JPH0547092Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、例えば液状洗剤等をほぼ一定量計量し
て洗濯機内へ入れるための分配器付き液体容器に
係る。

「従来の技術」 例えば実開昭58−188852号の容器が知られてい
る。該容器は、シリンダ底部から吸上げパイプを
垂設すると共に、該パイプ上端上方のシリンダ底
部内に吸込み弁を有し、更に底壁に外気圧入弁を
設けたシリンダを、該シリンダ上端部を容器体口
部に嵌合させて容器体内へ垂下し、又上記シリン
ダ内へ把手付きプランジヤを嵌合させ、該プラン
ジヤ抜取りによりシリンダ内へ容器体内液体を吸
上げて、該シリンダ内液体を他の容器内等へ移し
た後、再度プランジヤをシリンダ内へ押下げてシ
リンダ内空気を容器体内へ圧入して容器体内の負
圧化を防止するよう設けたものである。

「考案が解決しようとする課題」 上記公知の容器は、容器体口部に上端部を取付
けて容器体内へ垂設したシリンダ内へ液体を吸上
げ、該吸上げ液体を取出すから、該取出しのため
には容器体内からシリンダを取出すか、又は容器
体を傾けることが必要となる。しかしシリンダ下
端からは吸上げパイプを垂設するから、シリンダ
を容器体から取外すとその吸上げパイプが邪魔と
なることとなり、よつて重い容器体を持上げかつ
傾けてシリンダ内液体を注出することとなるもの
であつた。又シリンダ内への液体吸上げのために
は上記プランジヤを引上げなければならないた
め、力を要することとなつて操作が行い難かつ
た。

本案は、容器体口部へ上端部を取付けして容器
体内へ垂設した吸上げパイプ付きの第１シリンダ
内へ、プランジヤ付きの第２シリンダを該第２シ
リンダだけ押下げ嵌合させることで、該第２シリ
ンダ内へ容器体内液体が吸込みされ、該状態で第
２シリンダをプランジヤと共に抜取りして、次い
で第２シリンダに対するプランジヤ押下げにより
該プランジヤ下端から垂下するノズルから第２シ
リンダ内液体を排出できるよう設けたものであ
る。

「課題を解決するための手段」 口頚部２を起立する容器体１と、上記口頚部に
上端部を係止させて容器体内へ第１胴部４を、か
つ該第１胴部下端から液体吸上げ用小筒６を、そ
れぞれ垂設させ、該小筒内に吸込み弁８を有する
第１シリンダ３と、該第１シリンダ内へ着脱自在
に嵌合させた、第１胴部４内径より小外径とした
第２胴部１２下端の底壁１３中央部に挿通孔１４
を穿設すると共に第２胴部上端に外向きフランジ
１６を付設した第２シリンダ１１と、該第２シリ
ンダ内へ上下動可能にプランジヤ部１８を水密に
嵌合させると共に、該プランジヤ部の下端面中心
から上記挿通孔１４に気密に通して小径管１９を
垂下し、該小径管下端を上記小筒６の吸込み弁上
方部分内へ水密に、かつ着脱自在に嵌合させた作
動部材１７とからなり、上記小径管上端に液体流
通孔２０を穿設させた。

「作用」 第１図の状態から、第１シリンダ３および作動
部材１７に対して第２シリンダ１１を押下げする
と、小径管１９と第２胴部１２との間の空間拡大
によつてその空間内は負圧化し、このため、吸込
み弁８を通り、小径管１９、液体流通孔２０を通
つて容器体１内液体がその空間２１内へ吸込みさ
れることとなる。第２シリンダが押下げられた第
２図の状態から外向きフランジ１６を持つて作動
部材と共に第２シリンダ１１を第１シリンダ３か
ら外し、次いで第２シリンダ１１に対して作動部
材１７を押込む。すると既述空間は狭小化されて
加圧されるため、空間２１内液体は液体流通孔２
０および小径管１９を通つて所定の場所に注出さ
れるものである。

「実施例」 １は口頚部２を起立する比較的大形の容器体で
ある。

その容器体内へは第１シリンダ３を垂設させ
る。第１シリンダは第１胴部４の上端部を口頚部
２へ係止させている。第１胴部４下端から下方小
径のテーパ状底部５を介して液体吸上げ用小筒６
を垂設させており、その小筒の上端に後述小径管
の嵌合部分を残してその下方内面に係合突子７を
付設し、該係合突子の直ぐ下方に吸込み弁８を設
けている。小筒には吸上げパイプ９を接続させて
もよい。上記底部と胴部４の下部とには適当数の
割溝１０を縦設させている。該割溝は第１シリン
ダを介して容器体内へ液体を充填させたり、後述
第２シリンダが第１シリンダ内を上下動する際、
第１シリンダ内空気が高圧化ないし負圧化しない
ようにしたものである。

上記第１シリンダ３内へは第２シリンダ１１を
上下動可能に嵌合させる。該第２シリンダは第２
胴部１２の下端に底壁１３を有し、該底壁中央に
挿通孔１４を有する。その底壁はその中央部を逆
隆起状に下方へ突出させ、その突出部分１５下端
面に挿通孔を穿設させるとよい。第２胴部上端に
は外向きフランジ１６を付設させている。第２胴
部１２外径は第１シリンダの胴部４内径より小径
とし、容易に着脱可能とする。

上記第２シリンダ内へは、作動部材１７を嵌合
させる。該部材は第２胴部１２内へ上下動自在に
かつ水密に嵌合させたプランジヤ部１８の下端面
中心から小径管１９を垂設したもので、その小径
管上端には液体流通孔２０を有する。小径管１９
は既述挿通孔１４に気密にかつ上下動自在に嵌合
させ、又小径管下端は既述小筒６の上部内へ水密
に嵌合可能とする。尚プランジヤ部１８は下端部
を除き横断面十字形に肉抜きしている。

第２シリンダ１１と、該シリンダ内へ嵌合させ
た作動部材１７とは、分配器を構成するもので、
第１図が示すように第１シリンダ３内へ嵌合させ
ることが出来、かつ該状態から第２図が示すよう
に第１シリンダ３および作動部材１７に対して第
２シリンダ１１の押下げが可能であり、該第２図
の状態から作動部材を嵌合させたままで、第１シ
リンダ３に対して第２シリンダ１１を抜出すこと
が可能に形成する。

「考案の効果」 本案は既述構成としたから、第２シリンダ１１
の第２胴部１２下部を、容器体内へ垂下する第１
シリンダ３の上端部内へ、又第２シリンダ１１内
へ嵌合させた作動部材１７の小径管１９下端を第
１シリンダ３の小筒６上部内へ、それぞれ嵌合さ
せておき、該状態から第２シリンダ１１上端の外
向きフランジ１６を押下げるだけで第２シリンダ
１１内へ容器体液体を吸込みさせることが出来、
このように、第２シリンダ押下げで容器体内液体
の吸上げが可能であるから、既述公知例の場合の
ように、プランジヤ引上げにより液体吸上げする
場合に比べその吸上げ操作が容易であり、又第２
シリンダ内へ液体を吸上げた後、該第２シリンダ
１１と作動部材１７とが形成する分配器を第１シ
リンダ３から抜き出し、別容器内ないし洗濯槽等
の内部へ作動部材１７押下げにより第２シリンダ
内液体を移せばよいから、容器体そのものを持運
びして該容器体を傾けることで該容器体に取付け
たシリンダ内液体を注出しなければならない従来
例に比べて、液体分配が極めて容易である。更に
第１シリンダ３の胴部４内へ嵌合させる第２シリ
ンダ１１の第２胴部１２外径を、上記胴部４内径
よりも小径としたから、第１シリンダ内への第２
シリンダ１１の着脱は容易に行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案分配器付き液体容器の縦断面図、
第２図はその分配器の第２シリンダ内へ液体を吸
込んだ状態での縦断面図、第３図はその液体容器
の平面図である。 １……容器体、３……第１シリンダ、２……第
２シリンダ、１７……作動部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口頚部２を起立する容器体１と、上記口頚部に
   上端部を係止させて容器体内へ第１胴部４を、か
   つ該第１胴部下端から液体吸上げ用小筒６を、そ
   れぞれ垂設させ、該小筒内に吸込み弁８を有する
   第１シリンダ３と、該第１シリンダ内へ着脱自在
   に嵌合させた、第１胴部４内径より小外径とした
   第２胴部１２下端の底壁１３中央部に挿通孔１４
   を穿設すると共に第２胴部上端に外向きフランジ
   １６を付設した第２シリンダ１１と、該第２シリ
   ンダ内へ上下動可能にプランジヤ部１８を水密に
   嵌合させると共に、該プランジヤ部の下端面中心
   から上記挿通孔１４に気密に通して小径管１９を
   垂下し、該小径管下端を上記小筒６の吸込み弁上
   方部分内へ水密に、かつ着脱自在に嵌合させた作
   動部材１７とからなり、上記小径管上端に液体流
   通孔２０を穿設させたことを特徴とする分配器付
   き液体容器。