JPH0543832U - 脱穀機のグレンタンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本来、良好な穀粒排出に寄与するために設け
られている流量調節部材が、ブリッジ現象により穀粒詰
まりの原因とならないようにさせる。 【構成】 グレンタンク３の底スクリュー１１の直上位
置に装備される流量調節板７を、往復揺動するクランク
軸１７を回転させることで駆動振動可能とする振動機構
Ａを設けるとともに、この振動機構Ａに底スクリュー１
１からによって動力を入力するためのロッド伝動機構Ｂ
を備える。タンク側板３ｄも流量調節板７に伴って振動
駆動させると好都合である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、脱穀機のグレンタンク内で穀粒がブリッジ現象を起こし、流量調節 部材から底スクリューに穀粒が供給されなくなることを防止する技術に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

脱穀機のグレンタンクでは、底スクリューの直上位置に山折り状の流量調節板 を設けて底スクリューに供給される穀粒の単位時間当たりの量を適切なものに調 節し、良好な穀粒排出ができるようにしてあるのが一般的であり、例えば、実開 平２−５５５４８号公報で示されたものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、濡れ脱穀等のように回収される穀粒の水分が多くなると、グレンタ ンクの底板と流量調節部材の間でブリッジ現象が生じ、穀粒排出が不能になる場 合があった。 本考案は、流量調節部材に工夫を施すことにより、本来、良好な穀粒排出に寄 与するために設けられている流量調節部材が穀粒詰まりの原因とならないように することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的の達成のために本考案は、底スクリューの直上位置に装備される流量 調節部材を駆動振動可能とする振動機構を設けるとともに、この振動機構に底ス クリューから動力を入力するための伝動機構を備えてあることを特徴とするもの である。 流量調節部材に接触可能なカムを回転軸に支承させて振動機構を構成するとと もに、回転軸と底スクリューのスクリュー軸とを連動連結して伝動機構を構成す れば好都合であり、タンク側壁も駆動振動可能に構成すればさらに好都合である 。

【０００５】

【作用】

請求項１の構成では、流量調節部材が振動することにより、この流量調節部材 とタンク底との間のブリッジ現象の発生を防止できるようになるとともに、流量 調節部材に振動を付与する振動機構の駆動源をすぐ近くに存在する底スクリュー とするものであるから、伝動機構に要する部材や寸法を小に設定できコンパクト に構成できるようになる。 請求項２の構成では、振動機構を構成するカムを回転させるものであるから、 往復移動させる手段に比べて駆動に伴うロス振動を抑えながら効率的に機能する ものとなる。 請求項３の構成では、タンク側壁に穀粒がへばりつくことも抑制できるように なる。

【０００６】

【考案の効果】

従って、請求項１記載のグレンタンクでは、タンク内でのブリッジ現象を抑制 して底スクリューによる良好な穀粒排出状態が得られ、かつ、そのための手段を 小規模なものに構成できるようにし得た。 請求項２記載のグレンタンクでは、上記効果を効率良く発生できるようになり 、請求項３記載のグレンタンクでは、グレンタンク全体としての穀粒詰まり防止 性能が向上する利点を有する。

【０００７】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を脱穀機の一例であるコンバインに搭載されたグレン タンクの場合について図面に基づいて説明する。 図４にコンバインの側面図が示され、１は刈取部、２は脱穀装置、３はグレン タンク、４はアンローダ装置、５はクローラ走行装置である。 図１、図２に示すように、グレンタンク３の底スクリュー６の直上位置には山 折り状の流量調節板７が配置され、その前後左右の計４箇所をゴム等の図３に示 す弾性体８を介してタンク前後壁３ａ，３ｂに支持してあるとともに、流量調節 板７の左右中央の隅部の前後に回転軸心が偏った偏心カム９，９を配置させた回 転軸１０を設けてあり、回転軸１０の回転に伴う偏心カム９，９の偏心駆動によ る振動機構Ａを構成してある。 また、底スクリュー６のスクリュー軸１２の駆動ギヤ１３と、回転軸１０の受 動ギヤ１４とを咬合させて伝動機構Ｂを構成してあり、アンローダ装置４でもっ て穀粒を排出するべく底スクリュー６を駆動させると、それに伴って振動機構Ａ が作動して、流量調節板７を振動させ、これとタンク底板３ｃとの間に濡れ穀粒 によるブリッジ現象が生じないようにしてある。

【０００８】 〔別実施例〕 また、図５、図６に示すように、流量調節板７を軸心Ｐ周りで揺動自在な２枚 の調節板７ａ，７ａで構成し、底スクリュー６の受動プーリ１５にロッド（伝動 機構Ｂに相当）１６で連動連結されるクランク軸１１を設け、このクランク軸１ １と２枚の調節板７ａ，７ａとをロッド連結して振動機構Ａを構成しても良い。 そして、調節板７ａと左右のタンク側壁３ｄとを夫々ロッド連結してあり、タン ク側壁７ｄも振動するようにしてある。

【０００９】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記す が、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】グレンタンク底部の構造を示す断面正面図

【図２】グレンタンク底部の構造を示す断面側面図

【図３】流量調節板の弾性支持構造を示す図

【図４】コンバインの側面図

【図５】別実施例によるグレンタンク底部の構造を示す
断面正面図

【図６】図５における伝動機構を示す断面図

【符号の説明】

３ｄ タンク側壁 ６ 底スクリュー ７ 流量調節部材 ９ カム １０ 回転軸 １２ スクリュー軸 Ａ 振動機構 Ｂ 伝動機構

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底スクリュー（６）の直上位置に装備さ
   れる流量調節部材（７）を駆動振動可能とする振動機構
   （Ａ）を設けるとともに、この振動機構（Ａ）に前記底
   スクリュー（６）から動力を入力するための伝動機構
   （Ｂ）を備えてある脱穀機のグレンタンク。
2. 【請求項２】 前記流量調節部材（７）に接触可能なカ
   ム（９）を回転軸（１０）に支承させて前記振動機構
   （Ａ）を構成するとともに、前記回転軸（１０）と前記
   底スクリュー（６）のスクリュー軸（１２）とを連動連
   結して前記伝動機構（Ｂ）を構成してある請求項１記載
   の脱穀機のグレンタンク。
3. 【請求項３】 タンク側壁（３ｄ）を駆動振動可能に構
   成してある請求項１又は２記載の脱穀機のグレンタン
   ク。