JPH0544943Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、カセツトケース本体とガードパネル
とからなり、このガードパネルを閉位置にロツク
するためのロツクプレートを備えた磁気テープカ
セツトに関するものである。

（従来の技術） 従来より、磁気テープをケース内に収容してな
る磁気テープカセツトが種々開発され、実用に供
されている。これらの磁気テープカセツトのう
ち、ビデオカセツト等は、第４図に示すように磁
気テープ２を上ハーフ１Ａ、下ハーフ１Ｂからな
るケース１内に収容してなるカセツトケース本体
３の一端面であり、磁気テープ２を露出して走行
させるテープ走行面１ａ上に、走行面と平行なガ
ード部４を有するカードパネル６が備えられてい
る。このガードパネル６は、前記ガード部が、走
行面上の磁気テープを覆う閉位置と、走行面上の
磁気テープを露出させる開位置をとり得るよう
に、側部に設けられた支軸７をケース１の孔部８
に係合させてカセツトケース本体３に回動可能に
取付けられている。

また上記カセツトケース本体３内には、カセツ
ト不使用時に上記ガードパネルを閉位置にロツク
するロツクプレートが設けられている。すなわ
ち、第５図に示すように、上記ロツクプレート１
０は、板状のプレート本体１１と、このプレート
本体１１に植設され該プレート本体と略垂直方向
に突出した第１および第２の突部１２，１３と、
プレート本体１１と一体的に形成され、水平方向
に延びた軸部１４と、この軸部１４にコイル部１
５ａを係合させてなるトーシヨンバネ１５とから
なつており、下ハーフ１Ｂの側端部に形成された
ロツクプレート取付部２０内に装着される。ロツ
クプレート取付部２０の側壁２４には２つの孔部
２１，２２が形成されており、ロツクプレート１
０は上記突部１２，１３をそれぞれ孔部２１，２
２に係合させつつロツクプレート取付部２０に装
着される。その際に前記トーシヨンバネ１５はそ
の一方の脚部１５ｂをロツクプレート取付部２０
の内壁面２３に当接させ、他方の脚部１５ｃをこ
の内壁面２３と対向するロツクプレート１１の裏
面（突部１２，１３が設けられているのと反対側
の面）に当接させ、これにより突部１２，１３は
孔部２１，２２からケース外方に向けて付勢され
る。前記ガードパネル６の内側面には上記突部１
３と係合可能な凹部５が形成されており、上記の
ように外方に付勢された突部１３と凹部５が係合
することにより、ガードパネルは開位置に回動す
ることが防止され、閉位置にロツクされる。ま
た、突部１２はガードパネル６に覆われずに外部
に露出しており、磁気テープカセツトがその使用
時にカセツトデツキ等に装填されるとデツキ側の
部材がこの突部１２を押してロツクプレート１０
全体をカセツトケース本体３内に押し込み、ガー
ドパネル６のロツクを解除する。

上記トーシヨンバネ１５の他方の脚部１５ｃを
当接させるプレート本体１１の裏面１１ａには、
第６図に示すように２つの突起１６，１７が、軸
部１４の延びる方向に並んで形成されており、上
記脚部１５ｃはこれらの突起１６，１７の間に形
成される溝部１８内に装着されるようになつてい
る。

（考案が解決しようとする課題） 上記ロツクプレート１０は、カセツトケース本
体３内に組み込まれるのに先立つて、まずトーシ
ヨンバネ１５をプレート本体側に係合させること
が必要であるが、その際に従来はトーシヨンバネ
の係合不良が発生しやすいという不都合が認めら
れていた。すなわち、トーシヨンバネ１５は、第
６図に示すように軸部１４に沿つて矢印Ａ方向に
移動せしめられ、コイル部１５ａを軸部１４に係
合させるようになつているが、その際にトーシヨ
ンバネ１５は、脚部１５ｃがトーシヨンバネの移
動方向上流側にある突部１７に当接しないよう
に、第８図に示すように所定の取付位置から角度
θ₁だけ回動せしめられている。しかしながら、突
起１７は、第７図に示すように形状が直方体であ
るため、トーシヨンバネ取付時にトーシヨンバネ
の回動位置がバラついたりトーシヨンバネの成形
時に脚部１５ｂ，１５ｃのなす角度がバラついた
りすると、脚部１５ｃは突起１７の上端部に引掛
りやすく、溝部１８内に正しく装着されずに係合
不良になる場合がある。これとともに、係合時に
おいてトーシヨンバネと突起１６，１７との相対
的な位置関係がバラつくと、脚部１５ｃが突起１
６，１７上に乗り上げてしまうこともあり、これ
により係合不良が発生する場合もある。

本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
ものであり、トーシヨンバネをロツクプレートの
軸部に係合させる際に、トーシヨンバネの係合不
良を防止することのできる構造を有するロツクプ
レートを備えた磁気テープカセツトを提供するこ
とを目的とするものである。

（課題を解決するための手段および作用） 本考案の磁気テープカセツトは、上述したロツ
クプレートの２つの突起の互いに対向する内壁面
に、プレート本体に向けて徐々に２つの突起の間
隔を狭くする第１のテーパ面がそれぞれ形成され
るとともに、トーシヨンバネの移動の方向の上流
側にある突起の前述した軸部側端部に、該軸部に
向かつて徐々に突起の高さを減少させる第２のテ
ーパ面が形成されていることを特徴とするもので
ある。

上記のように２つの突起にそれぞれ第１のテー
パ面を設けておけば、係合時にトーシヨンバネと
突起の相対位置が若干バラついても、トーシヨン
バネの脚部はテーパ面により突起の間の溝部内に
案内され、突起上に乗り上げてしまうといつた不
都合は生じない。また、トーシヨンバネの移動方
向の上流側にある突起に上記のような第２のテー
パ面を設けておけば、脚部はその傾きが多少バラ
ついても突起に引掛りにくくなり、係合不良の発
生を防止することができる。

（実施例） 以下、図面を参照して本考案の実施例について
説明する。

第１図は本考案の一実施例による磁気テープカ
セツトのロツクプレートの斜視図である。なお、
前述したロツクプレートの同一部材には同一番号
を付し、詳しい説明は省略する。また、本考案の
磁気テープカセツトのロツクプレート以外の部分
の構成は、前述した磁気テープカセツトと同様で
あるので、ここでは特に説明は行なわない。

図示のロツクプレート１０は、プレート本体１
１の裏面１１ａは、軸部１４の延びる方向に並ん
だ２つの突起２６，２７を有しており、軸部１４
にコイル部１５ａを係合させたトーシヨンバネ１
５は、２つの脚部１５ｂ，１５ｃのうちの脚部１
５ｃを上記突起２６，２７の間に形成された溝部
２８内に位置させるようになつている。上記トー
シヨンバネ１５は、軸部１４に沿つて矢印Ａ方向
に移動せしめられ、ロツクプレート１０に取り付
けられるが、上記突起２６，２７には、トーシヨ
ンバネ１５の取付けを確実に行なわせるためのテ
ーパ面がそれぞれ設けられている。上記突起２
６，２７の拡大斜視図、および平面図を第２図
ａ，ｂにそれぞれ示す。

突起２６および突起２７の互いに対向する内壁
面には、それぞれ溝部２８の間隔をプレート本体
１１に向けて徐々に狭くする第１のテーパ面２６
ａ，２７ａが形成されている。また突起２７の軸
部１４側端部には、突起の高さを軸部１４に向か
つて徐々に減少させる第２のテーパ面２７ｂが形
成されている。トーシヨンバネ１５を軸部１４に
係合させる際に、トーシヨンバネ１５は第３図に
示すように突起２７に当接しないように所定の角
度傾けられるが、前述したようにトーシヨンバネ
の足角がバラついたり、トーシヨンバネの回動位
置が所定の位置から傾いたりすると、脚部１５ｃ
が突起に引掛るという不都合が生じていた。これ
に対して、突起２７に上述した第２のテーパ面２
７ｂを設けておけば、脚部１５ｃは突起２７上を
通過しやすくなり、突起２７に当接して係合不良
が生じることを防止することができる。第３図に
示すように第２のテーパ面２７ｂを設けておけ
ば、テーパ面２７ｂが設けられていない場合に比
べ、脚部１５ｃが通過できる位置の範囲は角度θ₂
だけ増加する。

またトーシヨンバネ１５が軸部１４と係合した
際に、トーシヨンバネ１５と突起２６，２７との
相対位置が正しく決められた場合には、脚部１５
ｃは第２図ｂに一点鎖線で示すように溝部２８内
に位置せしめられるが、上記相対位置が所定の位
置から第２図ｂ左右方向に若干ずれた場合には、
脚部１５ｃが突起２６，２７上に位置してしまう
ことも考えられる。しかしながら、本実施例にお
ける突起２６，２７には前述した第１のテーパ面
２６ａ，２７ａが形成されているので、突起２
６，２７上の脚部１５ｃは溝部２８に向けて案内
され、脚部１５ｃが突起２６，２７上に乗り上げ
たままになるという不都合は生じなくなる。

このように上記ロツクプレートにおいては、プ
レート本体の裏面に設けられる２つの突起に２種
類のテーパ面を設けたことにより、トーシヨンバ
ネの脚部が突起に当接したり乗り上げたりするこ
とによる係合不良を防止することができる。な
お、上記のテーパ面の傾き角および形成される範
囲は、トーシヨンバネの形状やバネ部材の太さ、
突起の高さ、間隔等に応じて上記作用効果を達成
できる範囲内において適宜決定すればよく、上記
実施例に示したものに限られるものではない。例
えば第１のテーパ面については、２つの突起の内
壁面全体に亘つて形成してもよい。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の磁気テープカセ
ツトによれば、カセツトケース本体に取り付けら
れるロツクプレートの突起の形状を改良したこと
により、ロツクプレートにおけるトーシヨンバネ
の係合不良を防止することができ、ロツクプレー
トの歩留りを向上させることができるので、磁気
テープカセツト全体の製造を効率よく行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の磁気テープカセツトにおける
ロツクプレートの斜視図、第２図ａ，ｂは上記ロ
ツクプレートの突起を示す斜視図および平面図、
第３図は上記ロツクプレートの断面図、第４図は
磁気テープカセツトの斜視図、第５図は上記磁気
テープカセツトの要部の分解斜視図、第６図は従
来のロツクプレートの斜視図、第７図のロツクプ
レートの突起の拡大斜視図、第８図は従来のロツ
クプレートの断面図である。 ３……カセツトケース本体、６……ガードパネ
ル、１０……ロツクプレート、１１……プレート
本体、１２，１３……突部、１４……軸部、１５
……トーシヨンバネ、１５ａ……コイル部、１５
ｂ，１５ｃ……脚部、２６，２７……突起、２６
ａ，２７ａ……第１のテーパ面、２７ｂ……第２
のテーパ面、２８……溝部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁気テープを収納してなるカセツトケース本体
   と、該カセツトケース本体の磁気テープ摺動面上
   に取り付けられたガードパネルとからなり、前記
   カセツトケース本体に、板状のプレート本体と、
   該プレート本体に植設され該プレート本体と略垂
   直方向に突出した突部と、前記プレート本体に隣
   接して該プレート本体と一体的に形成され該プレ
   ート本体と略平行に延びた軸部と、コイル部と該
   コイル部から２つの方向に延びた２本の脚部とか
   らなり前記軸部に沿つて前記コイル部を移動させ
   ることにより、該コイル部を該軸部に係合させて
   なるトーシヨンバネとからなるロツクプレートが
   取り付けられ、前記トーシヨンバネの付勢力によ
   り前記突部を前記カセツトケース本体外に突出さ
   せて前記ガードパネルと係合させ、該ガードパネ
   ルを前記磁気テープ摺動面上の位置に固定する磁
   気テープカセツトにおいて、 前記プレート本体の、前記突部が形成された面
   と反対側の面に、前記軸部が延びる方向に並んで
   ２つの突起が設けられ、前記トーシヨンバネが前
   記２つの脚部の一方を前記カセツトケース本体内
   に形成された壁部に当接させるとともに、他方の
   脚部を前記２つの突起の間において前記プレート
   本体に当接させ、前記突起の互いに対向する内壁
   面に、前記プレート本体に向けて徐々に前記２つ
   の突起の間隔を狭くする第１のテーパ面がそれぞ
   れ形成されるとともに、前記コイル部の前記移動
   の方向の上流側にある前記突起の前記軸部側端部
   に、該軸部に向かつて徐々に突起の高さを減少さ
   せる第２のテーパ面が形成されていることを特徴
   とする磁気テープカセツト。