JPH0547134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 本考案は、容器キヤツプのような一端面が開放
され他端面が閉塞された中空部品の選別機構に係
わり、各種瓶類その他の容器に施される縦長キヤ
ツプ（キヤツプの高さが直径よりも長いものを言
う）や、それと同じように高さが直径よりも長く
て一端面が開放され且つ他端面が閉塞された空洞
状部品や空洞状容器などを、パーツ受入れ溝の直
径より小さく、その中に入るものに関しては、そ
の径の大きさや長さ、形状の変化にかかわらず、
ホールノズルのエアー圧力とガイドレールの調整
だけで、簡易且つ短時間で取扱ができ、様々なキ
ヤツプやパーツに対して、汎用的に即応でき、安
定した選別操作をなし得るようにしたものであ
る。

（産業上の利用分野） 縦長パーツ（容器キヤツプ、空洞状部品、空洞
状容器など）の寸法変化と形状変化に、対応でき
る汎用的な、パーツの方向選別装置。

（従来の技術） 容器に施されるキヤツプのような一端面が開放
され他端面の閉塞された空洞状部品、空洞状容器
などのパーツを自動的に供給する機械において
は、該パーツを一定の方向を向けた状態で、準備
することが必要であり、このための選別機構につ
いては、従来から様々なものが提案されている。

代表的に容器キヤツプを例にとると、キヤツプ
は、一端面が開口し、他端面が閉じた形状を有し
ている。このキヤツプを容器口部に、締付けて取
り付けるには、キヤツプの開口部を容器口部に向
けた、一定方向で供給することが必要である。

また、空洞状部品を機械や器具あるいは装置な
どに組付ける時や、空洞状容器に関しても、同様
に一定方向で供給することが必要である。

従来からこのような選別装置としては、振動式
のパーツフイーダーが提供されているが、これは
振動によりキヤツプを移動させて、選別セクシヨ
ンを持ち、そこで選別する装置であるが、音が大
きくその選別能力は、キヤツプが一回の振動で移
動する量に制約され、100個／分以下の低能力の
ものがほとんどである。また、その選別セクシヨ
ンに関しては、汎用性に欠けるものである。

また、本考案に類似した方式として、傾斜を持
つた選別装置に関しては、実開昭59−127015号や
実願昭62−116665号（実開昭64−21779号公報）
のような装置が提案されている。即ちこれらは、
キヤツプ自体の重量分布を利用して正姿勢とそう
でないものを判別する方式であつて、キヤツプの
天部側が開口部側より重量が大であることを利用
してキヤツプの中央部を突部で支持したときの傾
斜状態と該キヤツプに吹きつけられるエアーによ
り選別するものである。

（考案が解決しようとする問題点） 前記実願昭62−116665号（実開昭64−21779
号公報）によるものはエアーをキヤツプに吹付
け、正姿勢以外のキヤツプの場合に開口部内に
吹込まれるエアーによつて吹飛ばす方式である
から回転デイスクが回動する中で、キヤツプの
わずかな姿勢変化や移動で、エアーが当たり飛
ばされてしまうものや、反対に逆姿勢でも飛ば
されないものが出るなどして的確に選別できな
いキヤツプもあり、誤作動の可能性が高い。

上記の問題点を解決しようとすると、選別を
明確にするために、正姿勢ではあるが、わずか
に移動したキヤツプも吹き飛ばさざるをえない
ので、選別能力が大きく低下する。

吹き飛ばすエアーノズルの圧力、エアー量、
エアーノズルの方向などの調整が微妙で、一つ
のキヤツプの選別から、他のキヤツプの選別に
切換える時の段取り時間がかかるとともに、そ
の再現性に劣る。

キヤツプ径や長さが変化すると、エアーの吹
付け中心位置が変化し選別基準が変化するた
め、汎用性に欠ける。

ヒンジキヤツプなど、形状が変化したものに
は、使用できない。

キヤツプの成型上のバラツキや小さな傷、装
置の周囲の温度や湿度の変化により、キヤツプ
のすべり状態が変わり、正姿勢でないキヤツプ
も排出することがある。

また、汎用性があるとされるその他の選別装置
に関しても、その原理的な面から、調整に時間が
かかり、キヤツプの形状変化に対応できないとい
う問題点がある。

従つて多品種少量生産の要求が強まる中で、段
取り時間が数分間で、かつ調整に特別な技術を要
しない、またキヤツプの形状変化にも対応でき
る、パーツの方向選別装置の実用化が待たれてい
る。

「考案の構成」 （問題点を解決するための手段） 回転デイスクの外側にサーキユラーケースとガ
イドレールを持ち、前記回転デイスクの外周部
に、パーツ受入れ溝を配設し、該回転デイスク上
に投入されたパーツを、該回転デイスクの回転に
より転動させ、パーツ受入れ溝に一端面が開放さ
れ他端面が閉塞されたパーツを各々一個ずつ受入
れ、該パーツがガイドレール上を移動し、所定排
出位置で回転デイスク外に取出すようにしたもの
において、パーツ端面に接合して位置する前記ガ
イドレールに圧縮空気を上記受入れ溝に受入れら
れたパーツ端面に向けて吐出する孔を設け、上記
パーツの形状と上記孔から吐出される空気の流れ
により、パーツに正圧と負圧を作用せしめパーツ
の方向の選別を行うようにしたことを特徴とする
容器キヤツプなどのパーツ選別機構。

（作用） 回転デイスク上に挿入されたパーツは、該回転
デイスクの回転によつて、転動しパーツ受入れ溝
に入り、所定の排出位置に順次送られる。

前記排出位置に先行してパーツ受入れ溝に入つ
たパーツを、本考案による方向選別機構により、
排出位置に一定方向に向けて送られる。

排出位置に到達したパーツは、自重で順次に回
転デイスク外に搬出される。

（実施例） 本考案によるものの具体的な実施態様を、添付
図面にもとづいて、代表的な容器キヤツプの場合
を例として説明する。

第１図に示すように、機台２５上に回転デイス
ク１を設け、該回転デイスク１の周側に円筒状の
パーツ受入れ溝１１を配設する。

又第２図に示すように、機台２５に調整可能な
受部材６を設け、前記回転デイスク１は、第２図
の機台２５に設置された、モータ１２、プーリー
１３，１５とこれらのプーリー間に懸けられたベ
ルト１４および減速機１６を介して、駆動される
駆動軸１８により、回転される。この機台２５に
は、該回転デイスク１の周側を包囲して、サーキ
ユラーケース３が取付けられ、該サーキユラーケ
ース３の外側に配設された支持台５に、回転可能
な調整杆９が夫々取付けられ、該調整杆９に前記
受部材６の基端部が螺合されている。即ちサーキ
ユラーケース３には、上記受部材６の中間部を受
け入れる縦孔３１が第３図に示すように形成さ
れ、上記のような調整杆９の回動で上下方向に調
整可能になつている。又前記した受部材６の先端
部には、ガイドレール２ｂが第１図の左側に示す
ように設けられ、操作部８で調整杆９を回動する
ことにより、受部材６が昇降し、回転デイスク１
のパーツ受入れ溝１１に受入れられたキヤツプＣ
の端面は、ガイドレール２ｂによつて第３図に示
すように支持される。

回転デイスク１は水平面に対して、15°〜40°程
度の傾斜をとつて設定されるように、機台２５は
可変できる。回転デイスク１の外側には、サーキ
ユラーケース３と、回転デイスク１の一側部、即
ち図示左側の回転上昇側にガイドレール２ａ，２
ｂが設けられ、これらのガイドレール２ａ，２
ｂ、およびサーキユラーケース３によつて、回転
デイスク１上に投入された、キヤツプを該回転デ
イスク１上で保持すると共に回転デイスク１の回
転によつてキヤツプに転動作用を与え、その方向
を規制すると共にパーツ受入れ溝１１に受入れさ
せる。即ちキヤツプは、ガイドレール２ｂでパー
ツ受入れ溝１１に対し該キヤツプ一端の受入れ位
置を規制されながら、第２〜４図に示すように傾
斜した回転デイスク１の下位側（第１図における
下方）から上位側（第１図の上方）に移送され
る。該回転デイスク１の第１図における右側であ
る回転方向の後方の回転下降側では、杆状ガイド
４１，４２，４３をもつシユート４が設けられ、
パーツ受入れ溝１１に受入れられ送られてくるキ
ヤツプは、これらの杆状ガイド４１〜４３を移さ
れ、これらの杆状ガイド４１〜４３を介しシユー
ト４で外部に送り出されるが、キヤツプの形状寸
法に合わせて、杆状ガイド４１〜４３の間隔は、
調整操作部４４，４５で調整できるようになつて
いる。

第１図のように機台２５の周側に、エアーノズ
ルn₁〜n₃が配設されており、エアーノズルn₁，n₂
は、１個のキヤツプだけが、パーツ受入れ溝１１
に受入れられるように、その前面を通過するキヤ
ツプのうち、パーツ受入れ溝１１に入つていない
ものを吹飛ばして排除する。つまり、第３図のよ
うにパーツ受入れ溝１１に適正に受入れられたキ
ヤツプＣは、エアーノズルn₁，n₂の吹付け方向と
平行な軸方向になり、吹飛ばされることはない
が、パーツ受入れ溝１１に入つていない重なつた
キヤツプC₁や、正姿勢でないキヤツプC₂は、エ
アーノズルn₁，n₂の吹付け方向と交差し、回転デ
イスク１の中央部方向や下位側に戻されて、再び
前記したような回転デイスク１の回転による操作
を受けパーツ受入れ溝１１に受け入れられるよう
に誘導される。

上記したノズルn₁，n₂の作用に対して、ホール
ノズルn₃は第４図に示すような構成を採る。即ち
上部ガイドレール２ａの中央に、垂直状に例えば
径２〜３mmの孔２３を設け、該孔２３に下面から
エアージヨイントを介して、エアー配管２２を取
り付ける。

前記した受入れ溝１１に受入れられたキヤツプ
Ｃは、ガイドレール２ｂの配設域では、第１図を
参照して理解されるように回転デイスク１面が水
平ないし下向きの傾斜を採り、従つて受入溝１１
はこの回転デイスク１面より更に大きい下向き傾
斜を採つていることから第３図のキヤツプＣのよ
うにその周面が受入溝１１に接しているが、上部
に送られガイドレール２ａ域に搬ばれると適正状
態のキヤツプＣはその重力により外周方向に移る
こととなる。このときのガイドレール２ａ面に対
する適正状態のキヤツプＣの姿勢としては、第５
図Ａの正姿勢となるが、逆姿勢のキヤツプC₃は
第５図Ｂの状態となる。然してホールノズルn₃
は、常時圧縮空気を吐出しているが、使用するエ
アー量を削減するために、丁度キヤツプがホール
ノズルn₃に、さしかかる時だけエアーを断続的に
吐出してもよいことは、いうまでもない。何れに
しても前記した第５図Ａの正姿勢と同図Ｂの逆姿
勢とを選別する原理としては、第５図Ａのよう
に、ガイドレール２ａに接しているキヤツプの接
合面が、閉塞状になつている平面状のものは、ホ
ールノズルn₃より吐出されたエアーが、キヤツプ
Ｃとガイドレール２ａの〓間を通過する時、エア
ーの流速が早くなると同時に、該部分の圧力P₂
は大気圧P₁よりも低くなり、キヤツプは第４図
に示したような重力による外周方向移動作用と相
俟つてガイドレール２ａに、吸引されるように押
し付けられながら、ホールノズルn₃の上を通過す
る。これに対し第５図Ｂのように、ガイドレール
２ａに接しているキヤツプC₃の接合面が空洞状
であれば、ホールノズルn₃から吐出されたエアー
は、キヤツプの内部に充満するとともに、流速を
持つたエアーの速度エネルギーによる圧力P₃に
変換されることにより、キヤツプＣの底面に作用
する該圧力P₃と大気圧P₁との圧力差で、キヤツ
プＣは吹飛ばされ、従つて前述したように回転デ
イスク１の下位に戻される。

上記したような本考案によるものは、キヤツプ
底面の形状としては、ヒンジキヤツプや、球面形
状のものも、同様の原理で選別できる。

ひとつのパーツから次のパーツに換える時に
は、選別するパールの形状、重量により、ホール
ノズルn₃より吐出するエアー圧力をエアーレギユ
レーターで調整するだけでよい。またパーツの底
面が安定した状態で、ガイドレール２ａに接する
ように、操作部８で調整杆９を回動し、ガイドレ
ール２ａを下げるだけでよい。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案は従来多様なパー
ツを選別する上での問題点を、簡単かつ汎用性の
ある原理と機構で解決し、従来の選別機よりも小
型でかつ汎用性のあることから、量産化が可能で
あり、低価格で、好ましいパーツ選別機構を提供
することができる。

このことは、多品種少量生産を行う、幅広い産
業に応用でき、工業的に画期的な考案といえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の装置の平面図、第２図は本
装置の縦断面図であり、駆動部分の説明図、第３
図はエアーノズルn₁，n₂の払い落とし断面図、第
４図は、ホールノズルn₃の選別機構の断面図、第
５図は、ホールノズルによる選別の原理を説明し
た側面図である。 然してこれらの図面において、１は回転デイス
ク、２ａ，２ｂはガイドレール、３はサーキユラ
ーケース、４はシユート、５は支持台、６は受部
材、８は操作部、９は調整杆、１１は受入れ溝、
１１ａはその境界部、１１ｂはその第１傾斜溝、
１１ｃはその第２傾斜溝、１２はモーター、１
３，１５はプーリ、１４はベルト、１６は減速
機、１７は受部材、１８は駆動軸、２２はエアー
配管、２３はホールノズル、２５は機台、３１は
縦孔、４１〜４３は杆状ガイド、４４，４５は調
整操作部を示すものである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転デイスクの外側にサーキユラーケースとガ
   イドレールを持ち、前記回転デイスクの外周部
   に、パーツ受入れ溝を配設し、該回転デイスク上
   に投入されたパーツを、該回転デイスクの回転に
   より転動させ、パーツ受入れ溝に一端面が開放さ
   れ他端面が閉塞されたパーツを各々一個ずつ受入
   れ、該パーツがガイドレール上を移動し、所定排
   出位置で回転デイスク外に取出すようにしたもの
   において、パーツ端面に接合して位置する前記ガ
   イドレールに圧縮空気を上記受入れ溝に受入れら
   れたパーツ端面に向けて吐出する孔を設け、上記
   パーツの形状と上記孔から吐出される空気の流れ
   により、パーツに正圧と負圧を作用せしめパーツ
   の方向の選別を行うようにしたことを特徴とする
   容器キヤツプなどのパーツ選別機構。