JPH0543821B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は建築、構築物の外壁、特に乾式工法に
よつて外壁を構成した既成壁を改修する工法に関
するものである。

（従来の技術） 従来、この種工法としては特公昭58−17869号
公報が知られている。すなわち、乾式外壁材で葺
成された外壁上に下地骨を垂直に、かつ既成壁の
水切り端まで延長し、また土台には直接、あるい
は付け土台を介してライナー材を水平方向に固定
し、このライナー材にスタート材を固定して新規
外壁材の１段目を装着し、順次葺成して外壁を改
修するものである。

（発明が解決しようとする問題点） 前記した工法では下地骨が土台と固定されてい
ないため、安定性に欠けると共に、スタート材の
土台からの突出寸法と下地骨の突出寸法との間に
大きな相違が生じたりして施工しにくくなつた
り、外観の美観を損なう不利があつた。さらに、
ライナー材が外気に、しかも風風に曝される部分
に露出しているため、ライナー材、スタート材が
腐食する欠点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこのような欠点を解決するため、下地
骨と同機能の縦胴縁を土台の位置から必要な高さ
まで延ばし、しかも土台と縦胴縁間に当て木を介
在して縦胴縁の下端を当て木に固定すると共に、
縦胴縁の下端と縦胴縁間の空隙をカバー材で被覆
し、また縦胴縁の下端に新規外壁材の第１段目を
装着するスタータを固定し、新規外壁を葺成した
ものである。

（作用） 前記した当て木は縦胴縁の下端部が外気に露出
しないように、かつ、縦胴縁間の空間をスタータ
と協同して閉塞するカバー材を確実に装着すると
共に、縦胴縁下端を安定した状態に固定するもの
であり、スタータは上記したような縦胴縁下端に
固定されるため堅牢な構造となり、さらにスター
タとカバー材で新規壁の下端部は風雨に直接曝さ
れないように被覆される。

（実施例） 以下、図面を用いて本発明に係る外壁改修工法
の一実施例について説明する。第１図は本発明に
係る改修工法の一例を示す斜視図、第２図は本発
明に係る改修工法の土台部分を示す説明図で、１
は間柱、２は既成壁（以下、単に壁という）で、
既成の壁構造である。さらに説明すると、既成の
壁構造は間柱１の外側面にスレート板、金属系、
窯業系のサイデイングボード等の壁材からなる構
造のものである。３は基礎、４は土台、５は当て
木で壁２の厚さＴと同じか、幾分小さい厚さから
なり、例えば土台４の下部に土台４と平行に固定
し、カバー材６、下記する縦胴縁１０を安定した
状態で確実に固定するものである。また、カバー
材６は第３図に示すように当て木５の外側面に垂
直部７を釘１１で固定し、Ｌ字部８で縦胴縁１０
の下端部を収納するガイド部９を有するものであ
る。さらに、カバー材６は新規壁を形成した際に
縦胴縁１０間に形成される空隙を閉塞すると共
に、縦胴縁１０の下端面、当て木５の外側面を風
雨から保護する機能を具備するものである。この
材質としては金属板（Fe、Al、Cu、アルミ、亜
鉛合金メツキ鋼板、ステンレス）プラスチツク板
等の１種からなるものである。前記縦胴縁１０は
新規外壁１６を形成する乾式外壁材１７を固定す
るためのものであり、壁２の躯体と対応する位置
に垂直に固定したものである。すなわち、縦胴縁
１０の下端部はガイド部９に嵌挿すると共に、釘
１１を介して当て木５に固定し、それ以外は適宜
位置を釘１１で壁２の躯体、例えば間柱１に固定
するものである。１２はスタータで縦胴縁１０の
下端部に固定し、外壁材１７を係止するものであ
り、その形状としては第４図ａ〜ｆに示すような
長尺体からなるものであり、ａ〜ｃ図は引掛けタ
イプ、ｄ〜ｆは落し込みタイプの外壁材１７を取
付けるのに好適なスタータ１２である。すなわ
ち、第４図ａ〜ｆに示すように、金属製薄板を略
コ字状に成形して、釘打設部１３、底面部１４、
断面Ｕ字状の係合部１５を設けたものである。ま
た、乾式外壁材１７は第５図ａ〜ｋに示すような
断面からなる長尺体であり、その連結部構造は引
掛け型、落し込み型のいずれかである。１８は防
水シートで壁２と縦胴縁１０間に必要に応じて設
けるものである。防水シート１８の一例としては
アスフアルトフエルト、ターフエルト等であり、
主に防水材として機能するものである。

次に本発明に係る外壁改修工法の一実施例につ
いて詳細に説明する。いま、第１図に示すような
既成の壁構造体において、まず第２図に示すよう
に当て木５を土台４に釘１１を介して固定する。
次にカバー材６を当て木５平行に水平方向に、釘
１１を介して固定し、カバー材６のガイド部９に
縦胴縁１０の下端を嵌挿し、かつ、間柱１と対応
する位置に垂直に保持すると共に、適宜の個所を
釘１１を介して固定するものである。なお、この
場合、縦胴縁１０の下端部はカバー材６、当て木
５を経て土台４に釘１１を介して固定されるもの
である。次にスタータ１２を縦胴縁１０の下端に
固定し、第１段目の外壁材１７を係合し、上端部
を釘１１で固定する。従つて、新規外壁１６を形
成するには、上記の工程を繰り返して軒まで順次
葺成するものである。

以上説明したのは本発明に係る外壁改修工法の
一実施例にすぎず、当て木５、スタータ１２は通
し構造でなく、短尺の部材とすることも可能であ
る。

（発明の効果） 上述したように本発明に係る外壁改修工法によ
れば、既成壁を解体する必要がないため施工上の
工数を省略できると共に、工期を大幅に短縮する
ことができ、しかも施工中の居住に何等支障を来
さない特徴がある。さらに、施工においては当て
木を土台に固定し、当て木に縦胴縁の下端を固定
したため安定した状態で、確実に縦胴縁を固定で
きる特徴がある。また、当て木と縦胴縁間にはカ
バー材を固定し、縦胴縁の表面側にスタータを固
定したため、縦胴縁間の空隙が外気と遮断され、
断熱性、耐食性にすぐれた構造となる利点があ
る。その上、従前のようなライナー材を固定する
必要がなく、施工が容易で、しかも高能率となる
特徴がある。また、本発明に係る外壁改修工法に
よる外壁を形成すると、既成壁と二重壁構造とな
り、断熱性、防音性、防火性に富む壁構造となる
特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る外壁改修工法の一例を示
す斜視図、第２図は本発明に係る外壁改修工法の
土台部分を示す説明図、第３図、第４図ａ〜ｆは
第１図、第２図に用いられたカバー材とスタータ
の一例を示す斜視図、第５図ａ〜ｋは本発明に係
る外壁改修工法に用いられる外壁材の一例を示す
説明図である。 １……間柱、４……土台、５……当て木、６…
…カバー材、１０……縦胴縁、１２……スター
タ、１７……外壁材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 建築、構築物の乾式工法によつて形成された
   外壁材からなる既成壁において、該既成壁の土台
   に通し当て木を水平方向に固定し、次に該当て木
   にＬ字状のカバー材を水平方向に固定し、その後
   で縦胴縁を既成壁上に、ほぼ垂直に固定すると共
   に、下端を前記カバー材に嵌挿し、次に縦胴縁下
   端に新規外壁材のスタータを水平方向に取付け、
   長尺状の外壁材を前記スタータの係合溝部に係止
   して前記胴縁の外側面に該胴縁と直交する方向に
   取付け、順次上方へ前記と同様の外壁材をその下
   方の外壁材に係止して該胴縁の外側面に取付けて
   いくことにより新規外壁を構成することを特徴と
   する建物の外壁改修工法。