JPH0545734A

JPH0545734A - フロントスクリーン

Info

Publication number: JPH0545734A
Application number: JP20287691A
Authority: JP
Inventors: Yasushi Yokoo; 泰横尾; Takashi Nagashima; 貴長島; Kazuyuki Shirai; 和之白井
Original assignee: Pioneer Electronic Corp
Current assignee: Pioneer Corp
Priority date: 1991-08-13
Filing date: 1991-08-13
Publication date: 1993-02-26

Abstract

(57)【要約】【目的】視点に対するフロントスクリーンからの指向
性を改善して、視点とプロジェクターの位置が左右、上
下に離れていても、視点から見るフロントスクリーンの
各部で、ほぼ最大のゲインが得られて、明るい画面と
し、フロントスクリーン全体で、均一な明るさの映像が
得られるようにする。【構成】プロジェクター１から映像を入射されるフロ
ントスクリーン２を上下方向に複数の面に分割し、各分
割された面２ａ，２ｂ，２ｃ内には、それぞれ屈折率の
異なるガラスビーズ３を均一に、散りばめた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、映像を投射するビデオ
プロジェクター等の映像投射装置の投射前面に設置し
て、その反射光を見るフロントスクリーンの改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のビデオプロジェクター用
のフロントスクリーンとしては、白色塩化ビニール等を
使用したホワイトマット、アルミ粉末をコーティングし
たシルバースクリーン、貝殻等のパールエッセンスをコ
ーティングしたパールスクリーン、ガラスビーズをスク
リーン生地表面に均一に散りばめたビーズスクリーンが
ある。

【０００３】これらのフロントスクリーンが、映像を映
し出すための必要条件としては、１．映写環境として、或る程度の明るさのある所でも、
映像が明るく見えるための光の反射性能を表すゲインが
高いこと。２．映像を見る場所（以下、視点と称する）のフロント
スクリーンに対する目の角度（以下、視角と称する）
によって、ゲインの減少が少ないこと。が上げられる。

【０００４】前記の各フロントスクリーンの視角による
ゲインは、そのメーカーによって相違はするものの、そ
の例を次に示す。ホワイトシルバーパールビーズマットスクリーンスクリーンスクリーン０° ０．９３．３８２．８５２．４８１０° ０．８８２．７２．４１．７６２０° ０．８６１．５１．３５１．１９３０° ０．８４０．７８０．８４０．９１４０° ０．８２０．４４０．６０．７９

【０００５】以上の数値から見ると、シルバースクリー
ンは反射率が高く、ゲインはメーカーにより異なるもの
の、視角が０°では３．３８と高いが、視角が４０°離
れた角度では０．４４と低いため、視角がスクリーンの
中心からずれてしまうと、急激に映像が暗くなってしま
う欠点がある。

【０００６】これを改善すべく、開発されたパールスク
リーンは、視角が０°ではゲインが２．８５とシルバー
スクリーンに比してやや低いものの、４０°離れた位置
でもゲイン０．６を維持している。又、ホワイトマット
は、入射した光を４方に拡散して反射するので、視角が
０°のゲイン０．９に対し、４０°の位置でも０．８２
と高いが、反射率が前記のように低いので、何処から見
ても映像が暗くなってしまい、余程の暗い場所でないと
実用には耐えない欠点がある。

【０００７】更に、ビーズスクリーンはこれらの欠点を
解消すべく、屈折率ｎの異なるガラスビーズを混合する
等の手段を採用して、入射した光を４方に拡散するにも
係わらず、反射率も高めようとするもので、視角０°で
のゲイン２．４８と前記のパールスクリーンよりもやや
劣るものの、４０°離れた位置でも０．７９と改善する
ものである。

【０００８】これらのフロントスクリーンの内、ホワイ
トマット、シルバースクリーン、パールスクリーンは、
図４に示すように、プロジェクター１からの入射光に対
して、反射はスクリーン２の垂直面と入射光のなす角度
αと同角度βを主たる光軸として出射する。

【０００９】しかし、この場合でもスクリーン面は完全
な鏡面ではないので、スクリーンの種類により、各方向
への反射率が異なるので、光軸から外れた角度に対して
も、前表に示したような割合をもって拡散される。一
方、ビーズスクリーンは、図５に示すように、ガラスビ
ーズ３に入射した光は、球状の半面に設けた反射膜４で
反射されて、図６に示すような光が入射側に戻される回
帰性となる。

【００１０】この反射膜で反射される光の各方向に対す
る分散の割合は、ガラスビーズ３を形成するガラスの光
の屈折率によって変化するので、屈折率の異なるガラス
ビーズを、その得ようとする特性に応じて、所要の割合
でブレンドする。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかし、シルバースク
リーン、パールスクリーンのようなプロジェクター１か
らの入射角αと同角度βで反射するフロントスクリーン
では、前表から明らかなように、指向性が強いため、反
射された光を視点に向けて有効に配向できず、全体の映
像の均一な明るさを維持することが困難なこととなる。

【００１２】更に、ビーズスクリーンでは、図６に示す
ように、プロジェクター１を天井吊りとして、フロント
スクリーン２の上端に直交する線の延長上に設置したよ
うな場合には、その回帰性のために、光はプロジェクタ
ー１側に戻ってしまい、視点５に光を集めて、明るい映
像とすることが困難となる。

【００１３】そして、何れの方式の場合でも、視点５の
位置によっては、フロントスクリーン２の端の部分で
は、ゲインが得られなくなったり、ゲイン差が酷くなっ
たりして、映像が見難くなる問題を生ずることもある。
又、一方では、家庭内の暗さを劇場のように暗くするこ
とはできないため、フロントスクリーンとして映像のコ
ントラストを高めなければならず、フロントスクリーン
のゲインは、高いことが要求される。

【００１４】本発明は、従来のフロントスクリーンの前
述の欠点を解消し、プロジェクターの設置場所が特定さ
れず、全体がほぼ均一で、且つ明るい映像が得ることが
できるフロントスクリーンを提供することを目的とす
る。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述の目的を
達成するためのフロントスクリーンの手段を要旨とする
もので、映像を入射されるスクリーンの入射光面を上下
方向の複数の分割面とし、各分割面内には、それぞれに
屈折率が異なるガラスビーズを均一に散りばめることに
より、その目的は達成される。

【００１６】また、このフロントスクリーンは、映像を
入射されるスクリーンの入射光面を上下方向と、左右方
向の交わる矩形、及びコ字状の複数の面に分割し、各分
割された面内には、それぞれに屈折率の異なるガラスビ
ーズを均一に散りばめたものが、一層望ましいものであ
る。

【００１７】

【作用】本発明のフロントスクリーンは、フロントスク
リーンの分割された位置に応じて、屈折率の変化してい
るガラスビーズを用いることにより、フロントスクリー
ンの位置に応じて指向性を変え、視点の位置からフロン
トスクリーンに対する角度が変わっても、この視点に対
し光が集中するようにして、明るく、均一な明るさの映
像とする。

【００１８】

【実施例】次に、本発明の第１の実施例を、図１、図２
について説明する。図１において、１はプロジェクタ
ー、２は、このプロジェクター１からの投射を受けて、
映像を映し出すフロントスクリーン、５はこの映像を見
る視点を示している。

【００１９】この実施例においては、プロジェクター１
は天井吊りとされており、フロントスクリーン２は、図
５の球面の略半分に反射膜４を設けたガラスビーズ３が
散りばめられる面は、図３に示すように、例えば上下方
向の３分割された面２ａ，２ｂ，２ｃとされて、各面に
は屈折率ｎの異なるガラス材料を用いたガラスビーズ３
が散りばめられる。

【００２０】このガラスビーズ５は、図５の実線で示す
ように、球形のガラスビーズ３の半面に形成されている
反射膜４によって、このガラスビーズ３に入射した光線
が、同図の実線で示したような経路を経て、出射するも
のであるが、屈折率ｎが異なると、その経路が変化し
て、入射光の指向性が変化するものである。

【００２１】そして、各割面２ａ，２ｂ，２ｃに散りば
められるガラスビーズ３は、そのガラスの屈折率ｎを、
分割された面２ａでは屈折率をｎ₁、同２ｂではｎ₂、
同２ｃではｎ₃とした場合、ｎ₁＜ｎ₂＜ｎ₃ とする。

【００２２】すると、フロントスクリーン２からの反射
は、その指向性によって、プロジェクター１からの入射
角αと等しい図１の点線の出射角βと違って、同図の実
線の通りとなり、フロントスクリーン２の分割された面
２ａ，２ｂ，２ｃ毎に視点５に向かうようになり、視点
での最大輝度が得られ、フロントスクリーン２の分割さ
れた面２ａ，２ｂ，２ｃでの明暗の差は、最大輝度であ
るため、殆どなくなるものである。

【００２３】次に示す第２の実施例は、前実施例のフロ
ントスクリーン２の分割面を、図３に示すように、矩形
の分割された面２ｄ、該分割された面２ｅを３辺で囲繞
するコ字形の分割された面２ｅ、並びに分割された面２
ｅを３辺で囲繞するコ字形の分割された面２ｆとして、
前実施例が上下方向に分割したのに対し、左右方向の分
割を加えたものである。

【００２４】この実施例においても、各分割された面２
ｄ，２ｅ，２ｆに散りばめるガラスビーズ５の屈折率ｎ
を、前実施例と同様に、それぞれの屈折率ｎをｎ₄、ｎ
₅、ｎ₆とし、ｎ₄＜ｎ₅＜ｎ₆ とすれば、前実施例と同様に、フロントスクリーンの左
右方向に対しても、その指向性による各場所での略最大
なゲインが得られ、左右方向に対しても前実施例と同様
な効果が得られるものである。

【００２５】前各実施例においては、各分割された面２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ，２ｅ，２ｆに散りばめるガラス
ビーズ３は、単独の屈折率ｎ₁〜ｎ₆を有するものを用
いるの外に、屈折率ｎの異なる幾種類かのガラスビーズ
３を、その面に適した指向性、およびその面での必要と
する拡散率となるような割合でブレンドし、その性能を
一層高めることが望ましい。

【００２６】

【発明の効果】本発明は叙上のように、フロントスクリ
ーンの入射光面を、複数の面に分割し、その分割された
面のそれぞれに、その面から視点に向かう指向性、およ
び屈折率による拡散性が得られるような屈折率のガラス
ビーズを散りばめたので、フロントスクリーンに対する
視点では、最大のゲインが得られ、且つ最大ゲインは、
指向性の方向が変わってもほぼ同一であるので、分割さ
れた面毎の明るさが著しく変わることはない。

【００２７】又、視点の位置での最大ゲインであるた
め、映像の明るさも最大となり、周囲の環境をそれ程暗
くする必要がなくなり、従来よりも明るい室内で、映像
を楽しむことができる。更に、プロジェクターの設置場
所も天井吊り等、任意の場所とすることができる等の効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のフロントスクリーンを使用
した映写時の側面図である。

【図２】同上のフロントスクリーンの正面図である。

【図３】本発明の第２の実施例のフロントスクリーンの
正面図である。

【図４】従来の入射角と出射角が等しいスクリーンを使
用した場合の側面図である。

【図５】ガラスビーズの入射光に対する説明図である。

【図６】従来のビーズスクリーンを使用した場合の側面
図である。

【符号の説明】

１プロジェクター２フロントスクリーン２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ，２ｅ，２ｆ分割された面３ガラスビーズ５視点

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】映像を入射されるスクリーンの入射光面を
上下方向に複数の面に分割し、各分割された面内には、
それぞれに屈折率が異なるガラスビーズを均一に接着し
たことを特徴とするフロントスクリーン。
【請求項２】映像を入射されるスクリーンの入射光面を
上下方向と、左右方向の交わる矩形、及びコ字状の複数
の面に分割し、各分割された面内には、それぞれに屈折
率の異なるガラスビーズを均一に接着したことを特徴と
するフロントスクリーン。