JPH054768A - 帯板の走行方向変換用の流体支持装置 - Google Patents

帯板の走行方向変換用の流体支持装置

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JPH054768A
JPH054768A JP15796791A JP15796791A JPH054768A JP H054768 A JPH054768 A JP H054768A JP 15796791 A JP15796791 A JP 15796791A JP 15796791 A JP15796791 A JP 15796791A JP H054768 A JPH054768 A JP H054768A
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JP15796791A
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Masato Kageyama
正人 景山
Yasuo Shimokawa
靖夫 下川
Kazuo Muraoka
一雄 村岡
Hiroshi Yoneda
寛 米田
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、帯板の走行方向変換用の気体支持装
置であって、走行方向変換の前後のストリップの走行部
(例えば懸垂部)の長さが、長い熱処理炉に用いた場合
にストリップの蛇行走行を有効に矯正防止する、流体支
持装置の提供を目的とする。 【構成】走行する帯板1の走行方向変換用の流体支持装
置であって、該流体支持装置は凸の弧面の流体パッド面
2を有し、流体パッド面2は凸の両側部の左右にそれぞ
れ、帯板1の幅の両端部の外に配されたV底を外方に向
けて形成した一対のV型スリット3−1,3−2と3−
10,3−20とを有し、更にV型スリット3−1,3
−2及び3−10,3−20の外方に帯板1の走行方向
と並行で弧面と略直角の一対のシール板4−1,4−2
及び4−10,4−20を設けた事を特徴とする、帯板
の走行方向変換用の流体支持装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】例えば、帯鋼の竪型熱処理炉で
は、帯鋼を上昇した後で下降させあるいは下降した後で
上昇させて走行させる。本発明は、例えばこの帯鋼を流
体クッションを用いて非接触で支持する際に用いる、帯
板の走行方向変換用の流体支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】帯鋼の通常の竪型焼鈍炉では、帯鋼を炉
の頂部と下部に配した例えば鋼製のロールの間に懸け渡
して支承し、帯鋼を方向変換させて走行させる。しかし
この方法はロールが帯鋼を擦るために帯鋼に疵がつき易
いという欠点がある。
【0003】特開昭63−176435号には、走行方
向変換用ではないが、ストリップの蛇行防止のためにス
トリップの移動ラインの側方にシール板を設置した流体
支持装置が記載されており、特開昭63−138019
号には、走行方向変換用ではないが、ストリップの蛇行
防止のために幅方向にV字型のスリットを設置した流体
支持装置が記載されている。しかしこれらの方法を各々
単独に用いた場合では、蛇行矯正の効果が小さいという
問題点がある。
【0004】特願平2−133897号には、半円筒形
の流体パッド面の凸の頂部に先のシール板とV型スリッ
トとを配置し、ストリップの蛇行を矯正する効果を向上
させた流体支持装置が記載されている。図5はその例を
示す図である。しかしこの流体支持装置は、後で述べる
が、ストリップの蛇行を矯正する力が、支承するストリ
ップの懸垂部の長さが長くなるにつれ小さくなる傾向が
あり、場合によってはストリップの蛇行をより増大させ
ることがあることを考慮にいれていない。従って、この
流体支持装置では、ストリップの懸垂部の長さが短い場
合には、ストリップの蛇行を矯正し、安定した走行が得
られるが、ストリップの懸垂部の長さが長い場合には、
ストリップの蛇行矯正能力が無くなる、もしくは蛇行を
増大させるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、帯板の走行
方向変換用の気体支持装置であって、走行方向変換の前
後のストリップの走行部(例えば懸垂部)の長さが長い
熱処理炉に用いた場合にストリップの蛇行走行を有効に
矯正防止する、流体支持装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の流体支
持装置の例で、(A)は斜視説明図、(B)は流体パッド面
の展開図である。本発明は、矢印6方向に、例えば、上
昇した後に下降して走行する帯板1の走行方向変換用の
流体支持装置である。この流体支持装置7は凸の弧面の
流体パッド2を有する半円筒形の圧力箱で、高圧流体
は、例えば、下部に設けた流体導入孔8から流体支持装
置7内に導入され、流体パッド面2に設けた浮上用流体
噴出スリット9から帯板1に吹き付ける。帯板1は浮上
用流体噴出スリット9から噴出する流体によって流体パ
ッド面2上に非接触で支承されている。
【0007】本発明の流体パッド面2には、図1におい
て、流体支持装置7の入り側と出側のそれぞれの左右に
V型スリット3−1,3−2と3−10,3−20とを
設ける。V型スリット3−1,3−2および3−10,
3−20は何れも、帯板1が走行中心に位置した場合、
帯板1がV型スリットの一部を覆い、かつV底5が帯板
1の幅の左右の両端部の外になるように配されている。
V底5から帯板1の幅の端部までの距離は特に限定する
ものではないが、5〜60mm程度が望ましい。
【0008】本発明の流体パッド面2には更に、各V型
スリットと一対にシール板4−1,4−2と4−10,
4−20とを設ける。各シール板は、帯板1の走行方向
6と平行にかつ弧面と略直角に、またV型スリットのV
底5の外側に設ける。シール板4−1,4−2と4−1
0,4−20の長さや高さは特に限定するものではない
が、長さは凸の弧面の1/3〜1/5で、高さは30〜
50mmとすることができる。またシール板4−1,4−
2の間隔および4−10,4−20の間隔は、少なくと
も帯板1の幅より大きくなるように配することが必要で
あるが、帯板1の幅と帯板1の浮上高さの7倍の距離と
の和である間隔以下になる事が望ましい。なお図1では
浮上用流体噴出スリット9は角型の形状の例を示した
が、浮上用流体噴出スリット9の形状や配置は、公知の
他のものであってもよい。
【0009】
【作用】図2〜図7により、本発明のV型スリットとシ
ール板の作用を説明する。まず図の簡単な説明を行い、
次にV型スリットとシール板が帯板を支持する圧力に与
える変化と、その結果生じる帯板の浮上状態の変化につ
いて述べ、そしてこれらの変化の結果として得られる蛇
行矯正力について述べる。そして最後に、本発明では、
V型スリットとシール板は、流体パッド面の凸の頂部に
は設けないで、両側部に設けることを特色とするが、そ
の理由を説明する。図2は、本発明において、帯板1が
蛇行走行がない正常な状態の平面図。図3は、本発明に
おいて、帯板1が流体パッド2の左に寄り蛇行走行した
状態の帯板1の浮上状態の概略図で(A)は平面図、(B)
は正面図、(C−1)は(A)の左側面図、(C−2)は(A)
の右側面図である。
【0010】図4は、本発明において、帯板1が流体パ
ッド2の左に寄り蛇行走行した状態において、帯板1が
流体から受ける蛇行矯正力を示している。後で詳述する
が、蛇行矯正力は、帯板が幅方向に傾くことによって生
じる蛇行矯正力と圧力が帯板の幅方向に非対称に分布す
ることが原因で生じるモーメントによる蛇行矯正力とか
らなり、図4(A)は、帯板が幅方向に傾くことによって
生じる蛇行矯正力のパッド周方向(つまり帯板進行方
向)分布の実測値で、(B)は、圧力が帯板の幅方向に非
対称分布することが原因で生じるモーメントによる蛇行
矯正力の説明図である。図5、図6は、本発明に対し
て、V型スリットとシール板を流体パッド面の凸の頂部
に設けた場合との違いを説明するための比較図である。
【0011】図2で帯板1は流体パッド面2の幅方向の
中央を走行する。この際、帯板1は各V型スリット3−
1,3−10,3−2,3−20を等しく覆い、また帯
板の左右の端とシール板までの距離も等しい。したがっ
て、帯板1にかかる力は左右対称で帯板を幅方向(X方
向)に移動させる力は生じず、外乱さえなければ帯板1
は流体パッド面2の中央を走行し続ける。
【0012】図3では、例えば外乱のため、帯板1が左
側(4−2,4−20)に片寄って走行している。まず
V型スリットの作用について述べる。帯板が左に片寄っ
た走行状態においては、図3(A)に示すように帯板1は
左側のV型スリット3−2と3−20とを例えば完全に
覆い、一方右側のV型スリット3−1と3−10は帯板
1によって覆われていない。従って左側のV型スリット
3−2と3−20から吹き出す全流体により帯板1の左
側に高圧の部分が生じ、その結果、帯板1の左側を余分
に浮上させ、一方右側のV型スリット3−1と3−10
は帯板1の右側を余分に浮上させることがない。またこ
のように帯板1の左側が横に膨らんだ結果、図3(B)に
示すごとく帯板1の頂部は左側の浮上高さが右側の浮上
高さよりも低く傾いた状態になる。従って帯板1の左側
は図3(C−1)に示すごとく、図3(C−2)で示した帯
板1の右側よりも、横に膨らんだ形状で浮上する。
【0013】次にシール板の作用について述べる。帯板
が左に片寄った走行状態においては、図3(A)に示すよ
うに帯板1は左側のシール板4−2,4−20に近づ
き、帯板1の左端と左側のシール板4−2,4−20と
の間隙は狭くなる。従って、左側のV型スリット3−2
と3−20から吹き出す流体は、左側のシール板4−
2,4−20により封じ込められて、流体パッド2と帯
板1の間の左側に高い流体圧力を有する領域が形成され
る。この結果、帯板1の左側は、横方向に一層顕著に膨
らむこととなる。以上述べたように、V型スリットは、
帯板が左右によった場合、寄った側の帯板にかかる圧力
を上昇させ、帯板を横方向に膨らませるように作用す
る。シール板は、その作用を助長するものである。
【0014】次に、寄った側の帯板にかかる圧力が上昇
し、帯板が横方向に膨らむことが、どのように蛇行矯正
力に結びつくかを説明する。蛇行矯正力Fは、帯板が幅
方向に傾くことによって生じる蛇行矯正力Faと圧力が
帯板の幅方向に非対称分布することが原因で生じるモー
メントによる蛇行矯正力Fbとからなる。まず、帯板が
幅方向に傾くことによって生じる蛇行矯正力Faについ
て説明する。図3(A)で、左側に寄った帯板1にかかる
圧力は、帯板と直角なFzであるが、帯板1は左側で横
に膨らんだ形状であるので、Fzには水平方向(X方向)
の右向き(+)成分Fxが存在し、このFxが帯板1を右方
向に移行させようとする。これは、板の蛇行を矯正する
力として働き目的にかなっている。
【0015】一方、このとき流体パッド頂部では、図3
(B)で、左側に寄った帯板1にかかる圧力は、帯板と直
角なFzであるが、帯板1は頂部では左側の浮上高さが
低く傾いた形状であるので、Fzには水平方向(X方向)
の左向き(−)成分Fxが存在し、このFxが帯板1を左方
向に移行させようとする。これは、帯板1を更に左へ蛇
行させようとする力となり不都合である。つまり、蛇行
矯正力にかかわる水平方向(X方向)の成分Fxは流体パ
ッド周方向に分布を持つ。
【0016】図4(A)の左に、帯板1が左に片寄った場
合の流体パッド図を示し、右に、左図に対応させて、水
平方向(X方向)成分Fxの流体パッド周方向分布の実
測結果を示す。つまり、帯板が幅方向に傾くことによっ
て生じる蛇行矯正力は水平方向成分Fxの周方向積分で
表される力Faのことである。V型スリットとシール板
を流体パッド2の両側に配置した本発明の場合、先述し
たように、図4(A)に示されるように、流体パッド2の
頂部付近に左に寄った帯板を更に左に移行させようとす
る成分が存在するが、流体パッド2の両側部付近には左
に寄った帯板を逆に右に移行させようとする成分が存在
し、結局、流体パッド面の周方向に沿ってこれらの成分
を積分すれば、左に蛇行した帯板を中央に押し戻す方向
の力Faを発揮する。しかし、後述するが、V型スリッ
トとシール板を、流体パッド面の凸の頂部に設けた場合
などは、左に蛇行した帯板を更に左に押し出す方向に力
Faが発揮される。
【0017】次に、圧力が帯板の幅方向に非対称分布す
ることが原因で生じるモーメントによる蛇行矯正力Fb
について図4(B)で説明する。図4(B)は、流体パッド
2と帯板1の懸垂部(長さL)との正面図を示してお
り、帯板は左側によっているものとする。また、説明の
簡単のため、帯板1の懸垂部の下端は、ピン固定のよう
に回転の自由のみを許すような固定方式をとるものとす
る。図4(B)で、左側に寄った帯板1にかかる圧力は、
先述したようにV型スリットとシール板のため、図中打
点模様で示した左側の帯板にかかる圧力が上昇する。つ
まり圧力は帯板の幅方向に非対称に分布する。このため
帯板1には時計回りのモーメントMを生じる。
【0018】このモーメントMと等価なモーメントを帯
板1の懸垂部の下端を軸とし、作用点を帯板1の頂部と
する水平方向力(X方向力)Fbで表せば、 M=L×Fb の関係があり、結局右回りのモーメントMは、蛇行矯正
力Fb=M/Lと等価である。帯板が左右によった場合
の圧力の幅方向分布は必ずよった方の圧力が高くなるの
で、Fbは常に蛇行を矯正して中央に戻すように働く。
結局、蛇行矯正力Fは、帯板が幅方向に傾くことにっよ
って生じる蛇行矯正力Faと圧力が帯板の幅方向に非対
称分布することが原因で生じるモーメントによる蛇行矯
正力Fbの和で表され、次式のようになる。 F=Fa+Fb=Fa+M/L (1) 式(1)の示すところによれば、右辺第2項は、帯板の懸
垂部長さLに反比例して小さくなる。従って、帯板の懸
垂部長さLが長くなると式(1)の右辺第2項は、ほとん
ど無視できるようになり、結局、蛇行矯正力Fは、帯板
が幅方向に傾くことによって生じる蛇行矯正力Faとほ
とんど等しくなる。常に蛇行を矯正して中央に戻すよう
に働くFb=M/Lが、帯板の懸垂部長さLが長くな
り、ほとんど無視小になるのは、帯板の蛇行矯正という
観点からは望ましくはないが、本発明では、残ったFa
が蛇行を矯正して中央に戻すように働くので帯板の懸垂
部長さLが長くとも有効な手法である。また、本発明
が、帯板の懸垂部長さLが短くとも有効な手法であるこ
とは、以上の理由から明らかである。
【0019】最後に、本発明は、特願平2−13389
7号のようなV型スリットとシール板を、流体パッド面
の凸の頂部に設ける形式ではなく、両側部に設ける形式
を特色とするが、その理由を説明する。式(1)におい
て、V型スリットとシール板の配置や構成が変わればF
a,Mの値は変わるが、式(1)は普遍的な力の釣合式で
あるので、式(1)の形は変わらない。つまり、特願平2
−133897号のようなV型スリットとシール板を流
体パッド面の凸の頂部に設ける形式では、Fa,Mの値
は本発明の物とは変わるが、式(1)の形は変わらず、右
辺第2項は、帯板の懸垂部長さLに反比例して小さくな
り、Lが大きい場合には、式(1)の右辺第2項は、ほと
んど無視できるようになり、結局、蛇行矯正力Fは、帯
板が幅方向に傾くことによって生じる蛇行矯正力Faと
ほとんど等しくなる。
【0020】そこで、特願平2−133897号のよう
なV型スリットとシール板を、流体パッド面の凸の頂部
に設ける形式のFaを検討してみる。図5は、比較例
で、帯板1が流体パッド2の左に寄り蛇行走行した状態
の帯板1の浮上状態の概略図で(A)は平面図、(B)は正
面図、(C−1)は(A)の左側面図、(C−2)は(A)の右
側面図である。図5で流体パッド面2は凸の頂部にV型
スリット30−1,30−2とシール板40−1,40
−2を有し、更に帯板1の入側と出側に水平スリット状
の案内ノノズル50−1,50−2が設けられている。
この流体支持装置で、帯板1が流体パッド2の左に寄り
蛇行走行した状態では、すでに述べたと同様の理由で、
帯板1の頂部付近の左側に高圧の部分が生じ、その結果
帯板1の左側を余分に浮上させる。
【0021】しかし、この流体支持装置では、帯板1の
頂部左側が余分に浮上した分だけ流体パッドの左側両側
部の浮上高さが右側両側部の浮上高さに比して低くな
る。従って、すでに述べたと同様の理由で、図6に示す
ように、流体パッドの頂部付近に、左に寄った帯板を逆
に右に移行させようとする力の成分が存在するが、流体
パッドの両側部付近には、左に寄った帯板を更に左に移
行させようとする力の成分が存在し、結局、これらの成
分を周方向に積分すれば、左に蛇行した帯板を更に左へ
押し出す方向に力Faが発揮される。
【0022】従って特願平2−133897号のような
V型スリットとシール板を、流体パッド面の凸の頂部に
設ける形式は、帯板の懸垂部長さLが短い場合は、常に
蛇行を矯正して中央に戻すよように働くFb=M/Lの
項がFaを上回り、結局全体として蛇行を矯正する方向
に作用するが、帯板の懸垂部長さLが長い場合は、蛇行
を増長するように働くFaの項がFb=M/Lを上回り、
結局全体として蛇行を増長する方向に作用するという問
題点がある。それに対し、本発明では、先に説明したよ
うに、V型スリットとシール板を、流体パッド面の両側
部に設ける形式をとり、残ったFaが蛇行を矯正して中
央に戻すように働くので、帯板の懸垂部長さLが長くと
も帯板の蛇行矯正に対して有効な手法である。
【0023】
【実施例】本発明者らは、図1の本発明の流体支持装置
を図7に示した竪型焼鈍炉で実施した。図7(A)は加熱
帯20と冷却帯21で構成されるストリップの焼鈍設備
であり、炉高は60mである。図7(B)は頂部の詳細説
明図、図7(C)は図7(B)の正面図である。本装置で
は、図には示していないが、流体支持装置において、シ
ール板4−1,4−2,4−10,4−20は取り外し
可能で、またV型スリット3−1,3−2,3−10,
3−20には流体の供給を調整できるようになってい
る。
【0024】(実施例1)流体支持装置のシール板4−
1,4−2,4−10,4−20を取り外し、V型スリ
ット3−1,3−2,3−10,3−20に流体を供給
すれば、本焼鈍炉は、凸の弧面の流体パッド面2を有
し、流体パッド面2は凸の両側部の左右にそれぞれ、帯
板1の幅の両端部の外に配されたV底を外方に向けて形
成した一対のV型スリット3−1,3−2と3−10,
3−20とを設けた事を特徴とする、帯板の走行方向変
換用の流体支持装置を実施した竪型焼鈍炉である。
【0025】(実施例2)流体支持装置のシール板4−
1,4−2,4−10,4−20を取り付け、V型スリ
ット3−1,3−2,3−10,3−20への流体の供
給を断てば、本焼鈍炉は、凸の弧面の流体パッド面2を
有し、流体パッド面2は凸の両側部の左右にそれぞれ、
帯板1の幅の両端部の外に帯板1の走行方向と並行で弧
面と略直角の一対のシール板4−1,4−2及び4−1
0,4−20を設けた事を特徴とする、帯板の走行方向
変換用の流体支持装置を実施した竪型焼鈍炉である。
【0026】(実施例3)流体支持装置のシール板4−
1,4−2,4−10,4−20を取付け、V型スリッ
ト3−1,3−2,3−10,3−20に流体を供給す
れば、本焼鈍炉は、凸の弧面の流体パッド面2を有し、
流体パッド面2は凸の両側部の左右にそれぞれ、帯板1
の幅の両端部の外に配されたV底を外方に向けて形成し
た一対のV型スリット3−1,3−2,3−10,3−
20とを有し、更にV型スリット3−1,3−2及び3
−10,3−20の外方に帯板1の走行方向と並行で弧
面と略直角の一対のシール板4−1,4−2及び4−1
0,4−20を設けた事を特徴とする、帯板の走行方向
変換用の流体支持装置を実施した竪型焼鈍炉である。
【0027】実施条件は、実施例1,2,3のそれぞれ
について、帯板サイズが厚さ(0.15〜0.6mm)、幅
(700〜1000mm)、張力(0.05〜0.2kg/m
m2)、帯板の走行速度(5〜60m/min)であり、帯板を
5〜10mm浮上させて搬送させたが、帯状物の蛇行が少
なく安定した操業が可能であった。
【0028】
【発明の効果】本発明を実施することにより、上昇した
後で下降して、あるいは下降した後で上昇して走行する
帯板の走行方向変換用の気体支持装置において、帯板が
蛇行すること無く非接触走行させることが出来た。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の流体支持装置の説明図、図2は、本発明
において、帯板1が蛇行走行がない正常な状態の平面
図、図3は、本発明において、帯板1が流体パッド2の
左に寄り蛇行走行した状態の帯板1の浮上状態の概略図
で(A)は平面図、(B)は正面図、(C−1)は(A)の左側
面図、(C−2)は(A)の右側面図、図4(A)は、帯板が
幅方向に傾くことによって生じる蛇行矯正力のパッド周
方向(つまり帯板進行方向)分布の実測値で、(B)は、圧
力が帯板の幅方向に非対称分布することが原因で生じる
モーメントによる蛇行矯正力の説明図、図5は流体パッ
ド面の頂部にシール板とV型スリットを配した従来例の
説明図、図6は図5の流体支持装置と本発明との作用の
相違の説明図、図7は実施例の流体支持装置の説明図、
である。
【符号の説明】
1:帯板、 2:流体パッド面、 3−1(3−2,3
−10,3−20):V型スリット、 4−1(4−
2,4−10,4−20):シール板、 5:V型スリ
ットのV底、 6:帯板の進行方向、 7:流体支持装
置、 8:流体導入口、 9:浮上用流体の噴出スリッ
ト、 20:加熱帯、 21:冷却帯、30−1(30
−2):V型スリット、 40−1(40−2):シー
ル板、50(50−1,50−2):水平スリット状の
案内ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 寛 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1−1 新日本製鐵株式会社設備技術本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行する帯板1の走行方向変換用の流体支
    持装置であって、該流体支持装置は凸の弧面の流体パッ
    ド面2を有し、流体パッド面2は凸の両側部の左右にそ
    れぞれ、帯板1の幅の両端部の外に配されたV底を外方
    に向けて形成した一対のV型スリット3−1,3−2と
    3−10,3−20とを設けた事を特徴とする、帯板の
    走行方向変換用の流体支持装置。
  2. 【請求項2】走行する帯板1の走行方向変換用の流体支
    持装置であって、該流体支持装置は凸の弧面の流体パッ
    ド面2を有し、流体パッド面2は凸の両側部の左右にそ
    れぞれ、帯板1の幅の両端部の外に帯板1の走行方向と
    並行で弧面と略直角の一対のシール板4−1,4−2及
    び4−10,4−20を設けた事を特徴とする、帯板の
    走行方向変換用の流体支持装置。
  3. 【請求項3】走行する帯板1の走行方向変換用の流体支
    持装置であって、該流体支持装置は凸の弧面の流体パッ
    ド面2を有し、流体パッド面2は凸の両側部の左右にそ
    れぞれ、帯板1の幅の両側部の外に配されたV底を外方
    に向けて形成した一対のV型スリット3−1,3−2と
    3−10,3−20とを有し、更にV型スリット3−
    1,3−2及び3−10,3−20の外方に帯板1の走
    行方向と並行で弧面と略直角の一対のシール板4−1,
    4−2及び4−10,4−20を設けた事を特徴とす
    る、帯板の走行方向変換用の流体支持装置。
JP15796791A 1991-06-28 1991-06-28 帯板の走行方向変換用の流体支持装置 Withdrawn JPH054768A (ja)

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