JPH0548296B2 - - Google Patents
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- JPH0548296B2 JPH0548296B2 JP62266213A JP26621387A JPH0548296B2 JP H0548296 B2 JPH0548296 B2 JP H0548296B2 JP 62266213 A JP62266213 A JP 62266213A JP 26621387 A JP26621387 A JP 26621387A JP H0548296 B2 JPH0548296 B2 JP H0548296B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は新規なチタン−アルミニウム系合金、
特に高温耐酸化性を改善し、更に耐熱衝撃性も改
善されたチタン−アルミニウム系合金に関するも
のである。 〔従来技術とその問題点〕 近年チタン−アルミニウム系合金はエンジンや
タービンの部材の素材として用いられている。こ
のチタン−アルミニウム系合金は一般にチタンと
アルミニウムとの金属間化合物でありTiAl、
Ti3Alを主体としてアルミニウムを14〜36重量%
含有する合金である。この合金には更にこれらの
性質を改善するためにNb、W、Mn、Ni、B等
の添加元素を一種又は数種少量含有せしめること
ができる。 このような金属間化合物からなるチタン−アル
ミニウム系合金は、金属とセラミツクの性質をあ
わせもち、その比重が鋼の約48〜52%、チタンと
バナジウムその他との固溶体からなるチタン合金
の82〜91%と近く、高温での比強度にすぐれ、又
弾性係数の高い材料であるため上述のようにエン
ジンやタービンの材料として用いられている。例
えば特開昭61−229901号公報にはターボチヤージ
ヤーのタービンロータをチタン−アルミニウム系
合金によつて形成される発明が記載され、タービ
ンの応答性と信頼性の改善が図られている。しか
しながらそこにはタービンロータに必要な高温耐
酸化性に対する配慮がみられない。 上記の様な金属間化合物からなるチタンアルミ
ニウム系合金はアルミニウム含有量が14〜36重量
%と多いため元来高温耐酸化性のすぐれた材料で
あるが、アルミニウムの含有量がTi3Alより多い
TiAl(Al=36重量%)でも700℃を越えると温度
上昇につれ酸化が顕著となり無視できなくなる。
即ち700℃以下の温度域では該合金は軽量で高温
比強度が高く、他の金属では得難い特徴を有する
が700℃を超える領域では寿命が短くなり、用途
を限定せざるを得なくなる。 この高温耐酸化性を改善するために各種の表面
処理が考えられるが、一般にその処理法或いは被
処理材料によつてはその処理によつてえられた被
膜が加熱冷却による熱衝撃を繰返し受ける厳しい
環境下では剥離を生じるおそれがあつた。 〔発明の概要〕 かくて本発明はまず、700℃を越える温度域で
も寿命の長い高温耐酸化性にすぐれたチタン−ア
ルミニウム系合金を提供することを目的とするも
のである。 本発明はまたかかる高温耐酸化性とともに耐熱
衝撃性にすぐれたチタン−アルミニウム系合金を
提供することを目的とするものである。 本発明者らの研究、実験によれば、かかる目的
は、チタンとアルミニウムとの金属間化合物であ
り、TiAl、Ti3Alを主体とし、アルミニウムを14
〜36重量%含有するチタン−アルミニウム系合金
からなる母材の表面にアルミニウム濃度60〜70重
量%のチタン−アルミニウム金属間化合物からな
る合金被覆を施すことによつて、またチタンとア
ルミニウムとの金属間化合物であり、TiAl、
Ti3Alを主体とし、アルミニウムを14〜36重量%
含有するチタン−アルミニウム系合金からなる母
材の表面にアルミニウム濃度60〜70重量%のチタ
ン−アルミニウム金属間化合物、更にその内側に
アルミニウム濃度36〜60重量%のチタン−アルミ
ニウム金属間化合物からなる合金被覆を施すこと
によつて達成されることが見出されたのである。 〔発明の具体的説明〕 本発明はまずチタンとアルミニウムとの金属間
化合物であり、TiAl、Ti3Alを主体とし、アルミ
ニウムを14〜36重量%含有するチタン−アルミニ
ウム系合金からなる母材の表面にアルミニウム濃
度60〜70重量%のチタン−アルミニウム金属間化
合物を有する金属被覆を施してなるチタン−アル
ミニウム系合金を提供するものである。 かかる合金被覆はチタン−アルミニウム系合金
にアルミニウム滲透処理法を施すことによつて生
成される。このアルミニウム滲透処理法は、通常
アルミニウム粉、アルミナ粉と滲透促進剤たる塩
化アンモニウム粉を混合してなるアルミニウム滲
透剤を半密閉容器に充填し、この中に処理される
べきチタン−アルミニウム系合金部材を埋め込ん
でから600〜1000℃の温度に5〜15時間、好まし
くは約10時間加熱することにより行われる。尚、
被処理物たるチタン−アルミニウム系合金として
は前述のような添加元素を一種乃至数種少量含有
せしめたものも用いられる。 このようなアルミニウム滲透処理法によつてア
ルミニウム濃度14〜36重量%の金属間化合物たる
チタン−アルミニウム系合金の表面にアルミニウ
ム濃度60〜70重量%に及ぶ金属間化合物Al3Tiか
らなり、厚み、5〜50ミクロン、硬度450〜650m
Hvを有する合金被覆が形成される。この合金被
覆内のアルミニウム濃度はほぼ均一であり、内部
素材部近傍でも同様な濃度を有している。 このAl3Tiは非常に高温耐酸化性の優れた化合
物であるために、Al3Tiを表面に被覆させること
により、チタン−アルミニウム系合金の高温耐酸
化性を大幅に向上させることができる。 本発明はまたチタンとアルミニウムとの金属間
化合物であり、TiAl、Ti3Alを主体とし、アルミ
ニウムを14〜36重量%含有するチタン−アルミニ
ウム系合金からなる母材の表面に上記の如き60〜
70重量%のアルミニウム濃度の金属間化合物から
なる合金被覆を施すとともに、その内側に向けて
漸次アルミニウム濃度が減少するようにアルミニ
ウム濃度勾配を設け、アルミニウム濃度が素地合
金の濃度から表面被覆の濃度の間の36〜60重量%
である1〜数層の合金被覆を施してなる、チタン
−アルミニウム系合金を提供するものである。 このようなチタン−アルミニウム系合金は、上
記のようにアルミニウム滲透処理を施し、そこに
生成したAl3Ti合金層を熱処理することにより得
られる。かかる熱処理は、通常アルゴンガスの如
き不活性ガス雰囲気中又は真空中で行なわれる。
従つてアルミニウム滲透処理後、半密閉容器内の
滲透剤ら被処理材を取出し、これを上記の如き不
活性ガス雰囲気中又は真空中に入れ約1000℃以上
の温度で2〜10時間熱処理することによつて、表
面のAl3Ti合金被覆層から、Al2Ti、TiAlと漸次
表層部から素地へとアルミニウム濃度を下げる合
金被覆が内側に形成される。この場合アルミニウ
ム濃度が少しづつ低下し、緩かな勾配を構成する
場合とアルミニウム濃度が36〜60重量%の範囲で
階段状に低下する1層又は数層の合金被覆が形成
される場合とがある。 この内側の合金被覆の厚みは一般に10〜100ミ
クロン、その硬度は350〜450mHvの範囲である。 〔実施例〕 実施例 1 材質TiAl(Al=36重量%)、寸法3mm×30mm×
30mmの試片をアルミニウム粉20重量%、アルミナ
粉79.5重量%、塩化アンモニウム粉0.5重量%を
混合してなる滲透剤とともに半密開容器に充填
し、700℃に10時間加熱してアルミニウム滲透処
理を行つた。表面に厚さ25ミクロン、アルミニウ
ム濃度64重量%のAl3Ti合金被覆を有するチタン
−アルミニウム系合金試片がえられた。 この例でえられた試片の表面のX線回折結果を
第1図のAに示す。回折ピークは同図Bに示す
Al3Tiの一標準データによく一致しており、表面
にAl3Tiが形成されていることを示している。又
えられた試片の合金被覆層の厚さ方向の切断面の
顕微鏡写真を第2図に示す。更にこの合金被覆層
のEPMA分析結果を第3図に示す。 実施例 2 実施例1でえられた合金試片を次いでアルゴン
ガス雰囲気中で1000℃で5時間加熱した。このよ
うにアルミニウム滲透処理と熱処理を行なつたチ
タン−アルミニウム系合金の合金被覆は第4図の
顕微鏡写真から明らかなように二層に形成されて
いる。 尚、第4図顕微鏡写真の中央部の白線は
EPMA走査位置を示す。 ここでえられた合金試片のEPMA分析結果を
第5図に示す。この定量分析による各測定位置に
おけるチタン、アルミニウムの平均濃度値を次の
第1表に示す。
特に高温耐酸化性を改善し、更に耐熱衝撃性も改
善されたチタン−アルミニウム系合金に関するも
のである。 〔従来技術とその問題点〕 近年チタン−アルミニウム系合金はエンジンや
タービンの部材の素材として用いられている。こ
のチタン−アルミニウム系合金は一般にチタンと
アルミニウムとの金属間化合物でありTiAl、
Ti3Alを主体としてアルミニウムを14〜36重量%
含有する合金である。この合金には更にこれらの
性質を改善するためにNb、W、Mn、Ni、B等
の添加元素を一種又は数種少量含有せしめること
ができる。 このような金属間化合物からなるチタン−アル
ミニウム系合金は、金属とセラミツクの性質をあ
わせもち、その比重が鋼の約48〜52%、チタンと
バナジウムその他との固溶体からなるチタン合金
の82〜91%と近く、高温での比強度にすぐれ、又
弾性係数の高い材料であるため上述のようにエン
ジンやタービンの材料として用いられている。例
えば特開昭61−229901号公報にはターボチヤージ
ヤーのタービンロータをチタン−アルミニウム系
合金によつて形成される発明が記載され、タービ
ンの応答性と信頼性の改善が図られている。しか
しながらそこにはタービンロータに必要な高温耐
酸化性に対する配慮がみられない。 上記の様な金属間化合物からなるチタンアルミ
ニウム系合金はアルミニウム含有量が14〜36重量
%と多いため元来高温耐酸化性のすぐれた材料で
あるが、アルミニウムの含有量がTi3Alより多い
TiAl(Al=36重量%)でも700℃を越えると温度
上昇につれ酸化が顕著となり無視できなくなる。
即ち700℃以下の温度域では該合金は軽量で高温
比強度が高く、他の金属では得難い特徴を有する
が700℃を超える領域では寿命が短くなり、用途
を限定せざるを得なくなる。 この高温耐酸化性を改善するために各種の表面
処理が考えられるが、一般にその処理法或いは被
処理材料によつてはその処理によつてえられた被
膜が加熱冷却による熱衝撃を繰返し受ける厳しい
環境下では剥離を生じるおそれがあつた。 〔発明の概要〕 かくて本発明はまず、700℃を越える温度域で
も寿命の長い高温耐酸化性にすぐれたチタン−ア
ルミニウム系合金を提供することを目的とするも
のである。 本発明はまたかかる高温耐酸化性とともに耐熱
衝撃性にすぐれたチタン−アルミニウム系合金を
提供することを目的とするものである。 本発明者らの研究、実験によれば、かかる目的
は、チタンとアルミニウムとの金属間化合物であ
り、TiAl、Ti3Alを主体とし、アルミニウムを14
〜36重量%含有するチタン−アルミニウム系合金
からなる母材の表面にアルミニウム濃度60〜70重
量%のチタン−アルミニウム金属間化合物からな
る合金被覆を施すことによつて、またチタンとア
ルミニウムとの金属間化合物であり、TiAl、
Ti3Alを主体とし、アルミニウムを14〜36重量%
含有するチタン−アルミニウム系合金からなる母
材の表面にアルミニウム濃度60〜70重量%のチタ
ン−アルミニウム金属間化合物、更にその内側に
アルミニウム濃度36〜60重量%のチタン−アルミ
ニウム金属間化合物からなる合金被覆を施すこと
によつて達成されることが見出されたのである。 〔発明の具体的説明〕 本発明はまずチタンとアルミニウムとの金属間
化合物であり、TiAl、Ti3Alを主体とし、アルミ
ニウムを14〜36重量%含有するチタン−アルミニ
ウム系合金からなる母材の表面にアルミニウム濃
度60〜70重量%のチタン−アルミニウム金属間化
合物を有する金属被覆を施してなるチタン−アル
ミニウム系合金を提供するものである。 かかる合金被覆はチタン−アルミニウム系合金
にアルミニウム滲透処理法を施すことによつて生
成される。このアルミニウム滲透処理法は、通常
アルミニウム粉、アルミナ粉と滲透促進剤たる塩
化アンモニウム粉を混合してなるアルミニウム滲
透剤を半密閉容器に充填し、この中に処理される
べきチタン−アルミニウム系合金部材を埋め込ん
でから600〜1000℃の温度に5〜15時間、好まし
くは約10時間加熱することにより行われる。尚、
被処理物たるチタン−アルミニウム系合金として
は前述のような添加元素を一種乃至数種少量含有
せしめたものも用いられる。 このようなアルミニウム滲透処理法によつてア
ルミニウム濃度14〜36重量%の金属間化合物たる
チタン−アルミニウム系合金の表面にアルミニウ
ム濃度60〜70重量%に及ぶ金属間化合物Al3Tiか
らなり、厚み、5〜50ミクロン、硬度450〜650m
Hvを有する合金被覆が形成される。この合金被
覆内のアルミニウム濃度はほぼ均一であり、内部
素材部近傍でも同様な濃度を有している。 このAl3Tiは非常に高温耐酸化性の優れた化合
物であるために、Al3Tiを表面に被覆させること
により、チタン−アルミニウム系合金の高温耐酸
化性を大幅に向上させることができる。 本発明はまたチタンとアルミニウムとの金属間
化合物であり、TiAl、Ti3Alを主体とし、アルミ
ニウムを14〜36重量%含有するチタン−アルミニ
ウム系合金からなる母材の表面に上記の如き60〜
70重量%のアルミニウム濃度の金属間化合物から
なる合金被覆を施すとともに、その内側に向けて
漸次アルミニウム濃度が減少するようにアルミニ
ウム濃度勾配を設け、アルミニウム濃度が素地合
金の濃度から表面被覆の濃度の間の36〜60重量%
である1〜数層の合金被覆を施してなる、チタン
−アルミニウム系合金を提供するものである。 このようなチタン−アルミニウム系合金は、上
記のようにアルミニウム滲透処理を施し、そこに
生成したAl3Ti合金層を熱処理することにより得
られる。かかる熱処理は、通常アルゴンガスの如
き不活性ガス雰囲気中又は真空中で行なわれる。
従つてアルミニウム滲透処理後、半密閉容器内の
滲透剤ら被処理材を取出し、これを上記の如き不
活性ガス雰囲気中又は真空中に入れ約1000℃以上
の温度で2〜10時間熱処理することによつて、表
面のAl3Ti合金被覆層から、Al2Ti、TiAlと漸次
表層部から素地へとアルミニウム濃度を下げる合
金被覆が内側に形成される。この場合アルミニウ
ム濃度が少しづつ低下し、緩かな勾配を構成する
場合とアルミニウム濃度が36〜60重量%の範囲で
階段状に低下する1層又は数層の合金被覆が形成
される場合とがある。 この内側の合金被覆の厚みは一般に10〜100ミ
クロン、その硬度は350〜450mHvの範囲である。 〔実施例〕 実施例 1 材質TiAl(Al=36重量%)、寸法3mm×30mm×
30mmの試片をアルミニウム粉20重量%、アルミナ
粉79.5重量%、塩化アンモニウム粉0.5重量%を
混合してなる滲透剤とともに半密開容器に充填
し、700℃に10時間加熱してアルミニウム滲透処
理を行つた。表面に厚さ25ミクロン、アルミニウ
ム濃度64重量%のAl3Ti合金被覆を有するチタン
−アルミニウム系合金試片がえられた。 この例でえられた試片の表面のX線回折結果を
第1図のAに示す。回折ピークは同図Bに示す
Al3Tiの一標準データによく一致しており、表面
にAl3Tiが形成されていることを示している。又
えられた試片の合金被覆層の厚さ方向の切断面の
顕微鏡写真を第2図に示す。更にこの合金被覆層
のEPMA分析結果を第3図に示す。 実施例 2 実施例1でえられた合金試片を次いでアルゴン
ガス雰囲気中で1000℃で5時間加熱した。このよ
うにアルミニウム滲透処理と熱処理を行なつたチ
タン−アルミニウム系合金の合金被覆は第4図の
顕微鏡写真から明らかなように二層に形成されて
いる。 尚、第4図顕微鏡写真の中央部の白線は
EPMA走査位置を示す。 ここでえられた合金試片のEPMA分析結果を
第5図に示す。この定量分析による各測定位置に
おけるチタン、アルミニウムの平均濃度値を次の
第1表に示す。
【表】
この第1表及び第5図から明らかなように、合
金被覆層は表面から5ミクロンの位置ではアルミ
ニウム濃度64重量%のAl3Ti組織であり、表面か
ら20ミクロンの位置ではアルミニウム濃度53重量
%のAl2Ti組成となつており、結局表面Al3Ti層、
内側Al2Ti層の二層からなつており次いで、素材
TiAlとなつている。従つて内側は表面に比べて
アルミニウム濃度が低くなつて、濃度勾配が形成
されている。 試験例 1 実施例1と2でえられた合金試片各1ケと同寸
法の従来品Ti−Al(Al=36重量%)合金試片1ケ
を大気中にて900℃に200時間連続加熱して各試片
の重量変化を調査して、高温耐酸化試験を行つ
た。この場合評価は単位面積当りの重量増加mg/
cm2で表示し、重量増加の少ない程、高温耐酸化性
がすぐれている。その試験結果を次の第2表に示
す。
金被覆層は表面から5ミクロンの位置ではアルミ
ニウム濃度64重量%のAl3Ti組織であり、表面か
ら20ミクロンの位置ではアルミニウム濃度53重量
%のAl2Ti組成となつており、結局表面Al3Ti層、
内側Al2Ti層の二層からなつており次いで、素材
TiAlとなつている。従つて内側は表面に比べて
アルミニウム濃度が低くなつて、濃度勾配が形成
されている。 試験例 1 実施例1と2でえられた合金試片各1ケと同寸
法の従来品Ti−Al(Al=36重量%)合金試片1ケ
を大気中にて900℃に200時間連続加熱して各試片
の重量変化を調査して、高温耐酸化試験を行つ
た。この場合評価は単位面積当りの重量増加mg/
cm2で表示し、重量増加の少ない程、高温耐酸化性
がすぐれている。その試験結果を次の第2表に示
す。
本発明のチタン−アルミニウム系合金は従来の
同系合金に比べて特に700℃以上の高温域におい
てはるかに良好な高温耐酸化性を有するため寿命
が大幅に延長し、更に耐熱衝撃性も著しく向上し
ており、誠に有効である。
同系合金に比べて特に700℃以上の高温域におい
てはるかに良好な高温耐酸化性を有するため寿命
が大幅に延長し、更に耐熱衝撃性も著しく向上し
ており、誠に有効である。
第1図は実施例1でえられた合金試料の表面の
X線回析結果を示す図(上段Aは実測データ、下
段Bは標準データを示す)、第2図は同試料の合
金被覆部の厚さ方向の切断面の金属組織を示す顕
微鏡写真(300倍)、第3図は同試料の合金被覆の
EPMA分析結果を示す図、第4図は実施例2で
えられた合金試料の合金被覆部の厚さ方向の切断
面の金属組織を示す顕微鏡写真(700倍)、第5図
は同試料のEPMA分析結果を示す図である。
X線回析結果を示す図(上段Aは実測データ、下
段Bは標準データを示す)、第2図は同試料の合
金被覆部の厚さ方向の切断面の金属組織を示す顕
微鏡写真(300倍)、第3図は同試料の合金被覆の
EPMA分析結果を示す図、第4図は実施例2で
えられた合金試料の合金被覆部の厚さ方向の切断
面の金属組織を示す顕微鏡写真(700倍)、第5図
は同試料のEPMA分析結果を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 チタンとアルミニウムとの金属間化合物であ
り、TiAl、Ti3Alを主体としアルミニウムを14〜
36重量%含有するチタン−アルミニウム系合金か
らなる母材の表面にアルミニウム濃度60〜70重量
%のチタン−アルミニウム金属間化合物からなる
合金被覆を施してなる高温耐酸化性チタン−アル
ミニウム系合金。 2 チタンとアルミニウムとの金属間化合物であ
り、TiAl、Ti3Alを主体としアルミニウムを14〜
36重量%含有するチタン−アルミニウム系合金か
らなる母材の表面にアルミニウム濃度60〜70重量
%のチタン−アルミニウム金属間化合物、その内
側にアルミニウム濃度36〜60重量%のチタンアル
ミニウム金属間化合物からなる合金被覆を施して
なる、高温耐酸化性、耐熱衝撃性チタン−アルミ
ニウム系合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26621387A JPH01111858A (ja) | 1987-10-23 | 1987-10-23 | チタン−アルミニウム系合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26621387A JPH01111858A (ja) | 1987-10-23 | 1987-10-23 | チタン−アルミニウム系合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01111858A JPH01111858A (ja) | 1989-04-28 |
JPH0548296B2 true JPH0548296B2 (ja) | 1993-07-21 |
Family
ID=17427832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26621387A Granted JPH01111858A (ja) | 1987-10-23 | 1987-10-23 | チタン−アルミニウム系合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01111858A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105648398A (zh) * | 2016-02-19 | 2016-06-08 | 同济大学 | 一种通过预氧化提高TiAl基合金高温抗氧化性能的方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0770702A1 (de) * | 1995-10-23 | 1997-05-02 | DECHEMA Deutsche Gesellschaft für Chemisches Apparatewesen, Chemische Technik und Biotechnologie e.V. | Verfahren zur Erhöhung der Korrosionsbeständigkeit von Legierungen auf der Basis TiAl |
JP7127653B2 (ja) * | 2017-12-19 | 2022-08-30 | 株式会社Ihi | TiAl合金材及びその製造方法、並びにTiAl合金材の鍛造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4934889A (ja) * | 1972-07-31 | 1974-03-30 | ||
JPS51122633A (en) * | 1975-04-19 | 1976-10-26 | Tohoku Daigaku Kinzoku Zairyo | Surface treatment process for hardening nonnferrous metals |
JPS62165509A (ja) * | 1986-01-16 | 1987-07-22 | Toshiba Corp | タ−ビン翼 |
-
1987
- 1987-10-23 JP JP26621387A patent/JPH01111858A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4934889A (ja) * | 1972-07-31 | 1974-03-30 | ||
JPS51122633A (en) * | 1975-04-19 | 1976-10-26 | Tohoku Daigaku Kinzoku Zairyo | Surface treatment process for hardening nonnferrous metals |
JPS62165509A (ja) * | 1986-01-16 | 1987-07-22 | Toshiba Corp | タ−ビン翼 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105648398A (zh) * | 2016-02-19 | 2016-06-08 | 同济大学 | 一种通过预氧化提高TiAl基合金高温抗氧化性能的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01111858A (ja) | 1989-04-28 |
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