JPH0547883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は減衰力可変式流体入りブツシユに関す
る。

（従来の技術） 車両のサスペンシヨンに於いて、ラジアスロツ
ドの端部に減衰力可変式流体入りブツシユを備え
ることが行われ、斯かる減衰力可変式流体入りブ
ツシユは内・外筒間に複数の（一般的には２つ）
流体室を形成し、該流体室を連通する連通路の流
体面積を可変とするバルブを内・外筒間に設け、
該バルブを外筒外周に設けた駆動装置により切換
駆動して減衰力を可変としている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら斯かる減衰力可変式流体入りブツ
シユに於いてはバルブを内・外筒間に設けるため
にブツシユ全体が大型化し、又駆動装置も外筒外
周に突出するため、これもブツシユの大型化の一
因となり、更に駆動装置は流体ブツシユの外側に
露出するのでこれを有効に保護することが望まれ
た。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するため本考案は、内筒と外
筒とを結合するゴム壁にて内・外筒間に複数の流
体質を形成し、前記内筒の端部を車体側に取付け
るとともに外筒をラジアスロツドで保持するよう
にした減衰力可変式流体入りブツシユに於いて、
前記内筒に各流体室を連通する連通路を形成する
とともに内筒内に前記連通路の流路面積を可変と
するバルブを設け、内筒の端部に該内筒を車体に
結合するフランジ部を設けるとともに該フランジ
部の内筒とは反対側に前記バルブを駆動させる駆
動装置を配設したことを特徴とする。

（作用） 連通路の流体面積を可変とするバルブを内筒内
に設けるとともに該バルブを回動させる駆動装置
を内・外筒の長手方向の端部に設けたフランジ部
の車体側に設けたので全体をコンパクト化するこ
とができ、また、駆動装置を有効に保護すること
ができる。

（実施例） 以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて説明する。

第１図はサスペンシヨンアームの部分側面図、
第２図は第１図−線断面図、第３図は第２図
−線断面図である。

サスペンシヨンアームをなすラジアスロツド１
は先端で二股に分かれて夫々ラジアスロツドリブ
２，２を形成し、該ラジアスロツドリブ２，２の
先端内側は流体入りブツシユ３の外周に倣う弧状
に形成されている。

流体入りブツシユ３の本体は第２図、第３図に
も示すように内筒４、外筒５、内筒４と外筒５を
結合するゴム壁６、及び外筒５を保持する保持筒
７とから成る。

内筒４の外筒と外筒５の内周とに焼付けられる
ゴム壁６は筒の長さ方向両端部で内・外筒４，５
を閉じるゴム壁６ａ，６ａと、これらと連続し、
筒の長さ方向中間部で内・外筒４，５間を２つの
流体室0₁，0₂に仕切るゴム壁部６ｂ，６ｂとから
成り、流体室0₁，0₂には作動油が封入される。
尚、中間部のゴム壁部６ｂの内筒１２周囲部分に
は両流体室0₁，0₂内に突出するストツパ突部６ｃ
…が設けられ、また両端部のゴム壁部６ａ，６ａ
の外周寄り部には金属製の拘束リング板８，８が
埋設されている。

又、外周５の長さ方向両端部をカシメて内方フ
ランジ９，９を形成し、この内方フランジ９，９
を前記拘束リング板８，８の端部にそれぞれ圧接
させ、斯かる外筒５を保持筒７内に嵌合保持す
る。

一方、内筒４の長さ方向中間部には流体室0₁，
0₂を連通せしめる連通路１０を径方向に沿つて形
成するとともに内筒４内の長さ方向にバルブ保持
体１１を嵌合し、該バルブ保持体１１にバルブ１
２を回動自在に嵌合する。バルブ１２は小径のロ
ツド部１２ａとこのロツド部１２ａ先端に形成さ
れる大径の筒部１２ｂから成り、前記バルブ保持
体１１に嵌合するのはこのロツド部１２ａであ
り、ロツド部１２ａ基端部には軸穴１２ｃを形成
する。又、筒部１２ｂには第３図に示すように径
方向に貫通する弁孔１３，１３，１４，１４を開
口する。ここで一方の弁孔１３は前記連通路１０
と同径とし、これと中心角を90°異ならせた部位
の弁孔１４を小径とする。

以上のバルブ１２を保持体１１内に回動自在に
組付け、バルブ１２外周にＥクリツプ１５を嵌着
して位置決めを図り、弁孔１３，１４を前記連通
路に臨ませるようにする。

又、内筒４の車体取付側の端部外周にはフラン
ジ部１６を設け、該フランジ部１６に形成した孔
部１６ａ…を介してねじ等によりフランジ部１６
を車体に取付けるようにする。そしてこのフラン
ジ部１６の車体取付側即ち第２図中左側に前記バ
ルブ１２を駆動させる駆動装置１７を配設する。

該駆動装置１７はモーター１８と、先端が前記
バルブ１２の軸穴１２ｃに嵌着される駆動軸、モ
ーター１８のロツド１８ａと駆動軸１９間に設け
られる減速ギヤ２０…等から成り、これらはカバ
ー２１で覆われている。

尚２２，２２はドレン管であり、流体入りブツ
シユ３本体内への作動油封入はドレン管に螺着さ
れる図示しないドレンコツクを外して作動油を注
入し、ドレン管２２，２２から内部のエア抜きを
行い、然る後にドレンコツクを螺着して完了す
る。

以上の流体入りブツシユ３を備えたラジアスロ
ツド１は、ブツシユ３の内筒４を前述のようにフ
ランジ部１６を介して車体側に、又ラジアスロツ
ド１の先端をアクスルハウジング等のサスペンシ
ヨン構成部材側の支軸に夫々枢着することにより
車体前後方向に架設される。

以上に於いて、サスペンシヨンの揺動によりラ
ジアスロツド１が前後方向に移動すれば、流体室
0₁の作動油が連通路１０を介して流体室0₂へ、も
しくは流体室0₂の作動油が連通路１０を介して流
体室0₁へ流出しこれにより減衰力が発生する。そ
してこの際、バルブ１２の大きい方の弁孔１３を
連通路１０に一致させた場合には、流体入りブツ
シユ３内の作動油は弁孔１３により絞られず、従
つてコンプライアンス特性は柔らかいものとな
る。

そして小さい方の弁孔１４を連通路１０に一致
させると、作動油は弁孔１４により絞られるの
で、そのオリフイス効果により減衰力を発生し、
コンプライアンス特性は硬くなる。

また通孔１３，１４をバルブ１２で閉じると、
連通路１０はバルブ１２によつて遮断され、従つ
て両流体室0₁，0₂の連通が遮断されるので、コン
プライアンス特性は最も硬くなる。

以上、本実施例によれば、内筒４内の長さ方向
にバルブ保持体１１を介してバルブ１２を設け、
又バルブ１２を駆動させる駆動装置１７をフラン
ジ部１６の車体取付側に設けたので、流体入りブ
ツシユ３全体をコンパクト化することができ、
又、駆動装置の外部との干渉をさけてこれを保護
することができる。

尚、本実施例ではバルブ１２に設ける弁孔を２
個としたが、これは３個以上でも良いことは勿論
である。

（考案の効果） 以上述べた如く本考案によれば、連通路の流体
面積を可変とするバルブを内筒内に設けるととも
に該バルブを駆動させる駆動装置を内・外筒の長
手方向の端部に設けたフランジ部の車体側に設け
たので全体をコンパクト化することができ、又、
駆動装置を有効に保護することができる。又駆動
装置は電磁ソレノイドバルブ等にも応用可能であ
る。又、本願考案では駆動装置とブツシユ本体及
びラジアスロツドを予め一体に組み込んでおくこ
とができるので、生産ラインではこれを車体側に
組付けるだけで組立作業が終り、生産性が良い。
更に本考案によれば、内筒の一端部に該内筒を車
体に結合するフランジ部を設けるとともに該フラ
ンジ部の内筒とは反対側に前記バルブを駆動させ
る駆動装置を配設したのでフランジ部を車体側に
取付ければ、必然的に駆動装置は外部から遮断さ
れることになり、駆動装置を外部から保護するこ
とができる。又、フランジ部の取付けは駆動装置
を挟さむ少なくとも２箇所で行うので取付け時に
は駆動装置等が邪魔になることがなく、容易に取
付け作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はサスペンシヨンアームの部分側面図、
第２図は第１−線断面図、第３図は第２図
−線断面図である。 尚、図面中１はラジアスロツド、３は流体入り
ブツシユ、４は内筒、５は外筒、６はゴム壁、１
０は連通路、１２はバルブ、１６はフランジ部、
１７は駆動装置、0₁，0₂は流体室である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内筒と外筒とを結合するゴム壁にて内、外筒間
   に複数の流体室を形成し、前記内筒の端部を車体
   側に取付けるとともに外筒をラジアスロツドで保
   持するようにした減衰力可変式流体入りブツシユ
   に於いて、 前記内筒に各流体室を連通する連通路を形成す
   るとともに内筒内に前記連通路の流路面積を可変
   とするバルブを設け、内筒の一端のみに該内筒を
   車体に結合するフランジ部を設けるとともに該フ
   ランジ部の内筒とは反対側に前記バルブを駆動さ
   せる駆動装置を配設し、該フランジ部の取付けは
   前記駆動装置を挟さむ少なくとも２箇所で行うこ
   とを特徴とする減衰力可変式流体入りブツシユ。