JPH0544902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、回転ヘツドシリンダに巻かれた状態
のままでの磁気テープの高速送り動作を含む磁気
テープの記録再生をおこなう磁気記録再生装置に
関する。

〔従来の技術〕

第３図および第４図は従来の磁気記録再生装置
の一例を示す説明図で、第３図は全体構成を示す
平面図、第４図は要部構成を示す拡大平面図であ
る。

従来の磁気記録再生装置は、第３図に示すよう
にシヤーシ１と、カセツト２から引出された磁気
テープ３が巻かれ、この磁気テープ３に対し情報
信号を入出力する回転ヘツドシリンダ４と、この
回転ヘツドシリンダ４の一方の側方に配置され、
磁気テープ３に当接するオーデイオ／コントロー
ルヘツド５と、他方の側方に配置され、磁気テー
プ３に当接する消去ヘツド６と、この消去ヘツド
６および回転ヘツドシリンダ４の近傍に配置さ
れ、磁気テープ３に当接してその振動を吸収する
インピーダンスローラ７と、一端にテンシヨンポ
スト８を備え、このテンシヨンポスト８を介し磁
気テープ３に張力を付与するテンシヨンアーム９
と、シヤーシ１に設けられ、磁気テープ３を引出
す動作体を案内する一対の溝１０，１１等を有し
ている。そして、上述したインピーダンスローラ
７および消去ヘツド６は、第４図に示すように、
支持軸１２を中心として回動可能なアーム１３に
装着されている。この支持軸１２がシヤーシ１に
設けられるとともに、アーム１３に同第４図の時
計方向の回動力がばね１４によつて付与され、こ
の時計方向の回動はシヤーシ１より突出するピン
１５により規制される。

この従来の磁気記録再生装置にあつては、磁気
テープ３を一定の速度で送りながらこの磁気テー
プ３の記録、再生等をおこなう際に、シヤーシ１
に固設されるテープガイドポストでの磁気テープ
３の送り方向に沿う瞬間的なすべりや、磁気テー
プ３が係合する回転ローラとその支持軸との間で
生じる磁気テープ３の送り方向に沿うすべりに伴
つて磁気テープ３が振動することがある。このよ
うに磁気テープ３が振動する状態で回転ヘツドシ
リンダ４部分を通過すると、画像ジツター、すな
わち画像が微少にゆれて、画質の低下を引き起こ
すことになる。そこで、周知のように、磁気テー
プ３の送りに伴つて回転するインピーダンスロー
ラ７が設けられ、このインピーダンスローラ７が
回転ヘツドシリンダ４近傍で磁気テープ３に当接
してその振動を吸収して、上述した画像ジツター
の減少を図るようになつている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、一般に磁気記録再生装置にあつて
は、最近の高画質化に伴い磁気テープの振動をよ
り確実に吸収することが求められており、このた
め、インピーダンスローラの大口径、大重量化を
招いている。そして、回転シリンダヘツドに磁気
テープが巻かれた状態のままで磁気テープの高速
送りをおこなうフルローデイングタイプにあつ
て、インピーダンスローラの大口径、大重量化が
実施されると、磁気テープの高速送りの場合に磁
気テープの張力が弱く、インピーダンスローラの
慣性が大きいことから、このインピーダンスロー
ラの外周面で磁気テープが摺動しやすく、したが
つて磁気テープの摩耗を生じやすい。特にインピ
ーダンスローラの外周部が切削金属体からなると
き、上述した磁気テープの摩耗が著しい。

上記のような従来の磁気記録再生装置では、磁
気テープ３の高速送り時にもこの磁気テープ３に
インピーダンスローラ７が当接することから、上
述したように磁気テープ３の摩耗が生じやすく、
また、振動の吸収によつて高画質化のためのイン
ピーダンスローラ７の大口径、大重量化を図ろう
としているにもかかわらず、磁気テープ３の摩耗
により高画質を保つことができないという問題が
あつた。なお、上述したフルローデイングタイプ
の他に、磁気テープをカセツト内に巻き込んだ状
態や、磁気テープを途中まで戻した状態で磁気テ
ープの高速送りをおこなうハーフローデイングタ
イプであるが、これについては本考案の対象外で
ある。

本考案はこのような従来技術における実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、フルローデイ
ングタイプにあつてインピーダンスローラの大口
径、大重量化にかかわらず磁気テープの高速送り
を実現することのできる磁気記録再生装置を提供
することにある。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案は、磁気テー
プに巻かれ、この磁気テープに対し情報信号が入
出力する回転ヘツドシリンダと、上記磁気テープ
に当接し、この磁気テープの振動を吸収するイン
ピーダンスローラと、シヤーシに回動可能に設置
され、上記インピーダンスローラを回転可能に支
持するアームとを具備し、回転ヘツドシリンダに
巻かれた状態のままでの磁気テープの高速送り動
作を含む磁気テープの記録再生をおこなう磁気記
録再生装置において、上記アームに備えられる第
１の係合部と、上記磁気テープの高速送り時に該
第１の係合部と係合する第２の係合部を有し上記
アームを回動させる回動手段とを設けた構成にし
てある。

〔作用〕

本考案は上記したように構成したので、磁気テ
ープの高速送り時に、回動手段に備えられる第２
の係合部が第１の係合部に係合し、この第１の係
合部を介してアームが回動され、アームに支持さ
れるインピーダンスローラが磁気テープから離隔
される。これによつて、上述した磁気テープの高
速送り時に、インピーダンスローラの外周面で磁
気テープが摺動することがないので、この磁気テ
ープの摩耗を防止でき、すなわち、フルローデイ
ングタイプにあつてインピーダンスローラの大口
径、大重量化にかかわらず磁気テープの高速送り
を実現することができる。

〔実施例〕

第１図および第２図は本考案の磁気記録再生装
置の一実施例を示す説明図で、第１図は磁気テー
プの記録再生時の状態を示す平面図、第２図は磁
気テープの高速送り時の状態を示す平面図であ
る。

第１図に示す磁気記録再生装置は、シヤーシ２
１と、カセツト２２から引き出された磁気テープ
２３が巻かれ、この磁気テープ２３に対し情報信
号を入出力する回転ヘツドシリンダ２４と、磁気
テープ２３を引出す動作体を案内する溝２５と、
一端にテンシヨンポスト２６を備え、このテンシ
ヨンポスト２６を介し磁気テープ２３に張力を付
与するテンシヨンアーム２７と、シヤーシ２１に
設けられ、テンシヨンアーム２７を回動可能に支
持する支持軸２８と、テンシヨンアーム２７の他
端に係着され、このテンシヨンアーム２７に第１
図の反時計方向の回動力を付与するばね２９と、
回転ヘツドシリンダ２４の一方の側方に配置さ
れ、磁気テープ２３に当接する消去ヘツド３０
と、この消去ヘツド３０および回転ヘツドシリン
ダ２４の近傍に配置され、磁気テープ２３に当接
してその振動を吸収する比較的大口径、大重量の
インピーダンスローラ３１と、シヤーシ２１に支
持軸３２を介し回動可能に配置され、インピーダ
ンスローラ３１を回転可能に支持するとともに、
消去ヘツド３０が取付けられるアーム３３と、こ
のアーム３３に第１図の時計方向の回動力を付与
するばね３４と、シヤーシ２１から突出し、アー
ム３３の回動を規制する突起３５などとを有す
る。そして、アーム３３には第１の係合部、例え
ば支持軸３２の近傍に配置されるピン３６が備え
られ、第２図に示すように、磁気テープ２３の高
速送り時にピン３６に係合する第２の係合部、例
えばカム部３７がテンシヨンアーム２７の一端に
設けられる。なお、テンシヨンアーム２７、支持
軸２８によつて、磁気テープ２３の高速送り時に
アーム３３を所定角度だけ回動させる回動手段を
構成している。

この実施例にあつて、第１図に示す磁気テープ
２３の、記録、再生時の状態から第２図に示す磁
気テープ２３の高速送り時の状態に移行する際、
テンシヨンアーム２７は図示しない機構手段によ
つて所定角度だけ第１図の時計方向に戻される。
これに伴い、磁気テープ２３への張力の付与が緩
和されるとともに、第２図に示すようにカム部３
７がピン３６に係合し、アーム３３が所定角度だ
け第２図の反時計方向に回動され、インピーダン
スローラ３１が第２図に示すように磁気テープ２
３から離隔される。

このように構成した実施例では、磁気テープ２
３の高速送り時にインピーダンスローラ３１の外
周面で磁気テープ２３が接触することがないの
で、磁気テープ２３の摩耗を防止でき、すなわ
ち、フルローデイングタイプにあつてインピーダ
ンスローラの大口径、大重量化にかかわらず磁気
テープの高速送りを実現できる。また、アーム３
３、テンシヨンアーム２７などを除く他のほとん
どの部品は従来のものと同等であることから、大
きな改造を要することがない。

〔考案の効果〕

本考案の磁気記録再生装置は以上のように構成
したので、磁気テープの高速送り時にインピーダ
ンスローラを磁気テープから離隔させることがで
き、したがつて、回転ヘツドシリンダに巻かれた
状態のままで磁気テープの高速送りをおこなう際
に、磁気テープがインピーダンスローラの外周面
で摺動することがなく、すなわち大口径、大重量
を有するインピーダンスローラを備えたものであ
つても磁気テープの摩耗を防止でき、高画質を保
つことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の磁気記録再生装
置の一実施例を示す説明図で、第１図は磁気テー
プの記録再生時の状態を示す平面図、第２図は磁
気テープの高速送り時の状態を示す平面図、第３
図および第４図は従来の磁気記録再生装置の一例
を示す説明図で、第３図は全体構成を示す平面
図、第４図は要部構成を示す拡大平面図である。 ２１……シヤーシ、２３……磁気テープ、２４
……回転ヘツドシリンダ、２６……テンシヨンポ
スト、２７……テンシヨンアーム、２８……支持
軸、３１……インピーダンスローラ、３２……支
持軸、３３……アーム、３６……ピン（第１の係
合部）、３７……カム部（第２の係合部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープが巻かれ、この磁気テープに対し情
   報信号を入出力する回転ヘツドシリンダと、上記
   磁気テープに当接し、この磁気テープの振動を吸
   収するインピーダンスローラと、シヤーシに回動
   可能に設置され、上記インピーダンスローラを回
   転可能に支持するアームとを具備し、回転ヘツド
   シリンダに巻かれた状態のままでの磁気テープの
   高速送り動作を含む磁気テープの記録再生をおこ
   なう磁気記録再生装置において、上記アームに備
   えられる第１の係合部と、上記磁気テープの高速
   送り時に該第１の係合部と係合する第２の係合部
   を有し上記アームを回動させる回動手段とを設け
   たことを特徴とする磁気記録再生装置。