JPH0545183U - 扉押し込み収納装置 - Google Patents

扉押し込み収納装置

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JPH0545183U
JPH0545183U JP10332791U JP10332791U JPH0545183U JP H0545183 U JPH0545183 U JP H0545183U JP 10332791 U JP10332791 U JP 10332791U JP 10332791 U JP10332791 U JP 10332791U JP H0545183 U JPH0545183 U JP H0545183U
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door
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JP10332791U
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Inventor
桂一郎 松田
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木村新株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 扉を前後縦向きの開き姿勢で前後方向の扉収
納空間内に押し込み収納可能な装置において、扉の出し
入れを円滑良好に行わせ得るようにすることを目的とす
る。 【構成】 前後方向ガイドレール7,8により前後方向
移動可能に支持された扉支持用可動体9と扉収納空間4
の奥端部との間にリンク機構20を介装し、このリンク
機構20の、前記可動体9側に装着される前側上下2つ
のリンク端部21a,22a間の間隔L1よりも前記扉
収納空間4の奥端部側に装着される後ろ側上下2つのリ
ンク端部21b,22b間の間隔L2を大ならしめ、前
記4つのリンク端部の内、1つのリンク端部21aのみ
を対応する一定位置に軸支し、残りの3つのリンク端部
21b〜22bに軸支したローラ28,31,33を、
対応する箇所に付設した昇降ガイドレール24,30に
夫々昇降可能に係合させた装置。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、テレビジョン受像機や仏壇などを収納する据え置き形或いは作り付 けの各種収納家具などに使用される観音開き扉や片開き扉を、前後縦向きの開き 姿勢で、前記収納家具などの側部に形成された扉収納空間内へ押し込んで収納す るための、扉押し込み収納装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
この種の扉押し込み収納装置は、前後方向の扉収納空間内に前後方向に移動可 能な扉支持用可動体を設け、この可動体に扉を開閉可能に枢着し、前記扉を左右 横向きの閉じ姿勢から前後縦向きの開き姿勢に切り換えた状態で当該扉を前記可 動体と共に前記扉収納空間内に押し込み可能に構成されたものであるが、前記扉 を収納空間内へ押し込むときや引き出すときに、当該扉と一体に前後移動する前 記可動体が前後に傾くことなく、正確に垂直姿勢を保って円滑に前後移動するこ とが必要である。
【0003】 而して、従来のこの種の扉押し込み収納装置としては、前記可動体の上下両端 を各々前後方向ガイドレールにより前後移動可能に支持させるレール方式か、ま たは前記可動体と前記扉収納空間の奥端部とを、2本のリンクを中央部で互いに 枢着したクロス形リンクで連結し、当該クロス形リンクにより前後移動時の前記 可動体を垂直姿勢に保たせるようにしたリンク方式が知られている。
【0004】 前者のレール方式では、前後方向ガイドレールに係合する部分の前後方向長さ を長くしなければ、移動する可動体の垂直姿勢を確実に保持することが出来ない ばかりでなく、円滑な前後移動を行わせることも出来ないので、扉収納空間の奥 行きの内、可動体が占める部分が大きくなり、巾広の扉を収納することが出来な くなる。勿論、上下一対の平行な前後方向ラックギヤを架設し、これら両ラック ギヤに咬合し且つ互いに連動連結された上下一対のピニオンギヤを前記可動体に 軸支することも考えられたが、装置全体の大型化、大重量化を招くばかりでなく 、大幅なコスト高にもなる。
【0005】 前記リンク方式では、前記可動体の上下両端に係合する振れ止め用ガイドレー ルが併用されるが、荷重によるリンクの経時的変形や軸支部の摩耗によって、可 動体の垂直姿勢を長期にわたって確実に保持することが出来ない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記のような従来の問題点を解決するために成されたものであって、 その特徴を後述する実施例の参照符号を付して示すと、本考案の扉の押し込み収 納装置は、前後方向の扉収納空間4内に前後方向に移動可能な扉支持用可動体9 を設け、この可動体9に扉6を開閉可能に枢着し、前記扉6を左右横向きの閉じ 姿勢Aから前後縦向きの開き姿勢Bに切り換えた状態で当該扉6を前記可動体9 と共に前記扉収納空間4内に押し込み可能に構成した扉押し込み収納装置におい て、前記扉支持用可動体9の上端を吊下用ガイドレール7で吊り下げると共に、 当該可動体9の下端を振れ止め用ガイドレール8に係合させ、前記扉収納空間4 の奥端部と前記可動体9との間に、前後方向に移動する前記可動体9を垂直姿勢 に保持するリンク機構20を介装し、このリンク機構20は、2本のリンク21 ,22をクロス状に枢着すると共に、4つのリンク端部21a〜22bの内、前 記可動体9側に装着される前側上下2つのリンク端部21a,22a間の間隔よ りも前記扉収納空間4の奥端部側に装着される後ろ側上下2つのリンク端部21 b,22b間の間隔を大ならしめ、前記4つのリンク端部21a〜22bの内、 1つのリンク端部21aのみを対応する一定位置に軸支し、残りの3つのリンク 端部21b〜22bに軸支したローラ28,31,33を、対応する箇所に付設 した昇降ガイドレール24,30に夫々昇降可能に係合させた点に特徴を有する 。
【0007】 また、好ましい実施例では、前記リンク機構20における前側上下2つのリン ク端部21a,22aは、前記可動体9に扉枢着用に取付けられている上下2つ の蝶番10間に配置せしめられる。
【0008】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を添付の例示図に基づいて説明すると、図1において 、1は収納家具であって、左右両側の外側板2とその内側に立設された内側板3 との間に、夫々前後方向の扉収納空間4が形成され、前面開口部5を開閉する左 右一対の観音開き扉6は、実線で示す左右横向きの閉じ姿勢Aから前後縦向きの 開き姿勢Bに開動させることにより、前記扉収納空間4内へ押し込むことが出来 る。
【0009】 前記左右一対の観音開き扉6は、何れも同一の扉押し込み収納装置によって支 持されているので、以下は片側の扉についてのみ説明する。図2および図3に示 すように、前記扉収納空間4の上端には前後方向の吊下用ガイドレール7が付設 され、前記扉収納空間4の下端には前後方向の振れ止め用ガイドレール8が付設 されている。9は扉支持用可動体であって、上下一対の蝶番10を介して扉6の 側辺が開閉可能に枢着されている。図示例の蝶番10は、図1に示すように扉6 を閉じたときにその側辺が収納家具1の外側板2の前面に被さる、所謂アウトセ ットが可能な特殊タイプのものであるが、扉6のアウトセットが不要な家具の場 合には、一般的な平蝶番などを使用することも出来る。また、扉6が大きいとき は、3つまたはそれ以上の個数の蝶番10を使用して扉6を可動体9に枢着する ことも出来る。
【0010】 図2および図3に示すように前記扉支持用可動体9は、その上端に設けられた ローラユニット11を介して前記吊下用ガイドレール7に前後方向移動可能に吊 り下げられると共に、その下端に設けられた係合部材12を介して前記振れ止め 用ガイドレール8に前後方向移動可能に係合している。図4〜図6に示すように 、前記吊下用ガイドレール7は上下に相対向する一対のレール部7aを有する断 面略C字形のものであって、前記ローラユニット11は、前記上下一対のレール 部7a間に嵌合する前後一対の溝付きローラ13を平板14に水平支軸15で軸 支したものであり、前記2つの溝付きローラ13間の中央真下位置で前記平板1 4を可動体9の上端に水平支軸16により前後方向揺動可能に枢着している。
【0011】 図4および図7に示すように、前記振れ止め用ガイドレール8は垂直に起立す る板状レール部8aを有するものであって、前記係合部材12は、前記板状レー ル部8aに嵌合する前後方向の溝17を底部に備え、前記可動体9の下端に2本 の押圧ねじ18と1本の締結用ボルトナット19とで上下高さ調整可能に取付け られている。
【0012】 図2および図3において、20は前記扉収納空間4の奥端部と前記可動体9と を連結するリンク機構であって、前後方向に移動する前記可動体9を垂直姿勢に 保持するためのものであり、同一長さの2本のリンク21,22を、中央位置よ り同一距離だけ一端に寄った位置で支軸23により互いに枢着したクロス形リン クが使用されている。従って、可動体9側に連結される前側上下2つのリンク端 部21a,22a間の間隔L1よりも後ろ側上下2つのリンク端部21b,22 b間の間隔L2が大きくなっている。
【0013】 図4、図7および図8に示すように、前記可動体9にはその上下方向全長にわ たって、前記吊下用ガイドレール7と同一断面形状の溝形の昇降ガイドレール2 4が一体形成されている。前記クロス形リンク機構20における前側上下一対の リンク端部21a,22aの内、上側のリンク端部21aは、前記可動体9に設 けられた昇降ガイドレール24の上端近傍に嵌合させて固定用ねじ25により固 定した軸受ブロック26に支軸27で軸支し、下側のリンク端部22aには、前 記昇降ガイドレール24における一対の相対向レール部24aに嵌合して昇降す る溝付きローラ28を支軸29で軸支している。なお、前記蝶番10は可動体9 に設けられている昇降ガイドレール24の上下両端近傍位置に重なる状態で取付 けられており、従って前記上下2つのリンク端部21a,22aは、前記上下2 つの蝶番10の間に配置されることになる。前記係合部材12は、前記可動体9 の昇降ガイドレール24の下端部に昇降可能に嵌合する部分を備え、前記2本の 押圧ねじ18は、当該昇降ガイドレール24の溝底面を押圧する。
【0014】 図2、図3および図9に示すように、前記扉収納空間4の奥端部には、前記吊 下用ガイドレール7と同一の昇降ガイドレール30が垂直に取付けられている。 前記クロス形リンク機構20における後ろ側上下一対のリンク端部21b,22 bには、前記昇降ガイドレール30における一対の相対向レール部30aに嵌合 して昇降する溝付きローラ31,33を夫々支軸32,34で軸支している。
【0015】 上記の構成によれば、上端が吊下用ガイドレール7に吊り下げられ且つ下端が 振れ止め用ガイドレール8に係合する扉支持用可動体9は、前記両ガイドレール 7,8に案内されて扉収納空間4内で前後方向に移動可能であり、当該可動体9 の前後移動に伴ってクロス形リンク機構20が、図2および図3に示すように開 閉運動を行う。このとき当該リンク機構20における中央支軸23と各リンク端 部21a〜22bの支軸27,29,32,34との間の距離が等しく、後ろ側 の上下一対のリンク端部支軸32,34が、溝付きローラ31,33と昇降ガイ ドレール30とにより垂直上下方向にのみ滑動可能であるから、このリンク機構 20により前記可動体9は垂直姿勢に保持されることになる。従って、この可動 体9に蝶番10で枢着されている扉6も常に垂直姿勢に保持され、重力で傾く恐 れはない。
【0016】 また前記リンク機構20は、その4つのリンク端部21a〜22bの内の1つ 、すなわち前側上方の1つのリンク端部21aのみが支軸27で可動体9上の固 定位置に軸支されているだけであり、当該位置固定のリンク端部21aに対応す る後ろ側上方のリンク端部22bは昇降ガイドレール30に昇降可能に係合して いるのであるから、このリンク機構20が前記可動体9の高さを規制することは なく、当該可動体9は吊下用ガイドレール7により安定的に吊り下げられること になる。従って、前記可動体9に作用する扉6の荷重は、前記リンク機構20に は全く作用せず、ローラユニット11の溝付きローラ13を介して前記吊下用ガ イドレール7に支持される。
【0017】 而して、図2に示すように可動体9が前進限位置まで引き出されているとき、 当該可動体9に蝶番10で枢着されている扉6は、その全体が図1に示す扉収納 空間4内から前方に露出し、前記可動体9に対して左右横向きの閉じ姿勢Aと前 後縦向きの開き姿勢Bとの間で開閉運動させることが出来る。扉6が前後縦向き Bにある状態では、当該扉6を後方に押して、当該扉6と可動体9とを一体に吊 下用ガイドレール7と振れ止め用ガイドレール8とに沿って後方へ移動させるこ とにより、前後縦向きの開き姿勢Bにある扉6を扉収納空間4内に押し込み収納 させることが出来る。また、扉収納空間4内に収納されている前後縦向きの開き 姿勢Bにある扉6は、手前に引っ張ることにより、可動体9と一体に吊下用ガイ ドレール7と振れ止め用ガイドレール8とに沿って前方へ移動させ、その扉全体 を扉収納空間4内から前方へ引き出すことが出来、係る状態で可動体9に対し左 右横向きの閉じ姿勢Aまで閉動させることが出来る。
【0018】 なお、扉6を扉収納空間4内に対して前後に出し入れしたとき、一体に前後移 動する可動体9に連結されているリンク機構20は、先に説明したように開閉運 動して可動体9および扉6を垂直姿勢に保持する働きをするが、図2および図3 で示すように扉6を扉収納空間4内から引き出すときは前後両下側のリンク端部 22a,21bが昇降ガイドレール24,30に沿って上動するので、例えば図 2および図4に示すように、可動体9側の昇降ガイドレール24に昇降可能に嵌 合し且つ任意高さで固定用ねじ35により固定されるストッパー36を設け、こ のストッパー36でリンク端部22a側の溝付きローラ28の上動を制限し、以 て、前方に引き出される扉6を、左右横向きの閉じ姿勢Aに向けて閉動させ得る 位置に停止させることが出来る。このストッパー36は、昇降ガイドレール30 側に設けることも出来る。
【0019】 図2および図3において、吊下用ガイドレール7の後端部に取付けたストッパ ー37は、可動体9の押し込み限位置を規制するものである。換言すれば、可動 体9の前後移動行程の両端位置を規制するストッパーとしては、当該可動体9( ローラユニット11や係合部材12など)に直接当接する位置に配設することも 出来るし、先に説明したようにリンク機構20における昇降可能なリンク端部( ローラ28,31,33)に当接する位置に配設することも出来るのである。
【0020】 また、扉収納空間4内に収納される扉6の底部が、図3に示すように振れ止め 用ガイドレール8と干渉するときは、扉6の底部に前記振れ止め用ガイドレール 8の起立板状レール部8aが嵌合する溝を扉6の長さ方向に設ければ良い。この ように構成すれば、扉収納空間4内に収納される扉6が横振れして、扉収納空間 4の側壁面に摺接するのを防止することが出来る。
【0021】 前記扉収納空間4内に収納されている扉6を引き出して閉動させるときは、当 該扉6の全体が扉収納空間4内から完全に露出する位置まで引き出した後でなけ れば、閉動時に扉6と扉収納空間4の側壁面とが衝突して損傷することになる。 このような事態を避けるために、可動体9を前方引き出し方向に付勢するスプリ ングを併用することが考えられる。例えばリンク機構20を開動させる方向に付 勢する引張コイルスプリング40を、図2に仮想線で示すようにリンク21,2 2間に張設させたり、リンク21または22と可動体9または昇降ガイドレール 30などの家具側との間に張設することが出来る。勿論、可動体9の前後移動行 程の中間位置を境にして、当該可動体9が前方引き出し方向側にあるときは当該 可動体9を引き出し方向に付勢し、当該可動体9が後方押し込み方向側にあると きは当該可動体9を押し込み方向に付勢するように、付勢方向が自動的に切り換 わるスプリング利用の付勢手段をリンク機構20に併設することは容易である。
【0022】 なお、リンク機構20の前側上下一対のリンク端部21a,22aの内、上側 のリンク端部21aを可動体9の固定位置に軸支したが、下側のリンク端部22 aを可動体9の固定位置に軸支すると共に、上側のリンク端部21aを昇降ガイ ドレール24に沿って昇降可能に構成しても良い。また、可動体9側の上下一対 のリンク端部21a,22aは何れも昇降ガイドレール24に沿って昇降可能に 構成し、昇降ガイドレール30側の上下一対のリンク端部21b,22bの何れ か一方を固定位置に軸支することも可能である。
【0023】
【考案の作用及び効果】
以上のように本考案による扉押し込み収納装置によれば、開閉可能な扉を前後 移動可能に支持する扉支持用可動体がリンク機構により常に垂直姿勢に保持され るのであるが、同時に当該可動体は吊下用ガイドレールに吊り下げられているの で、当該可動体に作用する扉側の重量を前記吊下用ガイドレールで支持させるこ とが出来、前記リンク機構が負荷重量による経時変化で変形したり軸支部が摩耗 して、前記可動体、延いては扉を垂直姿勢に保持することが出来なくなるような 恐れがなくなる。従って、常に扉を前記リンク機構の働きで垂直姿勢に保持させ ることが出来る。
【0024】 しかも、前記吊下用ガイドレールで吊り下げられている前記扉支持用可動体を 前記リンク機構で垂直姿勢に保持するのであるから、扉支持用可動体をガイドレ ールのみで垂直姿勢に保持する場合と比較して、当該可動体、延いては扉の扉収 納空間に対する出し入れを軽く円滑に行わせることが出来る。更に、前記扉支持 用可動体と吊下用ガイドレールとの係合部の前後方向長さを長くする必要は全く なく、前記リンク機構も、実施例に示したように構造簡単でコンパクトなものを 利用することが出来るので、装置全体の小型軽量化を図り得るばかりでなく、扉 収納空間の奥行きの内、前記可動体およびリンク機構が占める部分を小さくし、 巾広の扉を収納することも容易になる。
【0025】 特に本考案の構成によれば、前記リンク機構として、2本のリンクをクロス状 に枢着すると共に、4つのリンク端部の内、1つのリンク端部のみを対応する一 定箇所に軸支し、残りの3つのリンク端部に軸支したローラを、対応する箇所に 付設した昇降ガイドレールに夫々昇降可能に係合させたので、前記クロス形リン クにおける上側または下側の前後一対のリンク端を、前記可動体と家具側(扉収 納空間の奥端側)の固定位置に軸支する場合と比較して、前記リンク端部の軸支 位置や吊下用ガイドレールの取付け位置、或いは当該吊下用ガイドレールに係合 する可動体側ローラの軸支位置や直径などの精度などが多少悪くとも、若しくは 経時的な摩耗や変形によって、前記リンク機構の開閉運動と吊下用ガイドレール に対する可動体の前後運動とが互いに干渉し合って、両運動の一方若しくは両方 が円滑に行われなくなる恐れが解消する。
【0026】 更に、4つのリンク端部の内、前記可動体側に装着される前側上下2つのリン ク端部間の間隔よりも前記扉収納空間の奥端部側に装着される後ろ側上下2つの リンク端部間の間隔を大ならしめたので、実施例のように前側上下2つのリンク 端部を扉支持用可動体に扉枢着用に取付けられている上下2つの蝶番(3つ以上 の場合は上下両端にある蝶番)の間に配置しても、後ろ側上下2つのリンク端部 間の間隔が大きいので、当該リンク機構の開閉に伴う前記可動体の前後移動行程 を大きくすることが出来る。換言すれば、実施例のように前側上下2つのリンク 端部を扉支持用可動体に扉枢着用に取付けられている上下2つの蝶番の間に配置 して、当該可動体の前後方向巾を小さくし、以て扉収納空間内に占める前記可動 体の前後方向空間を小さくし、巾広の扉も収納可能に構成することが出来る。
【提出日】平成4年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、テレビジョン受像機や仏壇などを収納する据え置き形或いは作り付 けの各種収納家具などに使用される観音開き扉や片開き扉を、前後縦向きの開き 姿勢で、前記収納家具などの側部に形成された扉収納空間内へ押し込んで収納す るための、扉押し込み収納装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
この種の扉押し込み収納装置は、前後方向の扉収納空間内に前後方向に移動可 能な扉支持用可動体を設け、この可動体に扉を開閉可能に枢着し、前記扉を左右 横向きの閉じ姿勢から前後縦向きの開き姿勢に切り換えた状態で当該扉を前記可 動体と共に前記扉収納空間内に押し込み可能に構成されたものであるが、前記扉 を収納空間内へ押し込むときや引き出すときに、当該扉と一体に前後移動する前 記可動体が前後に傾くことなく、正確に垂直姿勢を保って円滑に前後移動するこ とが必要である。
【0003】 而して、従来のこの種の扉押し込み収納装置としては、前記可動体の上下方向 複数箇所に、家具本体側に前後方向水平に取付けられたスライドガイドレールに 嵌合するスライダーを取付けて、当該可動体を前後方向移動可能に支持させるレ ール方式か、または前記可動体と前記扉収納空間の奥端部とを、2本のリンクを 中央部で互いに枢着したクロス形リンクで連結し、当該クロス形リンクにより前 後移動時の前記可動体を垂直姿勢に保たせるようにしたリンク方式が知られてい る。
【0004】 前者のレール方式では、スライドガイドレールに嵌合するスライダーの前後方 向長さ(ガイドレールに嵌合する部分の長さ)を長くしなければ、移動する可動 体の垂直姿勢を確実に保持することが出来ないばかりでなく、円滑な前後移動を 行わせることも出来ないので、扉収納空間の奥行きの内、可動体が占める部分が 大きくなり、巾広の扉を収納することが出来なくなり、実用的ではなかった。勿 論、上下一対の平行な前後方向ラックギヤを架設し、これら両ラックギヤに咬合 し且つ互いに連動連結された上下一対のピニオンギヤを前記可動体に軸支するこ とも考えられたが、装置全体の大型化、大重量化を招くばかりでなく、大幅なコ スト高にもなるので、これも到底実用的とはいえなかった。
【0005】 前記リンク方式では、前記可動体の上下両端に係合する振れ止め用ガイドレー ルが併用されるが、荷重によるリンクの経時的変形や軸支部の摩耗によって、前 記可動体の垂直姿勢を長期にわたって確実に保持することが出来なかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記のような従来の問題点を解決するために成されたものであって、 その特徴を後述する実施例の参照符号を付して示すと、本考案の扉の押し込み収 納装置は、前後方向の扉収納空間4内に、上下複数本の前後方向ガイドレール7 ,8により前後方向に移動可能に支持された扉支持用可動体9を設け、この可動 体9に扉6を開閉可能に枢着し、前記扉収納空間4の奥端部と前記可動体9との 間に、前後方向に移動する前記可動体9を垂直姿勢に保持するリンク機構20を 介装した扉押し込み収納装置であって、前記リンク機構20は、2本のリンク2 1,22をクロス状に枢着すると共に、4つのリンク端部21a〜22bの内、 前記可動体9側に装着される前側上下2つのリンク端部21a,22a間の間隔 L1よりも前記扉収納空間4の奥端部側に装着される後ろ側上下2つのリンク端 部21b,22b間の間隔L2を大ならしめ、前記4つのリンク端部21a〜2 2bの内、1つのリンク端部21aのみを対応する一定位置に軸支し、残りの3 つのリンク端部21b〜22bに軸支したローラ28,31,33を、対応する 箇所に付設した昇降ガイドレール24,30に夫々昇降可能に係合させた点に特 徴を有する。
【0007】 また、請求項2に係る本考案では、前記リンク機構20における前側上下2つ のリンク端部21a,22aは、前記可動体9に扉枢着用に取付けられている上 下2つの蝶番10間に配置せしめられる。
【0008】 更に、請求項3に係る本考案では、前記前後方向ガイドレール7,8として、 前記扉支持用可動体9の上端部をローラ13を介して吊り下げる吊下用ガイドレ ール7と、前記扉支持用可動体9の下端部に取付けられた係合部材12が係合す る振れ止め用ガイドレール8とが設けられる。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を添付の例示図に基づいて説明すると、図1において 、1は収納家具であって、左右両側の外側板2とその内側に立設された内側板3 との間に、夫々前後方向の扉収納空間4が形成され、前面開口部5を開閉する左 右一対の観音開き扉6は、実線で示す左右横向きの閉じ姿勢Aから前後縦向きの 開き姿勢Bに開動させることにより、前記扉収納空間4内へ押し込むことが出来 る。
【0010】 前記左右一対の観音開き扉6は、何れも同一の扉押し込み収納装置によって支 持されているので、以下は片側の扉についてのみ説明する。図2および図3に示 すように、前記扉収納空間4の上端には前後方向の吊下用ガイドレール7が付設 され、前記扉収納空間4の下端には前後方向の振れ止め用ガイドレール8が付設 されている。9は扉支持用可動体であって、上下一対の蝶番10を介して扉6の 側辺が開閉可能に枢着されている。図示例の蝶番10は、図1に示すように扉6 を閉じたときにその側辺が収納家具1の外側板2の前面に被さる、所謂アウトセ ットが可能な特殊タイプのものであるが、扉6のアウトセットが不要な家具の場 合には、一般的な平蝶番などを使用することも出来る。また、扉6が大きいとき は、3つまたはそれ以上の個数の蝶番10を使用して扉6を可動体9に枢着する ことも出来る。
【0011】 図2および図3に示すように前記扉支持用可動体9は、その上端に設けられた ローラユニット11を介して前記吊下用ガイドレール7に前後方向移動可能に吊 り下げられると共に、その下端に設けられた係合部材12を介して前記振れ止め 用ガイドレール8に前後方向移動可能に係合している。図4〜図6に示すように 、前記吊下用ガイドレール7は上下に相対向する一対のレール部7aを有する断 面略C字形のものであって、前記ローラユニット11は、前記上下一対のレール 部7a間に嵌合する前後一対の溝付きローラ13を平板14に水平支軸15で軸 支したものであり、前記2つの溝付きローラ13間の中央真下位置で前記平板1 4を可動体9の上端に水平支軸16により前後方向揺動可能に枢着している。
【0012】 図4および図7に示すように、前記振れ止め用ガイドレール8は垂直に起立す る板状レール部8aを有するものであって、前記係合部材12は、前記板状レー ル部8aに嵌合する前後方向の溝17を底部に備え、前記可動体9の下端に2本 の押圧ねじ18と1本の締結用ボルトナット19とで上下高さ調整可能に取付け られている。
【0013】 図2および図3において、20は前記扉収納空間4の奥端部と前記可動体9と を連結するリンク機構であって、前後方向に移動する前記可動体9を垂直姿勢に 保持するためのものであり、同一長さの2本のリンク21,22を、中央位置よ り同一距離だけ一端に寄った位置で支軸23により互いに枢着したクロス形リン クが使用されている。従って、可動体9側に連結される前側上下2つのリンク端 部21a,22a間の間隔L1よりも後ろ側上下2つのリンク端部21b,22 b間の間隔L2が大きくなっている。
【0014】 図4、図7および図8に示すように、前記可動体9にはその上下方向全長にわ たって、前記吊下用ガイドレール7と同一断面形状の溝形の昇降ガイドレール2 4が一体形成されている。前記クロス形リンク機構20における前側上下一対の リンク端部21a,22aの内、上側のリンク端部21aは、前記可動体9に設 けられた昇降ガイドレール24の上端近傍に嵌合させて固定用ねじ25により固 定した軸受ブロック26に支軸27で軸支し、下側のリンク端部22aには、前 記昇降ガイドレール24における一対の相対向レール部24aに嵌合して昇降す る溝付きローラ28を支軸29で軸支している。なお、前記蝶番10は可動体9 に設けられている昇降ガイドレール24の上下両端近傍位置に重なる状態で取付 けられており、従って前記上下2つのリンク端部21a,22aは、前記上下2 つの蝶番10の間に配置されることになる。前記係合部材12は、前記可動体9 の昇降ガイドレール24の下端部に昇降可能に嵌合する部分を備え、前記2本の 押圧ねじ18は、当該昇降ガイドレール24の溝底面を押圧する。
【0015】 図2、図3および図9に示すように、前記扉収納空間4の奥端部には、前記吊 下用ガイドレール7と同一の昇降ガイドレール30が垂直に取付けられている。 前記クロス形リンク機構20における後ろ側上下一対のリンク端部21b,22 bには、前記昇降ガイドレール30における一対の相対向レール部30aに嵌合 して昇降する溝付きローラ31,33を夫々支軸32,34で軸支している。
【0016】 上記の構成によれば、上端が吊下用ガイドレール7に吊り下げられ且つ下端が 振れ止め用ガイドレール8に係合する扉支持用可動体9は、前記両ガイドレール 7,8に案内されて扉収納空間4内で前後方向に移動可能であり、当該可動体9 の前後移動に伴ってクロス形リンク機構20が、図2および図3に示すように開 閉運動を行う。このとき当該リンク機構20における中央支軸23と各リンク端 部21a〜22bの支軸27,29,32,34との間の距離が等しく、後ろ側 の上下一対のリンク端部支軸32,34が、溝付きローラ31,33と昇降ガイ ドレール30とにより垂直上下方向にのみ滑動可能であるから、このリンク機構 20により前記可動体9は垂直姿勢に保持されることになる。従って、この可動 体9に蝶番10で枢着されている扉6も常に垂直姿勢に保持され、重力で傾く恐 れはない。
【0017】 また前記リンク機構20は、その4つのリンク端部21a〜22bの内の1つ 、すなわち前側上方の1つのリンク端部21aのみが支軸27で可動体9上の固 定位置に軸支されているだけであり、当該位置固定のリンク端部21aに対応す る後ろ側上方のリンク端部22bは昇降ガイドレール30に昇降可能に係合して いるのであるから、このリンク機構20が前記可動体9の高さを規制することは なく、当該可動体9は吊下用ガイドレール7により安定的に吊り下げられること になる。従って、前記可動体9に作用する扉6の荷重は、前記リンク機構20に は全く作用せず、ローラユニット11の溝付きローラ13を介して前記吊下用ガ イドレール7に支持される。
【0018】 而して、図2に示すように可動体9が前進限位置まで引き出されているとき、 当該可動体9に蝶番10で枢着されている扉6は、その全体が図1に示す扉収納 空間4内から前方に露出し、前記可動体9に対して左右横向きの閉じ姿勢Aと前 後縦向きの開き姿勢Bとの間で開閉運動させることが出来る。扉6が前後縦向き Bにある状態では、当該扉6を後方に押して、当該扉6と可動体9とを一体に吊 下用ガイドレール7と振れ止め用ガイドレール8とに沿って後方へ移動させるこ とにより、前後縦向きの開き姿勢Bにある扉6を扉収納空間4内に押し込み収納 させることが出来る。また、扉収納空間4内に収納されている前後縦向きの開き 姿勢Bにある扉6は、手前に引っ張ることにより、可動体9と一体に吊下用ガイ ドレール7と振れ止め用ガイドレール8とに沿って前方へ移動させ、その扉全体 を扉収納空間4内から前方へ引き出すことが出来、係る状態で可動体9に対し左 右横向きの閉じ姿勢Aまで閉動させることが出来る。
【0019】 なお、扉6を扉収納空間4内に対して前後に出し入れしたとき、一体に前後移 動する可動体9に連結されているリンク機構20は、先に説明したように開閉運 動して可動体9および扉6を垂直姿勢に保持する働きをするが、図2および図3 で示すように扉6を扉収納空間4内から引き出すときは前後両下側のリンク端部 22a,21bが昇降ガイドレール24,30に沿って上動するので、例えば図 2および図4に示すように、可動体9側の昇降ガイドレール24に昇降可能に嵌 合し且つ任意高さで固定用ねじ35により固定されるストッパー36を設け、こ のストッパー36でリンク端部22a側の溝付きローラ28の上動を制限し、以 て、前方に引き出される扉6を、左右横向きの閉じ姿勢Aに向けて閉動させ得る 位置に停止させることが出来る。このストッパー36は、昇降ガイドレール30 側に設けることも出来る。
【0020】 図2および図3において、吊下用ガイドレール7の後端部に取付けたストッパ ー37は、可動体9の押し込み限位置を規制するものである。換言すれば、可動 体9の前後移動行程の両端位置を規制するストッパーとしては、当該可動体9( ローラユニット11や係合部材12など)に直接当接する位置に配設することも 出来るし、先に説明したようにリンク機構20における昇降可能なリンク端部( ローラ28,31,33)に当接する位置に配設することも出来るのである。
【0021】 また、扉収納空間4内に収納される扉6の底部が、図3に示すように振れ止め 用ガイドレール8と干渉するときは、扉6の底部に前記振れ止め用ガイドレール 8の起立板状レール部8aが嵌合する溝を扉6の長さ方向に設ければ良い。この ように構成すれば、扉収納空間4内に収納される扉6が横振れして、扉収納空間 4の側壁面に摺接するのを防止することが出来る。
【0022】 前記扉収納空間4内に収納されている扉6を引き出して閉動させるときは、当 該扉6の全体が扉収納空間4内から完全に露出する位置まで引き出した後でなけ れば、閉動時に扉6と扉収納空間4の側壁面とが衝突して損傷することになる。 このような事態を避けるために、可動体9を前方引き出し方向に付勢するスプリ ングを併用することが考えられる。例えばリンク機構20を開動させる方向に付 勢する引張コイルスプリング40を、図2に仮想線で示すようにリンク21,2 2間に張設させたり、リンク21または22と可動体9または昇降ガイドレール 30などの家具側との間に張設することが出来る。勿論、可動体9の前後移動行 程の中間位置を境にして、当該可動体9が前方引き出し方向側にあるときは当該 可動体9を引き出し方向に付勢し、当該可動体9が後方押し込み方向側にあると きは当該可動体9を押し込み方向に付勢するように、付勢方向が自動的に切り換 わるスプリング利用の付勢手段をリンク機構20に併設することは容易である。
【0023】 なお、リンク機構20の前側上下一対のリンク端部21a,22aの内、上側 のリンク端部21aを可動体9の固定位置に軸支したが、下側のリンク端部22 aを可動体9の固定位置に軸支すると共に、上側のリンク端部21aを昇降ガイ ドレール24に沿って昇降可能に構成しても良い。また、可動体9側の上下一対 のリンク端部21a,22aは何れも昇降ガイドレール24に沿って昇降可能に 構成し、昇降ガイドレール30側の上下一対のリンク端部21b,22bの何れ か一方を固定位置に軸支することも可能である。
【0024】 更に、上記実施例では、可動体9を支持する上下複数本の前後方向ガイドレー ルとして、吊下用ガイドレール7と振れ止め用ガイドレール8とを使用したが、 家具本体側(外側板2の内面)の上下複数箇所に各々スライドガイドレールを前 後方向水平に取付け、これら各スライドガイドレールに嵌合するスライダーに前 記可動体9を垂直姿勢に固着して成る従来の扉押し込み収納装置に、本考案を適 用実施することも出来る。
【0025】
【考案の作用及び効果】
以上のように本考案による扉押し込み収納装置は、上下方向複数本の前後方向 ガイドレールによって前後方向移動可能に支持された扉支持用可動体の垂直姿勢 を、当該可動体と扉収納区間の奥端部との間に介装されたリンク機構によって維 持させようとするものであるが、前記リンク機構として、2本のリンクを中央部 で互いに枢着すると共に、4つのリンク端部の内、前側上下2つのリンク端部は 前記可動体に装着し、後ろ側上下2つのリンク端部は前記扉収納空間奥端部に装 着して成るクロス形リンクを使用し、前記4つのリンク端部の内、1つのリンク 端部のみを対応する一定箇所に軸支し、残りの3つのリンク端部に軸支したロー ラを、対応する箇所に付設した昇降用ガイドレールに夫々昇降可能に係合させた ので、前記クロス形リンクにおける上側または下側の前後一対のリンク端部を、 前記可動体と家具側(扉収納空間の奥端側)の固定位置に軸支する場合のように 、前記可動体に作用する扉側重量が前記リンク機構に作用することがない。
【0026】 換言すれば、リンク機構は扉支持用可動体を垂直姿勢に維持するための機能の みを担当させ、扉側の重量を受け持たせる機能は、前記扉支持用可動体を前後移 動可能に支持する上下複数本の前後方向ガイドレールの内の少なくとも1本で担 当させることが出来る。このような本考案の構成により、前記リンク端部の軸支 位置や前後方向ガイドレールの取付け位置、或いは当該前後方向ガイドレールに 係合する可動体側ローラなどの取付け位置の精度などが多少悪くとも、若しくは 経時的な摩耗や変形によって、前記リンク機構の開閉運動と前後方向ガイドレー ルに対する可動体の前後運動とが互いに干渉し合って、両運動の一方若しくは両 方が円滑に行われなくなる、というような恐れがなくなり、従来のレール方式と リンク方式の両者を組み合わせることが可能となるに至ったのである。
【0027】 従って、扉支持用可動体を前後方向移動可能に支持するガイドレールとしては 、実施例にも示したような吊下用ガイドレールと振れ止め用ガイドレールとの組 み合わせなど、扉側の重量を受け持たせることが出来且つ左右横方向の振れを止 めることが出来るものでありさえすれば良く、扉支持用可動体を垂直姿勢に維持 する機能は全くないものでも活用することが出来る。一方、扉支持用可動体を垂 直姿勢に維持させるリンク機構としても、扉側の重量を受け持たせる必要がない ので軽量小型に構成することが出来る。
【0028】 以上の理由から本考案によれば、装置全体を小型軽量且つ安価に構成すること が出来、しかも扉収納空間に対する扉の出し入れを軽く円滑に行わせることが出 来る。更に、前後方向ガイドレールに対する扉支持用可動体側の前後方向スライ ド部材(スライダー)の前後方向長さを長くする必要は全くないので、扉収納空 間の奥行きの内、前記可動体などが占める部分を小さくし、巾広の扉を収納する ことも容易になる。
【0029】 更に、本考案の構成によれば、前記リンク機構における4つのリンク端部の内 、前記可動体側に装着される前側上下2つのリンク端部間の間隔よりも前記扉収 納空間の奥端部側に装着される後ろ側上下2つのリンク端部間の間隔を大ならし めたので、実施例のように前側上下2つのリンク端部を扉支持用可動体に扉枢着 用に取付けられている上下2つの蝶番(3つ以上の場合は上下両端にある蝶番) の間に配置しても、後ろ側上下2つのリンク端部間の間隔が大きいので、当該リ ンク機構の開閉に伴う前記可動体の前後移動行程を大きくすることが出来る。換 言すれば、実施例のように前側上下2つのリンク端部を扉支持用可動体に扉枢着 用に取付けられている上下2つの蝶番の間に配置して、当該可動体の前後方向巾 を小さくし、以て扉収納空間内に占める前記可動体の前後方向空間を小さくし、 巾広の扉も収納可能に構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】観音開き扉の運動を説明する概略平面図であ
る。
【図2】扉収納空間内から扉を前方に引き出した状態を
示す縦断側面図である。
【図3】扉収納空間内に扉を押し込み収納した状態を示
す縦断側面図である。
【図4】扉支持用可動体周辺の詳細を示す一部切り欠き
側面図である。
【図5】扉支持用可動体の上半部を示す一部切り欠き縦
断正面図である。
【図6】吊下用ガイドレールとこれに係合するローラと
を分解して示す縦断正面図である。
【図7】扉支持用可動体の下半部を示す一部切り欠き縦
断正面図である。
【図8】扉支持用可動体とこれに係合するリンク機構側
のローラとを分解して示す横断平面図である。
【図9】扉収納空間の奥端部側の昇降ガイドレールとリ
ンク機構とを示す縦断正面図である。
【符号の説明】
4 扉収納空間 6 扉 7 吊下用ガイドレール 8 振れ止め用ガイドレール 9 扉支持用可動体 10 蝶番 11 ローラユニット 12 係合部材 13 溝付きローラ 20 リンク機構 21 リンク 21a 位置固定のリンク端部 21b 昇降可能なリンク端部 22 リンク 22a 昇降可能なリンク端部 22b 昇降可能なリンク端部 23 支軸 24 昇降ガイドレール 28 溝付きローラ 30 昇降ガイドレール 31 溝付きローラ 33 溝付きローラ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 扉押し込み収納装置
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】観音開き扉の運動を説明する概略平面図であ
る。
【図2】扉収納空間内から扉を前方に引き出した状態を
示す縦断側面図である。
【図3】扉収納空間内に扉を押し込み収納した状態を示
す縦断側面図である。
【図4】扉支持用可動体周辺の詳細を示す一部切り欠き
側面図である。
【図5】扉支持用可動体の上半部を示す一部切り欠き縦
断正面図である。
【図6】吊下用ガイドレールとこれに係合するローラと
を分解して示す縦断正面図である。
【図7】扉支持用可動体の下半部を示す一部切り欠き縦
断正面図である。
【図8】扉支持用可動体とこれに係合するリンク機構側
のローラとを分解して示す横断平面図である。
【図9】扉収納空間の奥端部側の昇降ガイドレールとリ
ンク機構とを示す縦断正面図である。
【符号の説明】 4 扉収納空間 6 扉 7 吊下用ガイドレール 8 振れ止め用ガイドレール 9 扉支持用可動体 10 蝶番 11 ローラユニット 12 係合部材 13 溝付きローラ 20 リンク機構 21 リンク 21a 位置固定のリンク端部 21b 昇降可能なリンク端部 22 リンク 22a 昇降可能なリンク端部 22b 昇降可能なリンク端部 23 支軸 24 昇降ガイドレール 28 溝付きローラ 30 昇降ガイドレール 31 溝付きローラ 33 溝付きローラ 36 ストッパー 37 ストッパー
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】前後方向の扉収納空間内に前後方向に移動
    可能な扉支持用可動体を設け、この可動体に扉を開閉可
    能に枢着し、前記扉を左右横向きの閉じ姿勢から前後縦
    向きの開き姿勢に切り換えた状態で当該扉を前記可動体
    と共に前記扉収納空間内に押し込み可能に構成した扉押
    し込み収納装置において、前記扉支持用可動体の上端を
    吊下用ガイドレールで吊り下げると共に、当該可動体の
    下端を振れ止め用ガイドレールに係合させ、前記扉収納
    空間の奥端部と前記可動体との間に、前後方向に移動す
    る前記可動体を垂直姿勢に保持するリンク機構を介装
    し、このリンク機構は、2本のリンクをクロス状に枢着
    すると共に、4つのリンク端部の内、前記可動体側に装
    着される前側上下2つのリンク端部間の間隔よりも前記
    扉収納空間の奥端部側に装着される後ろ側上下2つのリ
    ンク端部間の間隔を大ならしめ、前記4つのリンク端部
    の内、1つのリンク端部のみを対応する一定位置に軸支
    し、残りの3つのリンク端部に軸支したローラを、対応
    する箇所に付設した昇降ガイドレールに夫々昇降可能に
    係合させて成る扉押し込み収納装置。
  2. 【請求項2】前記リンク機構における前側上下2つのリ
    ンク端部は、前記可動体に扉枢着用に取付けられている
    上下2つの蝶番間に配置して成る、請求項1に記載の扉
    押し込み収納装置。
JP10332791U 1991-11-19 1991-11-19 扉押し込み収納装置 Pending JPH0545183U (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101363168B1 (ko) * 2013-09-12 2014-02-14 한국호진공업 주식회사 안전사고 방지용 슬라이딩 창문 가이드 바
JP2023506310A (ja) * 2019-12-19 2023-02-15 ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー 互いに相対的に可動の2つの家具部分を解除可能にロックするためのロック装置

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