JPH0544012A - コーテイング部材 - Google Patents

コーテイング部材

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JPH0544012A
JPH0544012A JP19942291A JP19942291A JPH0544012A JP H0544012 A JPH0544012 A JP H0544012A JP 19942291 A JP19942291 A JP 19942291A JP 19942291 A JP19942291 A JP 19942291A JP H0544012 A JPH0544012 A JP H0544012A
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JP
Japan
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substrate
coating
recesses
regulated
concave portion
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP19942291A
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English (en)
Inventor
Toshiro Kobayashi
敏郎 小林
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材の凹凸の形状制御を行うことにより皮膜
との密着力を高めた、長寿命のコーティング部材を提供
する。 【構成】 1はモリブデン鋼(SKH55)製の基材で
あり、平板およびエンドミルとした。そして、基材1の
表面(すなわち凸部2)には円形の凹部3を千鳥状に形
成し、凹部3の面積が全表面積の28〜80%とし、深
さを0.5μm以上で皮膜厚さの5倍以下とし、凸部2
と凹部3とを結ぶ斜面の傾斜を30°以下とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難削材用切削工具やプ
レス金型等に好適な、表面に硬質皮膜が被覆されたコー
ティング部材に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼やモリブデン鋼等の難削材
を加工する切削工具には、耐摩耗性を高める手段とし
て、基材の表面に窒化チタンやアルミナ等の硬質皮膜を
コーティングすることが行われている。このようなコー
ティング工具の製作に当たっては皮膜との密着力を向上
させることが重要であり、基材の表面に凹凸を設けるこ
とによって、表面積を増加させると共にアンカー効果を
高める方法が採られている。凹凸の形成方法としては、
圧縮空気により研削粒を高速で基材に噴き付けるブラス
ト処理が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ブラスト処理では、用
いられる研削粒の材質,粒度,形状の他、噴射角,圧縮
空気の圧力,研削粒の噴射量等を管理することにより、
表面の粗さを管理することができるが、基本的には研削
粒を基材に衝突させて凹部を形成するため、凹凸の形状
は三角波状あるいは山脈状となる。したがって、処理条
件を種々に変化させても皮膜との密着力を一定の値以上
とすることはできず、長期間の使用によっては加工中に
皮膜が剥がれる等の不具合が発生する虞があった。本発
明は上記状況に鑑みなされたもので、基材の凹凸の形状
制御を行うことにより皮膜との密着力を高めた、長寿命
のコーティング部材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明ではこの
課題を解決するために、その表面に硬質皮膜が被覆され
たコーティング部材であって、基材と当該硬質皮膜との
界面の断面形状が連続した矩形であり、当該界面を形成
する凸部と凹部とを結ぶ斜面の傾斜が法線に対して30
°以下であり、当該凹部の面積が全表面積の28〜80
%であり、当該凸部および凹部の高さ方向の寸法がそれ
ぞれ0.5μm以上で皮膜厚さの5倍以下であることを
特徴とするコーティング部材を提案するものである。
【0005】
【作用】基材と皮膜との界面の断面形状を連続した矩形
とし、更に凸部と凹部とを結ぶ斜面の傾斜を法線に対し
て30°以下とすることによって、基材と皮膜間の剪断
応力が緩和されると共にアンカー効果も高められる。ま
た、凹部の面積を28〜80%とすることが良好なアン
カー効果をもたらし、凸部および凹部の高さ方向の寸法
をそれぞれ0.5μm以上で皮膜厚さの5倍以下とする
ことが十分なアンカー効果と皮膜形成時における凹部で
の欠陥防止を実現する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例とその試験結果を図面
に基づき説明する。図1には本発明に係るコーティング
材の一実施例の拡大平面視を示し、図2は図1中のA−
A断面視を示し、図3はコーティング装置の概略構成を
示してある。
【0007】図1,図2において、1はモリブデン鋼
(SKH55)製の基材であり、平板およびエンドミル
とした。そして、基材1の表面(すなわち凸部2)には
円形の凹部3を千鳥状に形成し、その直径をa,間隔を
b,深さをh,凸部2と凹部3とを結ぶ斜面の傾斜をθ
とした。基材1表面の加工にあたっては、先ずアルカリ
脱脂,酸洗,水洗を行った後にポジタイプのレジスト材
をコートし、所定のパターンのマスクを用いて紫外線露
光と現像によりマスキングを形成した。マスキング後の
エッチングには次の3種類の方法を用いた。 (1) 浸漬法(塩化第二鉄溶液への浸漬) この方法は後述の比較例1−2に適用した。 (2) 噴流法(塩化第二鉄溶液を噴流とし、基材1の表
面に垂直に噴射) この方法により、実施例1−1,1−2およびその他の
実施例におけるエッチングを行い、噴流の流速を変化さ
せることにより形状の制御を行った。 (3) イオンビーム法(イオン銃により、真空中でAr
イオンを照射) 加工条件は、イオン加速電圧を1.5kV,イオン電流
密度を500μA/cm2 、エッチング速度を約800
Å/minとした。
【0008】エッチング終了後に、図3に示したイオン
プレーティング装置を用い、窒化チタンコーティングを
行った。図中、4は真空槽であり、その中に基材1を配
置して基材加熱用ヒータ5により加熱を行いながら、水
冷銅坩堝6からのチタンイオンを蒸着させた。7はAr
ガスの供給も行う中空のホローカソード電極であり、8
は窒素ガスを供給する供給パイプである。コーティング
厚tは後述する実施例4以外は4μmで一定とした。
尚、この際の加工条件は、ホローカソード電圧を500
V,ホローカソード電流を40A,バイアス電圧を10
0V,基板温度を400℃,槽内圧力を10×10-3
した。
【0009】以下、実施例の試験結果を述べる。評価試
験はスクラッチテスタを用いてスクラッチ臨界荷重の評
価を行い、立型フライス盤を用いて図4に示した条件で
切削寿命の評価を行った。尚、切削寿命の評価は、逃げ
面の摩耗幅(VB )を測定し、これが0.2mmとなっ
た時点での切削長(切削距離)を求めることで行った。
【0010】実施例1 本実施例では、図1に示した表面形状での断面形状がス
クラッチ臨界荷重に与える影響を検討した。その結果、
図5に示す如く、比較例1−1(凹凸無し)や比較例1
−2(θ=37°)に較べ、凸部と凹部とを結ぶ斜面の
傾斜θを法線に対して30°以下(それぞれ30°,−
4°,0°)とした実施例1−1〜1−3ではスクラッ
チ臨界荷重が明らかに向上することが確認された。
【0011】実施例2 本実施例では、凸部2と凹部3との面積比Sがスクラッ
チ臨界荷重に与える影響を検討した。尚、ここではS=
(凹部の面積/凸部の面積)×100〔%〕とした。そ
の結果、図6に示す如く、28<S<80の範囲でスク
ラッチ臨界荷重が明らかに向上することが確認された。
【0012】実施例3 本実施例では、凹部3の直径aの大きさがスクラッチ臨
界荷重に与える影響を検討した。その結果、図7に示す
如く、0.5μm<a<20μmの範囲で良好な結果を
得ることができた。しかし、膜厚tにより最適な範囲が
異なる可能性があるため、次の試験を行った。
【0013】実施例4 本実施例では、窒化チタン皮膜の膜厚tを2μmとし、
凹部の大きさとの適正値を検討した。その結果、図8に
示す如く、0.5μm<a<8μmの範囲で良好な結果
を得ることができた。この実施例と上述した実施例3と
から、凹部3の大きさの適正範囲はは0.5μm<a<
5・tμm(tは膜厚)であることが判った。
【0014】実施例5 エンドミルによる切削試験を行い、逃げ面磨耗幅が0.
2mmに達するまでの切削距離を比較した。その結果、
図9に示す如く、スクラッチ試験で良好であったもの
は、切削試験においても全て良好であることが確認され
た。
【0015】以上で具体的実施例の説明を終えるが、本
発明の態様はこの実施例に限るものではない。例えば、
図10に示す如く円形の凹部3を格子状に配列したり、
図11に示す如く正方形の凹部3を格子状に配列したも
のでも同様の効果を奏することが確認された。
【0016】
【発明の効果】本発明に係るコーティング部材によれ
ば、基材と硬質皮膜との界面の断面形状を連続した矩形
とし、且つ界面を形成する凸部と凹部とを結ぶ斜面の傾
斜を法線に対して30°以下,凹部の面積を全表面積の
28〜80%,凸部および凹部の高さ方向の寸法をそれ
ぞれ0.5μm以上で皮膜厚さの5倍以下であるように
設定したため、被覆の密着力や切削性能に優れたコーテ
ィング工具が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコーティング材の一実施例の拡大
平面図である。
【図2】図1中のA−A断面図である。
【図3】コーティング装置の概略構成図である。
【図4】切削寿命の評価結果を示す図である。
【図5】断面形状がスクラッチ臨界荷重に与える影響を
示す図である
【図6】凸部と凹部との面積比がスクラッチ臨界荷重に
与える影響を示す図である。
【図7】凹部の直径の大きさがスクラッチ臨界荷重に与
える影響を示す図である。
【図8】窒化チタン皮膜の膜厚tを2μmとした場合に
おいて、凹部の直径の大きさがスクラッチ臨界荷重に与
える影響を示す図である。
【図9】エンドミルによる切削試験において、逃げ面磨
耗幅が0.2mmに達するまでの切削距離を比較した図
である。
【図10】本発明の他の実施例を示す図である。
【図11】本発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 基材 2 凸部 3 凹部 4 真空槽 5 基材加熱用ヒータ 6 水冷銅坩堝 7 ホローカソード電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その表面に硬質皮膜が被覆されたコーテ
    ィング部材であって、基材と当該硬質皮膜との界面の断
    面形状が連続した矩形であり、当該界面を形成する凸部
    と凹部とを結ぶ斜面の傾斜が法線に対して30°以下で
    あり、当該凹部の面積が全表面積の28〜80%であ
    り、当該凸部および凹部の高さ方向の寸法がそれぞれ
    0.5μm以上で皮膜厚さの5倍以下であることを特徴
    とするコーティング部材。
JP19942291A 1991-08-08 1991-08-08 コーテイング部材 Withdrawn JPH0544012A (ja)

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