JPH0544195Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両のシート装置に関し、特にサス
ペンシヨンシート装置にリーフスプリングを活用
したものに関する。

〔従来技術〕

従来、トラツクなど長距離走行する車両におい
ては、乗員の疲労軽減のため一般にサスペンシヨ
ンシート装置が用いられている。このサスペンシ
ヨンシート装置は、Ｘリンクや平行リンクなどの
リンク機構とコイルスプリングや空気バネやトー
シヨンバーなどの弾性部材との組合わせによつて
シートクツシヨンをフロアに対して弾性支持する
ようにしたものである。

従つて、このサスペンシヨンシート装置では、
乗員の体が上記弾性支持機構とシートクツシヨン
自体の内部に組込まれているバネなどの弾性部材
によつて２重に弾性支持されることになるから、
長距離走行や悪路走行の場合にも乗員の疲労が大
幅に軽減されることになる。

例えば、実開昭60−24634号公報には、シート
クツシヨンの下側に左右１対のＸリンクとＸリン
クを介してシートクツシヨンを弾性支持する１対
のコイルスプリング等を備えたサスペンシヨンシ
ート装置が記載されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記Ｘリンクや平行リンク等のリンク機構を用
いたサスペンシヨンシート装置においては、リン
ク部材の数も多く、リンク部材の各支点部をシー
トクツシヨンやフロア側に連結する枢支部の構造
も複雑化し、その弾性支持機構が全体として大型
化且つ複雑化し、製作コストが高価になるなどの
欠点がある。

それ以外にコイルスプリング等などを配設する
スペースや取付け金具等も必要となるので弾性支
持機構がますます複雑化している。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る車両のシート装置は、シートクツ
シヨンの下面側に両端がシートクツシヨンに連結
され下方突状に弯曲したリーフスプリングを設
け、上記リーフスプリングのスパン中央部がシー
ト支持部材に固定され、上記リーフスプリングに
は制振材が固着され、上記シートクツシヨンに
は、リーフスプリングの両端部に夫々係合して摺
動自在に支持する係合部材が設けられたものであ
る。

〔作用〕

本考案に係る車両のシート装置においては、下
方突状に弯曲したリーフスプリングのスパン中央
部がシート支持部材に固定され、このリーフスプ
リングの両端がシートクツシヨンに連結されてい
るので、シートクツシヨンはリーフスプリングを
介して弾性支持されることになる。

そして、上記リーフスプリングには制振材が固
着されているので、車両の振動によつてシートク
ツシヨンが振動するときに、上記制振材によつて
リーフスプリングの振動が抑制され、シートクツ
シヨンの振動が緩和されることになる。上記シー
トクツシヨンには、リーフスプリングの両端部に
夫々係合して摺動自在に支持する係合部材が設け
られているので、リーフスプリングの弾性変形が
自由に許容されやすくなる。

〔考案の効果〕

本考案に係る車両のシート装置によれば、以上
説明したようにリーフスプリングとリーフスプリ
ングに固着された制振材などを主体とする弾性支
持機構でシートクツシヨンを弾性支持するように
してあるので、シートクツシヨンを弾性支持する
弾性支持機構が全体として小型且つ簡単な構造の
安価なものに構成できること、上記弾性機構は部
材数も少なくさほど大きなスペースを必要としな
いので、スペース的に有利になること、などの効
果が得られる。更に、上記制振材によつてリーフ
スプリングの振動が抑制され、シートクツシヨン
の振動が緩和されることになる。また、上記シー
トクツシヨンには、リーフスプリングの両端部に
夫々係合して摺動自在に支持する係合部材が設け
られているので、リーフスプリングの弾性変形が
自由に許容されやすくなり、弾性支持性能に優れ
るという効果も得られる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図は、自動車用のサスペンシヨンシート装
置Ｓを示すもので、このサスペンシヨンシート装
置Ｓはフロアパネル１を方形状に上方へ突出形成
したシート取付部２上に取付けられており、この
のサスペンシヨンシート装置Ｓはシートバツク３
とシートクツシヨン４とシートクツシヨン４の下
方に左右１対設けられたシート支持機構５とを備
えている。

上記支持機構５は、シートバツク３とシートク
ツシヨン４を前後移動自在に支持する機能とこれ
らを弾性支持する機能とを有するので、左右１対
の支持機構５は左右方向に所定距離あけて図示の
ように設けられており、支持機構５の前端側のガ
イド部材６と後端部の枢支ブラケツト７とはシー
トクツシヨン４のフレーム（図示略）の下面側に
溶接等で固着されている。

次に、第２図に基いて上記支持機構５の詳細構
造について説明すると、まず上記シート装置Ｓを
前後方向に移動自在に支持するため、シート取付
部２の上面には前後方向に向けて細長い側面台形
状のベース部材８が固着され、そのベース部材８
の上面に前後方向に向けて断面ほぼＵ字型のレー
ル部材９が固着され、上記レール部材９の係合フ
ランジ部９ａに係合する断面下向きＣ字型のスラ
イドフレーム１０がレール部材９に前後移動自在
に係合させてある。

上記レール部材９とスライドフレーム１０間に
は、ベアリングやローラ等が介装されていて、ス
ライドフレーム１０はレール部材９に対して滑ら
かに前後移動自在である。

上記スライドフレーム１０の上面には前後方向
に細長い浅いチヤンネル溝を有するチヤンネル材
１１が溶接で固着され、そのチヤンネル材１１上
には前後方向に細長く帯状で下方に突状に形成さ
れたバネ鋼製のリーフスプリング１２が介設さ
れ、上記リーフスプリング１２のスパン中央部の
平板部１２ａがチヤンネル材１１のチヤンネル溝
内に嵌合され、平板部１２ａはチヤンネル材１１
に溶接や接着で固着されている。

上記リーフスプリング１２は、平板部１２ａの
前後両端から上方に弯曲状に延びる弯曲部１２
ｂ，１２ｃを備えており、上記リーフスプリング
１２の前側弯曲部１２ｂの後半部と平板部１２ａ
と後側弯曲部１２ｃの前半部の上面側にはリーフ
スプリング１２と同幅の所定の厚さを有する制振
材としてのアスフアルトシート１３が接着により
固着されている。

上記リーフスプリング１２の前端部をシートク
ツシヨン４に連結するためリーフスプリング１２
の前端部の前側には、左右に所定間隔あけて前記
１対のガイド部材６が設けられ、左右１対のガイ
ド部材６の前後方向に細長い水平のガイド孔６ａ
には、左右方向に延びる支軸１４の両端部が前後
移動自在に遊嵌され、支軸１４の中央部にはリー
フスプリング１２と同幅の係合具１５が固着さ
れ、その係合具１５にはリーフスプリング１２の
前端部が係合される係合溝１５ａが形成され、そ
の係合溝１５ａに弯曲部１２ｂの前端部を摺動自
在に係合してある。

また、上記リーフスプリング１２の後端部をシ
ートクツシヨン４に連結するため、リーフスプリ
ング１２の後端の後方には左右に所定間隔あけて
１対の枢支ブラケツト７が設けられ、上記係合具
１５と同様の係合具１６を有する支軸１７の両端
部にはネジ部１７ａが形成されている。

上記支軸１７の両端部を夫々ブツシユ１８を介
して対応する枢支ブラケツト７に挿通させナツト
１９を締結することにより、支軸１７及び係合具
１６がシートクツシヨン４のフレームに枢支され
ている。

上記係合具１６もリーフスプリング１２と同幅
でリーフスプリング１２の後端部が内嵌する係合
溝１６ａを有し、その係合溝１６ａに弯曲部１２
ｃの後端部を摺動自在に嵌合させてある。

以上説明した自動車のサスペンシヨンシート装
置Ｓにおいては、リーフスプリング１２の前端部
が係合具１５と支軸１４とガイド部材６とを介し
てシートクツシヨン４のフレームに連結され、ま
たリーフスプリング１２の後端部は係合具１６と
支軸１７と枢支ブラケツト７を介してシートクツ
シヨン４のフレームに連結されており、リーフス
プリング１２の上面側には制振材としてのアスフ
アルトシート１３が固着されているので、車体か
らの振動が伝播したときにリーフスプリング１２
の前後の弯曲部１２ｂ，１２ｃが弾性変形して振
動を緩衝する。このときリーフスプリング１２の
振動はアスフアルトシート１３によつて抑制さ
れ、車体からシートクツシヨン４に伝わる振動は
著しく低減することになる。

上記前後の弯曲部１２ｂ，１２ｃが弾性変形す
るときに、その前後方向移動は係合具１５，１６
の係合溝１５ａ，１６ａとの摺動により吸収され
ることになる。また前側の支軸１４がガイド部材
６のガイド孔６ａに遊嵌していることから、支軸
１４と係合具１５の前後移動によつて吸収され
る。

尚、上記実施例では、各支持機構５において、
１枚の連続したリーフスプリング１２を用いた
が、これに限る必要はなく、前後に分断したリー
フスプリングでもよいし、上下に重ね合わせた２
枚以上のリーフスプリングを用いてもよい。

また、制振材としてはアスフアルトシート１３
以外に合成樹脂製のプレート部材等を用いること
が出来る。

また、前側の係合具１５はリーフスプリング１
２の前端部に固着してもよいし、後側の支軸１７
を枢支ブラケツト７に対して前後移動自在に連結
して前後移動自在に枢支しておけば、係合具１６
をリーフスプリング１２の後端部に固着してもよ
い。

また、上記リーフスプリング１２としてはバネ
鋼製のものを用いたがこれに限る必要はなく
FRP製のリーフスプリングを用いることも考え
られる。

そして、上記支持機構５においては、シートク
ツシヨン４の高さを調節する機構を何ら設けてい
ないが、例えばチヤンネル材１１とスライドフレ
ーム１０間に高さ調節機構を介設することもあり
得る。

上記実施例に係るサスペンシヨン装置Ｓにおい
ては、シート装置を弾性支持する機構が、リーフ
スプリング１２とアスフアルトシート１３とチヤ
ンネル材１１などの少数の簡単な構造の軽量な部
材で構成され、僅かのスペースに配設可能なの
で、サスペンシヨンシート装置Ｓが全体として小
型且つ簡単な構造の安価なもになり、スペース的
にも有利である。例えば、キヤブオーバ型自動車
の場合、取付部２の下方のスペースはエンジンル
ームとして有効に活用することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
自動車用のサスペンシヨンシート装置の一部切欠
き部分斜視図、第２図はシート支持機構の分解斜
視図である。 Ｓ……サスペンシヨンシート装置、４……シー
トクツシヨン、５……シート支持機構、６……ガ
イド部材、７……枢支ブラケツト、１０……スラ
イドフレーム、１１……チヤンネル材、１２……
リーフスプリング、１３……アスフアルトシー
ト、１４，１７……支軸、１５，１６……係合
具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートクツシヨンの下面側に両端がシートクツ
   シヨンに連結され且つ下方突状に湾曲したリーフ
   スプリングを設け、 上記リーフスプリングのスパン中央部がシート
   支持部材に固定され、 上記リーフスプリングには制振材が固着され、 上記シートクツシヨンには、リーフスプリング
   の両端部に夫々係合して摺動自在に支持する係合
   部材が設けられていることを特徴とする車両のシ
   ート装置。