JPH0544690A - 排水ポンプ用軸受構造及びポンプ - Google Patents

排水ポンプ用軸受構造及びポンプ

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JPH0544690A
JPH0544690A JP20034391A JP20034391A JPH0544690A JP H0544690 A JPH0544690 A JP H0544690A JP 20034391 A JP20034391 A JP 20034391A JP 20034391 A JP20034391 A JP 20034391A JP H0544690 A JPH0544690 A JP H0544690A
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俊宏 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 都市型洪水に対応する先行待機運転型排水機
場用ポンプの30分のドライ運転を可能とする。 【構成】 一方の摺動面をなす固定側軸受材料として含
油SiCを、他方の摺動面をなす回転側スリーブの材料
としてSiO2粒子を分散した酸化クロム被膜(CDC膜)
を摺動面にコーティングしたSUS403をそれぞれ用
いて軸受を構成する。 【効果】 含油SiCとCDC膜との摩擦係数は低く安
定であり、またCDC膜とスリーブの熱膨張率がほぼ等
しく、ドライ摺動によって発生する熱応力が極めて小さ
い。そのため、従来できなかった外部からの潤滑剤供給
なしの状態で30分間の先行待機運転が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排水機場用排水ポンプ
に係り、特に空転運転を行なう先行待機ポンプに適した
低摩擦係数と耐熱衝撃性とをかね備えた軸受構造及び該
軸受を備えた排水ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】排水ポンプシステムには近年の急激な都
市化に伴う都市型洪水の増加、地価高騰による用地取得
難、人材不足、運転維持管理費の増大という問題があ
る。これらの問題に対応すべく、ポンプシステムの高性
能化、小型化、高信頼性化についての研究が進められて
いる。現在、ポンプシステムの高性能化に対応する技術
として、ポンプシステムの先行待機運転技術が注目され
ている。先行待機運転技術とは、排水機場に排水が来る
前にポンプを空転運転しておき、実際の排水開始時に直
ちに十分な排水能力を発揮するものである。なお、先行
待機運転としては、ポンプの容量にもよるが、約30分間
の空転運転が必要である。
【0003】先行待機運転を可能とするためには、水の
ない状態、すなわちドライ状態で運転可能な軸受の開発
(以後、無給水軸受と称する)が必要である。また無給水
軸受は、先行待機運転ばかりでなく、従来のような軸受
に清浄水を流しておく給水システムを必要としないた
め、ポンプシステムの小型化、維持管理費の低減にも効
果的である。
【0004】一般の排水ポンプ用軸受には、耐摩耗性、
耐食性、低摩擦係数が求められる。セラミックスがこれ
らの特性を満足する材料に最も近く、従来の軸受もセラ
ミックスを中心に開発されている。その中で、多孔質の
炭化珪素(以後、SiCと表記)に潤滑油を含漬させた含
油SiCが優れた低摩擦係数を有する。この含油SiCと
タングステンカーバイド(以後、WCと記す)等の超硬材
料とを組合せて軸、軸受を作成したポンプが開発されて
おり、先行待機運転に必要な30分間の空転運転は達成し
てはいないが、約10分間の空転運転は可能とされい
る。
【0005】なお、SiCやSi34とWCを主体とする
超硬材料で摺動部を形成した軸受構造は、特開昭60−88
215号公報と特開昭60−146916号公報に、また含油SiC
を用いた軸受、摺動部材は、特開昭59−155621号公報に
開示されている。
【0006】軸、軸受に限らず、摺動材料として優れた
特性を有するセラミックスは、各種摺動部に使われてい
るが、摺動部全体をセラミックスで作成すると、セラミ
ックスの加工性の点でコスト高になり、また製作できる
大きさも限られる。そこで、セラミックスと同等の硬さ
を有する材料を被覆する硬質膜コーティング技術が広く
検討されている。
【0007】コーティング膜の場合、被覆すべき素材と
の熱膨張率の差が熱応力を生じるため、素材と同じ熱膨
張率の被膜を用いた方が耐熱衝撃性に優れる。構造材料
として広く用いられているステンレス鋼と同じ熱膨張率
を持つ硬質被膜としては、酸化クロム(以後、Cr23
表記)をマトリックスとして、硬質セラッミクス粒子を
分散させた被膜(以後、CDC膜と称する、CDCとは
化学緻密化法、Chemical Densified Coatingの略
である)が知られている。なお、同被膜については、特
公昭49−28011号公報、特公昭55−14833号公報、「実務
表面技術」、32巻2号(1985年)の42項から47項および
「金属」臨時増刊号(1990年9月)に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】無給水軸受の場合、先
行運転(ドライ状態摺動)によって発熱した時、その熱
によって生じる応力に耐えうるか、また発熱後軸受に排
水がかかった時、その熱衝撃に耐えうるかどうかが、材
料の一つの判定基準である。従って無給水軸受材料(軸
を含めて)としては摩擦係数が低いだけではなく、熱応
力の発生が少なくなる熱膨張係数(軸と軸に嵌装される
スリーブの熱膨張係数が同程度)を有し、更に耐熱衝撃
温度が高いことが必要である。
【0009】上記従来技術(特開昭60−88215号公報、
特開昭60−146916号公報、特開昭59−155621号公報)記
載のセラミック軸受には、先行待機運転ポンプ用軸受の
特徴である耐熱衝撃性について、軸受材料及び軸側材料
に関し検討が加えられておらず、先行待機運転を可能と
する無給水軸受としては用いることができない。また、
ポンプ構造材料であるステンレスとの熱膨張率差につい
て検討がなされておらず、熱応力によるWC,SiC等の
破壊が生じ、先行待機運転を可能とする無給水軸受とし
ては用いることができない。
【0010】また、上記従来技術(特公昭49−28011号
公報、特公昭55−14833号公報、「実務表面技術」、32
巻2号(1985年)、「金属」臨時増刊号(1990年9月))
記載のCDC膜については、摺動相手材料についての十
分な検討がなされていない。先行待機運転ポンプ用軸受
の特徴であるドライ摺動を行った場合、CDC膜と金
属、或いは通常のセラミックスとの組合せでは摩擦係数
が高く焼き付きが生じ、先行待機運転を可能とする無給
水軸受としては用いることができない。
【0011】本発明の課題は、排水ポンプの先行待機運
転として少なくとも30分のドライ運転を可能とするに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】先行待機運転ポンプ用無
給水軸受の材料として、各種材料の組合せによるドライ
摺動試験を行った結果、CDC膜(基板はSUS40
3)と含油SiCとの組合せが極めて低く安定した摩擦
係数を有することを見出した。また、CDC膜はSUS
403とほぼ等しい熱膨張率を有するため、耐熱衝撃性
が高く、熱応力が極めて小さいことを見出した。
【0013】この結果をもとに、CDC膜と含油SiC
との組合せを摺動面とする軸、軸受を用いることで、低
摩擦係数、低熱応力、耐摩耗性、耐熱衝撃性を求められ
る無給水運転を可能とした。
【0014】
【作用】CDC膜とSiCとの組合せでドライ摺動を行
うと、摩擦係数が高く短時間で焼き付きを生じるが、C
DC膜と含油SiCとの組合せでは安定した低い摩擦係
数が得られる。これは、ドライ摺動によって生じた熱に
より、多孔質SiC内の微細孔に保持されている油が表
面に出てきて潤滑に寄与するためである。
【0015】また、CDC膜の熱膨張率は約11.6×
(10のマイナス6乗)であり、ポンプ構造材料である
SUS403の熱膨張率とほぼ等しい。したがってSU
S403の軸にCDC膜を被覆してスリーブとすれば、
軸材料とスリーブの熱膨張率が等しくなるため発熱によ
る熱応力は極めて小さく、また熱衝撃にも強い。WCの
熱膨張率は約5.8×(10のマイナス6乗)であるた
め、スリーブとしてSUS403製軸に取付け摺動部材
とすると、SUS403との熱膨張率の差から生じる応
力によって破壊してしまう。
【0016】CDC膜は、硬質の酸化クロム中に、Si
2、Al23、SiC等の硬質セラミックス粒子を分散
させた被膜であり、分散させるセラミックス粒子とし
て、SiO2粒子系、Al23粒子系、SiO2+SUS3
04粒子系が開発されている。各CDC膜について熱膨
張率、硬度を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜5を用いて説明す
る。
【0019】図1は本発明の一実施例のポンプ用軸受を
示す概略図である。SUS403製羽根軸(以下単に軸
という)1には、SUS403製スリーブ2が嵌装され
ており、該スリーブ2は回り止め4で軸1に固定される
とともに、その表面にはSiO2粒子系CDC膜が被覆さ
れている。軸1には図示されていない羽根が固定され、
該羽根の回転によって水が駆動され吐出される。前記ス
リーブ2に対向して摺動する位置に含油SiCからなる
セラミック軸受3が配置され、該セラミック軸受3はセ
ラミック軸用バックメタル6を介して、セラミック軸用
緩衝材5で支持されている。セラミック軸用緩衝材5は
図示されていないポンプケーシングに固定された取付け
治具7に支持されている。なお、セラミック軸受を形成
する含油SiCとは、多孔質のα−SiCにフッソ系のオ
イルを含浸したものである。この軸受を下記条件でドラ
イ運転し、軸受の温度、摺動面の損傷等を調べた。
【0020】〈運転条件〉 周速度 :6m/s、 面圧 :1kg/cm2、 運転時間 :30分、その後水冷却 上記条件で空転運転をしたところ、30分後に含油SiC
軸受内部の摺動面から5mmの位置での測定温度は約90
℃であった。この温度であれば、SiCの耐熱衝撃温度
以下であり、また発生する熱応力も軽微であるため、冷
却後SiCは破壊しなかった。また、スリーブ側も同様
の温度になるが、軸とスリーブは同質材であるため発生
する熱応力はほとんどなく、冷却後破壊は生じなかっ
た。また、摺動面には、含油SiC軸受からしみだした
油が付着しており、損傷は認められなかった。さらに、
SiO2粒子系CDC膜はSUS403とほぼ同じ熱膨張
率のため、CDC膜の剥離は認められなかった。
【0021】上記のごとく、本実施例の軸受構造を用い
ることで、従来のような浄水供給システムを必要とせ
ず、30分間の空転運転が可能となった。
【0022】さらに、本発明の摺動部材組合せの効果を
確認するために、各種材料に関してリングと板形状の組
合せによる摺動要素試験を行い、平均摩擦係数とその時
間変化、及び摺動面の損傷を調べた。その結果を表2、
図2、3、4、5に示す。
【0023】〈運転条件〉 周速度 : 1m/s、 面圧 : 1kg/cm2、 摺動時間: 3時間
【0024】
【表2】
【0025】なお、上記の含油多孔質SiCとは、図1
に示す含油SiCからなるセラミック軸受と同質のもの
である。緻密化SiCとは、密度98%以上のα−SiC
であり、油は含んではいない。
【0026】上記、表2に示すように、試験片No.2
の組合せが平均摩擦係数は最も低い。しかしながらN
o.2の組合せでは、WC−12wt%Coの熱膨張率が軸
材料のSUS403に比べ大幅に低いためにドライ摺動
によって熱応力が発生し、スリーブが軸の膨張による内
圧を受け破壊してしまう。したがって、摩擦係数は低く
とも無給水軸受には用いることはできない。
【0027】本発明の実施例である試験片No.1の組
合せは、上記No.2の組合せとほぼ同等の摩擦係数を
有する。しかし、固定側試料である含油多孔質SiCの熱
膨張率が軸材料のSUS403にほぼ等しいため、N
o.2の組合せと違って熱応力はほとんど生じず、また
高い熱衝撃性を有する。さらに、摩擦係数の安定性は本
発明の実施例である試験片No.1の組合せが最も優れ
る(詳細は後述)。3時間の摺動試験後の観察では、その
表面にはほとんど損傷は認められなかった。
【0028】また、比較のために現状の軸受で用いられ
ている緻密化SiCとWC−12wt%Coとの組合せ、及
び緻密化SiCとSiO2粒子系CDC膜との組合せの特
性を表2に示した。試験片No.3、No.4の組合せと
もその摩擦係数は試験片No.1の約3〜4倍であり、
試験後の表面には多数の損傷が認められた。特に、油を
有しない緻密化SiCとSiO2粒子系CDC膜との組合
せでは、摩擦係数が高く試験半ばで焼き付きを生じてし
まった。
【0029】さらに、上記4種類の試験片の摩擦係数の
時間変化を図2〜5に示す。これらの図に示されている
ように試験片No.1が最も摩擦係数の安定性が優れ、
信頼性の点でも最も優れている。
【0030】また、CDC膜は本発明に示すように含油
多孔質SiCとの組合せによってはじめてドライ摺動に
おける優れた特性を発揮できる。表2と図5に示すよう
に、SiO2粒子系CDC膜と油のない緻密化SiCとの
組み合わせ(No.4)では、ドライ摺動における優れ
た特性を得ることはできない。しかし、この組合せでも
外部より少量の潤滑油、水を加えると試験片No.1と
ほぼ同等の特性を示すことが認められた。したがって、
外部より適宜適量の潤滑油、水を加える装置を軸受に付
加することをいとわなければ、含油多孔質SiCを用い
ずとも本発明と同等の効果を得ることができる。
【0031】以上示すように、本発明の軸受構造を用い
ることで、潤滑油供給システムを必要としないドライ空
転運転が可能な無給水軸受が可能となった。
【0032】なお、スリーブ材料としてSUS403,
430,440等のマルテンサイト、フェライト系SU
S(熱膨張率が約11.3〜11.8×(10のマイナ
ス6乗))を用いるかぎり、CDC膜としてより高硬
度、低熱膨張のAl23粒子系を用いることもでき、上
記組合せと同様の効果が得られる。また、スリーブ材料
としてより熱膨張率の高いSUS304等のオーステナ
イト系ステンレス鋼を用いる場合(SUS304の熱膨
張率は18.7×(10のマイナス6乗))、SiO2
SUS304粒子系CDC膜を用いればよい。SiO2
SUS304粒子系CDC膜は熱膨張率が11.8×
(10のマイナス6乗)であり、SiO2粒子系CDC膜
と等しいが、延性が増すためより熱膨張率の高いオース
テナイト系SUSにも被覆することができる。
【0033】また、含油多孔質SiCはα−SiC,β−
SiCのどちらでも良く制限はない。さらに油を含んだ
多孔質セラミックスであれば、耐摩耗性のあるSi
34,Al23であってもよくSiCに制限されることは
ない。多孔質SiCに含浸させる油に関しては特別な制
限はないが、粘性、潤滑性の点からフッソ系オイルが望
ましい。
【0034】図6,7は、軸側軸受け部にSUS403
のスリーブが嵌装され、該スリーブの摺動面にCDC膜
が形成されているとともに、該スリーブに対向して摺動
する位置に油を含む多孔質SiCからなる軸受を備えた
排水ポンプ100を示している。図示の排水ポンプ10
0は、ケーシング10と、該ケーシング10内に固定さ
れた軸受12と、軸心を鉛直にして該軸受12に支持さ
れて回転する軸1と、該軸1の下端に固定された羽根1
1とを含んで構成されている。ケーシング10の下部は
ラッパ状に広がったベルマウスを形成してポンプ吸い込
み口をなし、該ベルマウスの下端部は土台13の上面か
ら所定の寸法離して配置されている。ケーシング10の
上部はポンプの吐出口となっている。
【0035】図7はポンプ100が排水運転を行ってい
る状態を示し、水は羽根11に駆動されてベルマウスか
ら吸い込まれ、軸受12の部分を通過して上方に吐き出
される。軸受12は通過する水によって冷却、潤滑され
る。図6はポンプ100が先行待機運転を行っている状
態を示し、水面はベルマウスより低く、軸受12は水に
よる冷却、潤滑を受けていないが、軸受12の温度上昇
に伴って多孔質SiCから出て来る潤滑油で潤滑され
る。また、軸1に嵌装されているスリーブと、該スリー
ブ表面に形成されているCDC膜の熱膨張率が同じであ
るので、温度上昇に伴う熱応力が小さく、該熱応力によ
るCDC膜破損のおそれがなく、潤滑性能が低下するこ
とがない。さらに、軸1もSUS403からなっている
ので、軸1とスリーブの間でも大きい熱応力が発生する
ことはない。
【0036】上記各実施例によれば、排水ポンプの軸受
摺動面が、Cr酸化物中にSiO2、Al23等の硬質セラ
ミック粒子を含む被膜と、油を含む多孔質SiCとの組
合せで形成されたので、熱膨張差による過大な応力の発
生や油ぎれによる摺動面の破損が避けられ、従来運転で
きなかったドライ条件でも排水ポンプの運転が可能とな
り、都市型洪水に要求される先行待機運転が可能となっ
た。
【0037】また、完全無給水運転が可能であるため、
従来のような浄水供給装置が不要となり、排水ポンプ製
造コストの削減、運転維持管理費の削減、排水ポンプの
小型化が可能となった。さらに、加工性が良く軽量なス
テンレス鋼でスリーブが作成されるため、スリーブの加
工費、材料費の削減が図られる。
【0038】さらに、軸に嵌装されるスリーブがステン
レス鋼で作成されるため、従来のWCに比べ加工費、材
料費が大幅に安くなり、この点でも製造コストの削減が
可能である。また、WCに比べステンレスは延性が有る
ため信頼性の点でも効果がある。
【0039】また、WC製スリーブに比べ本発明のスリ
ーブは軽量となるため、組立て時の作業性が良くなり、
排水機場全体のコスト低減にも効果がある。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、排水ポンプの軸受摺動
面が、Cr酸化物中にSiO2、Al23等の硬質セラミッ
ク粒子を含む被膜と、油を含む多孔質SiCとの組合せ
で形成されるので、熱膨張差による過大な応力の発生や
油ぎれによる摺動面の破損が避けられ、従来運転できな
かったドライ条件でも排水ポンプの少なくとも30分の
運転が可能となり、都市型洪水に要求される先行待機運
転が可能となった。 また、30分の先行待機運転の
間、完全無給水運転が可能であるため、従来のような浄
水供給装置が不要となり、排水ポンプ製造コストの削
減、運転維持管理費の削減、排水ポンプの小型化が可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例である排水ポンプ用軸受の断
面を示す断面斜視図である。
【図2】 SiO2粒子系CDC膜と含油多孔質SiCと
を組合せた摺動部の摩擦係数の時間変化を示すグラフで
ある。
【図3】 WC-12wt%Coと含油多孔質SiCとを組合
せた摺動部の摩擦係数の時間変化を示すグラフである。
【図4】 WC-12wt%Coと緻密化SiCとの組合せた
摩擦係数の時間変化を示すグラフである。
【図5】 SiO2粒子系CDC膜と緻密化SiCとを組
合せた摺動部の摩擦係数の時間変化を示すグラフであ
る。
【図6】 先行待機運転状態の排水ポンプを示す断面図
である。
【図7】 通常運転状態の排水ポンプを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 SUS403製軸 2 SiO2粒子系CDC膜被覆のSUS403製スリー
ブ 3 含油SiC製セラミック軸受 4 スリーブの回り止め 5 セラミック軸用緩衝材 6 セラミック軸用バックメタル 7 取付け治具 10 ケーシング 11 羽根 12 軸受 100 排水ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 倭一 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内 (72)発明者 山田 雅之 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排水開始以前に、事前に排水開始水位よ
    り低い水位状態で空転運転をすることを特徴とする排水
    機場用排水ポンプの羽根軸の軸受構造において、Cr酸
    化物中にSiO2、Al23、SiC等の硬質セラミック粒
    子のうちのすくなくとも1種類を含む被膜と、油を含む
    多孔質SiCとの組合せを摺動面とすることを特徴とす
    る排水ポンプ用軸受構造。
  2. 【請求項2】 排水開始以前に、事前に排水開始水位よ
    り低い水位状態で空転運転をすることを特徴とする排水
    機場用排水ポンプの羽根軸の軸受構造において、前記羽
    根軸の軸受部にSUS403のスリーブが嵌装され該ス
    リーブの摺動面にCr酸化物中にSiO2、Al23、Si
    C等の硬質セラミック粒子のうちのすくなくとも1種類
    を含む被膜が形成されていることと、前記スリーブを支
    持する軸受が油を含む多孔質SiCをその摺動面とする
    ものであることを特徴とする排水ポンプ用軸受構造。
  3. 【請求項3】 羽根軸がSUS403からなることを特
    徴とする請求項2に記載の排水ポンプ用軸受構造。
  4. 【請求項4】 ケーシングと、該ケーシング内に固定さ
    れた軸受と、軸心を鉛直にして該軸受に支持されて回転
    する軸と、該軸に固定されて水を駆動する羽根とを含ん
    で構成されている排水ポンプにおいて、前記軸受と該軸
    受に支持されて回転する軸の摺動面は、一方がCr酸化
    物中にSiO2、Al23、SiC等の硬質セラミック粒子
    のうちのすくなくとも1種類を含む被膜であり、他方が
    油を含む多孔質SiCであることを特徴とする排水ポン
    プ。
  5. 【請求項5】 軸受け部の軸にSUS403製のスリー
    ブが嵌装され、該スリーブの表面にCr酸化物中にSiO
    2、Al23、SiC等の硬質セラミック粒子のうちのす
    くなくとも1種類を含む被膜が形成されて摺動面をな
    し、該摺動面と摺動する軸受が油を含む多孔質SiCで
    あることを特徴とする請求項4に記載の排水ポンプ。
  6. 【請求項6】 軸がSUS403からなることを特徴と
    する請求項5に記載の排水ポンプ。
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