JPH0546469U - 縦型エンドレスインクリボンカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクリボンの引出し力が安定しており、所
定幅の折り畳みを達成して、インクリボンの詰まりを防
止することができる縦型リボンカセットを提供する。 【構成】 ローラ駆動によりケース内に折り畳み収納さ
れたエンドレスインクリボンを収納循環する縦型エンド
レスインクリボンカセットであって、前記エンドレスイ
ンクリボンを収納するインクリボン収納部を形成する上
壁または下壁のいずれか一方のインクリボン出口側近傍
部に、出口側を頂部とする傾斜壁が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は縦型エンドレスインクリボンカセットに関する。さらに詳しくは、プ リンターなどの装置に垂直に装着されるタイプのリボンカセットであって、イン クリボンの引出し力の定常化、所定幅の折り畳みを達成して、インクリボンの詰 まりを防止できる縦型エンドレスインクリボンカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より各種プリンター、タイプライターなどの装置に、インクリボンを収納 したリボンカセットが用いられているが、従来はカセットを水平状態（すなわち 印字部におけるインクリボンの面が垂直となる状態）で使用していた。

【０００３】 ところがリボンカセットを水平状態で装置に装着するばあい、リボンカセット を交換する際、装置の上部から行うことが必要であるため装置の上部に他の装置 などの物を乗せることができず装置周辺のスペースが有効利用できないので装置 のコンパクト化を図ることができないという問題があった。

【０００４】 そこで、この問題を解消するためにリボンカセットを垂直状態で装置に装着す ることが試みられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のリボンカセットを縦型として用いたばあい、図２に示さ れるように、インクリボン収納部の出口部のインクリボンの上部側が出口側に大 きく傾いたばあいには、上部に折り重なったインクリボンの影響で引出し力が大 となり、図示しないが逆に反出口側に傾いたばあいには折り重なったインクリボ ンの上部から引き出すので引出し力が過小となり、その変動差が大きく、ローラ 駆動部でのインクリボンの折り畳み幅が不均一となり、リボン収納部内でインク リボンの詰まり現象（いわゆるジャムリ）を起こし、その結果インクリボンの走 行が停止し印字不能、リボン破断を起こすという重大問題が生じていた。

【０００６】 本考案は、叙上の事情に鑑み、インクリボン出口側部のインクリボンの倒れの 方向を規制することによって、インクリボンの引出し力のバラツキを最小限に押 さえて安定的にインクリボンを引き出せるようにして、前記の印字不能、リボン 破断といった問題を解消することができる縦型エンドレスインクリボンカセット を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の縦型エンドレスインクリボンカセットは、ローラ駆動によりケース内 に折り畳み収納されたエンドレスインクリボンを収納循環する縦型エンドレスイ ンクリボンカセットであって、前記エンドレスインクリボンを収納するインクリ ボン収納部を形成する上壁または下壁のいずれか一方のインクリボン出口側近傍 部に、出口側を頂部とする傾斜壁が設けられてなることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

本考案の縦型エンドレスインクリボンカセットにおいて、インクリボンはイン クリボン収納部内に設けられた傾斜壁上を出口に向かって移動し、傾斜壁部に到 達した折り畳まれたインクリボンの下端（または上端）が抵抗を受けて、リボン 出口側への移動が遅れ、一方向に倒れ、さらに出口側に移動するにつれて所定量 だけ傾くようになる。このため、インクリボンの引出し力が安定化し、インクリ ボンの詰まり現象が防止される。

【０００９】

【実施例】

以下、添付図面に基づき本考案の縦型エンドレスインクリボンカセット（以下 、単に縦型リボンカセットという）を詳細に説明する。

【００１０】 図１は本考案の縦型リボンカセットの一実施例の平面説明図である。

【００１１】 図１において、Ａは本考案の一実施例にかかわる縦型リボンカセットである。 該カセットＡは合成樹脂などで作製された箱体であり、インクリボン入口部１、 インクリボン収納部２およびインクリボン出口部３からなっている。

【００１２】 インクリボン入口部１には従動ローラ４および駆動ローラ５が設けられている 。インクリボン６は、これら両ローラ４、５の回転により、リボン入口７、ボス ８を経てインクリボン収納部２へと導かれる。

【００１３】 インクリボン収納部２を形成する一壁面（下壁）９の出口側近傍部にはインク リボン出口部３へ向かい昇り勾配となる、すなわち出口側を頂部とする傾斜壁10 が設けられている。該傾斜壁10は壁面と一体に形成してもよいし、別途作製した ものを壁面に固定するようにしてもよい。傾斜壁10の材質は、本考案においてと くに限定されないが、ABS 樹脂、PS樹脂や、低摩擦材を含む熱可塑性樹脂などの 合成樹脂や金属などを用いることができる。

【００１４】 傾斜壁10の長さＬおよび高さＨはリボンカセットのサイズにより異なるが、通 常、長さＬはリボン収納部長さＬ′の1/3 程度である。また、傾斜壁10の傾斜角 θは、３〜10°程度に設定するのが好ましく、３°未満であるとテンションの安 定化という本考案の効果がえられず、一方10°を超えるとインクリボンが出口付 近で詰まってしまう惧れがある。

【００１５】 インクリボン収納部２に傾斜壁10を設けると、インクリボン６は傾斜壁10上を 前方へ傾斜した状態で移動するため、当該インクリボン６は略直線状態でインク リボン出口部３内に引き込まれる。その結果、安定したテンション値をうること ができ、常に鮮明な印字がえられるとともに、リボンのたれに起因する印字面の 汚れが防止されるのである。なお、図１に示される実施例では下壁に傾斜壁を設 けているが、上壁に設けるようにしてもよく、このばあいもインクリボンは前方 へ傾斜して移動する。

【００１６】 インクリボン出口部３に引き込まれたインクリボン６は、ピン11を経てリボン 出口12より機器（図示せず）へと供給される。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案の縦型リボンカセットによれば、インクリボン収 納部に出口側を頂部とする傾斜壁が設けられているので、インクリボンは前記傾 斜壁上を前方へ傾斜して移動し、傾斜壁部に到達した折り畳まれたインクリボン の下端（または上端）が抵抗を受けて、リボン出口側への移動が遅れ、一方向に 倒れ、さらに出口側に移動するにつれて所定量だけ傾くようになる。このため、 インクリボンの引出し力が安定化し、インクリボンの詰まり現象が防止される。 その結果、印字不能やリボン破断を確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の縦型リボンカセットの一実施例の平面
説明図である。

【図２】従来の縦型リボンカセットの平面説明図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 縦型リボンカセット １ インクリボン入口部 ２ インクリボン収納部 ３ インクリボン出口部 ６ インクリボン 10 傾斜壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ローラ駆動によりケース内に折り畳み収
   納されたエンドレスインクリボンを収納循環する縦型エ
   ンドレスインクリボンカセットであって、前記エンドレ
   スインクリボンを収納するインクリボン収納部を形成す
   る上壁または下壁のいずれか一方のインクリボン出口側
   近傍部に、出口側を頂部とする傾斜壁が設けられてなる
   ことを特徴とする縦型エンドレスインクリボンカセッ
   ト。