JPH0546211U - 種籾用脱水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 催芽種籾を脱水処理して播種プラントに供給
する播種用前処理作業が能率よくでき、かつ、催芽処理
や播種処理上でのトラブルを回避できる種籾脱水装置を
提供する。 【構成】 種籾脱水装置本体１に第１籾搬送装置部２お
よび第２籾搬送装置部３を備え、催芽処理槽４の催芽種
籾Ｇを第１籾搬送装置部２によって催芽処理槽４から種
籾脱水装置本体１に供給できるようにし、脱水処理後の
催芽種籾Ｇを第２籾搬送装置部３によって種籾脱水装置
本体１から播種プラントＢの播種ホッパー５に搬送供給
できるようにしてある。第２籾搬送装置部３に種籾タン
クＴを備え、催芽処理槽４の催芽種籾Ｇの全量を連続し
て種籾脱水装置本体１に供給して脱水処理しても、第２
種籾搬送装置部３が種籾脱水装置本体１からの種籾Ｇを
種籾タンクＴに滞留させて供給量調整をし、播種ホッパ
ー５に供給種籾Ｇの過不足がないように調整しながら供
給できるようにしてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、種籾用脱水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、種籾の催芽処理が終えると、催芽種籾を人為的に催芽槽から取り出すと 共に脱水装置に供給し、脱水処理が終えると、処理後の催芽種籾を人為的に脱水 装置から播種プラントの播種ホッパーに供給することにより、播種プラントで播 種する際の種籾の催芽槽から播種プラントまでの間の処理を行われていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来、種籾催芽槽や脱水装置からの種籾の取り出し、および、脱水装置や播種 プラントへの種籾の供給を人為作業によって行うことから、播種作業のための前 処理作業に手間が掛かると共に、前処理作業の面から播種作業能率が悪くなって いた。 本考案の目的は、催芽処理や播種処理にトラブルが生じないようにしながら、 前記前処理作業が能率よくできるようにすることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案による種籾用脱水装置にあっては、目的達成のために、 種籾催芽槽による処理後の種籾を前記種籾催芽槽から種籾脱水装置本体に搬送 して供給する第１籾搬送装置部を備え、 前記種籾脱水装置本体による処理後の種籾を前記種籾脱水装置本体から播種プ ラントの播種ホッパーに搬送して供給する第２籾搬送装置部を備え、 前記第２籾搬送装置部が前記種籾脱水装置本体からの種籾を貯留し、前記播種 ホッパーに供給量調整しながら種籾供給するための種籾タンクを、前記第２籾搬 送装置部に備えてあることを特徴とする。その作用および効果はつぎのとおりで ある。

【０００５】

【作用】

種籾催芽槽で処理が終えた催芽種籾を種籾催芽槽から脱水装置本体に人為作業 によって供給しなくとも、第１籾搬送装置部によって供給できる。脱水装置本体 で脱水処理が終えた種籾を脱水装置本体から播種ホッパーに人為作業によって搬 送供給しなくとも、第２籾搬送装置部によって搬送供給できる。 一回の播種作業に必要な種籾量が比較的多量である場合、全ての種籾の浸種時 間や脱水待ち時間がほぼ等しくなって催芽むらが生じにくいように、全量の種籾 に対する催芽処理を同時に開始し、催芽処理が終えると、全量の種籾を連続して 脱水装置本体に供給して脱水処理しても、脱水処理後の種籾を種籾タンクに一度 貯留して、第２籾搬送装置部が種籾タンク部から播種ホッパーに適切供給量で供 給するように、第２籾搬送装置部とによって供給調整し、播種ホッパーに多量の 種籾が滞留して、籾重量に起因する籾詰まりが発生することの防止ができる。

【０００６】

【考案の効果】

第１、第２籾搬送装置部の作用により、催芽処理後の種籾を脱水処理して播種 プラントに供給する播種用前処理作業が催芽種籾の取り出しや供給の面から能率 よくできるようになった。 多量の催芽種籾を必要とする場合でも、第２籾搬送装置部による供給調整を行 い、種籾を均一な催芽具合で、詰まりによる播種むらが回避しやすい良好な播種 ができるようにできた。

【０００７】

【実施例】

図１に示すように、種籾脱水装置本体１と、第１籾搬送装置部２と、種籾タン クＴを備える第２籾搬送装置部３とによって、種籾用脱水装置Ａを構成し、この 種籾用脱水装置Ａと、種籾催芽槽４とにより、種籾前処理プラントを構成してあ る。この種籾前処理プラントは、育苗箱（図示せず）を苗箱コンベア（図示せず ）に供給するだけで、育苗箱が床土ホッパー（図示せず）、播種ホッパー５、覆 土ホッパー（図示せず）それぞれの下方を通過するように苗箱コンベアが苗箱移 送をし、育苗箱に対する床土供給、種子供給および覆土供給が自動的にできるよ うになった公知の播種プラントＢによって稲用種籾を播種処理するべく、その種 籾を消毒、浸種、催芽処理すると共に脱水処理して播種プラントＢに供給するも のであり、詳しくはつぎの如く構成してある。

【０００８】 すなわち、種籾催芽槽４は、種籾Ｇを袋から取り出したバラ状態で投入し、槽 内部の処理液Ｗに浸すことによって、種籾Ｇの消毒、浸種および催芽処理をする ように構成してある。 第１籾搬送装置部２は、ポンプ２ａと、ポンプ２ａの吸入部から延出してある 取り出しホース２ｂと、ポンプ２ａの排出部から延出してある供給ホース２ｃと で成り、取り出しホース２ｂの延出端側を種籾催芽槽４の内部に設置し、供給ホ ース２の延出端側を種籾脱水装置本体１の籾投入口６に設置することにより、種 籾催芽槽４での処理が終えた催芽種籾Ｇを種籾催芽槽４の内部処理液Ｗと共にポ ンプ２ａの吸入作用によって種籾催芽槽４から取り出し、ポンプ２ａの送り作用 により種籾脱水装置本体１に搬送して供給するように構成してある。 種籾脱水装置本体１は、籾投入口６からの種籾Ｇを脱水槽７により受け止め、 脱水槽７を脱水モータ８により回転駆動して種籾Ｇに脱水用遠心力を付与するよ うに構成してあることにより、第１籾搬送装置部２からの催芽種籾Ｇを遠心脱水 によって強制的に脱水処理するように構成してある。そして、脱水槽７に入り込 んだ種籾Ｇはこれの遠心力と、脱水槽７の周壁部内面７ａの図３に明示する如き 逆円錐面形状とのために、脱水処理されながら周壁部内面７ａを自動的に上昇し て図２に示す如き排出器９の環状受入れ部９ａに入り込むように構成すると共に 、環状受入れ部９ａに入り込んだ種籾Ｇは自重下降により排出器９のシュート部 ９ｂを下降移動して排出器９の籾送出口９ｃから出るように構成してあることに より、種籾脱水装置本体１は、第１籾搬送装置部２によって供給される催芽種籾 Ｇの脱水処理をしながら、脱水処理が終えた種籾Ｇを自動的に籾送出口９ｃから 送り出すように構成してある。 第２籾搬送装置部３は、第１ベルトコンベア３ａと、前記種籾タンクＴを備え る第２ベルトコンベア３ｂとで成り、第１ベルトコンベア３ａは、前記籾送出口 ９ｃからの種籾Ｇを種籾タンクＴの上方に持ち上げ搬送して種籾タンクＴに落下 供給するように構成してある。種籾タンクＴは、第１ベルトコンベア３ａからの 種籾Ｇを貯留すると共に、籾送出口１０が第２ベルトコンベア３ｂの搬送始端部 の上方に位置していることにより、第２ベルトコンベア３ｂを籾送出口１０の蓋 体として第１ベルトコンベア３ａからの種籾Ｇを貯留すると共に、貯留する種籾 Ｇの第２ベルトコンベア３ｂによる取り出しを可能にするように構成してある。 第２ベルトコンベア３ｂは、種籾タンクＴから取り出した種籾Ｇを前記播種ホッ パー５の上方に搬送して播種ホッパー５に落下供給するように構成してあること により、第２籾搬送装置部３は、種籾脱水装置本体１によって脱水処理された後 の催芽種籾Ｇを種籾脱水装置本体１から播種ホッパー５に搬送して供給するよう に構成してある。

【０００９】 第２ベルトコンベア３ｂを駆動する供給モータ１１の駆動回路１２に供給量調 整機構１３を付設すると共に、播種ホッパー５に付設の上限センサー１４および 下限センサー１５を前記供給量調整機構１３に連係させることにより、催芽処理 槽４で催芽処理が終えた全ての種籾Ｇの浸種時間および脱水待ち時間が極力等し くなるように、催芽処理が終えた種籾Ｇの全量を連続して種籾脱水装置本体１に 供給し、種籾脱水装置本体１が脱水済み種籾Ｇを連続して送り出しても、第２籾 搬送装置部３が種籾脱水装置本体１からの種籾Ｇを種籾タンクＴに滞留させて供 給量調整をし、播種ホッパー５に貯留種籾Ｇの過不足が生じないように調整しな がら供給するようにしてある。 すなわち、第１ベルトコンベア３ａは種籾脱水装置本体１からの種籾Ｇを連続 して種籾タンクＴに供給するように構成してある。 下限センサー１５は、播種ホッパー５の貯留籾量が補給を必要とする設定空量 に減少したことを検出するように構成し、上限センサー１４は、播種ホッパー５ の貯留籾量が補給を停止すべき設定満杯量になったことを検出するように構成し てある。播種ホッパー５の貯留籾量が前記設定空量に減少すると、供給量調整機 構１３が下限センサー１５からの情報に基いて駆動回路１２に供給モータ１１を 駆動操作すべき信号を自動的に出力して、第２ベルトコンベア３ｂの駆動操作を することにより、 播種ホッパー５への種籾供給を開始するように構成してある 。この供給に伴って播種ホッパー５の貯留籾量が前記設定満杯量になると、供給 量調整機構１３が上限センサー１４からの情報に基いて駆動回路１３に供給モー タ１１を停止操作すべき信号を自動的に出力して、第２ベルトコンベア３ｂの停 止操作をすることにより、 播種ホッパー５への種籾供給を停止するように構成 してある。 〔別実施例〕 図４は種籾前処理プラントの別実施構造を示す。 すなわち、第２籾搬送装置部３は一つのベルトコンベアで成る。そして、種籾 タンクＴを種籾脱水装置本体１の籾排出口９ｃの下方に位置するようにピット１ ６に入り込む状態で第２籾搬送装置部３に備えてあり、種籾脱水装置本体１から の種籾Ｇが種籾タンクＴに直接に落下するように構成してある。

【００１０】 第１籾搬送装置部２としては、上記実施例の如く種籾催芽槽４の内部種籾Ｇを 槽内液Ｗと共に取り出して種籾脱水装置本体１に供給するように構成すると、第 １籾搬送装置部２や種籾催芽槽４に処理液Ｗを除去する機能を備える必要がなく て構造面で有利にできるが、ベルトコンベアやバッケトコンベアで構成して実施 してもよい。第２籾搬送装置部３としては、ベルトコンベアの他、バケット式等 、型式が各種異なるコンベアを採用して実施してもよい。

【００１１】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】種籾前処理プラント全体の概略側面図

【図２】排出器の斜視図

【図３】種籾脱水装置本体の断面図

【図４】別実施種籾前処理プラント全体の概略側面図

【符号の説明】

１ 種籾脱水装置本体 ２ 第１籾搬送装置部 ３ 第２籾搬送装置部 ４ 種籾催芽槽 ５ 播種ホッパー Ｂ 播種プラント Ｇ 種籾 Ｔ 種籾タンク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 種籾催芽槽（４）による処理後の種籾
   （Ｇ）を前記種籾催芽槽（４）から種籾脱水装置本体
   （１）に搬送して供給する第１籾搬送装置部（２）を備
   え、 前記種籾脱水装置本体（１）による処理後の種籾（Ｇ）
   を前記種籾脱水装置本体（１）から播種プラント（Ｂ）
   の播種ホッパー（５）に搬送して供給する第２籾搬送装
   置部（３）を備え、 前記第２籾搬送装置部（３）が前記種籾脱水装置本体
   （１）からの種籾（Ｇ）を貯留し、前記播種ホッパー
   （５）に供給量調整しながら種籾供給するための種籾タ
   ンク（Ｔ）を、前記第２籾搬送装置部（３）に備えてあ
   る種籾用脱水装置。