすい。 今後、シリコン単結晶の大
径化、引き上げ速度の高速化に伴って、供給される原料
シリコン量が増加すると、この現象はいっそう発生しや
すくなる。
【0011】また、この問題は、供給する原料シリコン
が、粒状以外の形態であっても本質的に変わるものでは
ない。
【0012】仕切り部材からの凝固の発生を防止し、か
つ、供給される原料シリコンの溶け残りを防止する方法
を提案したものとして、特開平1−153589号公報
がある。この公報には、仕切り部材及び原料溶解部の上
方を保温カバーで覆い、保温カバーによって、熱がるつ
ぼ上方の水冷された炉壁等へ放散するのを抑え、仕切り
部材周辺及び原料溶解部のシリコン溶融液を保温するこ
とを開示している。
【0013】保温カバーの材料としては、金属、黒鉛な
どが考えられるが、高温環境下で使用に耐え得るタンタ
ル、モリブデンといった高融点金属は非常に高価であ
り、また金属汚染により品質に悪影響を及ぼす危険性が
ある。従って、保温カバ−の材料として、従来炉内構造
材であった黒鉛がまず考えられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、仕切り
部材を黒鉛製の保温カバーで覆うことにより、仕切り部
材からの融液の凝固及び原料溶解部での供給原料の溶け
残りを防止でき、連続引き上げ法によるシリコン単結晶
の安定育成が可能になった。
【0015】しかし、この黒鉛製保温カバーを用いて育
成した単結晶は、酸化誘起積層欠陥(以下OSFとい
う)の発生密度が大きい場合がしばしばあり、結晶品質
の点で問題があることがわかった。
【0016】OSF発生原因は結晶熱履歴(例えば第4
9回応用物理学会学術講演会予稿集P314)、融液温度
(例えば、日本結晶成長学会誌Vol.17(1990)P12.) 、重
金属汚染(例えば第38回応用物理学関係連合講演会予
稿集P312)など様々な原因が上げられているが、OSF
発生メカニズムはいまだ完全には解明されていない。
【0017】また保温カバ−とOSF発生の関係につい
て、従来、保温カバ−の材質として金属を用いた場合
は、金属汚染によるOSFの発生が指摘されていた(特
開平3−88794号公報)。しかし、黒鉛製保温カバ
−を用いて結晶育成をしたときのOSF発生原因につい
て、言及したものはこれまでになかった。
【0018】また、OSF密度の低減に関する要求は、
年々厳しくなっているが、日本電子工業振興協会のウエ
ハ−大口径技術動向に関する調査研究報告書II(P159 〜
160)によれば、大部分のメ−カはP型ウエハ−では1
0個/cm2 以下或いは20個/cm2 以下にすべきである
と回答しており、N型ウエハ−においても、6インチ結
晶では50個/cm2 以下という回答が多いものの、8イ
ンチ結晶では全てのメ−カ−が20個/cm2 以下にすべ
きであるという回答をしている。従って、今後の動向を
考慮に入れると、OSF密度は10個/cm2 以下或いは
20個/cm2 以下に抑えられるべきであり、本願発明に
おいては、OSF密度を15個/cm2 以下にすることを一
つの努力目標とした。
【0019】本発明は、係る事情を鑑みてなされたもの
であって、OSFが無い、もしくはOSF密度がごく低
い、シリコン単結晶の製造装置を提供することを目的と
するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の問題点
を解決し、上記の目的を達成するためになされたもので
ある。
【0021】本発明は、シリコン溶融液を収容する石英
るつぼと、石英るつぼを側面から加熱する電気抵抗加熱
体と、石英るつぼ内でシリコン溶融液を単結晶育成部と
原料溶解部とに分割しかつシリコン溶融液が流通できる
小孔を有する石英製仕切り部材と、該仕切り部材と原料
溶解部を覆う保温カバーと、前記各構成物を収容する炉
内部を減圧するための減圧装置と、前記原料溶解部に原
料シリコンを連続供給する原料供給装置とを有するシリ
コン単結晶製造装置において、前記保温カバーが灰分2
0ppm 以下の黒鉛材でつくられていることを特徴とする
シリコン単結晶の製造装置であり、さらに、前記保温カ
バーが嵩密度1.7g/cm3 以上の黒鉛材でつくられて
いることを特徴とするシリコン単結晶の製造装置であ
り、また、前記保温カバ−が形成する円筒部の体積を6
800cm3 以下とする上記のシリコン単結晶の製造装置
である。
【0022】
【作用】まず、本発明に至った経緯について述べる。
【0023】本発明者らは、黒鉛製の保温カバーを使用
して、連続引き上げ法によって育成したシリコン単結晶
のOSFが多い原因について、次のような検討を行っ
た。
【0024】シリコン単結晶のOSFの原因としては、
保温カバーの存在による、結晶の熱履歴の影響がまず考
えられたので、結晶の熱履歴を変化させるために、単結
晶引き上げ炉内の、保温カバーを含むホットゾーンの構
造、形状等を様々に変更して単結晶を育成した。しか
し、いずれの場合もOSFの発生密度を低減することは
できなかった。
【0025】次に、OSFの発生原因として、単結晶の
不純物汚染が考えられる。汚染源としては、結晶育成時
に使用している、石英るつぼや石英製の仕切り部材中に
含まれる重金属不純物元素の、石英溶け出しに伴うシリ
コン溶融液への混入が考えられたので、石英のグレード
(含有する不純物量が異なる)を変えて単結晶を育成し
たが、OSF密度は変わらなかった。
【0026】さらに、石英製の仕切部材を使用せず、原
料シリコンを供給せずに、黒鉛製の保温カバーを用い
て、CZ法で単結晶を育成したが、やはりOSF密度は
多かった。
【0027】そこで、本発明者らが種々検討したとこ
ろ、保温カバーを用いて育成したシリコン単結晶のOS
Fが多い原因は、保温カバ−の黒鉛の灰分中に微量なが
ら含まれているFe、Cu等の重金属不純物が0.01
〜0.05気圧の減圧下で、シリコン溶融液直上という
高温環境に曝されて蒸発し、それが気相拡散により、育
成中のシリコン単結晶表面に付着し、さらに固相拡散に
よって、表面から内部に浸透して起こる単結晶の金属汚
染によるものであることを知見した。
【0028】なお、単結晶中に金属不純物がどの程度含
まれている時にOSFが多発するかは明確ではないが、
1010atms/cm3 程度、或いはそれ以下でもOSFの原
因になるといわれている。応用物理学会誌59(1990)P272
では、Fe或いはCu原子一個がOSF核になる可能性
があることを指摘している。
【0029】以下、黒鉛についてこのことを詳述する。
市販の黒鉛には、灰分という形で様々な金属不純物を含
んでいる。黒鉛中の灰分量は、黒鉛材の形態により大き
く異なり、5ppm 程度のものから1000ppm 程度のも
のまで存在する。
【0030】特に黒鉛成形断熱材の場合、高純度処理を
施していても、灰分は200ppm程度であり、Fe10ppm
、Cu1ppm 程度を含む。さらに、黒鉛は一般に嵩密
度が小さい材料であって空隙が大きいので、融液直上部
などの高温下において、黒鉛材表面付近のみでなく、母
材全体から金属不純物を放出しやすい。
【0031】こうした金属不純物は、減圧下で、シリコ
ン溶融液直上高温環境にさらされて蒸発し、それが気相
拡散により、育成中のシリコン単結晶表面に付着し、さ
らに固相拡散によって表面から内部に浸透すると考えら
れる。Fe、Cuなどは結晶育成温度域でのシリコン中
の拡散係数が10-4〜10-6cm2 /sと大きく、従って、
単結晶表面から結晶内部に向かって拡散しやすく、汚染
物質としてOSFの原因になる。灰分濃度が高い黒鉛材
をそのまま保温カバ−として使用して製造したシリコン
単結晶における半径方向のOSF濃度分布が、Fe、C
uなどの金属が固体拡散した場合の該金属の濃度プロフ
ィルとパタ−ンが極めてよく一致することからも以上の
発明者による検討が正しいことを裏付けるものである。
【0032】本発明は、保温カバーが灰分20ppm 以下
又は嵩密度1.7g/cm3 以上の黒鉛材でつくられ、ま
た保温カバ−が形成する円筒部の体積を6800cm3
下とすることを特徴とするシリコン単結晶製造装置であ
る。
【0033】即ち、灰分濃度を低減し、嵩密度を大きく
することにより、黒鉛材中の重金属不純物濃度の低
減、空隙率を小さくし、金属不純物元素の見掛上の拡
散速度を小さくすることが出来る。
【0034】また保温カバ−円筒部の体積を小さくす
ることにより、保温カバ−中の金属不純物総量を小さく
することが出来る。
【0035】これらより雰囲気中に放出される重金属不
純物濃度が低減されるものである。この黒鉛材の灰分及
び嵩密度並びに保温カバ−の円筒部体積を限定した理由
は、後述する実施例における図2及び図3並びに図4に
基づくもので、夫々保温カバ−が灰分20ppm 以下又は
嵩密度1.7g/cm3 以上の黒鉛材でつくられ、また円
筒部の体積を6800cm3 以下とする場合、OSF密度
は15個/cm2 以下とするシリコン単結晶が得られる。
【0036】
【実施例】本発明による実施例を添付の図面を参照しな
がら詳細に説明する。
【0037】図1は、本発明の実施例において用いたシ
リコン単結晶の製造装置を模式的に示した縦断面図であ
る。
【0038】図1において、1は直径20インチの石英
製のるつぼで、黒鉛るつぼ2により支持されており、黒
鉛るつぼ2はペデスタル4上に回転可能な機構で支持さ
れている。
【0039】3は黒鉛るつぼを取り囲む電気抵抗加熱
体、5はシリコン単結晶で、6は石英抵抗加熱体3を取
り囲む断熱材であり、これらはすべてチャンバー11内
に収容されている。
【0040】7は石英るつぼ1内に入れられたシリコン
溶融液(溶融液量25kg)で、これからシリコン単結
晶5が引き上げられる。
【0041】この実施例では、シリコン単結晶はPドー
プ(N型)で、抵抗値10オームcm、直径は6インチ、
引き上げ速度は平均0.7mm/min である。
【0042】雰囲気ガス(アルゴンガス)は、引き上げ
チャンバー13上方に設けられたガス流入口(図示せ
ず)から炉内に導入され、炉底部にある排出口12から
減圧装置16により排出される。炉内の圧力は0.02
気圧である。以上は通常のCZ法によるシリコン単結晶
の製造装置と何ら変わるものではない。
【0043】8は高純度石英からなり、るつぼ1内にる
つぼ1と軸心をあわせて設置された直径16インチの仕
切り部材である。この仕切り部材8には直径3mmの小孔
9があけられており、原料溶解部A(仕切り部材8より
外側)のシリコン溶融液はこの小孔9を通って単結晶育
成部B(仕切り部材8より内側)に流入する。
【0044】この仕切り部材8の上縁部は、シリコン溶
融液液面よりも上に露出しており、下縁部は石英るつぼ
1と予め融着されているか、もしく初期に原料を溶解し
てシリコン溶融液を作る際の熱によって融着している。
【0045】原料溶解部Aには、粒状シリコンが原料供
給チャンバー14内の貯蔵ホッパー(図示せず)から切
り出し装置(図示せず)を経由して、原料供給管15に
導かれて連続的に供給される。供給量は、単結晶育成部
Bからの単結晶引き上げ量と等しい約32g/min 一定
である。
【0046】また、シリコン溶融液の濃度を一定に保つ
ために、粒状シリコンと同時に、ド−プ剤も適宜、同じ
原料供給管15により供給される。
【0047】なお、本発明においては、図示しないが原
料溶解部A及び単結晶育成部Bの温度を確実に制御する
制御手段、単結晶引上げ及び回転手段、るつぼ回転手
段、雰囲気ガスの供給手段を備えることは勿論である。
【0048】次に、10は保温カバ−であり、板厚5m
mの黒鉛材で構成されている。
【0049】この様なシリコン単結晶製造装置で、連続
引上げ法で製造したシリコン単結晶から、シリコンウエ
ハを製造し、1050℃,1時間、wet O2 の熱処理を
施した後、OSF密度を測定した。
【0050】次に、黒鉛の灰分及び嵩密度並びに保温カ
バ−の円筒部体積を変化せしめた場合のOSF発生密度
と関係を求める実験を、前述のシリコン単結晶の製造装
置及び結晶育成条件により、以下の如く実施した。
【0051】なお、黒鉛製の保温カバ−の円筒部体積と
は、図1に示す保温カバ−10のうち、水平面に平行な
ド−ナツ状円板以外の部分即ち結晶に対向した円筒状或
いはテ−パのついた円筒状の体積を云うものである。
【0052】(実験1)嵩密度1.71g/cm3 の黒鉛並
びに保温カバ−の円筒部体積を6800cm3 とし、灰分
濃度のみを変化させた黒鉛材の保温カバ−を用い、OS
F密度との関係を調査した。この結果を図2に示す。
【0053】図2は、縦軸にOSF発生密度のウエハ−
面内平均個数(個/cm2 )を取り、横軸に黒鉛中の灰分
濃度( ppm)との関係を求めたグラフである。
【0054】図2に示すように、灰分濃度20ppm 以下
にすれば、OSF密度ウエハ−面内平均を15個/cm2
以下の極めて少ないレベルにすることが出来ることがわ
かった。
【0055】(実験2)次に、灰分濃度20ppm の黒鉛
並びに保温カバ−の円筒部体積を6800cm3 とし、黒
鉛材の嵩密度のみを変えて、OSF密度との関係を調査
した。この結果を図3に示す。
【0056】図3は、縦軸にOSF発生密度のウエハ−
面内平均個数(個/cm2 )を取り、横軸に黒鉛の嵩密度
(g/cm3 )との関係を求めたグラフである。
【0057】図3に示すように、保温カバ−の黒鉛嵩密
度を1.7cm3以上にすれば、OSF密度のウエハ−面
内平均を15個/cm2 以下に抑えることが可能であるこ
とが判った。
【0058】嵩密度は空隙率と逆の相関にあると考えら
れるので、嵩密度が小さいと空隙が多く、金属不純物元
素の見掛けの拡散速度が上昇すると考えられる。
【0059】空隙が多ければ、それだけ表面拡散で運ば
れる金属不純物量が多くなり、表面拡散速度は体拡散速
度に比べて非常に大きい。また表面積が大きいというこ
とは雰囲気への放出も容易と言うことを示しており、O
SF発生に不利な方向に働く。
【0060】(実験3)また、灰分濃度20ppm ,嵩密度
1.71g/cm3 の黒鉛を保温カバ−に用い、保温カバ−
の円筒部体積のみを変えて、OSF密度との関係を調査
した。この結果を図4に示す。
【0061】図4は、縦軸にOSF発生密度のウエハ−
面内平均個数(個/cm2 )を取り、横軸に保温カバ−の
円筒部の体積(cm3 )との関係を求めたグラフである。
【0062】図4に示すように、保温カバ−の円筒部体
積を6800cm3 以下にすると、OSF密度のウエハ−
面内平均を15個/cm2以下に抑えることが可能である
ことが判った。
【0063】(実験4)保温カバ−の黒鉛材の灰分5pp
m 、嵩密度1.73g/cm3 、円筒部体積が5000cm3
の場合のOSF密度を調べた。その結果はOSF密度の
ウエハ−面内平均は極めて小さく、5個/cm2 以下であ
った。
【0064】
【発明の効果】以上のような構成の本発明のシリコン単
結晶製造装置により、シリコン溶融液面上の仕切り部材
からの凝固や、供給する原料シリコン溶け残りを発生さ
せることなく、単結晶引き上げ量に見合う量の原料シリ
コンを供給しながら、直径6〜10インチ、OSF発生
密度が15個/cm2 以下の高品質・大径のシリコン単結
晶を安定して製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシリコン単結晶製造装置の一実施
例を模式的に示した縦断面図。
【図2】本発明の実施例における保温カバーの黒鉛中の
灰分濃度とOSF発生密度のウエハ−面内平均個数との
関係を示したグラフ。
【図3】本発明の実施例における保温カバーの黒鉛の嵩
密度とOSF発生密度のウエハ−面内平均個数との関係
を示したグラフ。
【図4】本発明の実施例における保温カバーの円筒部体
積とOSF発生密度のウエハ−面内平均個数との関係を
示したグラフ。
【符号の説明】
1 石英るつぼ、 2 黒鉛るつぼ、 3 電気抵抗加熱体、 4 ペデスタル、 5 シリコン単結晶、 6 断熱材、 7 シリコン溶融液、 8 仕切り部材、 9 小孔、 10 保温カバー、 11 炉チャンバー 12 雰囲気ガス排出口、 13 引き上げチャンバー、 14 原料供給チャンバー、 15 原料供給管、 16 減圧装置、 A 原料溶解部、 B 単結晶育成部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神尾 寛 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン溶融液を収容する石英るつぼ
    と、石英るつぼを側面から加熱する電気抵抗加熱体と、
    石英るつぼ内でシリコン溶融液を単結晶育成部と原料溶
    解部とに分割しかつシリコン溶融液が流通できる小孔を
    有する石英製仕切り部材と、該仕切り部材と原料溶解部
    を覆う保温カバーと、前記各構成物を収容する炉内部を
    減圧するための減圧装置と、前記原料溶解部に原料シリ
    コンを連続供給する原料供給装置とからなるシリコン単
    結晶製造装置において、前記保温カバーが灰分20ppm
    以下の黒鉛材でつくられていることを特徴とするシリコ
    ン単結晶の製造装置。
  2. 【請求項2】 シリコン溶融液を収容する石英るつぼ
    と、石英るつぼを側面から加熱する電気抵抗加熱体と、
    石英るつぼ内でシリコン溶融液を単結晶育成部と原料溶
    解部とに分割しかつシリコン溶融液が流通できる小孔を
    有する石英製仕切り部材と、該仕切り部材と原料溶解部
    を覆う保温カバーと、前記各構成物を収容する炉内部を
    減圧するための減圧装置と、前記原料溶解部に原料シリ
    コンを連続供給する原料供給装置とからなるシリコン単
    結晶製造装置において、前記保温カバーが嵩密度1.7
    g/cm3 以上の黒鉛材でつくられていることを特徴とす
    るシリコン単結晶の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記保温カバ−が形成する円筒部の体積
    を6800cm3以下とすることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載のシリコン単結晶の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09194283A (ja) * 1996-01-12 1997-07-29 Mitsubishi Materials Shilicon Corp 単結晶引上装置
JP2004521056A (ja) * 2000-12-26 2004-07-15 エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド 凝集した内因性点欠陥が実質的に存在しない鉄濃度の低い単結晶シリコンの製造方法および製造装置
JP2019509970A (ja) * 2016-03-29 2019-04-11 コーナー・スター・リミテッドCorner Star Limited 結晶成長装置および関連する方法

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