JPH0548140A - 高配向性CuInSe2膜の製造方法 - Google Patents
高配向性CuInSe2膜の製造方法Info
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- JPH0548140A JPH0548140A JP3230911A JP23091191A JPH0548140A JP H0548140 A JPH0548140 A JP H0548140A JP 3230911 A JP3230911 A JP 3230911A JP 23091191 A JP23091191 A JP 23091191A JP H0548140 A JPH0548140 A JP H0548140A
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 CdSとの間に良好なヘテロ接合を形成する
ことができる、(112) 配向性の高いCuInSe2 膜の
製造方法の提供。 【構成】 まず、ガラス基板(1)上に蒸着によりCd
Sを約2000Aの厚さで成膜し、この下地CdS膜(2)
上に蒸着法によってCuを1200A、Inを2700Aおよび
Seを8000Aの厚さで順次積層する。次いでこの積層膜
を窒素ガス雰囲気下で 400℃に加熱処理し、厚さ約1mm
のカルコパイライト形のCuInSe2 膜(3)を得
る。得られたCuInSe2 膜の上に、さらにCdS膜
(4)を積層して、CuInSe2 膜とCdS膜との間
にヘテロ接合を形成した後、CuInSe2 膜とCdS
膜上にそれぞれオーミック電極I(5)とオーミック電
極II(6)を形成し、光電変換素子を得る。
ことができる、(112) 配向性の高いCuInSe2 膜の
製造方法の提供。 【構成】 まず、ガラス基板(1)上に蒸着によりCd
Sを約2000Aの厚さで成膜し、この下地CdS膜(2)
上に蒸着法によってCuを1200A、Inを2700Aおよび
Seを8000Aの厚さで順次積層する。次いでこの積層膜
を窒素ガス雰囲気下で 400℃に加熱処理し、厚さ約1mm
のカルコパイライト形のCuInSe2 膜(3)を得
る。得られたCuInSe2 膜の上に、さらにCdS膜
(4)を積層して、CuInSe2 膜とCdS膜との間
にヘテロ接合を形成した後、CuInSe2 膜とCdS
膜上にそれぞれオーミック電極I(5)とオーミック電
極II(6)を形成し、光電変換素子を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光センサーや太陽電池
などへの応用が考えられているカルコパイライト型Cu
InSe2 膜の製造方法に関し、さらに詳しくは、p型
CuInSe2 にn型CdSを積層することによってヘ
テロ接合を形成する半導体材料としてのCuInSe2
膜の製造方法に関する。
などへの応用が考えられているカルコパイライト型Cu
InSe2 膜の製造方法に関し、さらに詳しくは、p型
CuInSe2 にn型CdSを積層することによってヘ
テロ接合を形成する半導体材料としてのCuInSe2
膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来公知のCuInSe2 膜の製法に
は、銅およびインジウムの層を順次または同時に基板上
に蒸着し、その後セレン含有ガス、好ましくはH2 Se
の存在下、熱処理を施してCuInSe2 を得る方法、
あるいは、銅層の上に積層されたインジウム層の上に元
素状セレンを電気めっきして、不活性雰囲気中で熱処理
する方法(特開昭 61-237476号公報)、銅、インジウ
ム、セレンを順次蒸着し、水素含有ガスまたは水素含有
ガスにセレンまたは硫黄を含む雰囲気で熱処理する方法
(特開平1-231313号公報)、さらには、銅およびインジ
ウムをDCマグネトロンスパッタにより順次積層した
後、セレンを含有するガスの存在下で熱処理を行ってC
uInSe2 膜を得る方法(特開昭62-20381号公報)な
どがある。
は、銅およびインジウムの層を順次または同時に基板上
に蒸着し、その後セレン含有ガス、好ましくはH2 Se
の存在下、熱処理を施してCuInSe2 を得る方法、
あるいは、銅層の上に積層されたインジウム層の上に元
素状セレンを電気めっきして、不活性雰囲気中で熱処理
する方法(特開昭 61-237476号公報)、銅、インジウ
ム、セレンを順次蒸着し、水素含有ガスまたは水素含有
ガスにセレンまたは硫黄を含む雰囲気で熱処理する方法
(特開平1-231313号公報)、さらには、銅およびインジ
ウムをDCマグネトロンスパッタにより順次積層した
後、セレンを含有するガスの存在下で熱処理を行ってC
uInSe2 膜を得る方法(特開昭62-20381号公報)な
どがある。
【0003】CuInSe2 膜の物理的特性は、Cu、
InおよびSeの組成比によって大きく変化することが
知られている(Solar Cells, 16, 181 (1986)) 。そのた
め、上記CuInSe2 膜の製造方法のうち、該組成比
の制御が容易であるセレン化法が好んで用いられてお
り、特に、基板上にCu、InおよびSeを順次積層し
たものを加熱処理することによってCuInSe2 膜を
成膜する固相セレン化法(特開平1-231313号公報)や、
CuおよびInを積層したものを、Se含有ガス雰囲気
下で加熱処理することによってCuInSe2 膜を成膜
する気相セレン化法(J. Electrochem. Soc., 131, 218
2 (1984)) などが広く用いられてきた。
InおよびSeの組成比によって大きく変化することが
知られている(Solar Cells, 16, 181 (1986)) 。そのた
め、上記CuInSe2 膜の製造方法のうち、該組成比
の制御が容易であるセレン化法が好んで用いられてお
り、特に、基板上にCu、InおよびSeを順次積層し
たものを加熱処理することによってCuInSe2 膜を
成膜する固相セレン化法(特開平1-231313号公報)や、
CuおよびInを積層したものを、Se含有ガス雰囲気
下で加熱処理することによってCuInSe2 膜を成膜
する気相セレン化法(J. Electrochem. Soc., 131, 218
2 (1984)) などが広く用いられてきた。
【0004】カルコパイライト形CuInSe2 は禁制
帯幅約1eVの化合物半導体であり、CdSなどとのヘ
テロ接合の構成により光エネルギーから電気エネルギー
への変換が可能となるため、光センサーや太陽電池など
の光電変換素子としての応用が期待されている。このよ
うにCuInSe2 膜上にCdS膜を積層して形成され
るヘテロ接合においては、CuInSe2 とCdSとの
積層方向に関する格子定数が一致していることが最も好
ましい。しかしながら、上記従来のセレン化法のよう
に、Moなどの基板上に直接CuInSe2 膜を成膜す
ると、CuInSe2 膜の (112)配向性が低くなってし
まうため、上記格子定数が大きく相違し、良好なヘテロ
接合を形成することができなかった。
帯幅約1eVの化合物半導体であり、CdSなどとのヘ
テロ接合の構成により光エネルギーから電気エネルギー
への変換が可能となるため、光センサーや太陽電池など
の光電変換素子としての応用が期待されている。このよ
うにCuInSe2 膜上にCdS膜を積層して形成され
るヘテロ接合においては、CuInSe2 とCdSとの
積層方向に関する格子定数が一致していることが最も好
ましい。しかしながら、上記従来のセレン化法のよう
に、Moなどの基板上に直接CuInSe2 膜を成膜す
ると、CuInSe2 膜の (112)配向性が低くなってし
まうため、上記格子定数が大きく相違し、良好なヘテロ
接合を形成することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述従来の
技術の問題点を解決し、CdSとの間に良好なヘテロ接
合を形成することができる、高い (112)配向性を示すC
uInSe2 膜の製造方法を提供することを目的とす
る。
技術の問題点を解決し、CdSとの間に良好なヘテロ接
合を形成することができる、高い (112)配向性を示すC
uInSe2 膜の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意研究の結果、基板上その一部また
は全面にc軸配向した下地CdS膜を成膜し、該下地C
dS膜を有する基板上にセレン化法によってCuInS
e2 膜を成膜することにより、高い (112)配向性を示す
CuInSe2膜が得られることを見い出し、本発明を
提供することができた。
を達成するために鋭意研究の結果、基板上その一部また
は全面にc軸配向した下地CdS膜を成膜し、該下地C
dS膜を有する基板上にセレン化法によってCuInS
e2 膜を成膜することにより、高い (112)配向性を示す
CuInSe2膜が得られることを見い出し、本発明を
提供することができた。
【0007】すなわち、本発明は、基板上にCu、In
およびSeを別々に積層し、これを不活性ガス雰囲気下
で加熱処理してCuInSe2 膜を製造する方法であっ
て、上記基板上にCu、InおよびSeを積層する前に
蒸着などによってc軸配向した下地CdS膜を基板上そ
の一部または全面に成膜し、該下地CdS膜上にCu、
InおよびSeを積層することを特徴とする高配向性C
uInSe2 膜の製造方法;ならびに、基板上にCuお
よびInを別々に積層し、これをSe含有ガス雰囲気下
で加熱処理してCuInSe2 膜を製造する方法であっ
て、上記基板上にCuおよびInを積層する前に蒸着な
どによってc軸配向した下地CdS膜を基板上その一部
または全面に成膜し、該下地CdS膜を有する基板上に
CuおよびInを積層することを特徴とする高配向性C
uInSe2 膜の製造方法を提供するものである。
およびSeを別々に積層し、これを不活性ガス雰囲気下
で加熱処理してCuInSe2 膜を製造する方法であっ
て、上記基板上にCu、InおよびSeを積層する前に
蒸着などによってc軸配向した下地CdS膜を基板上そ
の一部または全面に成膜し、該下地CdS膜上にCu、
InおよびSeを積層することを特徴とする高配向性C
uInSe2 膜の製造方法;ならびに、基板上にCuお
よびInを別々に積層し、これをSe含有ガス雰囲気下
で加熱処理してCuInSe2 膜を製造する方法であっ
て、上記基板上にCuおよびInを積層する前に蒸着な
どによってc軸配向した下地CdS膜を基板上その一部
または全面に成膜し、該下地CdS膜を有する基板上に
CuおよびInを積層することを特徴とする高配向性C
uInSe2 膜の製造方法を提供するものである。
【0008】
【作用】従来の下地CdS膜を形成しないセレン化法
は、組成制御性は優れているが、基板上に直接あるいは
Moスパッタ膜などを形成した後CuInSe2 を成膜
しても、形成されるCuInSe2 膜の (112)配向性は
低くなってしまっていた。そのため、該CuInSe2
膜の上にCdS膜を蒸着などによって積層すると、Cu
InSe2 とCdSとの積層方向に関する格子定数の差
が平均的に大きくなってしまい、良好なヘテロ接合を形
成することができなかった。CuInSe2 の (112)配
向性の程度をX線回析における強度比として、強度比=
{(112) による回析強度/ (220)および (204)による回
析強度}と表すと、CuInSe2 粉末の強度比は1.45
であるが (J. Appl. Cryst., 6, 414 (1973)) 、このC
uInSe2 を蒸着源として加熱基板上に蒸着法で成膜
したCuInSe2 膜の強度比は20以上と高い配向性を
示す。これに対し、基板上への直接セレン化法により成
膜したCuInSe2膜の強度比は2〜4と低い配向性
を示した。
は、組成制御性は優れているが、基板上に直接あるいは
Moスパッタ膜などを形成した後CuInSe2 を成膜
しても、形成されるCuInSe2 膜の (112)配向性は
低くなってしまっていた。そのため、該CuInSe2
膜の上にCdS膜を蒸着などによって積層すると、Cu
InSe2 とCdSとの積層方向に関する格子定数の差
が平均的に大きくなってしまい、良好なヘテロ接合を形
成することができなかった。CuInSe2 の (112)配
向性の程度をX線回析における強度比として、強度比=
{(112) による回析強度/ (220)および (204)による回
析強度}と表すと、CuInSe2 粉末の強度比は1.45
であるが (J. Appl. Cryst., 6, 414 (1973)) 、このC
uInSe2 を蒸着源として加熱基板上に蒸着法で成膜
したCuInSe2 膜の強度比は20以上と高い配向性を
示す。これに対し、基板上への直接セレン化法により成
膜したCuInSe2膜の強度比は2〜4と低い配向性
を示した。
【0009】本発明者等は、セレン化法で (112)配向性
の高いCuInSe2 膜を製造するためには、部分的に
でもエピタキシャル成長的な要素が必要であるという着
想のもと、CuInSe2 よりも禁制帯幅が広い半導体
を窓層として用い、CuInSe2 と窓層となる半導体
とでヘテロ接合を形成することが有効であると考えた。
窓層としてはZnOやCdSなどが考えられるが、特に
CdSの場合、ガラスなどの基板に蒸着などによって成
膜すれば、c軸配向した六方晶CdSの多結晶膜を容易
に得ることができる。
の高いCuInSe2 膜を製造するためには、部分的に
でもエピタキシャル成長的な要素が必要であるという着
想のもと、CuInSe2 よりも禁制帯幅が広い半導体
を窓層として用い、CuInSe2 と窓層となる半導体
とでヘテロ接合を形成することが有効であると考えた。
窓層としてはZnOやCdSなどが考えられるが、特に
CdSの場合、ガラスなどの基板に蒸着などによって成
膜すれば、c軸配向した六方晶CdSの多結晶膜を容易
に得ることができる。
【0010】また、このような多結晶膜のc軸方向は近
似的に六方最密充填方向となっており、この層間隔((00
2)面間の距離)は3.36A(オングストローム)である。
一方、CuInSe2 の (112)方向も近似的に立方最密
充填方向となっており、この層間隔((112)面間の距離)
は3.34Aであり、 (002)面間の距離と極めて近い値とな
っている。したがって、CuInSe2 の (112)面とC
dSの (002)面とが平行になるように積層すれば、歪み
を少なくすることができるものと考えた。
似的に六方最密充填方向となっており、この層間隔((00
2)面間の距離)は3.36A(オングストローム)である。
一方、CuInSe2 の (112)方向も近似的に立方最密
充填方向となっており、この層間隔((112)面間の距離)
は3.34Aであり、 (002)面間の距離と極めて近い値とな
っている。したがって、CuInSe2 の (112)面とC
dSの (002)面とが平行になるように積層すれば、歪み
を少なくすることができるものと考えた。
【0011】そこで、ガラス基板上その一部または全面
に蒸着によってc軸配向した下地CdS膜を成膜し、そ
の上にセレン化法でCuInSe2 膜を成膜したとこ
ろ、X線回析強度比 ({(112) による回析強度/ (220)
および (204)による回析強度}) が20以上と (112)配向
性が高いCuInSe2 膜を形成できることがわかり本
発明に至った。すなわち、基板上に部分的あるいは全面
にc軸配向したCdS膜を成膜し、このCdS膜上にセ
レン化法によってCuInSe2 膜を成膜することによ
り、 (112)配向性の高いCuInSe2 膜を得ることが
できるのである。
に蒸着によってc軸配向した下地CdS膜を成膜し、そ
の上にセレン化法でCuInSe2 膜を成膜したとこ
ろ、X線回析強度比 ({(112) による回析強度/ (220)
および (204)による回析強度}) が20以上と (112)配向
性が高いCuInSe2 膜を形成できることがわかり本
発明に至った。すなわち、基板上に部分的あるいは全面
にc軸配向したCdS膜を成膜し、このCdS膜上にセ
レン化法によってCuInSe2 膜を成膜することによ
り、 (112)配向性の高いCuInSe2 膜を得ることが
できるのである。
【0012】上記のような高配向性CuInSe2 膜3
上にさらにCdS膜4を積層すると、両者の積層方向に
関する格子定数がほぼ一致するため、CuInSe2 膜
とCdS膜との間に良好なヘテロ接合が形成される。こ
のように (112)配向性の高いCuInSe2 膜上にCd
S膜を積層した後、これらのCuInSe2 膜3とCd
S膜4上にそれぞれオーミック電極I(図の5)とII
(図の6)を形成することにより、高感度の光電変換素
子が製造される。なお、基板1がCuInSe2 膜のオ
ーミック電極となる材質であれば、CuInSe2 膜上
のオーミック電極I(図の5)は特に必要としない。ま
た、下地CdS膜2の代わりにCdZnS膜を用いても
同様の効果を得ることができる。
上にさらにCdS膜4を積層すると、両者の積層方向に
関する格子定数がほぼ一致するため、CuInSe2 膜
とCdS膜との間に良好なヘテロ接合が形成される。こ
のように (112)配向性の高いCuInSe2 膜上にCd
S膜を積層した後、これらのCuInSe2 膜3とCd
S膜4上にそれぞれオーミック電極I(図の5)とII
(図の6)を形成することにより、高感度の光電変換素
子が製造される。なお、基板1がCuInSe2 膜のオ
ーミック電極となる材質であれば、CuInSe2 膜上
のオーミック電極I(図の5)は特に必要としない。ま
た、下地CdS膜2の代わりにCdZnS膜を用いても
同様の効果を得ることができる。
【0013】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
【0014】
【実施例1】本発明の高配向性CuInSe2 膜の製造
方法の一例および該膜による光電変換素子を図1を用い
て以下に説明する。
方法の一例および該膜による光電変換素子を図1を用い
て以下に説明する。
【0015】まず、ガラス基板1上に蒸着法によって約
2000Aの厚さの下地CdS膜2を成膜し、この下地Cd
S膜2上に蒸着によりCuを1200A、Inを2700Aおよ
びSeを8000Aの厚さで順次積層した。次いで、この積
層膜を窒素ガス雰囲気下において 400℃に加熱し、いわ
ゆる固相セレン化を行ったところ、過剰のSeが蒸発
し、厚さ約1mmのカルコパイライト形のCuInSe2
膜3が得られた。このCuInSe2 膜3のX線回折に
おける強度比 ({(112) による回折強度}/{ (220)お
よび (204)による回折強度}) を測定したところ24であ
り、 (112)配向性が高いCuInSe2 膜3であった。
2000Aの厚さの下地CdS膜2を成膜し、この下地Cd
S膜2上に蒸着によりCuを1200A、Inを2700Aおよ
びSeを8000Aの厚さで順次積層した。次いで、この積
層膜を窒素ガス雰囲気下において 400℃に加熱し、いわ
ゆる固相セレン化を行ったところ、過剰のSeが蒸発
し、厚さ約1mmのカルコパイライト形のCuInSe2
膜3が得られた。このCuInSe2 膜3のX線回折に
おける強度比 ({(112) による回折強度}/{ (220)お
よび (204)による回折強度}) を測定したところ24であ
り、 (112)配向性が高いCuInSe2 膜3であった。
【0016】次に、上記製造したCuInSe2 膜3の
上に、さらにCdS膜4を積層してCuInSe2 膜3
とCdS膜4との間にヘテロ接合を形成させ、CuIn
Se2 膜3とCdS膜4のそれぞれにオーミック電極I
とII(図の5、6)を形成して光電変換素子(図1)を
製造した。このようにして得られた光電変換素子は、高
感度であり極めて良好なものであった。
上に、さらにCdS膜4を積層してCuInSe2 膜3
とCdS膜4との間にヘテロ接合を形成させ、CuIn
Se2 膜3とCdS膜4のそれぞれにオーミック電極I
とII(図の5、6)を形成して光電変換素子(図1)を
製造した。このようにして得られた光電変換素子は、高
感度であり極めて良好なものであった。
【0017】
【実施例2】本発明の高配向性CuInSe2 膜の製造
方法の別の一例を以下に示す。
方法の別の一例を以下に示す。
【0018】まず、ガラス基板上に蒸着法によって約20
00Aの厚さの下地CdS膜を成膜し、このCdS膜上に
蒸着によりCuを1200A、Inを2700Aの厚さで順次積
層した。次いでこの積層膜をSeソースを有する炉に入
れ、 400℃に加熱してSeガス雰囲気下において、いわ
ゆる気相セレン化を行ったところ、厚さ約1μmのカル
コパイライト形のCuInSe2 膜が得られた。このC
uInSe2 膜のX線回折における上記強度比を測定し
たところ22であり、 (112)配向性が高いCuInSe2
膜であった。
00Aの厚さの下地CdS膜を成膜し、このCdS膜上に
蒸着によりCuを1200A、Inを2700Aの厚さで順次積
層した。次いでこの積層膜をSeソースを有する炉に入
れ、 400℃に加熱してSeガス雰囲気下において、いわ
ゆる気相セレン化を行ったところ、厚さ約1μmのカル
コパイライト形のCuInSe2 膜が得られた。このC
uInSe2 膜のX線回折における上記強度比を測定し
たところ22であり、 (112)配向性が高いCuInSe2
膜であった。
【0019】
【比較例】比較例として従来のセレン化法によるCuI
nSe2 膜の製造方法を以下に示す。
nSe2 膜の製造方法を以下に示す。
【0020】まず、ガラス基板上に蒸着によりCuを12
00A、Inを2700AおよびSeを8000Aの厚さで順次積
層した。次いでこの積層膜を窒素ガス雰囲気下において
400℃に加熱して固相セレン化を行い、厚さ約1mmのカ
ルコパイライト形CuInSe2 膜を得た。このCuI
nSe2 膜のX線回折における強度比を測定したところ
2.5であり、 (112)配向性が低いCuInSe2 膜であ
った。
00A、Inを2700AおよびSeを8000Aの厚さで順次積
層した。次いでこの積層膜を窒素ガス雰囲気下において
400℃に加熱して固相セレン化を行い、厚さ約1mmのカ
ルコパイライト形CuInSe2 膜を得た。このCuI
nSe2 膜のX線回折における強度比を測定したところ
2.5であり、 (112)配向性が低いCuInSe2 膜であ
った。
【0021】一方、基板としてガラス板またはMoスパ
ッタ膜(厚さ1μm)付きガラス板を用い、その上に蒸
着によりCuを1200A、Inを2700Aの厚さで順次積層
した。次いでこの積層膜をSeソースを有する炉に入
れ、 400℃に加熱してSeガス雰囲気下において気相セ
レン化を行い、厚さ約1μmのカルコパイライト形のC
uInSe2 膜を得た。このCuInSe2 膜のX線回
折における上記強度比を測定したところ2〜4であり、
(112)配向性が低いCuInSe2 膜であった。
ッタ膜(厚さ1μm)付きガラス板を用い、その上に蒸
着によりCuを1200A、Inを2700Aの厚さで順次積層
した。次いでこの積層膜をSeソースを有する炉に入
れ、 400℃に加熱してSeガス雰囲気下において気相セ
レン化を行い、厚さ約1μmのカルコパイライト形のC
uInSe2 膜を得た。このCuInSe2 膜のX線回
折における上記強度比を測定したところ2〜4であり、
(112)配向性が低いCuInSe2 膜であった。
【0022】
【発明の効果】本発明法の開発により、 (112)配向性の
高いCuInSe2 膜を製造することができるようにな
った。また、本発明のCuInSe2 膜を用いることに
よって、より高感度なCuInSe2 系光電変換素子を
作製することができるようになった。
高いCuInSe2 膜を製造することができるようにな
った。また、本発明のCuInSe2 膜を用いることに
よって、より高感度なCuInSe2 系光電変換素子を
作製することができるようになった。
【図1】本発明の高配向性CuInSe2 膜を用いたC
uInSe2 系光電変換素子の一例を示す側断面図であ
る。
uInSe2 系光電変換素子の一例を示す側断面図であ
る。
1‥‥‥基板 2‥‥‥下地CdS膜 3‥‥‥CuInSe2 膜 4‥‥‥CdS膜 5‥‥‥オーミック電極I 6‥‥‥オーミック電極II
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 和人 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 石田 典也 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上にCu、InおよびSeを別々に
積層し、これを不活性ガス雰囲気下で加熱処理してCu
InSe2 膜を製造する方法であって、上記基板上にC
u、InおよびSeを積層する前にc軸配向した下地C
dS膜を基板上その一部または全面に成膜し、該下地C
dS膜を有する基板上にCu、InおよびSeを積層す
ることを特徴とする高配向性CuInSe2 膜の製造方
法。 - 【請求項2】 基板上にCuおよびInを別々に積層
し、これをSe含有ガス雰囲気下で加熱処理してCuI
nSe2 膜を製造する方法であって、上記基板上にCu
およびInを積層する前にc軸配向した下地CdS膜を
基板上その一部または全面に成膜し、該CdS膜を有す
る基板上にCuおよびInを積層することを特徴とする
高配向性CuInSe2 膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3230911A JPH0548140A (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 高配向性CuInSe2膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3230911A JPH0548140A (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 高配向性CuInSe2膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0548140A true JPH0548140A (ja) | 1993-02-26 |
Family
ID=16915219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3230911A Pending JPH0548140A (ja) | 1991-08-19 | 1991-08-19 | 高配向性CuInSe2膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0548140A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6755752B2 (en) | 2001-11-01 | 2004-06-29 | Sovic | Golf club adjusting tool, golf club and golf club adjusting method |
JP2012151432A (ja) * | 2010-06-28 | 2012-08-09 | Kyocera Corp | 光電変換素子および光電変換装置ならびに光電変換素子の製造方法 |
-
1991
- 1991-08-19 JP JP3230911A patent/JPH0548140A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6755752B2 (en) | 2001-11-01 | 2004-06-29 | Sovic | Golf club adjusting tool, golf club and golf club adjusting method |
JP2012151432A (ja) * | 2010-06-28 | 2012-08-09 | Kyocera Corp | 光電変換素子および光電変換装置ならびに光電変換素子の製造方法 |
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