JPH0547082A

JPH0547082A - 磁気記録再生装置

Info

Publication number: JPH0547082A
Application number: JP3203157A
Authority: JP
Inventors: Kouji Yamabuchi; 浩二山渕
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1991-08-14
Filing date: 1991-08-14
Publication date: 1993-02-26

Abstract

(57)【要約】【目的】傾斜ガイドへのテープ巻付角を減少させ、テ
ープテンションを抑制する。【構成】回転ヘッドドラム３の磁気テープ２のテープ
供給側およびテープ巻取側の近傍に各々１本の傾斜ガイ
ド１０，１１が配置されている。傾斜ガイド１０，１１
のいずれか一方と回転ヘッドドラム２との間にテープ走
行平面と垂直な回転軸線を有するガイドローラ２２が配
置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は磁気記録再生装置に関
し、特にカセットケースから磁気テープを引きだし、回
転磁気ヘッドを有するドラムに巻き付ける、いわゆるヘ
リカルスキャン方式の磁気記録再生装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】回転ヘッドドラムに磁気テープを斜めに
巻き付けて走行させるヘリカルスキャン方式はビデオテ
ープレコーダ（ＶＴＲ）やデジタルオーディオテープレ
コーダ（ＤＡＴ）などに採用されている。このヘリカル
スキャン方式のテープ走行系は、ドラムの傾斜角度，傾
斜方向，基準高さおよびガイド類の配置により様々なロ
ーディング方式に分けることができる。

【０００３】従来、特開昭５７−２１２６５１号公報や
特開平２−１６６６５３号公報に開示されているよう
に、ＶＴＲなどではＵローディング方式やＭローディン
グ方式などのローディング方式が考案されている。これ
らのローディング方式の中でも、Ｍローディング方式は
テープ走行平面のほとんどがカセットリール面と同一で
メカニズム構成が簡単であり、また、薄型化が容易であ
るという特徴を有している。そのため、Ｍローディング
方式はＶＨＳ方式や８ミリ方式のＶＴＲに用いられてい
る。

【０００４】図７は従来のＭローディング方式のテープ
走行経路を示す平面図である。テープカセット１の内部
には供給側リール１ａと巻取側リール１ｂが取付けられ
ている。この供給側リール１ａによって磁気テープ２が
テープ走行系に供給される。供給側リール１ａを出た磁
気テープ２はガイド４，テンションポール５，インピー
ダンスローラ６，消去ヘッド７，インピーダンスローラ
８，ガイドローラ９および傾斜ガイド１０を通って回転
ヘッドドラム３で記録・再生される。この回転ヘッドド
ラム３で記録・再生された磁気テープ２は、傾斜ガイド
１１，ガイドローラ１２，インピーダンスローラ１３，
ＣＴＬ・オーディオヘッド１４，ガイド１５を経て、キ
ャプスタン１６とピンチローラ１７に挟まれて一定速度
で走行する。このキャプスタン１６とピンチローラ１７
を出た磁気テープ２はガイド１８を通り、最後に、巻取
側リール１ｂによって巻取られる。このテープ走行系を
構成する部材のうち、回転ヘッドドラム３，傾斜ガイド
１０および傾斜ガイド１１は、図７の紙面に対して傾斜
するように配置されている。また、これ以外のテープ走
行系を構成する部材は、図７の紙面に対して垂直となる
ように配置されている。このため、このテープ走行系に
おいて、供給側リール１ａから傾斜ガイド１０まで、お
よび傾斜ガイド１１から巻取側リール１ｂまでのテープ
走行平面は紙面と平行である。また、傾斜ガイド１０か
ら傾斜ガイド１１までのテープ走行方向は紙面に対して
傾斜している。

【０００５】近年、図８に示すように、回転ヘッドドラ
ム３の傾斜方向を若干カセット側にしたスーパーＭロー
ディング方式が考案されている。このスーパーＭローデ
ィング方式は回転ヘッドドラム３の傾斜方向を変えるこ
とにより、傾斜ガイド１０，１１への磁気テープ２の巻
き付く角度（以下、テープ巻付角と称する）の振分けを
変え、テープの走行負荷を下げようとするものである。
すなわち、Ｍローディング方式のテープ走行系では傾斜
ガイド１０および１１へのテープ巻付角はそれぞれ約６
０゜であるが、スーパーＭローディング方式では傾斜ガ
イド１０へのテープ巻付角を約９０゜に増加させ、傾斜
ガイド１１へのテープ巻付角を約３０゜に減少させてい
る。

【０００６】その結果、ドラム３のテープ供給側直近の
テープテンションを一定に制御することが可能であれ
ば、キャプスタン１６までのテンション増加を少なくす
ることができ、消費電力の低減を図ることができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】一般に、傾斜ガイドへ
の入射側と出射側のテープテンションの関係は、Ｔ₂／Ｔ₁＝ｅｘｐ（μθ）（Ｔ₁：入射側のテープテンション，Ｔ₂：出射側のテ
ープテンション，μ：摩擦係数，θ：テープ巻付角）の
式で表わされる。この式より、傾斜ガイドへのテープ巻
付角θが大きいほど、傾斜ガイドの入射側に対する出射
側のテープテンションが増加することがわかる。

【０００８】従来のスーパーＭローディング方式では、
Ｍローディング方式に比べてテープ巻取側の傾斜ガイド
１１へのテープ巻付角は減少しているが、テープ供給側
の傾斜ガイド１０へのテープ巻付角は増加している。し
たがって、テープ巻取側ではテープテンション増加は少
ないが、テープ供給側ではテープテンション増加は多く
なる。そのため、このテープ供給側でのテープテンショ
ンを低く制御するために、リール回転の軸受ロスおよび
テンションレギュレータ部の摩擦ロスなどの問題点があ
った。さらに回転ヘッドドラム３のテープ供給側の傾斜
ガイド１０へのテープ巻付角が大きいことに起因するジ
ッタなどの問題点もあった。

【０００９】傾斜ガイド１０，１１へのテープ巻付角を
減らす対策として、ドラムの傾斜角度を大幅に大きくす
るという方法がある。しかし、この方法を採用すると傾
斜ガイド１０，１１の傾斜角およびメカニズム奥行寸法
が極端に大きくなってしまうという問題点があった。

【００１０】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、傾斜ガイドへのテープ巻付角を
減少させ、テープテンションの増加を抑制することを目
的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明に従った磁気記
録再生装置は、回転型磁気ヘッドの磁気テープ供給側お
よび巻取側の近傍に各々１本の傾斜ガイドを有する磁気
記録再生装置であって、回転型磁気ヘッドのテープ供給
側または巻取側のいずれか一方の傾斜ガイドと回転型磁
気ヘッドとの間にテープ走行平面と垂直な回転軸線を有
するガイドローラを設けたものである。

【００１２】

【作用】この発明においては回転型磁気ヘッドの磁気テ
ープ供給側または巻取側のいずれか一方の傾斜ガイドと
回転型磁気ヘッドとの間にテープ走行平面と垂直な回転
軸線を有するガイドローラを設ける。このガイドローラ
を設けたことにより、磁気テープがガイドローラに巻き
付けられ、その分傾斜ガイドのテープ巻付角が緩和され
る。すなわち、メカニズムの奥行寸法を大きくせずに、
傾斜ガイドへのテープ巻付角を減少させることができ
る。この傾斜ガイドのテープ巻付角の減少によって、傾
斜ガイドでのテープテンションの増加量が減少できる。
テープテンションの減少により磁気テープの走行負荷が
減り、その分、低消費電力化を図ることができる。ま
た、リール回転の軸受ロスおよびテンションレギュレー
タ部の摩擦ロスも問題とならず、テープ走行の安定化が
図れる。さらに傾斜ガイドへのテープ巻付角が大きいこ
とに起因するジッタなども抑制できる。

【００１３】

【実施例】図１は、本発明の一実施例によるテープ走行
系を示す平面図である。図１を参照して、テープカセッ
ト１の内部には供給側リール１ａと巻取側リール１ｂと
が取付けられている。この供給側リール１ａによって磁
気テープ２がテープ走行系に供給される。供給側リール
１ａを出た磁気テープ２は、テンションポール５，イン
ピーダンスローラ８およびガイドローラ９を通る。ここ
までは、磁気テープ２のテープ走行平面は、図１の紙面
に平行に保たれている。その後、傾斜ガイド１０によっ
てテープ走行平面が図１の紙面に対して傾けられる。こ
の傾斜ガイド１０を通った磁気テープ２はガイドローラ
２２を経て回転ヘッドドラム３によって記録・再生され
る。その後、磁気テープ２は傾斜ガイド１１によってテ
ープ走行平面が元のテープ走行平面に戻される。ガイド
ローラ１２を経て、キャプスタン１６とピンチローラ１
７に挟まれて磁気テープ２は一定速度で走行する。この
速度制御された磁気テープ２は最後に、ガイド１８を通
って巻取側リール１ｂによって巻取られる。

【００１４】図２は本発明の一実施例による回転ヘッド
ドラム３の傾斜方向を示す平面図，図３は図２のＩＩＩ
−ＩＩＩ線に沿う断面図である。

【００１５】図２を参照して、回転ヘッドドラム３の傾
斜方向はスーパーＭローディング方式とほぼ同様であ
る。すなわち、回転ヘッドドラム３のヘッドの回転中心
を通る水平な直線１００に対して、ドラム３の傾斜方向
は反時計回りに２０゜回転した位置に設定されている。

【００１６】図３を参照して、回転ヘッドドラム３の傾
斜角度（すなわちヘッド回転軸３００と図２の紙面に対
して垂直な直線３１０とのなす角度）は１０．５゜に設
定されている。

【００１７】図４は本発明の一実施例による回転ヘッド
ドラムの周辺部の拡大平面図，図５は図４の矢印Ｖの方
向から見た側面図である。

【００１８】図４と図５を参照して、回転ヘッドドラム
３のテープ供給側には、ガイドローラ９，傾斜ガイド１
０およびガイドローラ２２がガイドベース１９に支持・
固定されている。ガイドローラ９は図４の紙面に対して
垂直にガイドベース１９に配設されている。傾斜ガイド
１０，ガイドローラ２２は図４の紙面に対して傾斜する
ようにガイドベース１９に配設されている。回転ヘッド
ドラム３のテープ巻取側には傾斜ガイド１１とガイドロ
ーラ１２が設置されている。この傾斜ガイド１１は、図
４の紙面に対して傾斜して配置されている。またガイド
ローラ１２は、図４の紙面に対して垂直に配置されてい
る。傾斜ガイド１０，１１は任意の位置に設けることが
できず、後述のクロスラインにより設定場所が限定され
ている。以下、クロスラインについて述べる。

【００１９】一般に、回転ヘッドドラム３の傾斜角度，
傾斜方向および基準高さが決まれば、テープ巻付角，リ
ード角などは規定されているため、回転ヘッドドラム３
のテープ供給側およびテープ巻取側でのテープ走行平面
が決定される。このテープ走行平面はカセットリール部
でのテープ走行平面に比べて傾斜している。このため両
平面は交差し、交線が現われる。この両平面の交線がク
ロスラインと呼ばれる。

【００２０】本実施例において図４に示されるように、
回転ヘッドドラム３のテープ供給側では破線２０，回転
ヘッドドラム３のテープ巻取側では破線２１がそれぞれ
クロスラインである。このクロスライン２０，２１に対
して、磁気テープ２が入射角と出射角とが等しくなるよ
うに走行する場合のみ、傾斜ガイド１０により傾斜した
テープ走行平面が傾斜ガイド１１により元のテープ走行
平面に戻される。したがって傾斜ガイド１０および１１
はこのクロスライン２０および２１に、ほぼ接するよう
に配置しなければならない。

【００２１】上記のように配置された傾斜ガイド１０に
より、テープ走行平面は紙面に対して傾斜する。この傾
斜した磁気テープ２に対して、ガイドローラ２２の回転
軸線はテープ走行平面と垂直となるように配設されてい
る。このため、このガイドローラ２２は他のガイドロー
ラとは異なり傾斜している。

【００２２】次にテープの巻付角について説明する。図
６は、図５のａ−ａ線，ｂ−ｂ線およびｃ−ｃ線に沿う
傾斜ガイド１０，ガイドローラ２２および傾斜ガイド１
１のテープ巻付角をそれぞれ示す断面図である。

【００２３】図５を参照して、まず、回転ヘッドドラム
３のテープ供給側のテープ走行系はガイドローラ９から
傾斜ガイド１０，ガイドローラ２２を経て、回転ヘッド
ドラム３に到る。このように磁気テープ２は傾斜ガイド
１０から回転ヘッドドラム３までの間でガイドローラ２
２に巻き付いている。このため、傾斜ガイド１０へのテ
ープ巻付角は緩和されて少なくなる。本実施例では、図
６（ｂ）に示すようにガイドローラ２２に磁気テープ２
を約３５゜巻き付かせている。これにより、図６（ａ）
に示すように傾斜ガイド１０へのテープ巻付角は約２３
゜となる。このテープ巻付角は、スーパーＭローディン
グ方式での約９０゜に比較して大幅に減少している。

【００２４】次に、回転ヘッドドラム３のテープ巻取側
のテープ走行系は回転ヘッドドラム３から傾斜ガイド１
１，ガイドローラ１２に到る。本実施例では、回転ヘッ
ドドラム３を図２，図３のように配置したため、傾斜ガ
イド１１へのテープ巻付角は図６（ｃ）に示すように約
２６゜と小さくなっている。

【００２５】また、本実施例ではガイドローラ２２の上
部に上側フランジ部を設けてある。この上側フランジ部
によって磁気テープ２が回転ヘッドドラム３へ侵入する
際のテープの高さを規制している。なお、この高さ規制
はガイドローラ２２で行う必要はなく、ガイドローラ９
で行なってもよい。

【００２６】本実施例は回転ヘッドドラム３を供給側リ
ール１ａ方向へ傾斜させ、回転ヘッドドラム３のテープ
供給側にガイドローラ２２を設けたものであるが、回転
ヘッドドラム３を巻取側リール１ｂ方向へ傾斜させ、回
転ヘッドドラム３のテープ巻取側にガイドローラ２２を
設けるような構成としてもよい。

【００２７】

【発明の効果】この発明は以上説明したとおり、回転型
磁気ヘッドの磁気テープ供給側または巻取側のいずれか
一方の傾斜ガイドと回転磁気ヘッドとの間にテープ走行
平面と垂直な回転軸線を有するガイドローラを備えた構
造になっている。これによりメカニズムの奥行寸法を大
きくさせることなく傾斜ガイドへのテープ巻付角を減ら
すことができ、低消費電力化，テープ走行の安定化，ジ
ッタの低減などが実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるテープ走行系を示す平
面図である。

【図２】本発明の一実施例による回転ヘッドドラムの傾
斜方向を示す平面図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。

【図４】本発明の一実施例による回転ヘッドドラム周辺
部の拡大平面図である。

【図５】図４の矢印Ｖの方向から見た側面図である。

【図６】図５のａ−ａ線に沿う傾斜ガイドのテープ巻付
角を示す断面図（ａ），図５のｂ−ｂ線に沿うガイドロ
ーラのテープ巻付角を示す断面図（ｂ），図５のｃ−ｃ
線に沿う傾斜ガイドのテープ巻付角を示す断面図（ｃ）
である。

【図７】従来のＭローディング方式のテープ走行系を示
す平面図である。

【図８】従来のスーパーＭローディング方式のテープ走
行系を示す平面図である。

【符号の説明】

２磁気テープ３回転ヘッドドラム１０，１１傾斜ガイド２２ガイドローラ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転型磁気ヘッドの磁気テープ供給側お
よび巻取側の近傍に各々１本の傾斜ガイドを有する磁気
記録再生装置において、前記回転型磁気ヘッドのテープ供給側または巻取側のい
ずれか一方の前記傾斜ガイドと前記回転型磁気ヘッドと
の間にテープ走行平面と垂直な回転軸線を有するガイド
ローラを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。