JPH0544007A - 合金化溶融亜鉛めつき鋼板の合金化度の制御方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めつき鋼板の合金化度の制御方法

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JPH0544007A
JPH0544007A JP3223574A JP22357491A JPH0544007A JP H0544007 A JPH0544007 A JP H0544007A JP 3223574 A JP3223574 A JP 3223574A JP 22357491 A JP22357491 A JP 22357491A JP H0544007 A JPH0544007 A JP H0544007A
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JP
Japan
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alloying
steel sheet
phase
degree
ray diffraction
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JP3223574A
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English (en)
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Kazuaki Hosomi
和昭 細見
Minoru Saito
実 斎藤
Toshiharu Kikko
敏晴 橘高
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度をオン
ラインで測定し、合金化度が適正範囲内となるように合
金化処理条件を制御することによって加工性に優れた合
金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。 【構成】 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の品質特性、特に
加工性をζ相とΓ相のX線回折強度及びバックグラウン
ドのX線回折強度から得られる合金化度の評価値を指標
としてオンラインで測定し、合金化度の評価値が適正範
囲内となるように合金化処理条件を制御する。 【効果】 板幅方向及びライン方向全体に亘って加工性
に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板に溶融亜鉛めっき
を施した後に合金化処理して連続的に合金化溶融亜鉛め
っき鋼板を製造するラインにおいて、X線回折法を用い
て合金化溶融亜鉛めっき鋼板のFe−Zn金属間化合物
相のうちの特定の相のX線回折強度とそのバックグラウ
ンドのX線回折強度とを測定して、この測定値から算出
される指標に応じて合金化処理条件を制御して合金化度
を制御する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性
に加えて、塗装性,塗膜密着性及び溶接性を付与した合
金化溶融亜鉛めっき鋼板が製造されている。この合金化
溶融亜鉛めっき鋼板は、鋼板に溶融亜鉛めっきを施した
後に加熱処理を施し、亜鉛めっき層と鋼板素地を合金化
させて連続的に製造されている。このように溶融亜鉛め
っき後に加熱処理を施した場合、合金化が進むにつれて
FeとZnとの拡散によりめっき層はη−Zn相が消失
し、ζ相(FeZn13),δ1相(FeZn7)及びГ相(F
5Zn21)が順次生成し、成長する。
【0003】従来から合金化溶融亜鉛めっき鋼板の品質
特性は、合金化の程度すなわち合金化度と密接な関係が
あると言われている。これは、合金化度が小さくめっき
層表面に比較的軟質なζ相が厚く残存している場合に
は、めっき層表面の摺動抵抗が大きくなってプレス成形
性が低下し且つ溶接性や塗装後の耐食性が低下するから
であり、逆に合金化度が大きくめっき層−鋼板素地界面
に硬くて脆いГ相が厚く成長した場合には、プレス成形
時にめっき層がГ相から粉状に剥離するパウダリング現
象を起こすようになりこのパウダリング現象が著しいと
プレス成形作業に悪影響を及ぼすばかりでなく、めっき
層が存在しない状態と近い状態になるのでめっき層の耐
食性が低下するからである。特に近年、自動車車体の高
防錆化の要望により合金化溶融亜鉛めっき鋼板の使用が
増加しているが、このような用途にはプレス成形性及び
耐パウダリング性に優れていることが重要となる。
【0004】従って、品質特性に優れた合金化溶融亜鉛
めっき鋼板を製造するには、ζ相を残存させることなく
しかもГ相の成長を抑制し、δ1相主体のめっき層構造
となるように合金化処理する必要がある。ところで、従
来からζ相の生成上限温度は495℃であると言われて
おり、ζ相を残存させることなくしかもГ相の成長を抑
制したδ1相主体のめっき層構造を得るためには、ζ相
を消失させるためにめっき直後にめっき層を495℃以
上に短時間のうちに加熱し、Г相の成長を抑制するため
にζ相が消失した時点で急冷する合金化処理が必要とな
ってくる。しかし、めっき原板鋼種,めっき付着量が種
々異なることにより合金化速度が変化するため常に同一
合金化処理条件で合金化処理を行うことは困難であり、
また合金化処理炉内でζ相の残存量及びГ相の生成量を
連続的且つ正確に測定する手段が無いことからδ1相主
体のめっき層を得るためには鋼板が合金化処理炉を通過
した以後で合金化度を正確に且つ短時間で測定し、測定
した結果を合金化処理条件にフィードバックし、合金化
処理条件を制御する技術が不可欠となる。
【0005】この合金化度を制御するために合金化度を
測定する方法として、以下に説明するような種々の方法
が採用されている。最も簡易な合金化度の測定方法とし
て、合金化直後のめっき層表面の色調変化を目視又は光
度計によって判定する方法や、サンプリングした試料の
曲げ・曲げ戻し試験で剥離しためっき層の量を目視によ
って判定する方法(いわゆるパウダリング試験)があ
る。また、サンプリングした試料のめっき層中の平均F
e濃度を測定する化学分析法は、従来から合金化度の指
標として用いられているめっき層中の平均Fe濃度その
ものを測定する方法である。しかしながらこれらの方法
は不正確であったり、サンプリングから測定終了までに
長時間を要するので合金化処理条件へのフィードバック
が遅れるという問題点を有していると共に、めっき層構
造を測定することができないという問題点も有してい
る。
【0006】めっき層構造を測定する方法としては、サ
ンプリングした試料を断面研磨して光学顕微鏡又は走査
型電子顕微鏡等でめっき層断面を観察してζ相,δ1
及びГ相の厚みを測定する方法や、分析用X線回折装置
によりサンプリングした試料のX線回折プロファイルを
測定してζ相,δ1相及びГ相のX線回折強度で測定す
る方法がある。これらの方法は、めっき層構造そのもの
を測定して合金化度の大小を判定する好ましい方法であ
るが、サンプリングから測定終了まで長時間を要し、合
金化処理条件へのフィードバックが遅れるという問題点
がある。また上記したパウダリング試験,化学分析法,
断面観察法及びX線回折法はいずれも破壊試験であるた
め、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の幅方向,ライン方向全
般に亘って測定ができないという問題点がある。
【0007】一方、特開昭57−185966号公報,
特開昭58−210550号公報及び特公平1−447
82号公報では、合金化処理後のめっき層の輻射エネル
ギーや反射光強度によりオンラインで非破壊且つ連続的
に合金化度を測定し、制御する方法が提案されている。
しかしながらこれらの方法では、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板のめっき層構造及び品質特性を測定して評価するこ
とはできない。また、特公昭64−6269号公報,特
開昭59−46543号公報,特開昭59−91343
号公報及び特開昭61−148355号公報ではX線回
折法を用いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板のη−Zn相の
X線回折強度,η−Zn相のX線回折強度とδ1相のX
線回折強度の組合せ及びΓ相のX線回折強度とα相のX
線回折強度の組合せによりオンラインで非破壊且つ連続
的に合金化度を測定し、制御する方法が提案されてい
る。しかし、これらの方法では合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の品質特性に特に大きな影響を及ぼすζ相の残存量と
Γ相の生成量を同時に測定することができない。
【0008】以上のように、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
のめっき層中のζ相の残存量とΓ相の生成量は合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の品質特性と密接に関連しており、品
質特性特に絞り成形性と耐パウダリング性とに優れた合
金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するには、ζ相を残存さ
せることなくГ相の生成を抑制し、δ1相主体のめっき
層構造となるように合金化処理条件を制御しなければな
らない。しかし、前記したように、従来から用いられて
いる合金化度の測定方法ではζ相の残存量とΓ相の生成
量をオンラインで同時に非破壊,連続的且つ正確に測定
することが困難であり、このためにδ1相主体のめっき
層構造となるように合金化処理条件を制御することがで
きなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解決し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化
度を連続的な製造ライン内で非破壊で正確に測定し、測
定した合金化度に応じて合金化処理条件を制御し、品質
特性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法
を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の基本とするとこ
ろは、先に本発明者らが特願平1−308917号にて
提案した「X線回折法による高加工用合金化亜鉛めっき
鋼板の加工性評価方法」と特願平2−228185号に
て提案した「合金化亜鉛めっき鋼板のオンライン合金化
度測定装置」とを応用し、X線回折法により合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の合金化度をオンラインで非破壊で高精
度で測定し、その測定結果を合金化溶融亜鉛めっき鋼板
製造ラインにフィードバックさせて品質特性に優れた合
金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するところにある。
【0011】すなわち、前記した特願平1−30891
7号にて詳述したように、ζ相及びГ相の全X線回折強
度I(ζ)及びI(Γ)からそれぞれのバックグラウンドの
X線回折強度Ib(ζ)及びIb(Γ)を差し引いて求めた真
のX線回折強度であるI(ζ)−Ib(ζ)及びI(Γ)−Ib
(Γ)が全X線回折強度に占める割合、すなわち はめっき付着量の大小に関係なく、製品の品質すなわち
前者は絞り成形性と良い相関があり、後者はパウダリン
グ試験におけるめっき層の剥離量と良い相関がある。従
って、オンラインで連続的に上記両指標を測定すればオ
ンラインで直接合金化溶融亜鉛めっき鋼板の品質特性を
評価することが可能であり、更には予め設定しておいた
上記両指標の適正値と測定値との差に応じて合金化処理
条件を制御すれば品質特性特に絞り成形性,耐パウダリ
ング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造が可能
となる。
【0012】本発明において上記両指標を測定する場合
のX線源の種類及び光学系等については特に限定される
ものではない。しかし、鋼板の振動による回折X線の検
出器からのズレに起因するX線回折強度の測定精度の低
下を防止するには、入射X線の入射角と回折X線の取出
角(回折角)が大きくなるようなX線源を選定する必要
がある。このためには、例えばCr管球のような波長の
長いX線管球が適している。また同様に、光学系につい
ても集中ビーム光学系よりも平行ビーム光学系の方が好
ましい。なお、測定対象とするζ相とΓ相の結晶面につ
いても特に限定されるものではないが、上記と同様の理
由で回折角の大きい結晶面の方が好ましい。このために
は結晶格子面間隔dの小さい結晶面が好適である。これ
らの点から前記両指標を測定する装置としては、前記特
願平2−228185号にて提案した「合金化亜鉛めっ
き鋼板のオンライン合金化度測定装置」を用いるのが好
適である。
【0013】本発明はX線回折法を用いて前記両指標に
より合金化度を測定し、測定した合金化度に応じて合金
化処理条件を制御する方法であるが、制御対象とする合
金化処理条件としてはZnめっき浴への鋼板のインレッ
ト温度,Znめっき浴の組成,Znめっき浴の温度,合
金化処理時の昇温速度,合金化処理時の鋼板温度(合金
化温度),合金化処理時間,合金化処理後の冷却速度等
がある。Zn浴への鋼板のインレット温度,Znめっき
浴の温度及び合金化温度が高く合金化処理時間が長く昇
温速度が大きく,冷却速度が小さいほど合金化が促進さ
れ、合金化度が大きくなってξ相が消失するか又は残存
量が少なくなり、Γ相の生成量が多くなる。その結果、
前記絞り成形性の評価値 は小さくなり、耐パウダリング性の評価値 は大きくなる。逆に、Zn浴への鋼板のインレット温
度,Znめっき浴の温度及び合金化温度が低く合金化処
理時間が短く昇温速度が小さく,冷却速度が大きいほど
合金化が抑制され、合金化度が小さくなってξ相の残存
量が多くなり、Γ相の生成量が小さくなる。その結果、
前記絞り成形性の評価値は大きくなり、前記耐パウダリ
ング性の評価値は小さくなる。
【0014】また、Zn浴には過度の合金化を抑制する
目的で、通常0.1〜0.2mass%のAlが添加される
が、Al濃度が低いほど合金化が促進され、合金化度が
大きくなりξ相の残存量が少なくなり、Γ相の生成量が
多くなる。その結果、前記絞り成形性の評価値は小さく
なり、前記耐パウダリング性の評価値は大きくなる。逆
に、Al濃度が高いほど合金化が抑制され、合金化度が
小さくなりξ相の残存量が多くなり、Γ相の生成量が少
なくなる。その結果、前記絞り成形性の評価値は大きく
なり、前記耐パウダリング性の評価値は小さくなる。
【0015】従って、予め上記両指標の適正範囲を設定
しておき、例えば合金化度が大きくなって耐パウダリン
グ性の評価値の測定値が適正範囲を超えた場合はその評
価値の測定値が適正範囲となり、しかも絞り成形性の評
価値が適正範囲を超えないように上記合金化処理条件の
うちの一つ以上を制御すれば良い。
【0016】本発明はオンラインで連続的に前記両指標
を測定し、測定した結果と予め設定しておいた前記両指
標の適正値との差に応じてこれらの合金化処理条件のう
ちの一つ以上を制御し、ζ相の残存量とΓ相の生成量を
少なくしたδ1相主体の品質特性、特に絞り成形性と耐
パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製
造するものである。なお、上記合金化処理条件の制御方
法は特に限定されるものではないが、応答性,精度,省
力化の点で自動制御が好ましい。
【0017】以下、図面により本発明に係る合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の合金化度の制御方法を具体的に説明す
る。図1は本発明による合金化度の制御方法を示すブロ
ック図であり、1は鋼板、2は鋼板1の表面の圧延油等
を燃焼させて除去する無酸化炉、3は鋼板1の表面のF
e酸化物を水素と窒素との混合ガスにて還元して清浄・
活性化させると共に鋼板1を焼鈍するガス還元・焼鈍
炉、4は鋼板1を所定のインレット温度まで冷却する冷
却炉、5はスナウト、6はZn浴である。このZn浴6
でめっきされた鋼板1はガスワイピングノズル7にて所
定のめっき付着量に調整された後、燃焼ガス加熱方式,
高周波誘導加熱方式等の加熱手段を備えた加熱炉8及び
保持炉9で合金化処理される。合金化処理後、鋼板1は
冷却装置10にて冷却水,空気,不活性ガス等又はこれ
らの混合ガスにて冷却される。11,11’はめっき付
着量計、12,12’は合金化度測定装置、13は演算
装置、14は合金化処理条件制御装置、15はロールで
ある。
【0018】図2は前記両指標を測定する合金化度測定
装置を説明する図であり、16はX線管球,17はバッ
クグラウンド強度測定用検出器、18,19及び20は
それぞれΓ相,ζ相及びδ1相のX線回折強度測定用検
出器、21は入射X線、22,23,24及び25は各
々バックグラウンド,Γ相,ζ相及びδ1相からの回折
X線、26はソーラースリット、27は入射X線21と
鋼板1の交点を中心としてこの中心から各検出器17,
18,19及び20までの間を半径とする走査円であ
る。各検出器17,18,19及び20(ソーラースリ
ット26を含む)にはそれぞれ検出器駆動用モーター2
8が設けられており、更に各検出器17,18,19及
び20(ソーラースリット26を含む)と各検出器駆動
用モーター28とは走査板29に取り付けられており、
この走査板29には走査板駆動用モーター30が設けら
れている。各検出器17,18,19及び20(ソーラ
ースリット26を含む)は各検出器駆動用モーター28
により走査円27上でそれぞれ単独又は同時に走査する
ことができる。また、走査板駆動用モーター30で走査
板29を走査させることにより、各検出器17,18,
19及び20(ソーラースリット26を含む)を走査円
27上で同時に走査させることができる。31はポリイ
ミドフィルム等で形成されている測定窓、32は装置内
の温度を一定に保持する温度調整機である。本装置では
各検出器17,18,19及び20(ソーラースリット
26を含む)を走査させることにより、X線回折プロフ
ァイルを測定することもできるが、前記両指標を測定す
る場合はバックグラウンド強度測定用検出器17,Γ相
のX線回折強度測定用検出器18及びζ相のX線回折強
度測定用検出器19のみを用いればよい。この場合、ζ
相及びΓ相のX線回折ピークのそれぞれのバックグラウ
ンドのX線回折強度Ib(ζ)及びIb(Γ)は、便宜上X線
回折ピークの存在しない2θ位置でのX線回折強度と
し、バックグラウンド強度測定用検出器17を用いて測
定すればよい。
【0019】本発明方法において合金化度測定装置1
2,12’で測定したζ相のX線回折強度I(ζ),Γ相
のX線回折強度I(Γ)及びこれらζ相,Γ相のバックグ
ラウンド強度Ib(ζ),Ib(Γ)は演算装置13に入力さ
れ、前記両指標を演算するようになっている。前記両指
標の演算結果は合金化処理条件制御装置14に送信され
る。合金化処理条件制御装置14では前記両指標の演算
結果と予め設定しておいた前記両指標の適正値を比較
し、その差と予め入力されているめっき原板の鋼種及び
めっき付着量計にて測定しためっき付着量の測定値に応
じて冷却炉4における鋼板温度すなわちZnめっき浴6
への鋼板1のインレット温度,Znめっき浴6の温度,
Znめっき浴6中のAl濃度,加熱炉8における昇温速
度,加熱炉8及び保持炉9における鋼板温度(合金化温
度)と合金化時間,冷却装置10における冷却速度の一
つ以上を制御するようになっている。
【0020】
【実施例】実施例によって本発明方法を具体的に説明す
る。本実施例においてめっき原板,合金化度の指標,合
金化度の測定条件,合金化度処理条件,絞り成形性,耐
パウダリング性の評価方法は、以下の通りである。
【0021】めっき原板: 鋼種:Ti添加鋼(C:0.002mass%,Ti:0.07mass
%,Si:0.15mass%,Mn:0.13mass%) Alキルド鋼(C:0.012mass%,Al:0.019mass%,
Si:0.05mass%,Mn:0.18mass%)、 寸法:板厚:0.7mm,板幅:1,000mm
【0022】合金化度の指標: 絞り成形性の評価値 耐パウダリング性の評価値 ここで、 I(ζ):結晶格子面間隔d=約1.26Åのζ相のX線
回折強度(c.p.s) I(Γ):結晶格子面間隔d=約1.22ÅのГ相のX線
回折強度(c.p.s) Ib(ζ),Ib(Γ):上記結晶格子面間隔のζ相及びГ相
のX線回折ピークのバックグラウンドのX線回折強度、
便宜上X線回折ピークのない結晶格子面間隔d=約1.
18ÅにおけるX線回折強度(c.p.s)とする。
【0023】合金化度の測定条件: X線管球:Crターゲツト(波長Cr−Kα1:約2.2
9Å) 光学系:平行ビーム光学系 管電圧:40kV 管電流:70mA フィルター:X線管球側なし、ζ相,Г相のX線回折強
度及びバツクグラウンドのX線回折強度測定用検出器側
はV ソーラースリツト:0.6° X線入射角:60° X線の照射面積:650mm2(板幅方向の照射長さ10m
m、ライン方向の照射長さ65mm) 検出器:ガス封入型比例計数管 X線管球と合金化溶融亜鉛めっき鋼板間の距離:300
mm 合金化溶融亜鉛めっき鋼板と各検出器間の距離:500
mm 計数時間:1秒 測定ヘツドのトラバース方法:板幅方向に1分間に1往
復を繰り返しながら片道毎にセンター部,両サイド部の
3点を測定
【0024】合金化処理条件: ラインスピード:50〜150m/min Znめっき浴への鋼板インレット温度:450〜500
℃ Znめっき浴中へのAl濃度:0.1〜0.2mass% Znめっき浴の温度:450〜500℃ めっき付着量:約30〜90g/m2(片面) 加熱炉の加熱方式:燃焼ガス加熱方式(直火型バーナー
方式) 加熱炉の燃焼ガスの種類:ブタンガス 合金化処理時の昇温温度:5〜20℃/sec 合金化処理温度:450〜600℃ 合金化処理時間:5〜30sec 冷却装置の冷却方式:空気と水を混合した気水冷却方式 冷却速度:10〜100℃/sec
【0025】合金化処理時の昇温速度,合金化温度及び
合金化時間は、加熱炉8の燃焼ガス流量とラインスピー
ドで上記範囲に調整した。また、合金化処理後の冷却速
度は冷却装置10の空気と水の流量で上記範囲に調整し
た。
【0026】予め絞り成形性の評価値 と耐パウダリング性の評価値 との適正値をそれぞれ0.35以下と0.40以下とに設
定し、合金化度測定装置12,12’にて上記両指標を
測定しながら上記両指標がそれぞれ0.35以下と0.4
0以下となるように合金化処理条件を前述の範囲内で自
動制御し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を50コイル(T
i添加鋼25コイル,Alキルド鋼25コイル)を製造
した。この50コイルのトップ部,ミドル部及びエンド
部のセンター部及び両サイド部から試験片を採取し、更
にその中から無作為に試験片12枚(Ti添加鋼6枚,
Alキルド鋼6枚)を選び出し、絞り成形性をカップ絞
り試験による外径比によって、また耐パウダリング性を
曲げ・曲げ戻し加工後のめっき層の剥離試験によって評
価した。また、比較として従来の目視判定法で合金化度
を判定して合金化処理条件を前述の範囲内で手動で制御
し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板50コイル(Ti添加鋼
25コイル,Alキルド鋼25コイル)を製造した。こ
の50コイルのトップ部,ミドル部及びエンド部のセン
ター部及び両サイド部から試験片を採取し、更にその中
から無作為に試験片12枚(Ti添加鋼6枚,Alキル
ド鋼6枚)を選び出し、絞り成形性と耐パウダリング性
とを評価した。この絞り成形性試験は同一防錆油を使用
してその概略を図3に示す次の条件で行い、また耐パウ
ダリング性試験はその概略を図4に示す次の条件で行っ
た。
【0027】絞り成形性試験: 試験片 絞り成形前の円板の直径(D0):75mm 絞り成形に使用する鋼板の板厚:tmm 金型 絞り成形に使用するポンチの直径(d):40mm 絞り成形に使用するポンチ先端半径:5mm 絞り成形に使用するダイス肩部半径:5tmm 絞り成形時のシワ押え力:9,800N 試験後の状態 絞り成形により絞り込む絞り込み深さ:20mm 絞り成形後のフランジ部の直径:D1mm 外径比=D1/D0
【0028】耐パウダリング性試験:試験面を内側にし
て試験片の板厚tの6倍の直径の円弧部が試験面に構成
されるように180°曲げを行った後に曲げ戻しを行
い、その試験面にセロハン粘着テープを貼り、そのセロ
ハン粘着テープを引き剥がしてセロハン粘着テープに付
着したパウダー状のめっき金属量を目視により以下の基
準により判定した。 5:付着めっき金属無し 4:付着めっき金属量小 3:付着めっき金属量中 2:付着めっき金属量大 1:テープ無しで多量の粉状めっき金属剥離
【0029】なお加工性の評価基準は、絞り成形性試験
における外径比が0.745以下、耐パウダリング性試
験における評点が3以上の両方を満足するもの加工性
「良」と判定した。本発明による実施例を表1に、目視
判定法による比較例を表2に示す。
【0030】表1に示すように、本発明方法により前記
両評価値が適正範囲内となるように合金化処理条件を制
御した結果、全コイルが加工性良と判定された。しか
し、表2に示すように、従来の目視判定法により合金化
度を判定し、合金化処理条件を制御した比較例ではその
半数が加工性不良と判定された。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明方法は合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の品質特性、特に加工性をζ相と
Γ相のX線回折強度I(ζ)及びI(Γ)とそのバックグラ
ウンド強度Ib(ζ)及びIb(Γ)とから得られる評価値を
指標としてオンラインで測定し、予め設定した両指標の
適正値と両指標の測定値との差に応じて合金化処理条件
を制御し、両指標が適正範囲内となるように構成したこ
とにより、鋼板のライン方向,幅方向全体に亘って加工
性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造す
ることが可能となる。また、このことから出荷試験を省
略できるので省力化や製造コストダウン等の利益も得ら
れるので本発明の工業的価値は非常に大きいものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による合金化度の制御方法を示すブロッ
ク図である。
【図2】合金化測定装置の構成を説明する図である。
【図3】絞り成形性試験方法を説明する図である。
【図4】耐パウダリング性試験方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 鋼板 2 無酸化炉 3 ガス還元・焼鈍炉 4 冷却炉 5 スナウト 6 Znめっき浴 7 ガスワイピングノズル 8 加熱炉 9 保持炉 10 冷却装置 11,11’ めっき付着量計 12,12’ 合金化度測定装置 13 演算装置 14 合金化処理条件制御装置 15 ロール 16 X線管球 17 バックグラウンド強度測定用検出器 18 Γ相のX線回折強度測定用検出器 19 ζ相のX線回折強度測定用検出器 20 δ1相のX線回折強度測定用検出器 21 入射X線 22 バックグラウンドからのX線 23 Γ相からの回折X線 24 ζ相からの回折X線 25 δ1相からの回折X線 26 ソーラースリット 27 走査円 28 検出器駆動用モーター 29 走査板 30 走査板駆動用モーター 31 測定窓 32 温度調整機
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】一方、特開昭57−185966号公報,
特開昭58−210550号公報及び特公平1−447
82号公報では、合金化処理後のめっき層の輻射エネル
ギーや反射光強度によりオンラインで非破壊且つ連続的
に合金化度を測定し、制御する方法が提案されている。
しかしながらこれらの方法では、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板のめっき層構造及び品質特性を測定して評価するこ
とはできない。また、特公昭64−6269号公報,特
開昭59−46543号公報,特開昭59−91343
号公報及び特開昭61−148355号公報ではX線回
折法を用いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板のη−Zn相の
X線回折強度,η−Zn相のX線回折強度とδ相のX
線回折強度の組合せ及びΓ相のX線回折強度とα−Fe
のX線回折強度の組合せによりオンラインで非破壊且
つ連続的に合金化度を測定し、制御する方法が提案され
ている。しかし、これらの方法では合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の品質特性に特に大きな影響を及ぼすζ相の残存
量とΓ相の生成量を同時に測定することができない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明はX線回折法を用いて前記両指標に
より合金化度を測定し、測定した合金化度に応じて合金
化処理条件を制御する方法であるが、制御対象とする合
金化処理条件としてはZnめっき浴への鋼板のインレッ
ト温度,Znめっき浴の組成,Znめっき浴の温度,合
金化処理時の昇温速度,合金化処理時の鋼板温度(合金
化温度),合金化処理時間,合金化処理後の冷却速度等
がある。Zn浴への鋼板のインレット温度,Znめっき
浴の温度及び合金化温度が高く合金化処理時間が長く昇
温速度が大きく,冷却速度が小さいほど合金化が促進さ
れ、合金化度が大きくなってζ相が消失するか又は残存
量が少なくなり、Γ相の生成量が多くなる。その結果、
前記絞り成形性の評価値 は小さくなり、耐パウダリング性の評価値 は大きくなる。逆に、Zn浴への鋼板のインレット温
度,Znめっき浴の温度及び合金化温度が低く合金化処
理時間が短く昇温速度が小さく,冷却速度が大きいほど
合金化が抑制され、合金化度が小さくなってζ相の残存
量が多くなり、Γ相の生成量が小さくなる。その結果、
前記絞り成形性の評価値は大きくなり、前記耐パウダリ
ング性の評価値は小さくなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、Zn浴には過度の合金化を抑制する
目的で、通常0.1〜0.2mass%のAlが添加さ
れるが、Al濃度が低いほど合金化が促進され、合金化
度が大きくなりζ相の残存量が少なくなり、Γ相の生成
量が多くなる。その結果、前記絞り成形性の評価値は小
さくなり、前記耐パウダリング性の評価値は大きくな
る。逆に、Al濃度が高いほど合金化が抑制され、合金
化度が小さくなりζ相の残存量が多くなり、Γ相の生成
量が少なくなる。その結果、前記絞り成形性の評価値は
大きくなり、前記耐パウダリング性の評価値は小さくな
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の連続的な製
    造ラインにおいて合金化溶融亜鉛めっき鋼板のFe−Z
    n金属間化合物相のうちのζ相のX線回折強度I(ζ)と
    そのバックグラウンドのX線回折強度Ib(ζ)及びГ相
    のX線回折強度I(Γ)とそのバックグラウンドのX線回
    折強度Ib(Γ)を測定し、次式で算出される を合金化度の指標とし、この両指標の測定値と予め設定
    した該指標の適正値とを比較し、その差に応じて合金化
    処理条件を制御することを特徴とする合金化溶融亜鉛め
    っき鋼板の合金化度の制御方法。
  2. 【請求項2】 合金化処理条件のうち、Znめっき浴へ
    の鋼板のインレット温度,Znめっき浴の温度,Znめ
    っき浴の組成,合金化処理時の鋼板の昇温速度,合金化
    処理時の鋼板温度,合金化処理時間,合金化処理後の冷
    却速度の一つ以上を制御する請求項1に記載の合金化溶
    融亜鉛めっき鋼板の合金化度の制御方法。
JP3223574A 1991-08-09 1991-08-09 合金化溶融亜鉛めつき鋼板の合金化度の制御方法 Withdrawn JPH0544007A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101253961B1 (ko) * 2010-12-28 2013-04-11 주식회사 포스코 합금화 용융아연도금강판 제조 방법
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