JPH0545822Y2 - - Google Patents

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JPH0545822Y2
JPH0545822Y2 JP14986987U JP14986987U JPH0545822Y2 JP H0545822 Y2 JPH0545822 Y2 JP H0545822Y2 JP 14986987 U JP14986987 U JP 14986987U JP 14986987 U JP14986987 U JP 14986987U JP H0545822 Y2 JPH0545822 Y2 JP H0545822Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、内燃機関の始動時に該機関の出力軸
を駆動する駆動力の断続を図る内燃機関用スター
タのクラツチに関するものである。
[従来の技術] 簡易形の内燃機関用スタータのクラツチとし
て、始動の際に回転駆動される駆動プレートと内
燃機関の出力軸に取付けられた連結部材との間
を、駆動プレートに支持されたクラツチ爪を介し
て結合するようにしたものがある。
この種のクラツチとして最も一般的に用いられ
ているのは、いわゆるリコイルスタータに用いら
れているものである。その一例を第4図及び第5
図に示す。これらの図において1は内燃機関の出
力軸(図示せず。)に取付けられたカツプ状の連
結部材で、この周壁部にはクラツチ爪係合孔1a
が設けられている。2は円板状の駆動プレート
で、この駆動プレート2は内燃機関のカバー3に
取付けられたスタータカバー4に固定された固定
軸5に回転自在に支持され、ぜんまいバネ6によ
り一方向に付勢されている。駆動プレート2はプ
ーリ部2aを有していて、該プーリ部にロープ7
が巻かれている。ロープ7の一端には結び目7a
が作られ、該結び目がプーリ部2aの内周側に設
けられた溝2bに係入固定されている。
駆動プレート2の端部はほぼ円柱状のクラツチ
爪支持部2cとなつていて、該クラツチ爪支持部
2cが連結部材1の内側に挿入され、クラツチ爪
支持部2cに固定された複数(図示の例では2
個)の軸8にそれぞれクラツチ爪9が回動自在に
支持されている。各クラツチ爪9は第5図に示す
ように、クラツチ爪支持部2cに設けられた扇形
の凹部2d内に配置されていて、各クラツチ爪
は、その先端部が連結部材1の係合孔1aを通し
て連結部の筒部より外側に突出する結合完了位置
と連結部の筒部内面より内側に退避する退避位置
との間を回動し得るようになつている。
固定軸5にはクラツチ爪9を駆動する爪駆動カ
バー10が支持され、該爪駆動カバー10の周壁
部にはクラツチ爪9を緩く貫通させる窓部10a
が設けられている。爪駆動カバー10は所定の摩
擦を持つて固定軸5に結合され、駆動プレート2
からクラツチ爪9を介して与えられる回転力が所
定値以上になつた時にのみ駆動プレート2ととも
に回転するようになつている。
上記の始動装置において、ロープ7が引かれる
と、駆動プレート2が第5図において反時計方向
に回転する。この時爪駆動カバー10は固定軸5
に摩擦結合されて停止しているため、クラツチ爪
9が該爪駆動カバー10の窓部10aの一端部に
当つて外側に(矢印A1方向に)押出される。こ
れにより先ずクラツチ爪9の先端が連結部材1の
係合孔1aの一端部に係合する。その後クラツチ
爪9は更に係合孔1aの端部により押されて回動
するため、第5図に示すようにその先端が係合孔
1aを通して外側に突出した状態になり、駆動プ
レート2と連結部材との結合が完了する。この状
態で、駆動プレートの回転が連結部材に伝達され
て機関の出力軸が回転させられる。
機関の始動が完了した時にロープ7を離すとぜ
んまいバネ6の付勢力により駆動プレート2が第
5図において時計方向に回転する。この時爪駆動
カバー10は固定軸5に摩擦結合されていて、直
ちに時計方向に回転することができないため、ク
ラツチ爪9が爪駆動カバー10の窓部10aの端
部に当つて内側に(矢印A2方向に)回動させら
れる。これによりクラツチ爪9が連結部材1から
外れ、駆動プレート2と連結部材1との結合が解
除される。
上記のリコイルスタータは、始動に相当な力を
必要とするため、ロープによる駆動に代えて電動
機を用いて駆動プレートを駆動することが考えら
れている。
上記リコイルスタータの駆動プレートを電動機
により駆動する場合、機関始動時の動作はロープ
による駆動の場合と同様である。
機関の始動が確認された後電動機への通電を停
止させると、連結部材1の回転速度が駆動プレー
ト2の回転速度よりも早い状態になるため、連結
部材1がクラツチ爪9を押して該クラツチ爪を内
側に退避させ、駆動プレート2と連結部材1との
結合を外す。
すなわち、電動機による始動の場合には、機関
が始動した後駆動プレートを逆回転させることな
く、機関の始動後駆動プレートと連結部材との間
に生じる回転速度の差を利用してクラツチを切離
すようにしていた。
[考案が解決しようとする問題点] しかしながら、実際には駆動プレートと連結部
材との間に生じる回転速度の差を利用するだけで
はクラツチ爪9を旨く退避させることが困難であ
り、上記の構成では機関が始動した後連結部材1
とクラツチ爪とが接触して騒音を発生したり、ク
ラツチ爪が損傷したりするという問題があつた。
また従来のクラツチでは、始動操作時にも爪駆
動カバーが固定部に摩擦結合されていたため、機
関の始動に要するトルクが大きくなるという問題
もあつた。
本考案の目的は、機関の始動時に要するトルク
の低減を図るとともに、機関の始動完了時に駆動
プレートと連結部材との間の結合を確実に切り離
すことができるようにした内燃機関用スタータの
クラツチを提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本考案は、その実施例を示す第1図ないし第3
図に見られるように、クラツチ爪係合孔20a,
20a,……を有する筒部20Aと内燃機関の出
力軸に結合された底部20Bとを有する略カツプ
状の連結部材20と、連結部材20の開口部側に
機関の出力軸Sと軸線を共有するように設けられ
て機関の始動時に一方向に回転駆動されるほぼ円
板状の駆動プレート30と、機関の出力軸と平行
な軸31により駆動プレート30に回動自在に支
持され先端部が連結部材20の筒部内面より内側
に退避する退避位置と該先端部が連結部材20の
係合孔20aを通して筒部の外側に突出する結合
完了位置との間を回動可能なクラツチ爪40と、
連結部材20の筒部20Aと駆動プレート30の
外周部との間に位置する周壁部41aと駆動プレ
ートの板面に対向する底壁部41bとを有し、駆
動プレート30と同心的に配置されて該駆動プレ
ートに対して回転自在に支持された爪駆動カバー
41とを備え、爪駆動カバーの周壁部に設けられ
た窓部41dによりクラツチ爪40が結合完了位
置側または退避位置側に駆動される内燃機関用ス
タータのクラツチにおいて、始動時の必要トルク
の低減を図るとともに、始動完了時の切離しを確
実に行わせるようにしたものである。
本考案において、爪駆動カバー41は固定部に
設けられた当接面Qに摩擦接触する摩擦接触面P
を一部に有していて該摩擦接触面が該当接面に当
接する第1の位置と該摩擦接触面が該当接面から
離間する第2の位置との間を軸線方向に変位し得
るように設けられている。この爪駆動カバー41
は軸方向付勢用バネ手段44により常時前記第1
の位置側に付勢されている。
駆動プレート30には機関の出力軸と軸線を共
有するスライドリング35が該駆動プレートに対
して所定の角度だけ往復回転し得るように回転範
囲を規制された状態で支持されていて、該スライ
ドリング35の一部には切欠溝部35bが設けら
れている。このスライドリングは復帰バネ50に
より駆動プレートの機関始動時の回転方向と同方
向に付勢されている。
爪駆動カバー41の周壁部にはスライドリング
35の切欠溝部35bに嵌入して該爪駆動カバー
を第1の位置に位置させるとともに該爪駆動カバ
ーをスライドリング35に対して周方向に位置決
めするカバー位置決め用突起41fが設けられて
いる。
また爪駆動カバー41の底壁部には駆動プレー
ト側に突出した凸条部41eが周設されている。
クラツチ爪40には、該クラツチ爪が連結部材2
0の係合孔20aに係合してから結合完了位置ま
で変位する間に凸条部41eに当接して爪駆動カ
バーを軸方向付勢用バネ手段44の付勢力に抗し
て第2の位置側に変位させるカバー駆動用カム突
起40bが設けられ、カバー位置決め用突起41
fが切欠溝部35bから離脱するのに充分な量だ
け爪駆動カバー41を第2の位置側に変位させる
ように凸条部41e及びカバー駆動用カム突起4
0bの突出量が設定されている。
爪駆動カバー41と駆動プレート30との間に
は該爪駆動カバー41が前記摩擦接触により停止
している間に駆動プレート30の前記一方向への
回転により蓄勢されるカバー駆動用バネ手段51
が設けられている。
[考案の作用] 上記のように構成すると、駆動プレート30が
回転を開始し、クラツチ爪40が連結部材20の
係合孔20aに係合した後、クラツチ爪40のカ
ム突起40bと爪駆動カバー41の凸条部41e
との作用により爪駆動カバー41が変位させら
れ、該爪駆動カバーの摩擦接触面Pが固定部の当
接面Qから離れるため、機関の始動時に爪駆動カ
バー41が駆動プレート30の回転を妨げるよう
な負荷になることがない。従つて機関の始動に要
するトルクの低減を図ることができる。
また上記のように構成すると、機関の始動が完
了した後、クラツチ爪40が連結部材20の係合
孔20aの端部により叩かれて内側に退避した時
にクラツチ爪40のカムが爪駆動カバー41の凸
条部41eから外れ、カバー駆動用バネ手段51
の付勢力により爪駆動カバー41が駆動プレート
30に対して相対的に回転してクラツチ爪40を
退避位置側に押込むため、クラツチ爪40の退避
を確実に行わせることができる。従つて連結部材
20とクラツチ爪40とが接触して騒音を発生し
たり、クラツチ爪40が損傷したりするのを防ぐ
ことができる。
[実施例] 以下添附図面を参照して本考案の実施例を説明
する。
第1図ないし第3図a〜dは本考案の実施例を
示したもので、これらの図において、20は筒部
20Aと底壁部20Bとを有するカツプ状の連結
部材で、この連結部材20の周壁部20Aには複
数のクラツチ爪係合孔20aが等角度間隔で設け
られている。この連結部材20は、その開口部を
内燃機関と反対側に向けた状態で配置されてその
底壁部20Bが機関の出力軸Sに嵌合されたフラ
イホイールFLに当接され、出力軸Sの先端のネ
ジ部に螺合されたナツトNにより連結部材20と
フライホイールとが出力軸Sに締結されている。
22は内燃機関のカバー23にネジ止めされス
タータカバーで、このスタータカバー22には始
動用電動機Mが取付けられている。
始動用電動機Mは、その出力軸26の軸線を連
結部材20の中心軸線に一致させた状態で、かつ
その出力軸26を連結部材20側に向けた状態で
配置され、該出力軸26には太陽歯車27が取付
けられている。電動機Mのケースの回転体20側
の端面には内周に歯を有するリング状の固定歯車
28が出力軸26と同心的に配置され、該固定歯
車は電動機Mの通しボルト29により該電動機M
に対して固定されている。
30は第2図に見られるようにほぼ円板状に形
成された駆動プレートで、この駆動プレート30
の中心部には孔が設けられ、該孔に出力軸26が
回転自在に嵌合されている。
駆動プレート30には180度間隔で対称に配置
された1対の軸31,31が固定されている。こ
れらの軸31,31は駆動プレート30の両側に
突出するように設けられ、軸31,31の電動機
M側に突出した部分にそれぞれ遊星歯車32,3
2が回転自在に支持されている。遊星歯車32,
32は太陽歯車27及び固定歯車28に噛み合わ
され、電動機Mの回転に伴つて遊星歯車32,3
2が自転しつつ太陽歯車27の周囲を回動して駆
動プレート30を出力軸26の回りに回転させ
る。太陽歯車27、固定歯車28及び遊星歯車3
2,32により、電動機Mの回転を減速して駆動
プレート30に伝達する減速機構が構成されてい
る。
第2図に示すように、駆動プレート30の連結
部材20側の面の外周寄りの部分が切削されて周
方向に伸びる段差部30aが形成され、該段差部
には、径方向の内側に窪んだ1対の凹部30b,
30bが180度の角度間隔で対称に形成されてい
る。
段差部30aにはスライドリング35が摺動自
在に嵌合されている。第2図に見られるように、
スライドリング35の内周部には1対の凸部35
a,35aが180度の角度間隔で形成されている。
凸部35a,35aの幅寸法は段差部30aの凹
部30b,30bの幅寸法より小さく設定され、
これらの凸部35a,35aが凹部30b,30
b内を移動してスライドリングの回転範囲を規制
するようになつている。またスライドリング35
の外周部には、後記する爪駆動カバーの位置決め
を図るために用いられる1対の切欠溝部35b,
35bが180度の角度間隔で設けられている。こ
のスライドリング35は、駆動プレートとの摩擦
が小さい材料からなり、機関の出力軸Sの中心軸
線を中心にして、凹部30b及び凸部35bによ
り規制された範囲で容易にスライドし得るように
なつている。
駆動カバー30に取付けられた軸31,31の
連結部材20側に突出した部分にはそれぞれクラ
ツチ爪40,40が回動自在に支持され、これら
のクラツチ爪を駆動するために爪駆動カバー41
が設けられている。
爪駆動カバー41は、連結部材20の筒部20
Aと駆動プレートの外周との間に配置された周壁
部41aと、出力軸26を回転自在に貫通させる
孔41b1を中央部に有する底壁部41bと、周
壁部41aの開口端部側に形成された環状の鍔部
41cとからなつている。この爪駆動カバー41
の周壁部には窓部41d,41dが形成され、こ
れらの窓部41d,41dにそれぞれクラツチ爪
40,40の作用端部40a,40aが遊嵌され
ている。出力軸26の先端にはサークリツプ43
が取付けられ、該サークリツプ43と爪駆動カバ
ーの底壁部41bとの間に軸方向付勢用バネ手段
を構成するバネ44が設けられている。このバネ
44により爪駆動カバー41の鍔部41cが固定
歯車28の端面に押付けられ、鍔部41bと固定
歯車28の端面との間の摩擦抵抗により、クラツ
チ爪40から爪駆動カバー41に駆動力が与えら
れるまでの間該爪駆動カバーを静止状態に保つた
めの保持力が得られるようになつている。この例
では、爪駆動カバー41の鍔部41cの電動機側
の面が摩擦接触面Pとなつており、固定歯車28
の端面が該摩擦接触面に接触する固定部側当接面
Qとなつている。
第2図に見られるように、爪駆動カバー41の
底壁部には、該カバーの内側に突出した凸条部4
1eが周設され、周壁部41aの開口端部寄りの
部分に1対のカバー位置決め用突起41fが設け
られている。
各クラツチ爪40は駆動プレート30に突設さ
れたストツパ突起45及び46によりその回動範
囲が規制され、各クラツチ爪は、クラツチ爪係合
孔20aから外れて連結部材20の内側に退避す
る非結合位置(第3図aに示す位置)と、係合孔
20aを通して各クラツチ爪の作用端部の先端が
連結部材20の筒部20aより外側に突出した状
態になる結合完了位置(第3図cに示す位置)と
の間を回動し得るようになつている。
各クラツチ爪40の後端部にはカバー駆動用カ
ム突起40bが形成されていて、第3図bに示す
ように各クラツチ爪の先端と連結部材の係合孔2
0dの端部との係合が開始する位置から各クラツ
チ爪のカム突起40bが爪駆動カバー41の凸条
部41eに当接し、クラツチ爪が結合完了位置側
に回動する過程でカム突起40bが爪駆動カバー
41をバネ手段44の付勢力に抗して連結部材2
0側に変位させるようになつている。
駆動プレート30に設けられた各ストツパ突起
46とスライドリング35との間に復帰バネ50
が設けられ、該復帰バネによりスライドリング3
5が駆動プレート30の機関始動時の回転方向
(第3図aないしdにおいて反時計方向)と同方
向に付勢されている。
また電動機Mの出力軸26の爪駆動カバーの内
側に位置する部分にカバー駆動用バネ手段51を
構成するコイルスプリングが嵌合され、このコイ
ルスプリングの一端及び他端がそれぞれ駆動プレ
ート30及び爪駆動カバー41に固定されてい
る。このカバー駆動用バネ手段51は、爪駆動カ
バー41の摩擦接触面Pが当接面Qに接触して爪
駆動カバー41が停止している間に、駆動プレー
ト30の爪駆動カバーに対する相対的回転により
蓄勢される。
次に上記実施例の動作を説明する。始動操作前
の状態では第3図aに示したように爪駆動カバー
41のカバー位置決め用突起41f,41fがス
ライドリング35の切欠溝部35b,35b内に
嵌入しており、爪駆動カバー41は第1図に示す
ように第1の位置にあつて該爪駆動カバーの摩擦
接触面Pが固定部(固定歯車28)に設けられた
当接面Qに摩擦接触している。
機関を始動させるため電動機Mを駆動すると、
駆動プレート30が機関を始動させる方向(第3
図a〜cにおいて反時計方向)に回転する。駆動
プレート30が回転を開始した際に爪駆動カバー
41は上記摩擦接触により停止状態を保つている
ため、クラツチ爪40は駆動プレート30の回転
に伴つて爪駆動カバー41の窓部41dの一端4
1d1により押されて外側に押し出され、第3図
bに示すようにクラツチ爪40の作用端部40a
の先端部が連結部材20の係合孔20dの一端2
0a1に係合する。この時駆動プレート30の爪
駆動部材41(静止状態にある。)に対する相対
的回転により爪駆動カバーと駆動プレートとの間
に設けられたカバー駆動用バネ手段51及び復帰
バネ50が蓄勢される。連結部材20は最初停止
しているため、クラツチ爪40が連結部材の係合
孔20aの一端20a1に係合すると、該クラツ
チ爪は係合孔の端部により更に外側に押されて第
3図cに示す結合完了位置まで回動する。この状
態で連結部材20が駆動プレート30とともに回
転し、機関の出力軸Sが回転駆動される。
クラツチ爪40の先端と連結部材20の係合孔
20aとの係合が開始されると、クラツチ爪のカ
ム突起40bが爪駆動カバー41の凸条部41e
を押して該カバーを軸方向付勢用バネ手段51の
付勢力に抗して第2の位置側に変位させる。これ
により爪駆動カバー41の周壁部に設けられたカ
バー位置決め用突起41f,41fがスライドリ
ングの切欠溝部35b,35bから外れ、スライ
ドリングが復帰バネ40b,40bの付勢力によ
り機関始動時の駆動プレートの回転方向と同方向
に、凸部35a,35aと凹部30b,30bと
により規制される位置まで回転する。カム突起と
爪駆動カバーの凸条部41eとの摩擦接触により
爪駆動カバー41の駆動プレート30に対する相
対的な回転が阻止されるため、カバー駆動用バネ
手段51は蓄勢状態に保持される。
第3図cに示すようにクラツチ爪40が連結部
材20の係合孔20aに完全に係合した状態で
は、爪駆動カバー41が第2の位置側に変位して
いて該爪駆動カバーの摩擦接触面Pが固定部の当
接面Qに摩擦接触しないため、爪駆動カバーが駆
動プレートの回転を妨げる負荷になることがな
い。従つて機関の始動に要するトルクの低減を図
ることができる。
機関が始動すると駆動プレート30に与えられ
ていた駆動力が断たれるため、連結部材20の回
転速度が駆動プレート30の回転速度よりも高く
なる。そのため連結部材20の係合孔20aの端
部20a2がクラツチ爪40を叩いて第3図dに
示すように連結部材の内側に退避させ、該クラツ
チ爪に設けられたカム突起40bを爪駆動カバー
の凸条部41eから離脱させる。カム突起が凸条
部から離脱すると、軸方向付勢用バネ手段51の
付勢力により爪駆動カバー41が第1の位置側に
変位しようとするが、この時スライドリング35
の切欠溝35bが爪駆動カバーのカバー位置決め
用突起41fに整合する位置にないため、カバー
位置決め用突起41fはスライドリング35の上
に当接する。爪駆動カバーはカバー駆動用バネ手
段51の付勢力により駆動プレート30に対して
該駆動プレートの機関始動時の回転方向と同方向
に回転する。この爪駆動カバーの回転により該カ
バーの窓部41dの端部41d2がクラツチ爪4
0を押して内側に退避させるため、クラツチ爪は
確実に退避位置まで回動する。爪駆動カバー41
が駆動プレート30に対して回動する時、爪駆動
カバーの突起41fはスライドリング35の上を
摺動し、やがてスライドリングの切欠溝内に嵌入
して爪駆動カバー41を第1の位置(爪駆動カバ
ーの摩擦接触面Pが固定部の当接面Qに接触する
位置)に復帰させる。従つて次の機関の始動を支
障なく行わせることができる。
上記のように、本考案においては、連結部材の
係合孔20aの端部がクラツチ爪40を叩いて内
側に退避させた後、更に爪駆動カバーが駆動プレ
ートに対して相対的に回転して該クラツチ爪を内
側に退避させるため、駆動プレートと連結部材と
の間の結合を確実に切ることができ、連結部材と
クラツチ爪とが接触して騒音を発生したり、クラ
ツチ爪が損傷したりするのを防ぐことができる。
上記の実施例では、電動機Mの出力を遊星歯車
を用いた減速機構を介して駆動プレートに伝達す
るようにしているが、減速機構の構成は任意であ
る。また駆動プレートを駆動する駆動源は電動機
に限られるものではなく、ロープを用いる場合に
も本考案を適用することができる。すなわち、上
記の実施例において、電動機Mを第4図及び第5
図に示したようなプーリで置換えることもでき
る。
[考案の効果] 以上のように、本考案によれば、クラツチ爪が
連結部材の係合孔に係合してから更に結合完了位
置側に回動する時に、クラツチ爪に設けたカム突
起と爪駆動カバーに設けた凸条部との作用により
爪駆動カバーを変位させて、該爪駆動カバーの摩
擦接触面を固定部の当接面から離すようにしたた
め、機関の始動時に爪駆動カバーが駆動プレート
の回転を妨げるような負荷になるのを防ぐことが
でき、機関の始動に要するトルクの低減を図るこ
とができる。
また本考案によれば、機関の始動が完了した
後、クラツチ爪が連結部材の係合孔の端部により
叩かれて内側に退避した時にクラツチ爪のカムを
爪駆動カバーの凸条部から外して、カバー駆動用
バネ手段の付勢力により爪駆動カバーを駆動プレ
ートに対して相対的に回転させるようにしたた
め、該爪駆動カバーによりクラツチ爪を押込んで
クラツチ爪の退避を確実に行わせることができ
る。従つて連結部材とクラツチ爪とが接触して騒
音を発生したり、クラツチ爪が損傷したりするの
を防ぐことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図a〜dは本考案の実施例を
示したもので、第1図は縦断面図、第2図は要部
の分解斜視図、第3図a〜dは要部の異なる動作
状態を第1図の−線から右側から見て示した
断面図である。また第4図は従来のスタータの機
械的構成を示す縦断面図、第5図は第4図のスタ
ータのクラツチ機構部分の横断面図である。 20……連結部材、20A……連結部材の筒
部、20B……連結部材の底部、20a……クラ
ツチ爪係合孔、26……電動機Mの出力軸、30
……駆動プレート、31……クラツチ爪を支持す
る軸、35……スライドリング、35a……凸
部、35b……切欠溝部、40……クラツチ爪、
41……爪駆動カバー、41a……周壁部、41
b……底壁部、41c……鍔部、41e……凸条
部、41f……カバー位置決め用突起、44……
軸方向付勢用バネ手段、51……カバー駆動用バ
ネ、S……内燃機関の出力軸、P……摩擦接触
面、Q……当接面。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 クラツチ爪係合孔を有する筒部と内燃機関の出
    力軸に結合された底部とを有する略カツプ状の連
    結部材と、 前記連結部材の開口部側に前記出力軸と軸線を
    共有するように設けられて機関の始動時に一方向
    に回転駆動されるほぼ円板状の駆動プレートと、 前記出力軸と平行な軸により駆動プレートに回
    動自在に支持され先端部が前記連結部材の筒部内
    面より内側に退避する退避位置と該先端部が前記
    係合孔を通して前記筒部の外側に突出する結合完
    了位置との間を回動可能なクラツチ爪と、 前記連結部材の筒部と前記駆動プレートの外周
    部との間に位置する周壁部と前記駆動プレートの
    板面に対向する底壁部とを有し、前記駆動プレー
    トと同心的に配置されて該駆動プレートに対して
    回転自在に支持された爪駆動カバーとを備え、 前記爪駆動カバーの周壁部に前記クラツチ爪を
    緩く貫通させる窓部が設けられていて該窓部によ
    り前記クラツチ爪が結合完了位置側または退避位
    置側に駆動される内燃機関用スタータのクラツチ
    において、 前記爪駆動カバーは固定部に設けられた当接面
    に摩擦接触する摩擦接触面を一部に有していて該
    摩擦接触面が該当接面に当接する第1の位置と該
    摩擦接触面が該当接面から離間する第2の位置と
    の間を軸線方向に変位し得るように設けられ、 前記爪駆動カバーは軸方向付勢用バネ手段によ
    り常時前記第1の位置側に付勢され、 前記駆動プレートには前記出力軸と軸線を共有
    するスライドリングが該駆動プレートに対して所
    定の角度だけ往復回転し得るように回転範囲を規
    制された状態で支持されていて該スライドリング
    の一部に切欠溝部が設けられ、 前記スライドリングは前記駆動プレートの爪駆
    動カバーに対する回転により蓄勢される復帰バネ
    により前記駆動プレートの機関始動時の回転方向
    と同方向に付勢され、 前記爪駆動カバーの周壁部には前記スライドリ
    ングの切欠溝部に嵌入して該爪駆動カバーを前記
    第1の位置に位置させるとともに該爪駆動カバー
    を前記スライドリングに対して周方向に位置決め
    するカバー位置決め用突起が設けられ、 前記爪駆動カバーの底壁部には前記駆動プレー
    ト側に突出した凸条部が周設され、 前記クラツチ爪には、該クラツチ爪が前記係合
    孔に係合してから前記結合完了位置まで回動する
    間に前記凸条部に当接して前記爪駆動カバーを前
    記軸方向付勢用バネ手段の付勢力に抗して前記第
    2の位置側に変位させるカバー駆動用カム突起が
    設けられていて、前記カバー位置決め用突起が前
    記切欠溝部から離脱するのに充分な量だけ前記爪
    駆動カバーを第2の位置側に変位させるように前
    記凸条部及びカバー駆動用カム突起の突出量が設
    定され、 前記爪駆動カバーと駆動プレートとの間には前
    記駆動プレートの前記爪駆動カバーに対する回転
    により蓄勢されて前記駆動カバーを前記駆動プレ
    ートの内燃機関始動時の回転方向と同方向に付勢
    するカバー駆動用バネ手段が設けられていること
    を特徴とする内燃機関用スタータのクラツチ。
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