JPH0545312A - 凝固点自動測定装置 - Google Patents

凝固点自動測定装置

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JPH0545312A
JPH0545312A JP20933491A JP20933491A JPH0545312A JP H0545312 A JPH0545312 A JP H0545312A JP 20933491 A JP20933491 A JP 20933491A JP 20933491 A JP20933491 A JP 20933491A JP H0545312 A JPH0545312 A JP H0545312A
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JP
Japan
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temperature
sample
point
freezing point
freezing
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Application number
JP20933491A
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English (en)
Inventor
Yuji Miyata
勇治 宮田
Shigeyoshi Iio
成由 飯尾
Kazuhiko Umetsu
和彦 梅津
Yasuhiko Sato
康彦 佐藤
Kunihiko Kimata
邦彦 木股
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学製品の試料液を試料液容器(10)に注入
し、これを冷却浴(15)内で、攪拌装置(20)により攪拌さ
せながら徐々に冷却させ、試料温度の変化を温度計(18)
で検出して試料の凝固点を測定する凝固点測定装置を、
自動化し、かつ、高精度で測定できるようにする。 【構成】 温度計により検出され、液体から固体に変化
する試料の温度履歴データを記憶装置(44)に記憶し、演
算回路(43)が、記録された温度履歴データから試料の凝
固パターンを識別し、識別した凝固パターンに応じて凝
固点近傍の基準温度点を設定すると共に、基準温度点前
に測定した温度履歴データおよび基準温度点後に測定し
た温度履歴データから、凝固パターンに応じてそれぞれ
複数の温度測定値を選択し、選択した温度測定値に適合
するそれぞれの回帰式からこれの交点を凝固点として演
算し、これを表示装置(50,51) に表示させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料液体の凝固点を自
動的に測定する凝固点自動測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術およびその解決すべき問題点】試料液体の
凝固点を測定する方法として、従来から日本工業規格
「化学製品の凝固点測定方法」(JIS−K−006
5)が知られている。この方法は、試料液体を容器に注
入し、これを冷却浴内で、容器内の試料を攪拌棒で掻き
混ぜながら徐々に冷却させ、容器内の試料の温度変化を
温度計で読み取りながらこれを記録し、記録したグラフ
から凝固点を求めるものである。この日本工業規格は正
確な凝固点を測定するために、測定手順を細かく規定し
ている。
【0003】この日本工業規格による方法では、冷却浴
への氷の補充や、氷の補充のために増加した冷却液の液
抜き、手操作による試料液の攪拌、温度計の目盛りの読
み取りと記録等の作業が必要であり、これらの作業は人
手が掛かると共に、煩わしい作業であり、測定者は長時
間に亘りこれらの作業に拘束されなければならない。ま
た、上述の作業はすべて手作業であるため、作業者によ
る読み取り誤差や、攪拌の巧拙により測定値の再現性に
影響を与える等の問題があった。
【0004】試料液が凝固する際には、凝固潜熱により
種々の凝固パターンを呈することが上述した日本工業規
格にも示されている。図8〜図11は、これらの代表的
な凝固パターンを示すものであり、試料が純粋であれ
ば、図8に示すような凝固パターンを示し、不純な場合
には図9〜図11に示す凝固パターンを示すと言われて
いる。図8と図10に示す凝固パターンの試料は、試料
の冷却時に平坦な温度履歴を示す領域が存在するので、
それらの試料の凝固点測定は他の試料に比べて容易であ
る。図9に示す凝固パターンの試料は、液相と固相領域
の温度変化の直線部分を延長して、2つの線の交点から
凝固点を求めている。図11に示すような凝固パターン
の場合においても、液相と固相領域の温度変化の直線部
分を延長して、2つの線の交点から凝固点が求められる
が、この場合には、温度変化曲線の変曲点が明確でない
ために、他の場合より測定が難しい。
【0005】このように、試料液に依って種々の凝固パ
ターンを示すので、凝固点の測定の自動化を困難にして
きた。しかしながら、簡便な方法により凝固点の測定を
自動化したものが実開平2-60862 号公報により知られて
いる。この公報が開示する測定装置は、純粋な試料が示
す図8の凝固パターンを前提として、試料温度が凝固点
未満の予め定められた値に到達した後、予め定めた時間
が経過した時の検出温度をもって凝固点として出力する
ようにしている。
【0006】また、特開昭61-31947号公報が開示する自
動凝固点測定装置も、簡便な方法により凝固点を測定す
るものであり、試料液の温度を定期的に測定し、前回に
測定した温度値Tn と今回測定した温度値Tn+1の偏差
ΔT(=Tn −Tn+1 )が0または負に転じた後、平衡
もしくは上昇した時点を試料の凝固点としてこれを表示
するようにしている。
【0007】これらの凝固点測定装置は、簡便な測定方
法を採用しているために、適用できる凝固パターンが限
定され、特に、図11に示すような温度変化曲線の変曲
点が明確でない凝固パターンの試料には適用できない上
に、所定時間の経過時点、あるいは温度偏差ΔTが平衡
もしくは上昇した時点の、1点の計測温度をもって凝固
温度としているために、再現性や測定精度に問題があ
る。
【0008】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、試料が何れの凝固パターンを有して
いても、これを判別して正確に、かつ、人手を掛けるこ
となく自動的に、再現性の高い測定値が得られるように
図った凝固点自動測定装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、試料液を試料液容器に注入
し、これを冷却浴内で、攪拌装置により攪拌させながら
徐々に冷却させ、試料温度の変化を温度検出手段で検出
して試料の凝固点を測定する凝固点自動測定装置におい
て、前記温度検出手段により検出され、液体から固体に
変化する試料の温度履歴データを記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記録された温度履歴データから試料の凝
固点を演算する演算手段と、演算された凝固点を表示す
る表示手段とを備え、前記演算手段は、前記温度履歴デ
ータから試料の凝固パターンを識別し、識別した凝固パ
ターンに応じて凝固点近傍の基準温度点を設定すると共
に、基準温度点前に測定した温度履歴データおよび基準
温度点後に測定した温度履歴データから、凝固パターン
に応じてそれぞれ複数の温度測定値を選択し、選択した
温度測定値に適合するそれぞれの回帰式からこれの交点
を凝固点として演算することを特徴とする凝固点自動測
定装置が提供される。
【0010】
【作用】本発明の測定装置は、先ず、液体から固体に変
化する試料の温度変化を検出し、これを温度履歴データ
として記憶する。そして、この温度履歴データから試料
の凝固パターンが識別され、識別された凝固パターンか
らデータのサンプリング方法が決定され、凝固点近傍の
基準温度点前後の複数の温度測定値がサンプリングされ
る。選択された温度測定値は統計的な手法により2つの
回帰式が求められ、この2つの回帰式の解として凝固点
が演算される。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明に係る凝固点自動測定装
置の概略構成を示し、この測定装置は、試料液Sを入れ
る試料容器10、この容器10を冷却するための冷却浴
槽15、容器10内の試料Sを攪拌する自動攪拌装置2
0、浴槽15内の冷却液Cを一定の温度に保つ恒温装置
30、試料Sの温度変化を測定する温度計18、温度計
18が検出した温度履歴データから凝固点を演算するコ
ンピュータ装置40、コンピュータ装置40が演算した
演算結果を表示する表示装置50などから構成されてい
る。
【0012】試料Sが注入される試料容器10は、ガラ
ス製の空気外とう11と硬質ガラス製の試験管12とで
構成される。試験管12は空気外とう11に差し込ま
れ、これをコルク栓13等で固定することにより空気外
とう11と試験管12間に空気層を介在させる。試験管
12は、所要量の試料Sを注入した後、温度計18と攪
拌棒21を差し込んで封止する。試料容器10は浴槽1
5内の冷却液Cに浸して図示しない支持装置で固定す
る。
【0013】冷却液Cは、例えば水100部にエチレン
グリコールを同量の100部を混合したものが使用さ
れ、恒温装置30により、予測される試料Sの凝固点よ
り5℃程度低い温度(試料Sが常温で液体の場合には1
0〜15℃程度低い温度に設定するのが好ましい)に保
持されている。恒温装置30は、従って、試料Sの種類
に応じて冷却液Cを所要の温度に冷却ないしは加温して
その温度に保持できることが必要である。
【0014】温度計18としては、例えばCA熱電対が
好適に使用され、この温度計18は後述するコンピュー
タ装置40の入力回路42に電気的に接続されている。
自動攪拌装置20は、容器10内の試料Sを攪拌する、
前述した攪拌棒21と、これを上下動させる回転円盤2
2と、円盤22を回転させる駆動モータ24とを備えて
構成される。攪拌棒21の先端は、試料Sを攪拌し易い
ようにループ状に形成されている。攪拌棒21の上端
は、試験管12より上方に突出しており、2つのリンク
部材21a,21bを介して円盤22の係止ピン22a
に連結されている。攪拌棒21とリンク部材21a間、
リンク部材21aとリンク部材21b間、およびリンク
部材21bと係止ピン22a間はそれぞれ揺動自在に連
結されている。円盤22に突設される係止ピン22aは
円盤中心より偏倚した位置に突設されており、円盤22
を回転させることにより攪拌棒21を上下動させること
ができる。円盤22は、駆動モータ24により一定速度
で回転駆動され、モータ24の作動は後述するコンピュ
ータ装置40によりオンオフ制御される。なお、円盤2
2を所定速度で回転させるために、モータ24と円盤2
2との間に減速装置を介在させてもよい。
【0015】コンピュータ装置40は、操作者によるキ
ー操作によりデータを入力させる操作盤41、操作盤4
1からの入力信号や、前述した温度計18の出力信号を
取込み、フィルタリング、増幅、A/D変換、サンプリ
ング等の機能を有する入力回路42、入力回路42から
供給される種々のデータに基づき、後述する手順により
凝固点を演算する演算回路43、凝固点自動演算のため
の制御プログラム、試料Sの温度履歴データや演算回路
43が演算する演算結果等を記憶する記憶装置44、前
述の駆動モータ24を駆動するための駆動信号や、後述
する表示装置50に演算結果を表示させる制御信号を出
力する出力回路45等により構成されている。
【0016】次に、以上のように構成される凝固点自動
測定装置の作用を、図2ないし図7に示すプログラムフ
ローチャートを参照しながら説明する。先ず、恒温装置
30により浴槽15の冷却液Cの温度が設定温度に安定
したら、試料液Sを入れた容器10を浴槽15の冷却液
Cに漬け、準備を完了させる。このときの試料Sの温度
は、予測される凝固点より20℃以上高くならないよう
に設定しておく。次に、操作盤41をキー操作してコン
ピュータ装置40を始動させる。
【0017】コンピュータ装置40を始動させると、コ
ンピュータ装置40は、図2に示すように、先ず試料S
の温度履歴データを読み込むデータ読込みルーチンを実
行する(ステップS10)。このルーチンの詳細は図3
および図4に示され、コンピュータ装置40は、先ず、
操作盤41から初期値tOFF および勾配判別値Kが入力
されるのを待つ。tOFF 値は、試料Sの温度測定を開始
してから測定終わりまでの時間間隔であり、後述するよ
うな回帰式A,Bを得るために十分な温度履歴データが
測定することのできる適宜時間間隔に設定される。凝固
点を求める試料の凝固パターンは大凡の予測が出来るの
で、勾配判別値Kは、図8ないし図10に示す凝固パタ
ーンI〜III の試料に対しては値0に、図11に示すパ
ターンIVの試料に対しては、負の所定値に設定される。
【0018】初期値の入力が終了すると、コンピュータ
装置40は、自動攪拌装置20の駆動モータ24を作動
させるオン信号を出力する(ステップS12)。モータ
24の作動により前述した円盤22が回転して攪拌棒2
1が上下動を開始し、試料Sを攪拌する。次いで、温度
計18が検出する試料Sの温度Tを読み込んで、これを
記憶装置44に記憶する(ステップS13)。そして、
前回の試料Sの温度Tを読み込んだ時点から第1の所定
時間ts1(例えば、30秒)が経過したら再び試料Sの
温度Tを読み込んで、これを記憶装置44に記憶する
(ステップS14)。前回および今回の温度Tを読み込
むと、これらの温度データから温度の変化率(傾き)を
演算することができる。コンピュータ装置40は、次式
(1)から傾きαA を演算する(ステップS15)。
【0019】 αA =(Tn+1 −Tn )/ts1 ……(1) ここに、Tn およびTn+1 はそれぞれ前回および今回の
試料Sの温度計測値である。ステップS15で演算され
た傾きαA は、前述の勾配判別値Kと比較され(ステッ
プS16)、試料Sが冷却されて凝固点近傍の基準温度
点aに到達したか否かを判別する。横軸に時間を縦軸に
試料温度Tを取ると、基準温度点aに到達するまでは試
料温度曲線の傾きαA は負数であり、基準温度点aに近
づくに従ってその値は0に向かって変化する。そして、
ステップS16における判別結果が否定(No)である
間は、ステップS14に戻り、所定時間ts1(30秒)
毎に試料Sの温度Tを読み込み、式(1)により傾きα
A を順次演算していく。
【0020】傾きαA が勾配判別値K以上であることが
判別され、ステップS16の判別結果が肯定(Yes)
になると、試料Sが基準温度点aに到達したことを意味
し、ステップS17(図4)に進み、コンピュータ装置
40は駆動モータ24をオフにして攪拌を停止させると
共に、最新の温度計測値Tn+1 を基準点温度TA として
記憶する。
【0021】ここで、自動攪拌装置20の攪拌棒21の
作用を説明すると、試料Sの温度が凝固点近傍に近づく
と、試料Sは部分的に凝固し始め、駆動モータ24に負
荷が掛かるようになる。そして、モータ24が停止され
るまでに試料Sが凝固して攪拌棒21が上下動できなく
なる場合がある。このような場合、本発明の自動攪拌装
置20の攪拌棒21はリンク部材21a,21bを介し
て円盤22に連結されているので、たとえ試料Sが凝固
して攪拌棒21が上下に移動できなくなっても、リンク
部材21a,21bが構成するリンク機構により円盤2
2は回転し続けることができ、モータ24に過大な負荷
が掛かることがない。
【0022】基準温度点aに到達すると今度は第2の所
定時間ts2(例えば、10秒)毎に試料Sの温度Tを読
み取り、これを記憶装置44に記憶する(ステップS1
8)。そして、前述した計測時間tOFF が経過したか否
かを判別し(ステップS19)、経過するまでステップ
S18を繰り返し実行して試料Sの温度計測を継続す
る。そして、計測時間tOFF が経過すると、試料Sの必
要な温度履歴データが記憶されたことになり、当該ルー
チンを終了する。
【0023】図2のメインルーチンに戻り、データの読
み込みが終了すると、次にパターン判別ルーチンを実行
する(ステップS20)。パターン判別ルーチンでのパ
ターン判別手順の詳細は図5および図6に示されてお
り、コンピュータ装置40は、先ず、ステップS21に
おいて、前述のステップS11で設定した勾配判別値K
が値0であるか否かを判別する。この判別が否定(Kが
0でない)の場合には、試料Sは凝固パターンIV(図1
1参照)で凝固することを意味し、ステップS22にお
いて試料SがパターンIVで凝固することを記憶すると共
に、前述の基準温度点aの次の時点で計測される温度T
A+1 を第2の基準温度点bの温度計測値T B として記憶
し、当該ルーチンを終了する。
【0024】ステップS21において、勾配判別値Kが
値0であると判別されると、ステップS23に進み、前
述の基準温度点aで計測された温度TA および次の時点
で計測される温度TA+1 とから温度時間変化(傾き)α
B を次式(2)に基づき演算する。 αB =(TA+1 −TA )/ts2 ……(2) そして、この傾きαB が値0であるか否かを判別する
(ステップS24)。なお、傾きαB は実質的に値0で
あればよく、値0近傍の微少範囲内の値であれば、傾き
αB が値0であると見做してもよい。ステップS24の
判別結果が肯定の場合には、試料Sが凝固パターンIII
(図10)で凝固することを意味し、ステップS26に
進み、試料Sが凝固パターンIII で凝固することを記憶
すると共に、前述の基準温度点aの次の時点で計測され
る温度TA+1 を第2の基準温度点bの温度計測値TB
して記憶し、当該ルーチンを終了する。
【0025】一方、ステップS24において、判別結果
が否定の場合にはステップS25に進み、プログラム変
数nを初期値0にリセットしてステップS27(図6)
に進む。このステップS27では、前述のプログラム変
数nを値1だけインクリメントするもので、従って、初
期値0にリセットした直後の変数値nは値1になる。そ
して、コンピュータ装置40は、この変数値nを用い
て、基準温度点aからn番目およびn+1番目の温度計
測値TA+n ,TA+n+1 を記憶装置44から読み出し、こ
れらの温度データを用いて前述の式(2)と同じ演算式
から傾きαB を演算し(ステップS28)、この傾きα
B が0又は負数になったか否かを判別する(ステップS
30)。ステップS30の判別結果が否定である間は、
傾きαB が0又は負数になるまで上述のステップS27
および28を繰り返し実行して、傾きαB が0又は負数
になる第2の基準温度点bを探す。
【0026】傾きαB が0又は負数になってステップS
30の判別結果が肯定の場合、ステップS32に進み、
記憶装置44から読み出した最新のデータTA+n+1 を第
2の基準温度点bの温度測定値TB として記憶する。そ
して、ステップS28で演算した傾きαB が0であるか
否かを判別し(ステップS34)、答えが肯定であれば
試料Sは凝固パターンI(図8)で凝固し、否定であれ
ば凝固パターンII(図9)で凝固するものとしてこれを
記憶し(それぞれステップS36,S37)、当該ルー
チンを終了する。
【0027】図2に戻り、パターン判別が終了すると今
度はステップS40の凝固点演算ルーチンを実行する。
図7は、凝固点を演算する手順の詳細を示し、先ず、ス
テップS42において、基準温度点aより所定個m前の
温度計測値TA-m およびこのデータより前、k個の温度
計測値TA-(m+k)〜TA-(m+1) を記憶装置44から読み
出し、これらの(k+1)個の温度計測値を用いて直線
Aの回帰式を求める。試料液Sが冷却浴槽15により凝
固点に向かって一定の速度で冷却されていると、上述の
温度履歴データから選択された温度計測値は、直線的に
変化するものと考えられ、直線Aの回帰式を求めるので
ある。この回帰式は最小二乗法等の公知の統計的手法に
より演算される。
【0028】次に、ステップS44において、基準温度
点bより所定個q後の温度計測値T B+q およびこのデー
タより後、r個の温度計測値TB+(q+1) 〜TB+(q+r)
記憶装置44から読み出し、(r+1)個の温度計測値
を用いて直線Bの回帰式を求める。試料液Sが一定の速
度で冷却されると、上述の温度履歴データから選択され
た温度計測値は、直線的に変化するものと考えられ、直
線Bの回帰式を求めるのである。この回帰式も最小二乗
法等の公知の統計的手法により演算される。そして、ス
テップS46において求めた直線AおよびBの回帰式か
らこれの交点を凝固点として演算し、交点温度を凝固点
Tfpとし、これを記憶装置44に記憶して当該ルーチン
を終了する。
【0029】なお、求める回帰式は特に直線に限定する
必要はなく、2次式或いは高次式で表してもよい。ま
た、上述の所定値m,k,q,rは、試料に応じて、或
いは凝固パターンに応じて適宜値に設定すればよい。さ
らに、上述の説明で明らかなように、図7に示す凝固点
演算ルーチンは、図8ないし図11に示す何れの凝固パ
ターンにも適用できることは勿論のことである。
【0030】図2に戻り、コンピュータ装置40は、ス
テップS40の凝固点演算ルーチンで求めた演算結果、
すなわち直線A,Bの回帰式、凝固点Tfpを、直線A,
Bおよび温度変化曲線と共に表示装置50に表示する
(ステップS50)。なお、表示装置50としては、C
RT表示装置であってもよいし、これに代えて、或いは
これと共にプリンタ51等であってもよい。
【0031】上述の実施例では、初期値として勾配判別
値Kを凝固パターンに応じて入力し、この判別値Kを用
いて基準温度値aを設定し、試料の凝固パターンの判別
等を行なうようにしているが、勾配判別値Kは、凝固パ
ターンに応じてそれぞれ予め記憶しておき、試料の温度
の時間変化(勾配)およびこの時間変化の大きさ(勾配
変化率)に応じて記憶された勾配判別値Kを読み出し、
読み出した判別値Kと演算される勾配とから凝固パター
ンと同時に上述の基準温度値a等を識別することもでき
る。
【0032】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
依れば、試料液を試料液容器に注入し、これを冷却浴内
で、攪拌装置により攪拌させながら徐々に冷却させ、試
料温度の変化を温度検出手段で検出して試料の凝固点を
測定する凝固点自動測定装置において、温度検出手段に
より検出され、液体から固体に変化する試料の温度履歴
データを記憶する記憶手段と、この記憶手段に記録され
た温度履歴データから試料の凝固点を演算する演算手段
と、演算された凝固点を表示する表示手段とを備え、演
算手段は、温度履歴データから試料の凝固パターンを識
別し、識別した凝固パターンに応じて凝固点近傍の基準
温度点を設定すると共に、基準温度点前に測定した温度
履歴データおよび基準温度点後に測定した温度履歴デー
タから、凝固パターンに応じてそれぞれ複数の温度測定
値を選択し、選択した温度測定値に適合するそれぞれの
回帰式からこれの交点を凝固点として演算することを特
徴とする。
【0033】従って、試料が何れの凝固パターンを有し
ていても、これを正確に判別して、凝固点演算に必要な
データを自動的に選択することができ、選択したデータ
から統計的手法により凝固点を精度よく求めることがで
きる。しかも、人手を掛けることなく自動的に再現性の
高い凝固点を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る凝固点自動測定装置の概略構成を
示すブロック図である。
【図2】本発明装置のコンピュータ装置40が実行する
凝固点測定の手順を示す、メインルーチンのフローチャ
ートである。
【図3】本発明装置のコンピュータ装置40が実行する
データ読込みルーチンのフローチャートの一部である。
【図4】データ読込みルーチンのフローチャートの残部
である。
【図5】本発明装置のコンピュータ装置40が実行する
パターン判別ルーチンのフローチャートの一部である。
【図6】パターン判別ルーチンのフローチャートの残部
である。
【図7】本発明装置のコンピュータ装置40が実行する
凝固点演算ルーチンのフローチャートの一部である。
【図8】試料が凝固する際の温度変化の一例を示し、凝
固パターンIのグラフである。
【図9】試料が凝固する際の温度変化の一例を示し、凝
固パターンIIのグラフである。
【図10】試料が凝固する際の温度変化の一例を示し、
凝固パターンIII のグラフである。
【図11】試料が凝固する際の温度変化の一例を示し、
凝固パターンIVのグラフである。
【符号の説明】
10 試料容器 15 冷却浴槽 18 温度計 20 自動攪拌装置 21 攪拌棒 24 駆動モータ 30 恒温装置 40 コンピュータ装置 43 演算回路 44 記憶装置 50 表示装置 S 試料 C 冷却液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 康彦 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14番1号 株 式会社日本触媒川崎製造所内 (72)発明者 木股 邦彦 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14番1号 株 式会社日本触媒川崎製造所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料液を試料液容器に注入し、これを冷
    却浴内で、攪拌装置により攪拌させながら徐々に冷却さ
    せ、試料温度の変化を温度検出手段で検出して試料の凝
    固点を測定する凝固点自動測定装置において、前記温度
    検出手段により検出され、液体から固体に変化する試料
    の温度履歴データを記憶する記憶手段と、この記憶手段
    に記録された温度履歴データから試料の凝固点を演算す
    る演算手段と、演算された凝固点を表示する表示手段と
    を備え、前記演算手段は、前記温度履歴データから試料
    の凝固パターンを識別し、識別した凝固パターンに応じ
    て凝固点近傍の基準温度点を設定すると共に、基準温度
    点前に測定した温度履歴データおよび基準温度点後に測
    定した温度履歴データから、凝固パターンに応じてそれ
    ぞれ複数の温度測定値を選択し、選択した温度測定値に
    適合するそれぞれの回帰式からこれの交点を凝固点とし
    て演算することを特徴とする凝固点自動測定装置。
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