JPH0545552B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPH0545552B2 JPH0545552B2 JP62228350A JP22835087A JPH0545552B2 JP H0545552 B2 JPH0545552 B2 JP H0545552B2 JP 62228350 A JP62228350 A JP 62228350A JP 22835087 A JP22835087 A JP 22835087A JP H0545552 B2 JPH0545552 B2 JP H0545552B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon nitride
- sintered body
- density
- carbon
- pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
[発明の目的]
(産業上の利用分野)
本発明は、高強度でかつ表面性状に優れた高密
度窒化ケイ素部材の製造方法に関する。 (従来の技術) 近年、窒化ケイ素を主成分とするセラミツクス
材料は、熱衝撃性、高温強度に優れているため、
耐熱エンジニアリング材料として注目を集めてい
るほか、耐摩耗性にも優れているため、メカニカ
ルシールの摺動部材や、工具など幅広い分野での
用途が期待されている。ところで、窒化ケイ素セ
ラミツクスも他のセラミツクス、例えばアルミナ
等と同様、極めて脆いという欠点を有している。
このようなセラミツクスの脆さは、それ自体が共
有結合結晶から成つていることのほかに、その製
造プロセス上、内部とくに結晶粒界に空孔が不可
避的に含まれ、その空孔を起点として脆性破壊す
るからである。さらに、これら空孔の大きさ、
数、位置的な分布が製造条件、部材の形状によつ
て異なるため、極めて信頼性が低いものとされて
いる。したがつて、これら空孔の無い材料が得ら
れるならば、セラミツクスの用途は非常に広範な
ものとなりうる。既にアルミナ等では、切削工具
のスローアウエイチツプやナトリウムランプの透
孔性碍管など小形の部品に、極めて空孔の少ない
材料と製造プロセスが開発されている。 しかし、窒化ケイ素系セラミツクスでは、窒化
ケイ素がアルミナ等と異なつて昇華性であるこ
と、すなわち極めて高温にあげても液相を生じな
いため、通常の手法で若干の液相を生じさせて焼
結を進めることは困難で、これを行うには、液相
を生じさせるような添加物(焼結助剤)を、5〜
20重量%と多量に用いなければならない。この場
合、当然のことながら焼結助剤の量が多くなれ
ば、それだけ窒化ケイ素自体の特性が犠牲にされ
るので、少量で空孔のない焼結体を得られる助剤
の選択が要点となるが、これまでのところ圧力を
加えない大気圧下の焼結法、あるいは大気圧近傍
での窒素雰囲気焼結法では、焼結助剤を十分に吟
味し、さらに焼成条件の厳密な管理を行つても、
微量の空孔を残存させてしまうのが通例である。 一方、このような焼結体中に残存する空孔を除
去する方法として、熱間静水圧プレス(以下HIP
という)法が優れた技術として知られており、超
硬合金部材や前述のアルミナ製スローアウエイチ
ツプの製造などに用いられている。この方法は、
真空焼結法、水素雰囲気焼結法などで相対密度95
%以上に焼結された物品を、アルゴン等不活性ガ
スの1000Kgf/cm2内外の高圧雰囲気中で高温にす
ることにより、物品に等方圧力を加えて、物品中
に残存している空孔を圧潰すると同時に接合せし
めるものである。 窒化ケイ素についても、常圧もしくは10Kgf/
cm2程度の窒素雰囲気中にて、95%以上の密度に焼
結して、さらにHIP法により、焼結体中に残存す
る空孔を除去することが可能である。但し、窒化
ケイ素の場合には、圧媒ガスとしてアルゴンを使
用すると、HIP処理温度である1650〜1900℃で窒
化ケイ素の分解を生じ、必ずしも高密度化できな
い。これを改善するため、圧媒ガスとして窒素も
しくは窒素を主成分とするガスを使用する技術が
公知となつている。(特開昭57−106573など)。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、このようなHIP法を併用することに
より得られる窒化ケイ素焼結体は、高密度化さ
れ、常温強度も向上するが、焼結体内部と表面近
傍部とで必ずしも均質でなく、表面近傍部での強
度不足という問題が生じている。 本発明はこのような従来の問題点を解決するた
めになされたもので、高密度で均質性に優れた窒
化ケイ素部材が得られる製造方法を提供すること
を目的とする。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、このような問題点を解決するべ
く鋭意研究を行つた結果、一般的に使用されてい
る黒鉛ヒータを有するHIP装置を用い、95%以上
の密度の窒化ケイ素焼結体を黒鉛るつぼ中にその
ままで、あるいは窒化ホウ素粉中に埋設して配置
し、窒素ガスを圧媒としてHIP処理を施すことに
より、99%以上の密度にまで高密度化され、かつ
常温強度も3〜6割向上されることを確認した
が、高温強度については顕著な改善がなく、また
焼結体の表面近傍部と内部とで必ずしも均質でな
いことが判明した。特に均質性については、内部
と表面近傍部の成分分析を行いその原因を調査し
た。その結果、ラマン分光スペクトル分析によ
り、表面から内部に向つて、炭素が拡散している
ことが確認された。一方、X線分析の結果では、
表面近傍部がsic化しているというような形跡は
ないことも判明した。これらから、炭素は焼結体
の結晶粒界に偏在しているものと推定され、この
結晶粒界に侵入した炭素の影響により表面近傍部
の強度を低下せているものと考えられる。また、
組成を微細に調査したところ、表面近傍部は内部
と比較して若干ポーラスであることも確認され
た。以上のことから、HIP処理時に窒化ケイ素焼
結体への炭素の侵入を抑えることにより高密度で
均質性に優れた窒化ケイ素部材が得られることを
見出し本発明を成すに至つた。 すなわち本発明の高密度窒化ケイ素部材の製造
方法は、相対密度95%以上に焼結された窒化ケイ
素焼結体を、クロム、モリブデンおよびタングス
テンから選ばれた少なくとも1種の元素を含む金
属箔で実質的に覆い、この状態で前記窒化ケイ素
焼結体に、1600℃以上の温度で300Kgf/cm2以上
の窒素ガス圧力を作用させて、高密度化すること
を特徴としている。 本発明に使用する窒化ケイ素焼結体は、窒化ケ
イ素粉末もしくは窒化ケイ素粉末に焼結助剤とし
てイツトリウム、セシウム、アルミニウム、カル
シウム等の酸化物を添加し十分に混合したものを
所定の形状に成形し、相対密度95%以上に焼結し
たものであり、この段階での相対密度が95%未満
ではその後の窒素ガス圧力の作用によつても十分
に緻密質なものは得られにくい。 本発明におけるモリブデン、タングステンおよ
びクロムは、高圧の窒素ガス雰囲気下でも、本発
明者らの実験により炭素を吸収することを見出だ
された物質である。これら金属は、その少なくと
も1種を含む金属箔として使用する。そして本発
明では、上記したような金属箔で窒化ケイ素焼結
体を実質的に覆い、その状態で窒素ガスを圧媒と
して作用させる。 (作用) 本発明の高密度窒化ケイ素部材の製造方法にお
いて、炭素の吸着剤として使用するモリブデン、
タングステンおよびクロムは、高圧化においても
有効に作用するものであり、そしてこれら金属を
含む箔で窒化ケイ素焼結体を覆つて窒素ガスを圧
媒として作用させているので、窒化ケイ素焼結体
内に炭素を侵入させることなく高密度化させるこ
とが可能となり、これにより均質性に優れた窒化
ケイ素部材が得られる。 (実施例) 以下、本発明を実施例および比較例によりさら
に詳しく説明する。 実施例 1 小野田セメント株式会社製の窒化ケイ素粉末
(グレードSH−5、商品名)93重量%と、アルミ
ナ3重量%と、イツトリア4重量%とを、エタノ
ールを分散剤としてボールミルにて10時間混合
し、これを乾燥後、ラバープレス成形法により30
mm×50mm×5mmのブロツク状の成形体を形成し
た。次いで、この成形体を5Kgf/cm2の窒素ガス
雰囲気中で1750℃にて2時間焼結し、相対密度
95.7%の予備焼結体を得た。 次に、上記予備焼結体をMo箔で包んで反応焼
結窒化ケイ素るつぼ中に配置した状態で、黒鉛ヒ
ータを有するHIP装置に配置した後、窒素ガスを
圧媒として用い、1700℃、1000Kgf/cm2、2時間
の条件でHIP処理を行つた。 このようにして得られた焼結体の密度、焼結体
中央部および表面近傍部から切出した抗折試験片
による室温曲げ強度、ラマン分光スペクトル分析
による炭素の有無について調査した結果を次表に
併記する。
度窒化ケイ素部材の製造方法に関する。 (従来の技術) 近年、窒化ケイ素を主成分とするセラミツクス
材料は、熱衝撃性、高温強度に優れているため、
耐熱エンジニアリング材料として注目を集めてい
るほか、耐摩耗性にも優れているため、メカニカ
ルシールの摺動部材や、工具など幅広い分野での
用途が期待されている。ところで、窒化ケイ素セ
ラミツクスも他のセラミツクス、例えばアルミナ
等と同様、極めて脆いという欠点を有している。
このようなセラミツクスの脆さは、それ自体が共
有結合結晶から成つていることのほかに、その製
造プロセス上、内部とくに結晶粒界に空孔が不可
避的に含まれ、その空孔を起点として脆性破壊す
るからである。さらに、これら空孔の大きさ、
数、位置的な分布が製造条件、部材の形状によつ
て異なるため、極めて信頼性が低いものとされて
いる。したがつて、これら空孔の無い材料が得ら
れるならば、セラミツクスの用途は非常に広範な
ものとなりうる。既にアルミナ等では、切削工具
のスローアウエイチツプやナトリウムランプの透
孔性碍管など小形の部品に、極めて空孔の少ない
材料と製造プロセスが開発されている。 しかし、窒化ケイ素系セラミツクスでは、窒化
ケイ素がアルミナ等と異なつて昇華性であるこ
と、すなわち極めて高温にあげても液相を生じな
いため、通常の手法で若干の液相を生じさせて焼
結を進めることは困難で、これを行うには、液相
を生じさせるような添加物(焼結助剤)を、5〜
20重量%と多量に用いなければならない。この場
合、当然のことながら焼結助剤の量が多くなれ
ば、それだけ窒化ケイ素自体の特性が犠牲にされ
るので、少量で空孔のない焼結体を得られる助剤
の選択が要点となるが、これまでのところ圧力を
加えない大気圧下の焼結法、あるいは大気圧近傍
での窒素雰囲気焼結法では、焼結助剤を十分に吟
味し、さらに焼成条件の厳密な管理を行つても、
微量の空孔を残存させてしまうのが通例である。 一方、このような焼結体中に残存する空孔を除
去する方法として、熱間静水圧プレス(以下HIP
という)法が優れた技術として知られており、超
硬合金部材や前述のアルミナ製スローアウエイチ
ツプの製造などに用いられている。この方法は、
真空焼結法、水素雰囲気焼結法などで相対密度95
%以上に焼結された物品を、アルゴン等不活性ガ
スの1000Kgf/cm2内外の高圧雰囲気中で高温にす
ることにより、物品に等方圧力を加えて、物品中
に残存している空孔を圧潰すると同時に接合せし
めるものである。 窒化ケイ素についても、常圧もしくは10Kgf/
cm2程度の窒素雰囲気中にて、95%以上の密度に焼
結して、さらにHIP法により、焼結体中に残存す
る空孔を除去することが可能である。但し、窒化
ケイ素の場合には、圧媒ガスとしてアルゴンを使
用すると、HIP処理温度である1650〜1900℃で窒
化ケイ素の分解を生じ、必ずしも高密度化できな
い。これを改善するため、圧媒ガスとして窒素も
しくは窒素を主成分とするガスを使用する技術が
公知となつている。(特開昭57−106573など)。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、このようなHIP法を併用することに
より得られる窒化ケイ素焼結体は、高密度化さ
れ、常温強度も向上するが、焼結体内部と表面近
傍部とで必ずしも均質でなく、表面近傍部での強
度不足という問題が生じている。 本発明はこのような従来の問題点を解決するた
めになされたもので、高密度で均質性に優れた窒
化ケイ素部材が得られる製造方法を提供すること
を目的とする。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、このような問題点を解決するべ
く鋭意研究を行つた結果、一般的に使用されてい
る黒鉛ヒータを有するHIP装置を用い、95%以上
の密度の窒化ケイ素焼結体を黒鉛るつぼ中にその
ままで、あるいは窒化ホウ素粉中に埋設して配置
し、窒素ガスを圧媒としてHIP処理を施すことに
より、99%以上の密度にまで高密度化され、かつ
常温強度も3〜6割向上されることを確認した
が、高温強度については顕著な改善がなく、また
焼結体の表面近傍部と内部とで必ずしも均質でな
いことが判明した。特に均質性については、内部
と表面近傍部の成分分析を行いその原因を調査し
た。その結果、ラマン分光スペクトル分析によ
り、表面から内部に向つて、炭素が拡散している
ことが確認された。一方、X線分析の結果では、
表面近傍部がsic化しているというような形跡は
ないことも判明した。これらから、炭素は焼結体
の結晶粒界に偏在しているものと推定され、この
結晶粒界に侵入した炭素の影響により表面近傍部
の強度を低下せているものと考えられる。また、
組成を微細に調査したところ、表面近傍部は内部
と比較して若干ポーラスであることも確認され
た。以上のことから、HIP処理時に窒化ケイ素焼
結体への炭素の侵入を抑えることにより高密度で
均質性に優れた窒化ケイ素部材が得られることを
見出し本発明を成すに至つた。 すなわち本発明の高密度窒化ケイ素部材の製造
方法は、相対密度95%以上に焼結された窒化ケイ
素焼結体を、クロム、モリブデンおよびタングス
テンから選ばれた少なくとも1種の元素を含む金
属箔で実質的に覆い、この状態で前記窒化ケイ素
焼結体に、1600℃以上の温度で300Kgf/cm2以上
の窒素ガス圧力を作用させて、高密度化すること
を特徴としている。 本発明に使用する窒化ケイ素焼結体は、窒化ケ
イ素粉末もしくは窒化ケイ素粉末に焼結助剤とし
てイツトリウム、セシウム、アルミニウム、カル
シウム等の酸化物を添加し十分に混合したものを
所定の形状に成形し、相対密度95%以上に焼結し
たものであり、この段階での相対密度が95%未満
ではその後の窒素ガス圧力の作用によつても十分
に緻密質なものは得られにくい。 本発明におけるモリブデン、タングステンおよ
びクロムは、高圧の窒素ガス雰囲気下でも、本発
明者らの実験により炭素を吸収することを見出だ
された物質である。これら金属は、その少なくと
も1種を含む金属箔として使用する。そして本発
明では、上記したような金属箔で窒化ケイ素焼結
体を実質的に覆い、その状態で窒素ガスを圧媒と
して作用させる。 (作用) 本発明の高密度窒化ケイ素部材の製造方法にお
いて、炭素の吸着剤として使用するモリブデン、
タングステンおよびクロムは、高圧化においても
有効に作用するものであり、そしてこれら金属を
含む箔で窒化ケイ素焼結体を覆つて窒素ガスを圧
媒として作用させているので、窒化ケイ素焼結体
内に炭素を侵入させることなく高密度化させるこ
とが可能となり、これにより均質性に優れた窒化
ケイ素部材が得られる。 (実施例) 以下、本発明を実施例および比較例によりさら
に詳しく説明する。 実施例 1 小野田セメント株式会社製の窒化ケイ素粉末
(グレードSH−5、商品名)93重量%と、アルミ
ナ3重量%と、イツトリア4重量%とを、エタノ
ールを分散剤としてボールミルにて10時間混合
し、これを乾燥後、ラバープレス成形法により30
mm×50mm×5mmのブロツク状の成形体を形成し
た。次いで、この成形体を5Kgf/cm2の窒素ガス
雰囲気中で1750℃にて2時間焼結し、相対密度
95.7%の予備焼結体を得た。 次に、上記予備焼結体をMo箔で包んで反応焼
結窒化ケイ素るつぼ中に配置した状態で、黒鉛ヒ
ータを有するHIP装置に配置した後、窒素ガスを
圧媒として用い、1700℃、1000Kgf/cm2、2時間
の条件でHIP処理を行つた。 このようにして得られた焼結体の密度、焼結体
中央部および表面近傍部から切出した抗折試験片
による室温曲げ強度、ラマン分光スペクトル分析
による炭素の有無について調査した結果を次表に
併記する。
【表】
比較例 1
実施例1と同一条件により形成した窒化ケイ素
を主成分とする予備焼結体を黒鉛るつぼ中にセツ
トして、黒鉛ヒータを有するHIP装置に配置し、
窒素ガスを圧媒として、1700℃、1000Kgf/cm2、
2時間の条件でHIP処理を行つた。得られた焼結
体の密度は99.5%で、中央部から切出した折抗試
験片での室温曲げ強度は、約95Kgf/cm2であつ
た。また表面を含むように切出した試験片では75
Kgf/cm2であり、表面部に欠陥の多いことが判明
した。さらに、表面近傍部をラマン分光スペクト
ル分析により調査したところ炭素のピークが見出
だされた。 比較例 2 実施例1と同一条件により形成した窒化ケイ素
を主成分とする予備焼結体を、窒化ホウ素粉末に
埋設した状態で黒鉛るつぼ中にセツトし、比較例
1と同一条件でHIP処理を行つた。得られた焼結
体の密度は99.8%で、中央部および表面近傍部の
室温曲げ強度は、100Kgf/cm2および80Kgf/cm2
であつた。 以上の実施例および比較例の試験結果および分
析結果からも明らかなように、この実施例による
クロム、モリブデンおよびタングステンから選ば
れた少なくとも1種の元素を含む金属箔で包んで
HIP処理を施した窒化ケイ素焼結体は、内部への
炭素の侵入がなく、これにより表面近傍部から切
出した抗折試験片によつても強度低下のあまりな
い良好なものであつた。 これは、炭素の侵入はその源である黒鉛ヒータ
やるつぼから、圧媒ガス中の不純物であるO2や
H2との反応によつて生じたCOやCH4、あるいは
高圧中でN2+2C→2CNの反応によりガス状態と
なつて、もしくは炭素原子クラスターの形態で圧
媒ガスの自然対流によつて移送され、焼結体の表
面に付着し、さらに焼結体の粒界に沿つて拡散す
るものと推定される。このように考えることによ
り、炭素の侵入を防止する方法として、一つには
焼結体近傍での圧媒ガスの対流を抑制することが
必要であると考えられるが、焼結体近傍での対流
を抑制すること、たとえば比較例2のように焼結
体と反応しないような粉末物質に埋めることによ
り、比較例1および比較例2の結果からも明らか
なように、ある程度の効果は得られるが、対流が
完全に抑制される訳ではないため、基本的には、
圧媒ガス中の炭素系物質を除去することが必要と
なる。ところで、炭素系物質を除去するために
は、高圧の窒素ガス雰囲気下で、これら物質のゲ
ツタ材を捜し出すことが必要となるが、このよう
な特殊な雰囲気下では、大気圧下で炭素と反応す
るような物質も先に窒素と反応して窒化物を形成
し、ゲツタとして作用しないことが本発明者らの
実験により判明している。たとえばTi,Zr等は、
TiN,ZrNとなりほとんど炭素を除去しない。そ
こで、本発明者らはこのような高圧下でも窒素と
反応することなく炭素を吸着する物質としてクロ
ム、モリブデンおよびタングステンを見出した。
これらの金属の炭素吸着剤としての効果は、前述
した実施例の結果からも明らかなように優れたも
のであり、よつて均質性に優れた窒化ケイ素焼結
体が得られ、表面近傍部においても強度の優れた
ものとなる。 [発明の効果] 本発明の高密度窒化ケイ素部材の製造方法によ
れば、炭素を焼結体内に侵入させることなく窒素
ガスを圧媒として作用させることが可能なので、
高密度でかつ焼結体内部と表面近傍部との均質性
にも優れた窒化ケイ素焼結体が得られる。特に、
従来のHIP処理技術による焼結体表面近傍部の強
度不足が改善される効果は大きく、機械構造部材
への運用を考えた場合、表面近傍部が高応力にな
ることが多いため、本発明による均質化の意義は
非常に大きい。
を主成分とする予備焼結体を黒鉛るつぼ中にセツ
トして、黒鉛ヒータを有するHIP装置に配置し、
窒素ガスを圧媒として、1700℃、1000Kgf/cm2、
2時間の条件でHIP処理を行つた。得られた焼結
体の密度は99.5%で、中央部から切出した折抗試
験片での室温曲げ強度は、約95Kgf/cm2であつ
た。また表面を含むように切出した試験片では75
Kgf/cm2であり、表面部に欠陥の多いことが判明
した。さらに、表面近傍部をラマン分光スペクト
ル分析により調査したところ炭素のピークが見出
だされた。 比較例 2 実施例1と同一条件により形成した窒化ケイ素
を主成分とする予備焼結体を、窒化ホウ素粉末に
埋設した状態で黒鉛るつぼ中にセツトし、比較例
1と同一条件でHIP処理を行つた。得られた焼結
体の密度は99.8%で、中央部および表面近傍部の
室温曲げ強度は、100Kgf/cm2および80Kgf/cm2
であつた。 以上の実施例および比較例の試験結果および分
析結果からも明らかなように、この実施例による
クロム、モリブデンおよびタングステンから選ば
れた少なくとも1種の元素を含む金属箔で包んで
HIP処理を施した窒化ケイ素焼結体は、内部への
炭素の侵入がなく、これにより表面近傍部から切
出した抗折試験片によつても強度低下のあまりな
い良好なものであつた。 これは、炭素の侵入はその源である黒鉛ヒータ
やるつぼから、圧媒ガス中の不純物であるO2や
H2との反応によつて生じたCOやCH4、あるいは
高圧中でN2+2C→2CNの反応によりガス状態と
なつて、もしくは炭素原子クラスターの形態で圧
媒ガスの自然対流によつて移送され、焼結体の表
面に付着し、さらに焼結体の粒界に沿つて拡散す
るものと推定される。このように考えることによ
り、炭素の侵入を防止する方法として、一つには
焼結体近傍での圧媒ガスの対流を抑制することが
必要であると考えられるが、焼結体近傍での対流
を抑制すること、たとえば比較例2のように焼結
体と反応しないような粉末物質に埋めることによ
り、比較例1および比較例2の結果からも明らか
なように、ある程度の効果は得られるが、対流が
完全に抑制される訳ではないため、基本的には、
圧媒ガス中の炭素系物質を除去することが必要と
なる。ところで、炭素系物質を除去するために
は、高圧の窒素ガス雰囲気下で、これら物質のゲ
ツタ材を捜し出すことが必要となるが、このよう
な特殊な雰囲気下では、大気圧下で炭素と反応す
るような物質も先に窒素と反応して窒化物を形成
し、ゲツタとして作用しないことが本発明者らの
実験により判明している。たとえばTi,Zr等は、
TiN,ZrNとなりほとんど炭素を除去しない。そ
こで、本発明者らはこのような高圧下でも窒素と
反応することなく炭素を吸着する物質としてクロ
ム、モリブデンおよびタングステンを見出した。
これらの金属の炭素吸着剤としての効果は、前述
した実施例の結果からも明らかなように優れたも
のであり、よつて均質性に優れた窒化ケイ素焼結
体が得られ、表面近傍部においても強度の優れた
ものとなる。 [発明の効果] 本発明の高密度窒化ケイ素部材の製造方法によ
れば、炭素を焼結体内に侵入させることなく窒素
ガスを圧媒として作用させることが可能なので、
高密度でかつ焼結体内部と表面近傍部との均質性
にも優れた窒化ケイ素焼結体が得られる。特に、
従来のHIP処理技術による焼結体表面近傍部の強
度不足が改善される効果は大きく、機械構造部材
への運用を考えた場合、表面近傍部が高応力にな
ることが多いため、本発明による均質化の意義は
非常に大きい。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 相対密度95%以上に焼結された窒化ケイ素焼
結体を、クロム、モリブデンおよびタングステン
から選ばれた少なくとも1種の元素を含む金属箔
で実質的に覆い、この状態で前記窒化ケイ素焼結
体に、1600℃以上の温度で300Kgf/cm2以上の窒
素ガス圧力を作用させて、高密度化することを特
徴とする高密度窒化ケイ素部材の製造方法。 2 前記窒化ケイ素焼結体が、金属酸化物を焼結
助剤として含有している特許請求の範囲第1項記
載の高密度窒化ケイ素部材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62228350A JPS6472967A (en) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | Production of high-density silicon nitride member |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62228350A JPS6472967A (en) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | Production of high-density silicon nitride member |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6472967A JPS6472967A (en) | 1989-03-17 |
| JPH0545552B2 true JPH0545552B2 (ja) | 1993-07-09 |
Family
ID=16875084
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62228350A Granted JPS6472967A (en) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | Production of high-density silicon nitride member |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6472967A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100408671B1 (ko) * | 1999-12-24 | 2003-12-11 | 주식회사 포스코 | 레이들의 휠러 제거장치 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6163570A (ja) * | 1984-09-04 | 1986-04-01 | 工業技術院長 | 窒化ケイ素焼結体の製造方法 |
| JPS61256979A (ja) * | 1985-05-10 | 1986-11-14 | 住友金属工業株式会社 | 窒化ケイ素焼結体の製造方法 |
-
1987
- 1987-09-14 JP JP62228350A patent/JPS6472967A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6472967A (en) | 1989-03-17 |
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