JPH0545494U - 熱交換器チユーブ内面洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］熱交換器チューブ内面の洗浄作業を安全かつ効
果的に人手によらず、自動的に実施できる洗浄装置を提
供すること ［構成］フランジに取付けられた熱交換器チューブの内
面を洗浄する装置であって、フレームと、このフレーム
に設けられ前記フランジを取付け固定するための複数の
金具と、前記フレームに配設された縦送り装置と横送り
装置と、これら縦送り装置または横送り装置の一方に配
設された取付け台と、この取付け台に装着された流体噴
射ノズルと前記フランジのチューブ穴配列を自動的に識
別する穴センサーとチューブ穴から噴射ノズルが出入り
するのを確認する引抜きセンサーと、前記噴射ノズルに
連結され洗浄用流体を供給する高圧フレキシブルホース
と、この高圧フレキシブルホースの送り出し・引抜き制
御を行うピンチロール装置とを具備すること、かつ、流
体噴射ノズルがチューブ穴に挿入されまた引抜かれる動
作に連動して、噴射ノズルに連結された高圧フレキシブ
ルホースを、円滑にドラムに巻取り・送り出すことを自
動的に行うようにしたこと

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は熱交換器チューブ内面の付着物を高圧洗浄流体（水）により、洗浄除 去する熱交換器チューブ内面洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

熱交換器においては、保守のため定期的にチューブ管束を胴より取り出し、チ ューブ内面を洗浄する。従来、この洗浄は人手により実施されており、高圧流体 （水）ノズルを熱交換器チューブ一本一本に差し込んで洗浄していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この洗浄には一般に約２５０kg/cm²の高圧水が使用されるので危険が伴い、ま た汚水飛散により作業者は過酷な労働条件に呈される。かかる悪条件に加え非常 に疲労を伴う作業であり、一人の作業者が長時間連続して洗浄作業を実施するこ とは困難であるので、二人の作業者が交替して作業する必要がある。さらに作業 者は安全確保および汚れ防止のため、安全服、めがね等を使用しなければならず 作業性が悪く、また多数のチューブを洗浄するため未洗浄チューブが残存する可 能性があった。

【０００４】 本考案の目的は上記従来の問題点を解決し、熱交換器チューブ内面の洗浄作業 を安全かつ効果的に人手によらず、自動的に実施できる洗浄装置を提供すること にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案による熱交換器チューブ内面洗浄機にあっては 以下の構成とした。即ち、フランジに取付けられた熱交換器チューブの内面を洗 浄する装置であって、フレームと、このフレームに設けられ前記フランジを取付 け固定するための複数の金具と、前記フレームに配設された縦送り装置と横送り 装置と、これら縦送り装置または横送り装置の一方に配設された取付け台と、こ の取付け台に装着された流体噴射ノズルと前記フランジのチューブ穴配列を自動 的に識別する穴センサーとチューブ穴から噴射ノズルが出入りするのを確認する 引抜きセンサーと、前記噴射ノズルに連結され洗浄用流体を供給する高圧フレキ シブルホースと、この高圧フレキシブルホースの送り出し・引抜き制御を行うピ ンチロール装置とを具備すること、かつ、流体噴射ノズルがチューブ穴に挿入さ れまた引抜かれる動作に連動して、噴射ノズルに連結された高圧フレキシブルホ ースを、円滑にドラムに巻取り・送り出すことを自動的に行うようにしたこと、 さらに、複数の穴センサーによりチューブ穴配列を読み取り、複数の噴射ノズル で同時に複数のチューブ内面洗浄を自動的に行うようにしたことを特徴とするも のである。

【０００６】

【作用】

本考案は上記構成であり、熱交換器チューブの内面を洗浄する場合に操作され る。熱交換器胴より引抜かれた管束を構成する各チューブの内面の洗浄は洗浄機 本体を管束フランジに取付け金具を用いて取付け、管束のチューブ穴配列に合わ せ芯出し治具を用いて洗浄機の芯出しを行い、芯出し完了後、この洗浄機本体を 管束フランジに固定金具で固定する。この芯出し作業によって管束フランジと洗 浄機本体は面平行となり、フランジのチューブ穴に対し噴射ノズルが正確に対応 するようになる。その後、縦送り装置および横送り装置を駆動し、取付台上に装 着された噴射ノズルを管束の最下段左側に移動させ、この噴射ノズルの先端と前 記フランジのチューブ穴中心とを一致させる。そして、噴射ノズルと連結してい る高圧フレキシブルホースがピンチロール装置により送り出されることによって 噴射ノズルは前記チューブ内に挿入される。こうして噴射高圧水により噴射ノズ ルは洗浄作業を行う。噴射ノズル挿入長さはピンチロール装置にもうけられたエ ンコーダーにより検知され予め入力された挿入長さをもって洗浄の完了とし、ピ ンチロール装置により高圧フレキシブルホースを後退させ、噴射ノズルをチュー ブ穴から引抜く。噴射ノズルがチューブ穴から確実に引抜かれたかどうかは引抜 きセンサーによって確認する。また、高圧フレキシブルホースはホース巻取り・ 送り装置により、縺れることなくドラムに円滑に収納され、次の送り出しに備え る。以後、チューブ穴を識別する穴センサーによりチューブ穴位置を検出し、自 動的に上記動作を繰返し、管束を構成するチューブ内面の洗浄を行う。そして、 穴センサーや噴射ノズルをそれぞれ複数設けて上記動作を行うことによって、よ り効率的に洗浄作業を行うことが可能となる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図１は本考案の熱交換器 チューブ内面洗浄機を管束フランジに設置したときの斜視図であり、図２は噴射 ノズルの周辺物と取付台の関係を示す図であり、図３はピンチロール装置の上部 ロールとエアーシリンダーの詳細を示す図である。

【０００８】 図１において、符号１は多数のチューブ１ａを束ねた管束であり、このチュー ブ１ａはその先端部を拡管するようにして管束フランジ１ｂに取り付けている。 チューブ１ａには一般にストレートチューブとＵ型チューブとがあるが本考案で はいずれにも適用可能である。前者の場合にはその両端に管束フランジ１ｂを取 付け、後者の場合には一つの管束フランジ１ｂにチューブ１ａを取付ければよい 。そして、この管束フランジ１ｂに本考案の洗浄機２を取付ける。その方法は、 まず洗浄機２のフレーム３に設けられた取付け金具４を用いて取付け、管束１の チューブ１ａの配列に合わせて洗浄機２の芯出しを芯出し治具を用いて行う。こ れは管束を構成するチューブ配列の水平レベルと洗浄機２の水平レベルを合わせ ることであり、これによって管束フランジ１ｂと洗浄機２とは面平行となり噴射 ノズルをチューブ１ａの内部にうまく挿入できるようになる。芯出し作業の完了 後、洗浄機２を管束フランジ１ｂに前記フレーム３に設けられた３個の固定金具 ５ａ、５ｂ、５ｃ（５ｃは図示されていない）によって固定する。このようにし て設置された洗浄機２には、横送りパルスモータ６、横送りネジ７および２本の 横送りガイドロッド８から構成される横送り装置９、並びに噴射ノズル１０が装 着された取付け台１１が配設された縦送りパルスモータ１２、縦送りネジ１３お よび２本の縦送りガイドロッド１４から構成される縦送り装置１５が設けられて いる。

【０００９】 次に、主に図２に基づいて噴射ノズル１０の周辺物と取付け台１１との関係に ついて説明しておくこととする。この実施例では噴射ノズル１０を２個設けたの で取付け台１１上には台座１６上に噴射ノズル１０の通路である２個の穴を有す るホース前後進ガイド１７が設けられている。このホース前後進ガイド１７の両 側面にチューブ１ａの穴を検出する穴センサー１８が設けられており、その前面 には噴射ノズル１０の通路である２個の穴にそれぞれ一対の引抜きセンサー１９ が取付けられている。穴センサー１８は反射型のもの等公知のものを用いること ができる。チューブ１ａ穴の内径は約１４mmであるので噴射ノズル１０の外径は １０mmのものを用いている。また、噴射ノズル１０の長さは約４０mmであるので それより後方は高圧フレキシブルホース２０に連結している。前記ホース前後進 ガイド１７の長さは約１６０mmであるので噴射ノズル１０の待機状態では噴射ノ ズル１０はホース前後進ガイド１７の中にある。このホース前後進ガイド１７の 後方には前記高圧フレキシブルホース２０の通る穴を有するエヤチャック取付け 台２１が設けられており、このエヤチャック取付け台２１のそれぞれの穴の前後 にエヤチャック２２が配設されている。エヤチャック取付け台２１には防水カバ ー２３が取付けられている。

【００１０】 図１において、取付け台１１の後方部には、高圧フレキシブルホース２０の前 進・後退のための上部ロール２４と下部ロール２５、上部ロール２４の駆動・非 駆動を制御するエヤシリンダー２６、下部ロール２５の駆動用のエヤモーター２ ７および噴射ノズル１０の挿入長さを検知するためのエンコーダ２８から構成さ れるピンチロール装置２９が設けられている。このピンチロール装置２９の上部 ロール２４とエアーシリンダー２６の詳細は図３に示すようになっている。エア ーシリンダー２６にはロール取付け部材３０が設けられており、このロール取付 け部材３０に２本の上部ロール２４がそれぞれ配設されている。これら２本の上 部ロール２４がエアーシリンダー２６の駆動・非駆動の制御に応じて下部ロール ２５に圧接して前記高圧フレキシブルホース２０を挾持している。

【００１１】 そして、取付け台１１のさらに後方にはホースガイド３１を介して高圧フレキ シブルホース２０を巻取り・送り出すためのドラム３２と前記エヤモータ２７に 連動して駆動されるドラム用エヤモータ３３とからなるホース巻取り・送り装置 ３４が設けられている。このホース巻取り・送り装置３４のドラム３２には図示 していない高圧ポンプにより洗浄水が送られ前記高圧フレキシブルホース２０に 供給するようになっている。

【００１２】 なお、この実施例においては上部のフレーム３に横送り装置９を設けたので縦 送り装置１５の下方部にはガイドローラ３５が配設され、このガイドローラ３５ が下部のフレーム３と接しながら縦送り装置１５を横方向へ送るようになってい る。

【００１３】 次に、この実施例の作用について説明する。まず第一に横送りパルスモータ６ を回転させ、横送りネジ７を介して縦送り装置１５を移動させ、同時に縦送りパ ルスモータ１２を回転させ、縦送りネジ１３を介して取付け台１１上に装着され た噴射ノズル１０を管束１の最下段左側に移動させ、噴射ノズル１０先端の中心 とチューブ１ａ穴の中心を一致させる。そして、高圧フレキシブルホース２０を エヤチャック２２で挾持し噴射ノズル１０を固定して待機状態にする。洗浄開始 はエヤチャック２２を開いて高圧フレキシブルホース２０を解放して始まる。解 放と同時に上部ロール２４をエヤシリンダー２６で下降させ下部ロール２５と共 に高圧フレキシブルホース２０を挾み込む。それと同時にエヤモータ２７により 下部ロール２５を回転させると上部ロール２４は下部ロール２５の回転に追随し て回転するので高圧フレキシブルホース２０を前進させる。その結果、噴射ノズ ル１０はチューブ１ａ内に挿入される。噴射ノズル１０はチューブ１ａ内に挿入 されつつ高圧洗浄水によって内部を洗浄し前進する。洗浄された水はチューブ１ ａ内を前方に進み反対側の穴から排出される。噴射ノズル１０の挿入長さはピン チロール装置２９のエンコーダ２８により検知され、予め入力された挿入長さを もってエヤモータ２７が回転を停止し、噴射ノズル１０はチューブ１ａ内で前進 を停止し、チューブ１ａ内面の洗浄作業を完了する。洗浄が完了するとエヤモー タ２７が逆回転し、上部ロール２４および下部ロール２５の回転により高圧フレ キシブルホース２０は後退し、噴射ノズル１０をチューブ１ａ穴から引抜く。高 圧フレキシブルホース２０の巻取りはエヤモータ２７の動きに連動したドラム用 エヤモータ３３の回転によりホース巻取り・送り装置３４のドラム３２に収納さ れる。噴射ノズル１０をチューブ１ａ穴から引抜いた後、高圧フレキシブルホー ス２０を前記エヤチャック２２で挾み、上部ロール２４をエヤシリンダー２６に て上昇させて洗浄の１サイクルを完了する。噴射ノズル１０のチューブ１ａ穴か らの引抜き完了は、引抜きセンサー１９によって確認する。もし何らかの原因で 、噴射ノズル１０がチューブ１ａ穴から引抜かれていない場合は異常警報ブザー が鳴り、機械的動作はすべて停止する。

【００１４】 １サイクルの洗浄が完了後、横送りパルスモータ６が回転し、横送りネジ７を 介して縦送り装置１５を水平移動させ、取付け台１１に装着された穴センサー１ ８で次に洗浄するチューブ１ａの位置を検出し、噴射ノズル１０先端の中心とチ ューブ１ａ穴の中心とが一致すると、横送りパルスモータ６が停止して次の準備 が完了する。

【００１５】 以後、上記と同様な動作を繰返し、最下段横列のチューブ１ａ内面の洗浄を行 う。管束１の最下段横列チューブ１ａ内面の洗浄作業が完了すると穴センサー１ ８の信号により最下段横列チューブ１ａ内面の洗浄作業の完了が指示され、縦送 りパルスモータ１２が回転し、噴射ノズル１０を装着した取付け台１１を縦送り ネジ１３を介して縦方向に移動させ、穴センサー１８がその上の段のチューブ１ ａの位置を検出し、縦送りパルスモータ１２が回転を停止する。その後は上記と 同様な動作を繰返し、順次チューブ１ａ内面の洗浄を行い、自動的に全チューブ １ａ内面の洗浄を完了する。

【００１６】 なお、この実施例は本考案の一実施例であって、これに限定されるものではな い。適宜変形可能である、例えば、取付け台は横送り装置に設けても良いし、噴 射ノズルは２個に限定されるものではない。また、洗浄のための流体としてこの 実施例では水を用いているが、これに限定されるものではない。

【００１７】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案によれば洗浄機を管束フランジに調芯取付け金 具を用いて取り付ける。その場合、管束チューブ穴配列に合わせて洗浄機の芯出 しを行い、固定金具で管束フランジを固定するので、二次元の芯出し作業であり 、容易かつ短時間で取付けが可能である。

【００１８】 最初に取付け台上に装着された噴射ノズルを管束最下段左側に移動して、噴射 ノズルの先端の中心とチューブ穴の中心とを一致させると、その後はチューブ穴 配列識別センサーにより、チューブ穴の位置を検出し、自動的に全チューブ内面 の洗浄を行う。噴射ノズルに連結された高圧フレキシブルホースは、噴射ノズル の挿入および引抜きを行うピンチロール装置の動作と連動したホース巻取り・送 り装置により縺れることなく、自動的にドラムに収納されまた送り出される。こ のようにして自動的に全チューブ内面の洗浄作業を行うので、洗浄作業者は不要 で省人化が可能となり、コスト低減に寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の熱交換器チューブ内面洗浄機を管束フ
ランジに設置したときの斜視図である。

【図２】本考案による噴射ノズルの周辺物と取付台の関
係を示す図である。

【図３】本考案によるピンチロール装置の上部ロールと
エアーシリンダーの詳細を示す図である。

【符号の説明】

１ 管束 １ａ チューブ １ｂ 管束フランジ ２ 洗浄機 ３ フレーム ４ 取付け金具 ５ 固定金具 ６ 横送りパルスモータ ７ 横送りネジ ９ 横送り装置 １０ 噴射ノズル １１ 取付け台 １２ 縦送りパルスモータ １３ 縦送りネジ １５ 縦送り装置 １７ ホース前後進ガイド １８ 穴センサー １９ 引抜きセンサー ２０ 高圧フレキシブルホース ２２ エヤチャック ２４ 上部ロール ２５ 下部ロール ２６ エヤシリンダー ２７ エヤモータ ２８ エンコーダ ２９ ピンチロール装置 ３２ ドラム ３３ ドラム用エヤモータ ３４ ホース巻取り・送り装置

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フランジに取付けられた熱交換器チュー
   ブの内面を洗浄する装置であって、フレームと、該フレ
   ームに設けられ前記フランジを取付け固定するための複
   数の金具と、前記フレームに配設された縦送り装置と横
   送り装置と、これら縦送り装置または横送り装置の一方
   に配設された取付け台と、該取付け台に装着された流体
   噴射ノズルと前記フランジのチューブ穴配列を自動的に
   識別する穴センサーとチューブ穴から噴射ノズルが出入
   りするのを確認する引抜きセンサーと、前記噴射ノズル
   に連結され洗浄用流体を供給する高圧フレキシブルホー
   スと、該高圧フレキシブルホースの送り出し・引抜き制
   御を行うピンチロール装置とを具備することを特徴とす
   る熱交換器チューブ内面洗浄機。
2. 【請求項２】 請求項１において、流体噴射ノズルがチ
   ューブ穴に挿入されまた引抜かれる動作に連動して、噴
   射ノズルに連結された高圧フレキシブルホースを、円滑
   にドラムに巻取り・送り出すことを自動的に行うように
   したことを特徴とする熱交換器チューブ内面洗浄機。
3. 【請求項３】 請求項１または２において、複数の穴セ
   ンサーによりチューブ穴配列を読み取り、複数の噴射ノ
   ズルで同時に複数のチューブ内面洗浄を自動的に行うよ
   うにしたことを特徴とする熱交換器チューブ内面洗浄
   機。