JPH054852U - 椎茸原木の穿孔機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 原木に多数の孔を穿孔すると共に、湾曲した
原木にも同時に穿孔出来、更に原木に対して所定深さ且
つ中心方向に穿孔する。 【構成】 フレームに対して複数の昇降軸を上下動自在
に装着し、該昇降軸の下端に揺動自在にドリルボデーホ
ルダーを装着し、該ドリルボデーホルダーは昇降装置に
より上下動自在と成すと共に、駆動部及び制御基板を固
設し、駆動部には深さ設定具及びドリル刃具を取付け、
又制御基板にはスライド軸を上下動自在に取付け、該ス
ライド軸の下端には当接板24を取付けることによって、
同時に多数の孔を、湾曲した自然木に対して所定深さ且
つ中心方向に穿孔する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、椎茸栽培用の原木に多数の種菌用の孔を穿孔する様にした椎茸原木 の穿孔機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、かかる椎茸栽培用の原木は径１０ｃｍ前後で長さ１ｍ余りのものが使用 されており、かかる原木はコナラ、ミズナラ、クヌギが最適とされ、これらの自 然木は通常千差万別に湾曲しており、多数の孔を同時に穿孔することが出来ない 欠点を有していた。

【０００３】 又、種菌を植え込んだ原木は榾木と称され、かかる榾木は菌糸を蔓延させるた めに１年間程度、林内に寝せ込み、１年経過後から椎茸が発生しており、この様 に菌糸を蔓延させるために、所定深さ且つ中心方向に穿孔することが要望されて いる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、原木に多数の孔を穿孔すると共に、湾曲した原木にも同時に穿孔出 来、更に原木に対して所定深さ且つ中心方向に穿孔する様にした椎茸原木の穿孔 機を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記従来技術に基づく、同時に多数の孔が穿孔出来ない課題、湾曲 した自然木に穿孔出来ない課題、及び同一深さで原木の中心方向に穿孔出来ない 課題に鑑み、フレームに対して複数の昇降軸を上下動自在に装着し、該昇降軸の 下端に揺動自在にドリルボデーホルダーを装着し、該ドリルボデーホルダーは昇 降装置により上下動自在と成すと共に、駆動部及び制御基板を固設し、駆動部に は深さ設定具及びドリル刃具を取付け、又制御基板にはスライド軸を上下動自在 に取付け、該スライド軸の下端には当接板を取付けることによって、同時に多数 の孔を、湾曲した自然木に対して所定深さ且つ中心方向に穿孔する様にして、上 記課題を解決せんとしたものである。

【０００６】

【作用】

本考案にあっては、ドリルの駆動部を作動させると共に揺動レバーを下降させ れば、軸受及び回転軸を中心として揺動アームを介して昇降装置の揺動軸が揺動 下降し、該揺動軸の当て板で昇降棒を介してドリルボデーホルダーが保持されて いた状態から、揺動軸の降下に応じてドリルボデーホルダーの昇降軸はガイドに 対して自由降下してドリルが降下し、ドリルの下端の逆Ｖ字状の当接板が原木の 上面に接触し、当接板が原木の上面に全体接触する様にドリル刃具は原木の中心 方向に姿勢変換し、上記作用と同時にスプリングはドリルの自重により圧縮され て、ドリル刃具の先端は原木の上部周面に接触し、順次ドリル刃具は原木の中心 方向に進行して穿孔し、深さ設定具が原木の上部周面に接触するまで穿孔して設 定深さまで穿孔するのである。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、 １は本考案に係る椎茸栽培用の原木Ｍ（湾曲した自然木）の穿孔機であり、門 型のフレーム２の上部水平枠３には上下動自在に多数のドリル４、4a…（詳細な 説明では１基のドリル４についてだけ説明する）を装着しており、フレーム２の 左右一対の立柱５、5a間には回転軸６を架設してドリル４、4a…の昇降装置７を 装着し、又フレーム２の上下中間部には上下調整自在な原木Ｍの載置台８を設け ている。

【０００８】 ９はフレーム２の上部水平枠３に所定間隔で固定装着したガイドであり、該ガ イド９は角パイプ形状を成しており、かかるガイド９内には昇降軸10を上下動自 在に挿通し、該昇降軸10の下端にはピン11を介して門型のドリルボデーホルダー 12を揺動自在に支持装着しており、ガイド９及び昇降軸10の形状によりドリル４ 、4a…の回転を防止している。

【０００９】 13はドリルボデーホルダー12の上部で前方突出状態で固定した昇降棒であり、 該昇降棒13は昇降装置７に対して後述する機構にて係合してドリルボデーホルダ ー12を上下動させており、又ドリルボデーホルダー12の下方部には支承板14を垂 下状態で固設し、該支承板14にはドリル４の駆動部15（電気ドリル）を装着する と共に、前方突出状態で水平方向に制御基板16を固設している。

【００１０】 17は支承板14の下方部に固着したＬ字状の深さ設定具であり、該深さ設定具17 の下方部水平板には挿通孔（図示せず）を貫設すると共に、駆動部15の回転軸18 の下端にはドリル刃具19を取付け、該ドリル刃具19は上記深さ設定具17の挿通孔 に貫通して下方突出し、ドリル刃具19における深さ設定具17からの下方突出部を 設定深さＨと成している。

【００１１】 20、20a は制御基板16に上下動自在に取付けたスライド軸であり、該スライド 軸20、20a の頭部で制御基板16上に突出した位置にストッパー21、21a を固定し 、又スライド軸20、20a の下方部には昇降基板22を固定すると共に、制御基板16 と昇降基板22間のスライド軸20、20a にはスプリング23、23a を巻装し、又昇降 基板22の下面には逆Ｖ字型の原木Ｍへの当接板24を固定している。

【００１２】 25、25a はフレーム２の立柱５、5aに固着した軸受であり、該軸受25、25a に は上記した昇降装置７の回転軸６を挿通して水平方向に架設し、該回転軸６には １対の揺動アーム26、26a を固定装着すると共に、回転軸６の基端には昇降装置 ７を作動させる揺動レバー27を固定装着している。

【００１３】 28、28a は揺動アーム26、26a の下端に取付けたウェイトであり、又揺動アー ム26、26a の上端には揺動軸29を水平方向架設状態で取付け、該揺動軸29の適宜 箇所にはドリルボデーホルダー12の昇降棒13に対して下方から当接する円筒状の 当て板30を取付けている。

【００１４】 31は載置台８のイケールであり、該イケール31の立柱５、5a側には取付板32、 32a を固着すると共に取付孔33を貫設し、一方立柱５、5aには取付基板34を立設 すると共に該取付基板34には上下方向に所定間隔で取付孔35、35a …を設け、取 付板32、32a の取付孔33と取付基板34の取付孔35、35a …にボルト36、36a を螺 着して、載置台８を所定高さで固定している。

【００１５】 37、37a は載置台８上に敷設したレールであり、該レール37、37a は一方を山 状と成すと共に他方を平板状と成し、又上記レール37、37a 上には車輪38、38a を有する台車39を設置し、該台車39上に原木Ｍを載置する様に成しており、又台 車39は穿孔機１外から搬入自在と成すと共に、イケール31上にはストッパー40、 40a を固設している。

【００１６】 次に本考案に係る椎茸原木の穿孔機の作用について説明すると、 原木Ｍの径に合わせて載置台８を昇降させて所定高さにセットし、原木Ｍを台 車39上に載置し進行させて載置台８上に搬入し、ドリル４、4a…の駆動部15を作 動させると共に揺動レバー27を下降させれば、軸受25、25a 及び回転軸６を中心 として揺動アーム26、26a を介して昇降装置７の揺動軸29が揺動下降し、該揺動 軸29の当て板30で昇降棒13を介してドリルボデーホルダー12が保持されていた状 態から、揺動軸29の降下に応じてドリルボデーホルダー12の昇降軸10はガイド９ に対して自由降下してドリル４、4a…が降下し、ドリル４、4a…の下端の逆Ｖ字 状の当接板24が原木Ｍの上面に接触し、この接触時にドリル刃具19と原木Ｍの中 心が合致しない様な湾曲した原木Ｍの時には、当接板24が原木Ｍの上面に一部分 だけが接触しているために、ピン11を中心としてドリルボデーホルダー12が揺動 し、当接板24が原木Ｍの上面に全体接触する様にドリル刃具19は原木Ｍの中心方 向に姿勢変換し、上記作用と同時にスプリング23、23a はドリル４、4a…の自重 により圧縮されて、ドリル刃具19の先端は原木Ｍの上部周面に接触し、順次ドリ ル刃具19は原木Ｍの中心方向に進行して穿孔し、深さ設定具17が原木Ｍの上部周 面に接触するまで穿孔して設定深さＨまで穿孔するのであり、この様に原木Ｍに 対して略一列の穿孔を行った後に、原木Ｍを所定角度回転させたり長手方向にず らして原木Ｍに満遍なく多数の穿孔を行うのである。

【００１７】

【考案の効果】

要するに本考案は、フレーム２に対して複数の昇降軸10を上下動自在に装着し 、該昇降軸10の下端に揺動自在にドリルボデーホルダー12を装着し、該ドリルボ デーホルダー12は昇降装置７により上下動自在と成すと共に、駆動部15及び制御 基板16を固設し、駆動部15には深さ設定具17及びドリル刃具19を取付け、又制御 基板16にはスライド軸20、20a を上下動自在に取付け、該スライド軸20、20a の 下端には当接板24を取付けたので、同時に多数の種菌用の孔を穿孔出来、又ドリ ル４、4a…は揺動自在であるために湾曲した原木Ｍに対してドリル４、4a…のセ ンターを合致して原木Ｍの中心方向に穿孔出来、又同時に深さ設定具17で設定し た設定深さＨに穿孔することが出来るのである。

【００１８】 又、昇降装置７においては、揺動レバー27に揺動アーム26、26a を連動させる と共に該揺動アーム26、26a に揺動軸29を固定し、一方ドリルボデーホルダー12 には昇降棒13を突出固定し、該昇降棒13に対して揺動軸29を下方から当接する様 にしたので、湾曲した原木Ｍに対して多数のドリル４、4a…が独自にその自重で 下降作動して最適な穿孔作業を行うことが出来る。

【００１９】 又、載置台８は上下高さが設定自在であるので、載置台８を上下動させて原木 Ｍの上部周面高さをドリル４、4a…に対して適宜高さに設定出来、自然木である 原木Ｍの異なった径に対応することが出来る等その実用的効果甚だ大なるもので ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る穿孔機の正面図である。

【図２】図１の穿孔機の側面図である。

【図３】図１の穿孔機の要部拡大正面図である。

【符号の説明】

２ フレーム ４、4a… ドリル ７ 昇降装置 ８ 載置台 10 昇降軸 12 ドリルボデーホルダー 13 昇降棒 15 駆動部 16 制御基板 17 深さ設定具 19 ドリル刃具 20、20a スライド軸 24 当接板 26、26a 揺動アーム 27 揺動レバー 29 揺動軸 Ｍ 原木 Ｈ 設定深さ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレームに対して複数の昇降軸を上下動
   自在に装着し、該昇降軸の下端に揺動自在にドリルボデ
   ーホルダーを装着し、該ドリルボデーホルダーは昇降装
   置により上下動自在と成すと共に、駆動部及び制御基板
   を固設し、駆動部には深さ設定具及びドリル刃具を取付
   け、又制御基板にはスライド軸を上下動自在に取付け、
   該スライド軸の下端には当接板を取付けたことを特徴と
   する椎茸原木の穿孔機。
2. 【請求項２】 昇降装置においては、揺動レバーに揺動
   アームを連動させると共に該揺動アームに揺動軸を固定
   し、一方ドリルボデーホルダーには昇降棒を突出固定
   し、該昇降棒に対して揺動軸を下方から当接する様にし
   たことを特徴とする請求項１の椎茸原木の穿孔機。
3. 【請求項３】 載置台は上下高さが設定自在であること
   を特徴とする請求項１又は２の椎茸原木の穿孔機。