JPH0547431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、掛置兼用時計に関するものである。

［従来の技術］ 従来より掛置兼用時計は、背面に掛止め金具を
着脱可能に設け、掛時計として使用する際にはこ
の掛止め金具を介して壁面などに掛止し、置時計
として使用する際には掛止め金具を取り外すよう
にしたものや、背面に掛止め穴を設けたものなど
がある。

［解決しようとする課題］ 背面に掛止め金具を設けた構成では、掛時計と
して使用する時と置時計として使用する時に掛止
め金具を取付けたり、逆に取外したりしなければ
ならずその着脱作業が煩雑で不便であつた。また
掛止め金具を取付けたままにしておいたり、後述
のもののように掛止め孔を設けるようにすると、
置時計として使用する時に外観が不自然であり、
外観を損つていた。さらに、外した取付け金具は
当然別の場所へ保管しなければならず、紛失のお
それがあつた。

そこで本考案の目的は、置時計としての外観を
崩さずに、掛時計として使用する時に容易に壁面
へ取付けることのできる掛置兼用時計を提供する
ことにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案の特徴は、時計枠体の後部の開口部を開
閉可能に裏蓋を設け、掛止め金具の構成を、掛止
め孔が設けてある掛け部とその一端より直角に立
曲げてある立曲げ部と、上記立曲げ部の一端部が
上記裏蓋の取り付け位置よりも内方側で上記時計
枠体の上壁部後部の内面に回動自在に取付け可能
な取付け片とより構成し、上記掛止め金具の上記
掛け部は、上記裏蓋を開いた状態で上記時計枠体
の後部外方へ取り出し可能であり、上記裏蓋に
は、上記裏蓋を閉じたときに上記立曲げ部に係合
して上記掛け部を垂直に保持する保持部が設けら
れているところにある。

［作用］ そのため置時計として使用する時は、裏蓋の内
部に掛止め金具を位置させることにより、掛止め
金具が外部から見えない。

また掛時計として使用する時は、裏蓋を開口部
から外し、掛止め金具を回転させて外方に取り出
し、この掛止め金具に裏蓋の保持部を嵌合させた
状態で、この裏蓋を時計枠体の開口部に嵌合させ
て、この開口部を閉じる。この時、掛止め金具の
立曲げ部は裏蓋の保持部に嵌合しているため掛け
部を垂直に保持する。この垂直に保持された掛け
部の掛止め孔を利用して時計を柱などに掛止する
ことができる。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説明
する。

第１図において、先ず時計枠体１の構造から説
明すると、この枠体は上下に位置する上壁部２と
台座３との両側に側壁４が設けてあるもので、さ
らにこの上壁部と台座との間には、時計機械体を
装置するための取付け板５が取付けてある。

取付け板５の背面には、時計機械体６が装置し
てあり、この時計機械体によつて時刻表示部であ
る指針７が回転駆動され時刻表示を行なつてい
る。この指針の前には、前カバー８が位置してい
る。

枠体１の後端部は開口部１ａとなつており、こ
の開口部には、裏蓋９がこの開口部を開閉可能に
取付けてあるものである。

ところで枠体１の上壁部２の後部の内面には、
掛止め金具１０が取付けてある。この掛止め金具
１０の具体的構成は、第２図示のように、掛止め
孔１１ａを穿設してある掛け部１１とこの掛け部
の一端より垂直に屈成し立ち曲げられている立曲
げ部１２を有し、この立曲げ部の一端部には取付
け片１３が回転自在にヒンジ結合しているもので
ある。

そして掛止め金具１０の取付け片１３が、第１
図示のように裏蓋９の取付け位置よりも内方側
で、前記したように上壁部２の後部にねじ１４で
固着されるものである。そして掛け部１１は裏蓋
９を開いた状態で時計枠体１の後部外方へ取り出
すことができるようになつている。

また裏蓋９には、第３図示のように、この蓋の
上辺の中央部には、保持部たる切欠溝９ａが穿設
してあり、この蓋の中央部には、この裏蓋の着脱
用の透孔９ｂが開設してある。そして切欠溝９ａ
は、掛止め金具１０を保持可能なように掛止め金
具の幅よりもやや広く形成してある。

したがつて本考案に係る時計を置時計として使
用する時は、第１図示のように裏蓋９の内部に掛
止め金具１０を位置させ、外部からこの掛止め金
具が見えないようにして使用する。

また掛時計として使用する時は、透孔９ｂから
指先を入れ、この裏蓋を持ちあげて外し、掛止め
金具１０を回転させて外方に取り出し、この掛止
め金具に裏蓋９の切欠溝９ａを嵌合させた状態
で、この裏蓋を時計枠体１の開口部１ａに嵌合さ
せて、この開口部を閉じる。この時、第４図示の
ように掛止め金具１０の立曲げ部１２は裏蓋９の
切欠溝９ａに掛合し、掛け部１１を垂直に保持す
る。そこでこの掛け部１１の掛止め孔１１ａを利
用して柱などの掛止用釘に掛止するものである。

［効果］ 以上詳説したように本考案によれば、掛止め金
具の掛け部を裏蓋が開いた状態で枠体外方へ取り
出し可能とし、裏蓋には掛け部を垂直に保持する
保持部を設けたため、置時計としての外観を崩す
ことなく掛時計としても使用可能な掛置兼用時計
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の時計を置時計として使用して
いる状態を示す断面図、第２図は掛止め金具の斜
視図、第３図は裏蓋の一部切欠正面図、第４図は
掛時計として使用している状態を示す断面図であ
る。 １……時計枠体、１ａ……開口部、２……上壁
部、７……時刻表示部（指針）、９……裏蓋、９
ａ……保持部（切欠溝）、１０……掛止め金具、
１１……掛け部、１１ａ……掛止め孔、１２……
立曲げ部、１３……取付け片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前面部に時刻表示部が設けてある時計枠体と、 上記時計枠体の後部にその開口部を開閉可能に
   取り付けられる裏蓋と、 掛止め孔が設けてある掛け部とその一端より直
   角に立曲げてある立曲げ部と、上記立曲げ部の一
   端部が上記裏蓋の取り付け位置よりも内方側で上
   記時計枠体の上壁部後部の内面に回動自在に取付
   け可能な取付け片とを具備した掛止め金具とから
   なり、 上記掛止め金具の上記掛け部は、上記裏蓋を開
   いた状態で上記時計枠体の後部外方へ取り出し可
   能であり、 上記裏蓋には、上記裏蓋を閉じたときに上記立
   曲げ部に係合して上記掛け部を垂直に保持する保
   持部が設けられている ことを特徴とする掛置兼用時計。