JPH0547322Y2 - - Google Patents

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JPH0547322Y2
JPH0547322Y2 JP1988147789U JP14778988U JPH0547322Y2 JP H0547322 Y2 JPH0547322 Y2 JP H0547322Y2 JP 1988147789 U JP1988147789 U JP 1988147789U JP 14778988 U JP14778988 U JP 14778988U JP H0547322 Y2 JPH0547322 Y2 JP H0547322Y2
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slinger
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shaft
hydraulic clutch
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はトラクターにおける油圧クラツチの潤
滑装置に関し、殊更その牽引作業機昇降用油圧作
動ユニツトからの余剰排油を有効利用すると共
に、これを油圧クラツチが設置された伝動軸系の
回転遠心圧力により、自動強制的に油圧クラツチ
へ供給して、その油圧クラツチを効率良く潤滑で
きるように工夫したものである。
〈従来の技術〉 一般にトラクターでは、そのトランスミツシヨ
ンケース上に油圧作動ユニツトを取付け、これに
よつて各種牽引作業機を昇降させている通例であ
る。他方、トラクターのトランスミツシヨン機構
として、上記牽引作業機へ所定変速比の回転動力
を伝達するPTO伝動系統中や、二輪駆動と四輪
駆動との切替え伝動系統中などへ、油圧クラツチ
を介在させたものも既知であるが、その油圧クラ
ツチを潤滑するために、上記作業機昇降用油圧作
動ユニツトからの余剰排油は一切利用されておら
ず、その排油はトランスミツシヨンケース内へ還
流されているに過ぎない。
つまり、従来では上記油圧クラツチを潤滑する
に当つて、その油圧クラツチをトランスミツシヨ
ンケース内に貯溜のミツシヨンオイル中へ浸漬さ
せるか、又は油圧クラツチを取付けた伝動軸自身
に、潤滑専用の油供給路を穿孔すると共に、その
油供給路を通じて油圧クラツチに向かい、ギヤー
ポンプ又はトロコイドポンプにより潤滑用のミツ
シヨンオイルを圧送させている。
〈考案が解決しようとする課題〉 ところが、前者の浸漬手段ではトランスミツシ
ヨンケース内へ、多量のミツシヨンオイルを貯溜
させておく必要があり、そのオイルを油圧クラツ
チが攪拌作用する結果になるため、油圧クラツチ
本来の作動に抵抗などの悪影響を与える。そし
て、このことは油圧クラツチをトランスミツシヨ
ンケースの極力上段位置へ配設する必要がある場
合に、一層顕著となる。逆説的に言えば、ミツシ
ヨンオイルの貯溜量との関係において、油圧クラ
ツチやこれを含む伝動系統のレイアウトが、著し
い制約を受ける結果になる。
他方、後者のオイルポンプによる圧送手段で
は、このような制約を受け難い利点がある反面、
トラクターの搭載エンジンによつて駆動されるポ
ンプが特別に必要であり、その分だけ構造上複
雑・コスト高になると共に、伝動軸に対する油供
給路も穿孔加工しなければならない。又、その油
圧クラツチに至るまでの油供給経路が著しく長く
なるため、配管抵抗が増大し、供給ロスや本来の
油圧制御に悪影響となる背圧も生じやすい問題が
ある。
〈課題を解決するための手段〉 本考案はこのような課題の改善を企画してお
り、そのための構成上トランスミツシヨンケース
の上面に、その開口の施蓋状態として牽引作業機
昇降用の油圧作動ユニツトを固定設置し、 同じくトランスミツシヨンケースの内部に、搭
載エンジンからの回転動力を受け入れる原動軸
と、これとの対をなす従動軸とを同一軸線上に並
列する状態として支架させると共に、 上記原動軸と従動軸との境界位置に、その相互
の伝動作用を継続させるべき油圧クラツチを介挿
設置して成るトラクターにおいて、 上記油圧作動ユニツトの下面に、その作動済み
余剰排油の落下誘導管路を固定設置する一方、 その誘導管路から自然落下する余剰排油の捕集
用オイルスリンガーを、上記原動軸又は従動軸へ
一体回転するように、且つその軸周面を包囲する
環状形態として取付けると共に、 そのスリンガーと上記油圧クラツチの滑り摩擦
部分とを連通する油路を、原動軸又は従動軸に穿
孔して、 上記スリンガー内に捕集した余剰排油を、その
スリンガーの回転遠心力により、油路を通じて油
圧クラツチの滑り摩擦部分へ、自づと圧送させる
ように設定したことを第1の特徴とし、 又、このような構成において、特に上記従動軸
との境界位置へ臨む原動軸の後端部に、その原動
軸主体部よりも太い一定な直径寸法の被軸受部
と、その被軸受部よりも更に太い一定な直径寸法
のクラツチデイスクプレート取付け用フランジ部
とを連続的に張り出し形成し、 その被軸受部において原動軸をトランスミツシ
ヨンケースの隔壁へ、ボールベアリングを介して
支承させると共に、 同じく被軸受部の前面に、その被軸受部の直径
寸法と実質上同じ直径寸法を備えた断面ほぼチヤ
ンネル型のオイルスリンガーを取付け一体化し
て、そのスリンガーの前部開口を落下誘導管路の
下部開口に向かわせ、 そのスリンガーの内部と連通する第1油路を、
原動軸の軸線方向に沿う状態として、その被軸受
部に貫通形成する一方、 その第1油路から油圧クラツチの滑り摩擦部分
に向かう第2油路の複数個を、上記フランジ部に
放射配列型として、且つその隣り合う相互の位置
ズレする分布状態に穿孔したことを第2の特徴と
し、 更に、原動軸をPTO入力軸とし、従動軸を
PTO変速ギヤ軸として、その前後一対をトラン
スミツシヨンケースにおける隔壁の最上段位置へ
支架させることにより、そのPTO入力軸に取付
け一体化したオイルスリンガーを、落下誘導管路
の直下位置に向かわせると共に、 その落下誘導管路を油圧作動ユニツトの排油落
下孔よりも径大に開口する受皿部又は漏斗部と、
その下面に連通された細い曲管部とから接続一体
化したことを第3の特徴とするものである。
〈実施例〉 以下、図示の実施例に基いて本考案の具体的構
成を詳述すると、第1、2図はトラクターのトラ
ンスミツシヨン機構を表わしており、Mはそのト
ランスミツシヨンケースであつて、その後部上面
には開口10が設けられている。Uはその開口1
0を施蓋するように、上方からボルト11などを
介して、トランスミツシヨンケースMへ固定設置
された牽引作業機昇降用の油圧作動ユニツトであ
り、それ自身は従来公知の如く、油圧コントロー
ルバルブ12により作動制御されるピストン13
を内蔵した油圧シリンダー本体14と、そのピス
トンロツド15へ回動自在に枢支連結された一対
のリフトアーム16を備えている。
そして、第3図の油圧作動経路図から示唆され
るように、トランスミツシヨンケースM内に貯溜
のミツシヨンオイルOが、トラクターの搭載エン
ジンEにより駆動されるオイルポンプPを介して
吸引されると共に、上記油圧シリンダー本体14
内へ圧送されることによつて、図外の牽引作業機
が昇降作動されるようになつている。その作動済
みの余剰排油は同図の矢視符号Rに示す如く、上
記油圧コントロールバルブ12からトランスミツ
シヨンケースM内へ、所謂垂れ落し状に還流され
ることとなる。尚、17はオイルフイルター、1
8,19は吸入管路と吐出管路である。
再び第1、2図において、AはエンジンEから
の回転動力を受け入れる原動軸、Bはこれとの対
をなす従動軸であり、その原動軸Aと従動軸Bと
の前後一対が同一軸線上に並列する状態として、
且つ上記油圧作動ユニツトUの直下位置に臨む如
く、トランスミツシヨンケースM内の殊更に最上
段位置へ支架されている。
即ち、従動軸Bとの境界位置へ臨む原動軸Aの
後端部には、その原動軸主体部20よりも太い一
定な直径寸法D1の被軸受部21と、その被軸受
部21よりも更に若干太い一定な直径寸法D2を
有するクラツチデイスクプレート取付け用のフラ
ンジ部22とが連続的に張り出し形成されている
と共に、その被軸受部21において原動軸Aがト
ランスミツシヨンケースMの隔壁23へ、ボール
ベアリング24を介して回転自在に支承されてい
るのである。
その状態では、原動軸Aの上記フランジ部22
が隔壁23から後方へ露出していると共に、その
フランジ部22と被軸受部21との段差によつ
て、ボールベアリング24も拘束された位置関係
にある。25は原動軸主体部20と被軸受部21
との境界位置に形成された後広がりの円錐段部、
26はベアリング24の止め輪である。
他方、従動軸Bの細い前端部は原動軸Aの被軸
受部21に設けられた凹欠27内へ、後方からニ
ードルベアリング28を介して遊合状態に嵌挿さ
れている。そして、このような原動軸Aと従動軸
Bとの境界位置に、油圧クラツチCが介挿設置さ
れており、これによつて原動軸Aから従動軸Bへ
伝達される回転動力を継続作用するようになつて
いる。
その油圧クラツチCについて言えば、29は従
動軸Bの前端近傍部へスプライン嵌合されたクラ
ツチケースであつて、原動軸Aの上記フランジ部
22と向かい合う径大な断面コ字型をなしてお
り、そのフランジ部22との内外相互間にプレー
ト収納室S1を画定している。
30は原動軸Aと一体回転するように、且つ前
後方向へのスライド自在として、そのフランジ部
22へ嵌め付けられた複数のデイスクプレート、
31はこれとの対応的に摩擦接触し得る複数のメ
ーテイングプレートであり、クラツチケース29
の内周面へ上記デイスクプレート30と同様な状
態に嵌め付けられている。32は同じくクラツチ
ケース29の内周面に嵌め付け固定された穴用止
め輪であつて、上記2種のプレート30,31を
抜け止めしている。
又、33はクラツチケース29に内蔵設置され
たクラツチピストンであり、そのシリンダー34
内へ作動油の供給を受けて、上記デイスクプレー
ト30とメーテイングプレート31とを圧接作用
する。35はそのピストン33を復帰させる圧縮
コイルバネであつて、クラツチケース29のボス
部36に嵌め付けられたバネリテーナー37と、
ピストン33との前後相互間に介在する如く捲着
されている。そのクラツチケース29のボス部3
6と原動軸Aの上記フランジ部22との内外相互
間が、バネ収納室S2として区成されているわけ
である。38はバネリテーナー37の止め輪、3
9はクラツチピストン33のシールリングを示し
ている。
更に、40は従動軸Bの回転軸線に沿つて穿孔
されたピストン用の作動油供給路であり、その前
端出口部から半径方向へ屈曲する枝路41が、ク
ラツチケース29のボス部36に穿孔された連通
路42を介して、上記油圧クラツチCのシリンダ
ー34内に開口している一方、同じく供給路40
の後端入口部は、カバーブロツク43に穿孔され
た作動油送入路44と連通している。そのカバー
ブロツク43はトランスミツシヨンケースMの後
部背面に取付け固定されている。
その場合、クラツチピストン33に対する作動
油の給排制御は、第4図のような油圧回路によつ
て行なうことが好適である。つまり、同図におい
て、45はエンジンEによつて駆動される油圧ク
ラツチCに専用のオイルポンプ、46はリリーフ
バルブ、47はソレノイドバルブであり、これを
トラクターの運転席上に配設された手元スイツチ
48を介して、電気的にオン・オフ操作すること
により、上記油圧クラツチCを断続作用させるの
である。
49は上記牽引作業機昇降用油圧作動ユニツト
Uの下面に、ボルト50などを介して固定設置さ
れた作動済み余剰排油Rの落下誘導管路であり、
第1、2図のように原動軸Aの直上に対応位置し
ている。51はその原動軸Aにおける就中被軸受
部21の前面へ、溶接やボルトなどの固定手段に
よつて、その原動軸Aと一体回転するように付属
一体化されたオイルスリンガーであり、原動軸主
体部20を包囲する断面ほぼチヤンネル型に形成
されている。
そして、そのスリンガー51の前部開口が落下
誘導管路49の下部開口と極力接近しつつ向かい
合つており、その誘導管路49から自然落下する
余剰排油Rが、自づと確実にスリンガー51内へ
捕集されるようになつている。その場合、断面ほ
ぼチヤンネル型と指摘するように、そのスリンガ
ー51の前端部は原動軸Aの回転軸線と一定角度
θ分だけ交叉する関係状態の堰止めフランジ52
として、その円周面から内向く円錐状に言わば曲
げ起されている。
しかも、そのスリンガー51の一定口径D4を
備えた前部開口は、第5図のように誘導管路49
の下部開口と言わばオーバーラツプする連通状態
に向かい合つている。そのため、スリンガー51
内へ上記余剰排油Rを円滑に受け入れ滞溜させる
ことができ、その後述する回転遠心力によつて、
余剰排油Rを安定良く原動軸Aの軸線方向に沿い
圧送させ得るのである。
この点、図ではスリンガー51の円周面を、原
動軸Aの回転軸線と平行する関係状態にフラツト
化しているが、上記趣旨を達成できるならば、ス
リンガー51の円周面全体を円錐化することによ
り、堰止めフランジ52として機能させても良
い。
何れにしても、図のようにスリンガー51の直
径寸法D3を、上記原動軸Aにおける被軸受部2
1の直径寸法D1と実質上同一に設定するならば、
その原動軸Aの後端部へ上記油圧クラツチCを予
じめ設置した状態において、又トランスミツシヨ
ンケースMの隔壁23へボールベアリング24を
予じめ嵌め付けた状態のもとに、その原動軸Aを
第1図の鎖線で示唆する如く、隔壁23へ後方か
ら挿入状に貫通させることができることとなり、
トランスミツシヨンケースM内への組立作業性に
も著しく優れる。
更に、図では上記余剰排油Rの落下誘導管路4
9として、プレス加工された径大な受皿部又は漏
斗部53と、その下面へ溶接などにより連通一体
化された径小な曲管部54とから成る形態を示し
ており、これによれば油圧作動ユニツトU側の排
油落下孔55と、その誘導管路49側の径小な曲
管部54とが、例えば第2図のような一定量Lだ
け偏心する関係状態になる場合でも、これを径大
に開口する受皿部53によつて言わば吸収する如
く、その誘導管路49をそのまま使用して、上記
スリンガー51との位置関係を自由にレイアウト
し得る点で、一層有利であると言える。
但し、第8図のような細い曲管部54のみから
成る落下誘導管路49を、油圧作動ユニツトU側
の排油落下孔55と合致する状態のもとに、その
ユニツトUの下面へ固定設置しても勿論良い。
56は上記のようなスリンガー51の内部と、
油圧クラツチCにおけるバネ収納室S2の内部と
を連通させる第1油路であり、原動軸Aの軸線方
向と実質上平行する状態として、その被軸受部2
1に貫通開口されている。第1、2図では、その
1個のみが表わされているに過ぎないが、これは
回転遠心力などとの関係を考慮して、その被軸受
部21に複数個の放射対称配置型などとして穿孔
させることができる。又、その第1油路56は極
力スリンガー51の円周面へ接近させて、その無
段差の連通開口状態に配設することが望ましい。
更に、57は第1油路56から上記バネ収納室
S2に流動する余剰排油Rを、引き続き油圧クラ
ツチCのプレート収納室S1に向かわせる第2油
路であり、原動軸Aの半径方向に沿う状態とし
て、その上記フランジ部22に貫通形成されてい
る。後述の回転遠心力を受けた余剰排油Rが、そ
の第2油路57からプレート収納室S1へ流動し
て、その油圧クラツチCの滑り摩擦部分を自づと
潤滑するようになつているのである。
その場合、第6図から明白なように、第2油路
57は油圧クラツチCのプレート収納室S1へ、
全体として均一な分布状態のもとに開口するよう
に、その複数個の放射対称配置型として、しかも
軸線方向に沿う隣り合う相互の一定間隔Wをおく
位置ズレ状態に穿孔されている。そのため、上記
余剰排油Rが仮りに少量であつても、油圧クラツ
チCの滑り摩擦部分を効率良く潤滑することがで
きることになる。尚、その第2油路57の個数や
口径なども、上記第1油路56のそれと同様に、
回転遠心力などとの関係を考慮して適当に選定す
ることができる。
先には、オイルスリンガー51や第1、2油路
56,57を、悉く原動軸Aに設置する旨として
説明したが、これらは第8図の変形例に示す通
り、逆に従動軸Bへ設置することも可能である。
蓋し、従動軸Bもその油圧クラツチCによる原動
軸Aとの伝動作用時には、やはり回転遠心力を発
生することになるからである。もつとも、第1、
2図について上記したように、その原動軸Aに設
置することが好ましい。
特に、図示の実施例では上記原動軸Aをトラク
ターのPTO入力軸とし、これとの対をなす従動
軸BをPTO変速ギヤ軸として具体化し、従つて
その相互間に介在する油圧クラツチCをPTO変
速用のクラツチとして機能させると共に、その
PTO変速ギヤ軸の直下位置にPTO出力軸(以
下、単にPTO軸と言う。)58も平行に支架させ
ることにより、そのPTO変速ギヤ軸とPTO軸5
8との相互間で、PTO変速ギヤ機構59を形作
つている。その際、原動軸Aと従動軸Bとが牽引
作業機昇降用油圧作動ユニツトUの直下に臨む如
く、そのトランスミツシヨンケースM内の最上段
位置に配設されていることについては、先に一言
した通りである。
即ち、第1、7図から明白なように、従動軸B
上に固設されたPTO変速ギヤ60,61,62,
63群と、PTO軸58にスプライン嵌合されて
スライドするPTO変速ギヤ64,65,66,
67群とによつて、その相互の選択噛合可能な
PTO変速ギヤ機構59が形成されているのであ
る。そのPTO軸58がトランスミツシヨンケー
スMから後方へ露出する部分には、図外の牽引作
業機が伝動連結されること言うまでもない。
他方、原動軸AはPTO入力軸として、その前
方が複数の中間連結軸68,69を介して、エン
ジンEのクランクシヤフト70へ直結されてお
り、そのエンジンEの回転動力を常時受け入れる
ようになつている。71は走行入力軸であつて、
最も前側の中間連結軸68上へ遊合状態に套嵌さ
れており、走行用の乾式シングルクラツチ72を
介して、エンジンEからの回転動力を断続的に受
け入れるようになつている。
つまり、上記した油圧クラツチCによるPTO
変速作用が、このシングルクラツチ72による走
行用動力の断続と関係なく、その別個独立して制
御されるようになつているわけである。尚、第7
図におけるその他の符号73は走行変速ギヤ軸、
74はベベルピニオン軸、75はその前後相互間
に介在する中間連結軸、76,77は走行用の主
変速ギヤ機構と副変速ギヤ機構、78はデフギヤ
を各々示している。
このように、トランスミツシヨンケースMの最
上段位置へ支架されるPTO入力軸としての原動
軸Aと、同じくPTO変速ギヤ軸としての従動軸
Bとの前後相互間へ、PTO変速用の油圧クラツ
チCを介挿設置し、その油圧クラツチCを潤滑さ
せるべく、本考案を適用実施するならば、冒頭に
述べたミツシヨンオイル中への浸漬手段との関係
上、その手段による問題を殊更効果的に防止でき
ることとなり、著しく有益であるが、本考案はこ
のようなものに限らず適用することができる。
つまり、そのトランスミツシヨンケースMの中
段位置や下段位置などに内蔵されて、例えば二輪
駆動と四輪駆動との切替えや、その他の機能を行
なう各種油圧クラツチCに対しても、上記余剰排
油Rの落下誘導管路49を支障なく配管して、こ
れをその原動軸A又は従動軸Bに付属するオイル
スリンガー51へ臨ませることにより、本考案の
目的を同様に達成できるもと言えるわけである。
〈作用〉 上記の構成によれば、原動軸Aにオイルスリン
ガー51が付属一体化されているため、牽引作業
機昇降用油圧作動ユニツトUの排油落下孔55か
ら自づと自然落下する作動済みの余剰排油Rが、
その誘導管路49を通じてスリンガー51内へ捕
集されることになる処、そのスリンガー51は原
動軸Aと一体回転作用するので、上記余剰排油R
が回転遠心力を受けて、第2図の矢印で示す如
く、そのスリンガー51内から被軸受部21の第
1油路56を通じ、油圧クラツチCのバネ収納室
S2内へ圧送され、更にフランジ部22の第2油
路57から油圧クラツチCのプレート収納室S1
へ流出されるのであり、茲に上記余剰排油Rによ
つて油圧クラツチCのデイスクプレート30と、
メーテイングプレート31との滑り摩擦部分が自
づと強制的に潤滑されることとなる。
特に、原動軸AはトラクターのエンジンEによ
つて、常時回転駆動されているため、これに上記
オイルスリンガー51を付属一体化させるなら
ば、上記作用を著しく効果的に発揮させることが
できる。即ち、油圧クラツチCのオフ作用時で
も、その原動軸A側のデイスクプレート30と、
従動軸B側のメーテイングプレート31との間に
は、相対的な滑りが発生しており、又その油圧ク
ラツチCがオフ状態からオン作用する切替え時
や、PTO軸58に牽引作業機の大なる負荷が働
いた時などには、回転中のデイスクプレート30
に、停止していたメーテイングプレート31が、
クラツチピストン33によつて押し付けられるた
め、瞬間的であると雖も滑り摩擦が発生すること
になる処、その滑り摩擦に伴なう発熱などを常時
確実に防止できるわけである。
但し、第8図の変形例に示す通り、従動軸Bへ
オイルスリンガー51を同様に付属一体化させて
も、その油圧クラツチCのオン作用によつて、原
動軸Aと伝動連結された時には、その従動軸Bが
回転して上記スリンガー51に遠心圧力を発生さ
せるため、上記油圧作動ユニツトUからの余剰排
油Rを利用しつつも、やはり油圧クラツチCを同
様に強制潤滑できるものと言える。
何れにしても、上記牽引作業機昇降用油圧作動
ユニツトUの余剰排油量は、実質上原動軸A又は
これと伝動連結された従動軸Bの回転数に比例
し、又その回転数と比例して、オイルスリンガー
51内の余剰排油を圧送させるべき遠心圧力も高
くなる関係にあるため、同じく上記回転数に比例
して過酷となる油圧クラツチCの滑り摩擦並びに
発熱などを、極めて効率良く合理的に防止するこ
とができることになり、その強制潤滑すべき余剰
排油Rの圧送用ポンプも、一切不要である。
〈考案の効果〉 以上のように、本考案ではトランスミツシヨン
ケースMの上面に、その開口10の施蓋状態とし
て牽引作業機昇降用の油圧作動ユニツトUを固定
設置し、 同じくトランスミツシヨンケースMの内部に、
搭載エンジンEからの回転動力を受け入れる原動
軸Aと、これとの対をなす従動軸Bとを同一軸線
上に並列する状態として支架させると共に、 上記原動軸Aと従動軸Bとの境界位置に、その
相互の伝動作用を断続させるべき油圧クラツチC
を介挿設置して成るトラクターにおいて、 上記油圧作動ユニツトUの下面に、その作動済
み余剰排油Rの落下誘導管路49を固定設置する
一方、 その誘導管路49から自然落下する余剰排油R
の捕集用オイルスリンガー51を、上記原動軸A
又は従動軸Bへ一体回転するように、且つその軸
周面を包囲する環状形態として取付けると共に、 そのスリンガー51と上記油圧クラツチCの滑
り摩擦部分とを連通させる油路56,57を、原
動軸A又は従動軸Bに穿孔して、 上記スリンガー51内に捕集した余剰排油R
を、そのスリンガー51の回転遠心力により、油
路56,57を通じて油圧クラツチCの滑り摩擦
部分へ、自づと圧送させるように設定してあるた
め、冒頭に述べた従来技術の課題を悉く解決する
ことができ、その油圧クラツチCを強制潤滑すべ
きオイル圧送用のポンプも要しない効果がある。
特に、図示の実施例から明白なように、上記原
動軸AをPTO入力軸とし、従動軸BをPTO変速
ギヤ軸として、その前後一対をトランスミツシヨ
ンケースMにおける隔壁23の最上段位置へ支架
させることにより、そのPTO入力軸に取付け一
体化したオイルスリンガー51を、落下誘導管路
49の直下位置に向かわせると共に、 その落下誘導管路49を油圧作動ユニツトUの
排油落下孔55よりも径大に開口する受皿部又は
漏斗部53と、その下面に連通された細い曲管部
54とから接続一体化するならば、冒頭に述べた
浸漬手段の問題も確実に解消することができる。
つまり、油圧クラツチCをPTO変速用などと
して機能させるべく、トランスミツシヨンケース
Mの極力に上段位置へ配設する必要がある場合、
これをそのミツシヨンオイルO中へ浸漬させるこ
とにより潤滑する手段では、多量のミツシヨンオ
イルOを貯溜させておかねばならぬ処、本考案に
よればこのような必要性がないばかりか、却つて
牽引作業機昇降用油圧作動ユニツトUに対し、上
記原動軸Aや従動軸Bを最適な状態に接近させる
ことが可能となる。
その結果、余剰排油Rの落下誘導管路49とオ
イルスリンガー51を、著しく合理的に関係配置
させ得て、その油圧クラツチCに対する潤滑作用
の安定性も昴めることができるのである。又、上
記のように誘導管路49を受皿部53と曲管部5
4との連通接続形態に設定するならば、そのオイ
ルスリンガー51と関係する配置のレイアウトも
著しく容易となる。
更に、図示実施例のように従動軸Bとの境界位
置へ臨む原動軸Aの後端部に、その原動軸主体部
20よりも太い一定な直径寸法D1の被軸受部2
1と、その被軸受部21よりも更に太い一定な直
径寸法D2のクラツチデイスクプレート取付け用
フランジ部22とを連続的に張り出し形成し、 その被軸受部21において原動軸Aをトランス
ミツシヨンケースMの隔壁23へ、ボールベアリ
ング24を介して支承させると共に、 同じく被軸受部21の前面に、その被軸受部2
1の直径寸法D1と実質上同じ直径寸法D3を備
えた断面ほぼチヤンネル型のオイルスリンガー5
1を取付け一体化して、そのスリンガー51の前
部開口を落下誘導管路49の下部開口に向かわ
せ、 そのスリンガー51の内部と連通する第1油路
56を、原動軸Aの軸線方向に沿う状態として、
その被軸受部21に貫通形成する一方、 その第1油路56から油圧クラツチCの滑り摩
擦部分に向かう第2油路57の複数個を、上記フ
ランジ部22に放射配列型として、且つその隣り
合う相互の位置ズレする分布状態に穿孔するなら
ば、油圧クラツチCの上記潤滑効果をますます向
上させることができることになる。
しかも、オイルスリンガー51を付属した原動
軸Aの後端部へ、予じめ油圧クラツチCを組付け
る一方、トランスミツシヨンケースMの隔壁23
にボールベアリング24も嵌め付けた上で、その
原動軸Aを後方から隔壁23へ容易に貫通させる
ことができ、その組立作業性も昴め得る点で、一
層実益大であると言える。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るトラクターのトランスミ
ツシヨンケースを破断して示す側面図、第2図は
第1図の要部を拡大した側断面図、第3図は牽引
作業機昇降用油圧作動ユニツトの作動経路を示す
説明図、第4図は油圧クラツチの制御回路図、第
5,6図は第2図の−線と−線に沿う断
面図、第7図はトランスミツシヨン機構の全体的
な断面模式図、第8図は第2図に対応する本考案
の変形例を示す側断面図である。 11……開口、20……原動軸主体部、21…
…被軸受部、22……フランジ部、23……隔
壁、24……ボールベアリング、49……落下誘
導管路、51……オイルスリンガー、56……第
1油路、57……第2油路、A……原動軸、B…
…従動軸、C……油圧クラツチ、D1,D2,D
3……直径寸法、E……搭載エンジン、M……ト
ランスミツシヨンケース、U……油圧作動ユニツ
ト。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 トランスミツシヨンケースMの上面に、その
    開口10の施蓋状態として牽引作業機昇降用の
    油圧作動ユニツトUを固定設置し、 同じくトランスミツシヨンケースMの内部
    に、搭載エンジンEからの回転動力を受け入れ
    る原動軸Aと、これとの対をなす従動軸Bとを
    同一軸線上に並列する状態として支架させると
    共に、 上記原動軸Aと従動軸Bとの境界位置に、そ
    の相互の伝動作用を継続させるべき油圧クラツ
    チCを介挿設置して成るトラクターにおいて、 上記油圧作動ユニツトUの下面に、その作動
    済み余剰排油Rの落下誘導管路49を固定設置
    する一方、 その誘導管路49から自然落下する余剰排油
    Rの捕集用オイルスリンガー51を、上記原動
    軸A又は従動軸Bへ一体回転するように、且つ
    その軸周面を包囲する環状形態として取付ける
    と共に、 そのスリンガー51と上記油圧クラツチCの
    滑り摩擦部分とを連通させる油路56,57
    を、原動軸A又は従動軸Bに穿孔して、 上記スリンガー51内に捕集した余剰排油R
    を、そのスリンガー51の回転遠心力により、
    油路56,57を通じて油圧クラツチCの滑り
    摩擦部分へ、自づと圧送させるように設定した
    ことを特徴とするトラクターにおける油圧クラ
    ツチの潤滑装置。 2 従動軸Bとの境界位置へ臨む原動軸Aの後端
    部に、その原動軸主体部20よりも太い一定な
    直径寸法D1の被軸受部21と、その被軸受部
    21よりも更に太い一定な直径寸法D2のクラ
    ツチデイスクプレート取付け用フランジ部22
    とを連続的に張り出し形成し、 その被軸受部21において原動軸Aをトラン
    スミツシヨンケースMの隔壁23へ、ボールベ
    アリング24を介して支承させると共に、 同じく被軸受部21の前面に、その被軸受部
    21の直径寸法D1と実質上同じ直径寸法D3を
    備えた断面ほぼチヤンネル型のオイルスリンガ
    ー51を取付け一体化して、そのスリンガー5
    1の前部開口を落下誘導管路49の下部開口に
    向かわせ、 そのスリンガー51の内部と連通する第1油
    路56を、原動軸Aの軸線方向に沿う状態とし
    て、その被軸受部21に貫通形成する一方、 その第1油路56から油圧クラツチCの滑り
    摩擦部分に向かう第2油路57の複数個を、上
    記フランジ部22に放射配列型として、且つそ
    の隣り合う相互の位置ズレする分布状態に穿孔
    したことを特徴とする請求項1記載のトラクタ
    ーにおける油圧クラツチの潤滑装置。 3 原動軸AをPTO入力軸とし、従動軸Bを
    PTO変速ギヤ軸として、その前後一対をトラ
    ンスミツシヨンケースMにおける隔壁23の最
    上段位置へ支架させることにより、そのPTO
    入力軸に取付け一体化したオイルスリンガー5
    1を、落下誘導管路49の直下位置に向かわせ
    ると共に、 その落下誘導管路49を油圧作動ユニツトU
    の排油落下孔55よりも径大に開口する受皿部
    又は漏斗部53と、その下面に連通された細い
    曲管部54とから接続一体化したことを特徴と
    する請求項1記載のトラクターにおける油圧ク
    ラツチ潤滑装置。
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