JPH0543650A - 多液型熱硬化性樹脂組成物及び硬化樹脂成形物の製造法 - Google Patents

多液型熱硬化性樹脂組成物及び硬化樹脂成形物の製造法

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JPH0543650A
JPH0543650A JP3355551A JP35555191A JPH0543650A JP H0543650 A JPH0543650 A JP H0543650A JP 3355551 A JP3355551 A JP 3355551A JP 35555191 A JP35555191 A JP 35555191A JP H0543650 A JPH0543650 A JP H0543650A
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博之 梅谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 貯蔵安定性、取扱い性、成形性の良好な液状
樹脂組成物を用い、耐熱性、機械的特性、切削加工性等
のすぐれた成形物を再現性良く製造する。 【構成】 ポリイソシアネート化合物、(β―メチル)
グリシジル(メタ)アクリレート、成環触媒及びラジカ
ル触媒、さらに必要に応じポリオール化合物及び/又は
ポリエポキシ化合物を、特定割合に配合し、型内で反応
硬化させて成形物を製造することからなり、かつ、この
際、実質的にポリイシアネート化合物からなるA液と、
(β―メチル)グリシジル(メタ)アクリレート及び成
環触媒、さらに必要に応じポリオール化合物、ポリエポ
キシ化合物からなるB液の2種の液に分けることを特徴
とする多液型硬化性樹脂組成物、及びそれを用いた硬化
樹脂成形物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性に優れた熱硬化樹
脂を製造する方法並びにそれに用いる新規な熱硬化性樹
脂組成物に関するものである。さらに詳しくは液粘度が
低く、比較的低い温度で硬化しうる等、取扱い性、成形
性の良好な熱硬化性樹脂組成物を用いて耐熱性、耐薬品
性及び機械的特性、電気的特性に優れた硬化樹脂を製造
する方法並びにそれに用いられる新規な熱硬化性樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、技術の進歩に伴い、耐熱性、機械
的性質にすぐれ、かつ成形性にもすぐれた樹脂が要求さ
れている。これらの樹脂の中でも特に反応性モノマーあ
るいはオリゴマーを用いた反応成形タイプの樹脂、すな
わち比較的低粘度の(好適には室温で液状の)原料を用
いて成形と重合とを同時に行う樹脂が注目されている。
かかる樹脂としてはポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリジ
シクロペンタジエン樹脂等が知られており、一部は商品
化されている。
【0003】しかしながら、これらの樹脂には夫々一長
一短があり、例えばポリウレタン樹脂は耐熱性が低く、
不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂は耐熱性ではポ
リウレタン樹脂より優れるが、硬くて脆い、あるいは反
応性が必ずしも十分高くないという問題がある。
【0004】ポリウレタン樹脂の耐熱性を改善する方法
として、イソシアネートの3量化によるイソシアヌレー
ト環を導入する方法が、例えば特公昭44−16669
号公報等により古くから知られており、実用化されてい
る。しかしこの方法は耐熱性の改良の面でも通常のもの
より20〜30℃改善する程度であり、熱変形温度でも
せいぜい150〜160℃どまりであり、また、樹脂液
粘度も必ずしも低いとは言い難い。
【0005】このポリイソシアネートを一つの原料とす
る熱硬化性樹脂としては、イソシアネート基とエポキシ
基との成環反応であるオキサゾリドン環生成を利用した
ものが古くから知られており、最近では例えば特開昭6
2−62879号公報にあるようなイソシアネートを3
量化したイソシアヌレート環とこのオキサゾリドン環生
成を組み合わせたものも提案されている。これは、硬化
した樹脂の耐熱性は高いが、エポキシ樹脂を使用するた
め、樹脂液粘度が必ずしも十分低くなく、反応温度も必
ずしも十分低いものではないため、取扱い性、成形性に
問題がある。
【0006】また、特公昭53−31515号公報に
は、ポリイソシアネートとエポキシ基を有するアクリル
酸エステルまたは同α−アルキルアクリル酸エステルと
を反応せしめることを特徴とする重合性樹脂の製造方法
が開示されている。この方法では、予めイソシアネート
基とエポキシ基を反応させてオキサゾリドン環を形成せ
しめて重合性樹脂となし、その後ラジカル触媒を加えて
残存しているビニル基を重合せしめ熱硬化性樹脂とす
る。そのため、この重合性樹脂は粘度が高く反応成形に
は適さない。
【0007】さらに、上記特公昭53−31515号公
報にはポリイソシアネートとエポキシ基を有するアクリ
ル酸エステルまたは同α−アリルキアクリル酸エステル
の使用割合についての一般的記述はなく、実施例として
イソシアネート基とエポキシ基とを当量用いる例が示さ
れているのみである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】それ故、本発明の目的
は、低粘度で反応性が高い等取扱い性にすぐれた反応性
樹脂として好適な液状の熱硬化性樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0009】さらに、本発明の他の目的は、上記熱硬化
性樹脂組成物を用いて耐熱性にすぐれた硬化樹脂成形物
を製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の
目的はポリイソシアネート化合物(a)、(β−メチ
ル)グリシジル(メタ)アクリレート(b)、ラジカル
触媒(d)及び成環触媒(c)及び必要に応じて加える
ポリオール化合物(e)及び/又はポリエポキシ化合物
(f)を含み、かつ上記各成分を特定の割合で含有する
熱硬化性樹脂組成物、並びにポリイソシアネート化合物
(a)、(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレー
ト(b)、及び必要に応じて加えるポリオール化合物
(e)及び/又はポリエポキシ化合物(f)を、ラジカ
ル触媒(d)及び成環触媒(c)の共存下で、反応させ
ることにより、熱硬化樹脂成形物を製造する方法、によ
って達成される。
【0011】すなわち、本発明は、少なくとも1種のポ
リイソシアネート化合物(a)よりなるA液と、(β―
メチル)グリシジル(メタ)アクリレート(b)及び少
なくとも1種の成環触媒(c)よりなるB液との組合せ
よりなり、A液及び/又はB液に少なくとも1種のラジ
カル触媒(d)を含有する多液型熱硬化性樹脂組成物で
ある。
【0012】B液には、さらにポリオール化合物(e)
及び/又はポリエポキシ化合物(f)を含有させること
ができる。
【0013】B液は、(β―メチル)グリシジル(メ
タ)アクリレート(b)よりなる第1液(i)と、成環
触媒(c)よりなる第2液(ii)とに分けることができ
る。第1液(i)及び/又は第2液(ii)にはポリオー
ル化合物(e)を含有させることができる。また第1液
(i)にはポリエポキシ化合物(f)を含有させること
ができる。
【0014】また本発明は、上記のA液及びB液よりな
る多液型熱硬化性樹脂組成物を用いる硬化樹脂成形物の
製造法において、成形時にA液とB液とを混合せしめ、
混合液を所定の型内に注入し、加熱硬化せしめることを
特徴とする硬化樹脂成形物の製造法を包含する。
【0015】本発明で用いられるポリイソシアネート化
合物(a)は、その分子中に少なくとも2個のイソシア
ネート基を有するものであり、脂肪族ポリイソシアネー
ト類としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレン1,6−ジイソシアネート等をあげることがで
き、脂環族ポリイソシアネート類としては、例えばイソ
ホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、水添メタまたはパラキシレン
ジイソシアネート等をあげることができ、芳香族イソシ
アネート類としては、例えば2,4−または2,6−ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、3,4′または4,4′−ジフェニ
ルエーテルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、メタまたはパラキシリレンジイソシアネ
ート等をあげることができる。
【0016】また、アニリンとホルマリンの縮合により
得られるポリアミンをホスゲンでイソシアネート化して
つくられるポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネ
ートあるいはカルボジイミド変性またはポリオール変性
のポリイソシアネート類も使用できる。
【0017】さらに、ポリイソシアネートを3量化して
得られるイソシアヌレート環含有ポリイソシアネート、
例えばトリレンジイソシアネートの3量体なども使用で
きる。
【0018】これらは単独でもあるいは2種以上混合し
た形でも使用することができる。これらのうち、常温で
液状で低粘度(約25ポイズ以下)のものであるカルボ
ジイミドあるいはポリオール変性の4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレ
ンポリイソシアネート、2,4−または2,6−トリレ
ンジイソシアネート等が好適に用いられる。
【0019】本発明で用いられる(b)成分は(β−メ
チル)グリシジル(メタ)アクリレートであり、具体的
にはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグ
リシジルメタクリレートである。これらは単独でもある
いは2種以上混合した状態でも使用することができる。
上記(a)成分と(b)成分の使用割合は、上記(β―
メチル)グリシジル(メタ)アクリレート(b)のエポ
キシ基100当量に対し上記ポリイソシアネート(a)
のイソシアネート基を120〜1000当量であり、好
ましくは150〜900当量、特に好ましくは160〜
800当量である。
【0020】本発明で用いられるポリオール化合物
(e)は、その分子中に脂肪族及び/または脂環族性の
ヒドロキシ基を少なくとも2個有するものである。
【0021】かかるポリオールとしては、(イ)ポリエ
ーテル系ポリオール類;例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール;ビスフェノールA等の芳香族性ポリオールに
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を付加さ
せたポリオール;プロピレングリコール、グリセロー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリメチル
プロパノール、N―ジエタノールアミン等にエチレンオ
キサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加させた
ポリオール等、(ロ)ポリエステル系ポリオール類;例
えばアジペート系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポ
リオール、ポリカーボネート系ポリオール等、あるいは
(ハ)ポリエーテルポリエステルポリオールやポリエス
テルアミドポリオール等のある程度のくりかえし単位を
有する重合体系ポリオール類、(ニ)ポリアルキレング
リコール類;例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3―ブタンジオール、ジプロピレングリ
コール、1,4−又は1,5−ヘキサンジオール;グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリメ
チロールプロパン、芳香族,脂環族,脂肪族N―モノ―
置換のエタノールアミン等や(ホ)脂環族ポリオール
類;例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジ
メタノールや水添化ビスフェノールA等をあげることが
できる。さらに(ヘ)末端ヒドロキシを有するポリブタ
ジエン、ポリブタジエン−スチレン共重合体、ポリブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体もポリオールとして
使用される。
【0022】これらのポリオールは単独でもあるいは混
合した状態でも使用できるが、耐熱性や耐衝撃性等の硬
化樹脂特性及び成形性,反応性等の実用特性のバランス
をとるには混合した形で使うことが好ましい。
【0023】かかるポリオール化合物の中でも、耐衝撃
性の点からある程度重合したものが好ましく、また耐熱
性,耐水性の点ではポリエーテル系ポリオールを主とし
これに他のポリオール化合物を加えた形で使うのが好適
である。
【0024】また成形性の点から室温で液状か液状に近
いものが好適に用いられる。
【0025】本発明ではイソシアネートの環化3量化
(3環化)によるイソシアヌレート環の生成で耐熱性を
向上させるとともに、イソシアネートとポリオール化合
物を反応させウレタン構造を生成することにより、ソフ
トセグメントを導入し、これによって樹脂の靭性を向上
させることができる。
【0026】上記(a)成分と(b)成分と(e)成分
を組合せて使用する場合、各成分の使用割合は、上記
(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレート(b)
のエポキシ基100当量に対し上記ポリイソシアネート
(a)のイソシアネート基120〜1000当量であ
り、好ましくは150〜900当量、特に好ましくは1
60〜800当量である。また、上記の範囲内で規定さ
れたポリイソシアネート(a)のイソシアネート基の当
量から上記(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレ
ート(b)のエポキシ基の当量を差し引いて残るイソシ
アネート基100当量に対し、上記ポリオール化合物
(e)のヒドロキシ基5〜75当量であり、好ましくは
7〜60当量、特に好ましくは9〜50当量である。
【0027】上記範囲を逸脱すると得られる硬化樹脂の
物性が低下したり、液粘度が高くなり成形性が低下する
等の問題が生ずることがある。
【0028】本発明で用いられるポリエポキシ化合物
(f)は、その分子中に少なくとも2個のエポキシ基を
有するものであり、下記の化合物が例示される。
【0029】(i) グリシジルエーテル系化合物:
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
メタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
レゾルシノール、フェノールノボラック、クレゾールノ
ボラック、レゾルシノールノボラック、ナフトールノボ
ラック、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシナフタ
レンノボラック等の如き芳香族ポリオール類;フェノー
ル,ジヒドロキシベンゼン,ナフトール,ジヒドロキシ
ナフタレン等の如き芳香族ヒドロキシ化合物とグリオキ
サール,グルタルアルデヒド,p−ヒドロキシベンズア
ルデヒド,p−フォルミル安息香酸,ベンズアルデヒド
等の如きアルデヒドとの例えば酸性触媒等下での脱水反
応により得られるポリオール類;水添化ビスフェノール
A,ブタンジオール,ポリプロピレングリコール,ポリ
エチレングリコール,グリセロール等の如き多価アルコ
ール類等の如きポリオール類のグリシジルエーテル。
【0030】(ii) グリシジルエステル系化合物:フ
タル酸,イソフタル酸,テトラヒドロフタル酸,ナフタ
レンジカルボン酸等の如きジカルボン酸類のグリシジル
エステル。
【0031】(iii) N−グリシジル系化合物:アニリ
ン,イソシアヌル酸,メチレンジアニリン等の如き含窒
素化合物の該窒素原子に結合した活性水素をグリシジル
基で置換した化合物。
【0032】(iv) グリシジルエーテルエステル系化
合物:p−ヒドロキシ安息香酸,ヒドロキシナフトエ酸
等の如きヒドロキシカルボン酸類のグリシジルエーテル
エステル。
【0033】(v) 脂環式エポキシ化合物:シクロペ
ンタジエンジオキサイド,ジシクロペンタジエンジオキ
サイド,ビニルシクロヘキセンジオキサイド及び下記式
で表わされる化合物。
【0034】
【化1】
【0035】(vi) その他:p−アミノフェノールの
トリグリシジル化合物等。
【0036】これらのポリエポキシ化合物の中でも常温
で液体で低粘度になり得るビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルやビスフェノールFジグリシジルエーテル及
び脂環式エポキシ化合物が好適に用いられる。耐熱性を
向上させるにはフェノールノボラック及びクレゾールノ
ボラックポリグリシジルエーテルが好適に用いられる。
また、これらのポリエポキシ化合物も室温で液状か液状
に近いものが好適である。これらのエポキシ化合物は単
独でもあるいは2種以上混合した状態でも使用すること
ができる。
【0037】上記(a)成分、(b)成分及び(f)成
分の使用割合は、上記(β―メチル)グリシジル(メ
タ)アクリレート(b)及びポリエポキシ化合物(f)
のエポキシ基の総和100当量に対し上記ポリイソシア
ネート(a)のイソシアネート120〜1000当量で
あり、好ましくは150〜900当量、特に好ましくは
160〜800当量である。
【0038】また、上記使用割合の範囲内で(b)と
(f)成分の使用割合は、上記ポリエポキシ化合物
(f)100重量部に対し上記(β―メチル)グリシジ
ル(メタ)アクリレート(b)10〜1000重量部で
あり、好ましくは15〜800重量部、特に好ましくは
20〜750重量部である。
【0039】また上記(a),(b),(e)成分のほ
かに上記(f)成分を配合する実施態様において、各成
分の使用割合は、上記(β−メチル)グリシジル(メ
タ)アクリレート(b)及びポリエポキシ化合物(f)
のエポキシ基の総和100当量に対し、ポリイソシアネ
ート(a)のイソシアネート基120〜1000当量で
あり、好ましくは150〜900当量、特に好ましくは
160〜800当量である。
【0040】また、上記の範囲内で規定されたポリイソ
シアネート(a)のイソシアネート基の当量から上記
(β−メチル)グリシジルメタクリレート(b)及びポ
リエポキシ化合物(f)のエポキシ基の総和の当量を差
し引いて残るイソシアネート基100当量に対し、上記
ポリオール化合物(e)のヒドロキシ基5〜75当量で
あり、好ましくは7〜60当量、特に好ましくは9〜5
0当量である。
【0041】上記の如くポリオール化合物(e)とポリ
エポキシ化合物(f)を併用することにより、前述のウ
レタン構造の他にエポキシ基とイソシアネート基より生
成するオキサゾリン環構造が形成されるが、オキサゾリ
ドン環は耐熱性の高い構造でありかつ直鎖状の構造であ
るため耐熱性,靭性の双方を向上させる効果がある。
【0042】本発明の組成物を構成するラジカル触媒
(d)としては、有機過酸化物及び有機アゾ化合物が好
ましく用いられる。有機過酸化物としては、具体的に
は、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサ
ノンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキ
サイド等の如きケトンパーオキサイド;キュメンハイド
ロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオ
キサイド等の如きハイドロパーオキサイド;ターシャリ
ーブチルパーオキシオクトエート、ターシャリーブチル
パーオキシベンゾエート等の如きパーオキシエステル;
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、ジクミルパーオキサイド、トリス−(ターシャ
リーブチルパーオキシ)トリアジン等の如きジアルキル
パーオキサイド;イソブチリルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の如
きジアシルパーオキサイド;1,1−ジ−ターシャリー
ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−(ター
シャリーブチルパーオキシ)−ブタン等の如きパーオキ
シケタール;ターシャリーブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート、ビス(4−ターシャリーブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキ
シブチルパーオキシジカーボネート等の如きパーカーボ
ネート等をあげることができる。また、有機アゾ化合物
としては、具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾビスカルボンアミド等のアゾビスアル2カノニトリ
ルをあげることができる。
【0043】これらのラジカル触媒は1種または2種以
上を使用することができる。これらのラジカル触媒の使
用量は成分(b)と必要に応じて用いられるエチレン性
不飽和化合物の総量に対して0.05〜15重量%、好
ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.2〜
5重量%程度の量である。
【0044】上記ラジカル触媒に、コバルト、マンガ
ン、鉄、銅、その他の重金属のオクチル酸塩あるいはナ
フテン酸塩の如き多価金属の有機酸塩及び必要ならばジ
メチルアニリン、ジメチルパラトルイジン等の如き第3
級アミン等の重合促進剤やハイドロキノン、ナフトエキ
ノン、ターシャリーブチルカテコール、p−ベンゾキノ
ン、ブチレーテッドヒドロキシトルエン、ニトロキシド
ラジカル類等の重合禁止剤等を少量加えることも、反応
速度の制御、ポットライフの改善のため好ましく実施し
うる。
【0045】一方、成環触媒(c)としては、イソシア
ネート化合物の環化3量化(3環化)触媒及びイソシア
ネート化合物とエポキシ化合物を反応させてポリオキサ
ゾリドン環を形成する触媒が最も有効であり、第3級ア
ミン系化合物や第4級アンモニウム塩等があげられる。
【0046】第3級アミン系触媒の例としては、トリエ
チルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチ
ルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,
N′−ジメチルピペラジン、N−グリシジル−N,N−
ジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、ピリジン、N,N,N′,N′−
テトラグリシジルメチレンジアニリン、1−(N,N−
ジグリシジルアミノ)−4−グリシジロキシベンゼン、
N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシリレ
ンジアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−
p−キシリレンジアミン等の第3級アミノ化合物;イミ
ダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−
4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;N−メチ
ルモルホリン等のモルホリン誘導体;N,N′,N″−
トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−
トリアジン等のヘキサヒドロ−S−トリアジン類、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の如
きジアザビシクロ化合物が例示しうる。
【0047】一方、第4級アンモニウム塩としては、イ
ソシアネート化合物の環化3量化(以下、3環化とい
う)触媒及びイソシアネート化合物とエポキシ化合物を
反応させてポリオキサゾリドン環を形成する触媒であっ
て、下記式(I)で表わされる特定の第4級アンモニウ
ム塩が用いられる。
【0048】
【化2】
【0049】ただし上記式(I)中、R1 〜R4 は同一
または相異なり、それぞれ水酸基またはハロゲンで置換
されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族、脂環族また
は芳香族炭化水素基であり、かつR1 〜R4 で示される
置換基に含まれる炭素の総数は12以上である。式中X
は塩素またはフッ素である。
【0050】上記式(I)中のR1 〜R4 の具体例とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、デシル、テ
トラデシル、2―ヒドロキシエチル、ベンジル、シクロ
ヘキシル、フェニル等があげられる。
【0051】従って、上記第4級アンモニウム塩の具体
例としては、テトラ―n―ブチルアンモニウムフルオラ
イド、テトラ―n―ブチルアンモニウムクロライド、フ
ッ化ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム、n―テ
トラデシルトリメチルアンモニウケフルオライド、n―
テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベン
ジルジ(2―ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムフ
ルオライド、ベンジルジ(2―ヒドロキシエチル)メチ
ルアンモニウムクロライド等があげられる。
【0052】上記第4級アンモニウム塩は何れもR1
4 で示される置換基に含まれる炭素の総数が12以上
であるが、これが12より小さいと溶解性が悪く不均一
系となるため好ましくない。
【0053】上記の第4級アンモニウム塩は単独でも使
用されるが、反応制御及び溶解性改善の目的で2種以上
混合して用いることも好ましく実施しうる。
【0054】本発明の硬化樹脂製造における反応として
は、イソシアネートの3環化反応、イソシアネートとエ
ポキシ基のオキサゾリドン環形成反応の如き成環反応と
ビニル基のラジカル重合が起こる。この際3環化反応が
ラジカル重合に先立って起こると得られた成形物の物性
が良好となるが、ラジカル重合が先に起こると得られた
成形物に割れが生じたり、脆くなったりする。第4級ア
ンモニウム塩を触媒として用いた際の成環反応の反応性
は、対イオンが沃素、臭素のものを用いると塩素、フッ
素のものを用いた際よりも遅くなり、物性の良好な成形
物を得難い。
【0055】また上述した成環触媒として機能する第4
級アンモニウム塩の中でも、特に対イオンフッ素である
化合物の方が対イオン塩素の化合物より成形物の物性が
良好であるため、特に好ましい。
【0056】上記成環触媒はもちろん単独でも使用され
るが、反応制御の目的などで2種以上の混合物として使
用することもできる。例えばイミダゾール類とトリアジ
ンタイプの触媒をほぼ等重量使用することで、各々を単
独で使用するより反応性を高くすることができるし、
2,4,6―トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ルや4級アンモニウム塩等反応性の低い触媒とトリアジ
ンタイプの触媒を併用することで、その量比により反応
速度を制御することができる。
【0057】上記成環触媒の使用量は、ポリイソシアネ
ート化合物(a)100重量部に対して0.001〜1
0重量部、好ましくは0.005〜5重量部である。触
媒量が多いと硬化反応が速すぎ、かつ発泡しやすい。ま
た触媒量が少ないとイソシアネートの3環化反応が非常
に遅くなり好ましくない。
【0058】上述の第3級アミンはエポキシ基と共存さ
せ熟成することにより成環触媒としての能力が上がり、
硬化反応は非常に速くなる。従って、この触媒を含む組
成物は、樹脂液の供給能力が高い場合には、成形のサイ
クルアップが可能で、好ましい組成物である。これに対
し上述の如き第4級アンモニウム塩を用いた組成物で
は、第3級アミン系触媒を用いた場合より反応が遅く、
しかし反応性が安定しているため、樹脂液の供給能力が
それ程高くない装置にも適用が可能であり、また例えば
RTMのように硬化速度があまり大きくない方が好まし
い場合にも有用である。
【0059】本発明では、さらに組成物の保存安定化の
ため、酸性の安定化剤等を加えることもできる。
【0060】また本発明では、上記の(a),(b),
(c),(d),(e),(f)各成分の他に必要に応
じて加える成分として(a)及び/または(b)及び/
または(e)成分及び/又は(f)成分と反応しうる化
合物も物性改善等のために用いることができる。該化合
物としては、(a)成分のイソシアネート基と反応しウ
レア結合を形成することで系内にソフトセグメントを導
入し硬化樹脂の機械的物性を向上させうるポリアミン化
合物、(b)成分のビニル基と反応し、系全体の粘度を
下げることで取扱性を向上させたり、機械的物性、耐熱
性を向上させうるエチレン性不飽和結合を有するモノマ
ー、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、マレイミ
ド、アリルイミド等のエチレン性不飽和結合を有する化
合物、(a)成分のイソシアネート基と反応し、系全体
の粘度を下げることで取扱性を向上させうるモノエポキ
シ化合物、(b)成分及び(f)成分のエポキシ基と反
応し機械的物性を向上させたり、反応速度を制御しうる
ポリフェノール類等のエポキシ硬化剤及び(b)及び
(f)成分のエポキシ基や(e)成分のヒドロキシ基と
反応し機械的物性を向上させうる環状イミノエーテル化
合物などが好ましいものとして例示できる。
【0061】また、上記ラジカル触媒(d)、成環触媒
(c)の他にもポリオール成分(e)を加える場合で、
特に第4級アンモニウム塩を成環触媒として用いた際に
は、ジブチルスズジラウレートの如きスズ系のウレタン
反応触媒を加えることも好ましく実施しうるし、他の必
要に応じて加える成分によっては、カーボジイミド形成
触媒、エポキシ硬化促進剤等他の触媒を加えることも好
ましく実施しうる。
【0062】本発明における特に好ましい各成分の組み
合せについて述べると、ポリイソシアネート化合物
(a)として25℃での粘度が25ポイズ以下の液状に
変性された4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト及び/またはトリレンジイソシアネートを用い、(β
−メチル)グリシジル(メタ)アクリレート(b)とし
てグリシジルメタクリレートを用い、かつポリオール化
合物(e)としてポリエーテルポリオール,ポリエステ
ルポリオールを用いるのが好ましく、ラジカル触媒
(d)、成環触媒(c)は求められる反応条件(反応温
度、反応時間)によって適宜選択することができる。
【0063】本発明方法において上記の熱硬化性樹脂組
成物を熱硬化させて硬化樹脂成形物とする方法として
は、以下に述べる2液法と3液法とがある。
【0064】2液法は、ポリイソシアネート化合物
(a)、(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレー
ト(b)、触媒、必要に応じて加えるポリオール化合物
(e)、ポリエポキシ化合物(f)を特定の組合せに分
けてそれぞれ別に緊密に混合し、さらに必要に応じ加熱
溶解せしめて、2種類の混合液を得、これらの2種類の
混合液を成形時にミキシングヘッド等で混合して熱硬化
性組成物を形成した後、予め反応温度にした所望の形状
の金型に直接注入して反応せしめたり、コーティング、
スプレー、ディッピング等の手段で反応せしめる方法が
ある。
【0065】2液法の場合、ポリイソシアネート化合物
(a)をA液とし、これとは別に(β−メチル)グリシ
ジル(メタ)アクリレート(b)、成環触媒(c)及び
必要に応じて加えるポリオール化合物(e)及び/又は
ポリエポキシ化合物(f)を一緒に混合し溶解せしめた
ものをB液となし、かつ、これらの少くとも一方にラジ
カル触媒(d)を含有させたA,B2液を調製し、成形
まではA,B各液を分けて保存するのが貯蔵安定性がよ
いので好ましい。ただしラジカル触媒(d)の種類によ
っては一部をA液側に溶解した方が貯蔵安定性が好まし
く改善される場合もある。このようにA,B2液タイプ
に分けた場合は、成形直前又は成形中に2液を均一に混
合して、反応成形を行うのが好ましい。
【0066】3液法は、A液(第1成分)としてポリイ
ソシアネート化合物(a)の液状物、B液の第1液
(i)(第2成分)として(β―メチル)グリシジル
(メタ)アクリレート(b)、B液の第2液(ii)(第
3成分)として成環触媒(c)の3種に分け、A液、B
液のすくなくとも一方にラジカル触媒(d)を含有せし
め、成形する直前または成形と同時に全部を一度に、も
しくはあらかじめB液の第1液(i)とB液の第2液
(ii)とを混合してB液とし、これにA液を急速に混合
して、所定の型内に注入し加熱反応硬化せしめる方法
が、液の貯蔵安定性の面から好ましい。
【0067】この場合、B液の第1液(i)及び/又は
第2液(ii)にポリオール化合物(e)を含有させるこ
とができる。また第1液(i)にポリエポキシ化合物
(f)を含有させることができる。第1液(i)及び/
又は第2液(ii)にポリオール化合物(e)を含有さ
せ、さらに第1液(i)にポリエポキシ化合物(e)を
含有させることもできる。
【0068】上述の2液法、3液法はともに工業上好適
に実施することができ、液の貯蔵安定性、反応制御等の
取扱い性、作業性にすぐれている。
【0069】B液を(β―メチル)グリシジル(メタ)
アクリレート(b)からなる第1液(i)と成環触媒
(c)からなる第2液(ii)に分割する方法は、調製液
の貯蔵性の問題点を全て解消した特に好ましい方法であ
る。この方法では、第3級アミンのエポキシ基による触
媒の高活性化の問題もなく、第3級アミン硬化触媒の種
類や量の制限もなくなる。さらに硬化触媒の量が少なく
計量しにくい点は硬化触媒をポリオール化合物と混合す
ることで克服され、取扱い性が改善される。
【0070】反応温度は、用いるポリイソシアネート化
合物、(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレー
ト、ポリオール化合物、必要に応じて加えた第4成分及
び触媒の種類、その使用割合等により異なるが、10〜
280℃であることが好ましく、特に15〜240℃以
下、なかでも20〜200℃以下であることが好まし
い。
【0071】また、上記反応温度で硬化させた後、成形
物をさらに加熱して後硬化することも、硬化樹脂成形物
の耐熱性の向上等のため好ましく実施しうる。
【0072】反応時間は、目的とする樹脂が充分に硬化
するに足る時間であればよく、この時間は用いる各成分
の種類、使用割合、反応温度等によっても異なるが、好
ましくは10秒から24時間より、好ましくは20秒か
ら10時間、特に好ましくは30秒から6時間程度であ
る。
【0073】反応は常圧〜加圧で行うことができるが、
この際、大気中の水の侵入や樹脂の酸化劣化を防ぐた
め、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施する
ことも好ましく実施しうる。
【0074】なお、硬化に供する上記の熱硬化性樹脂組
成物には、必要に応じ、熱可塑性ポリマーの繊維、アラ
ミド繊維、無機繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の繊維状
補強材、各種フィラー、エラストマーや充填剤、顔料、
着色剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、離型剤さらには熱
可塑性ポリマー、ビシクロ化合物、スピロ化合物等の低
収縮化剤、エラストマー等を含有することができる。例
えば繊維状補強材の場合、上記繊維状補強材を必要に応
じて織物、マット等の形にして反応型内にあらかじめ挿
入しておき、その上に上記の熱硬化性樹脂組成物を適用
することができる。このような場合、各成分の加熱反応
は、例えば繊維状補強材の存在下に実施されることにな
り、熱硬化樹脂はこれらの補強材を含有する樹脂例えば
複合材料として得ることができる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、室温では液状である熱
硬化性樹脂組成物を用いるため、低圧で金型等へ注入で
き、さらに補強繊維を用いた場合の含浸性に優れてお
り、またフィラーの充填量を増やしうる等、作業性、取
扱性に優れている。しかも反応硬化した樹脂はイソシア
ネートの環化3量化(3環化)によって形成するイソシ
アヌレート構造とイソシアネートとエポキシの反応によ
って形成されるオキサゾリドン環構造を有するため、耐
熱性、耐薬品性および機械的特性に優れた成形物を与え
ることができる。さらにポリオール化合物を加えた場
合、反応硬化した樹脂はイソシアネートとヒドロキシ基
の反応により形成されるウレタン構造を有し、又、ポリ
エポキシ化合物を加えた場合、反応硬化した樹脂はイソ
シアネートとエポキシの反応によって形成されるオキサ
ゾリドン環構造が増加するため、耐熱性及び靭性の如き
機械的特性に優れた成形物を与えることができる。
【0076】そして、本発明の製造法に従えば、反応、
硬化を成形時に生じさせるため、上述の如き作業性、取
扱性の良さを維持したまま上述の如き種々の優れた特性
を有する硬化樹脂を製造することができる。
【0077】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳述するが、
これらの実施例は説明のためのものであって、これらに
よって本発明が限定されるものではない。
【0078】
【実施例1〜3】表1に示した所定量の(β―メチル)
グリシジル(メタ)アクリレートと表1に示した所定量
の触媒を加え溶解した溶液をB液とする。これとは別に
カルボジイミド変性4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(イソシアネート当量6.90×10-3当量
/g)284gをA液とする。A液,B液はともに粘度
の低い液体である。
【0079】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ室温(約30℃)の3mm厚の金型に注入し
た。15分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得ら
れた成形板を更に150℃で2時間後硬化(ポストキュ
ア)した。
【0080】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【実施例4】グリシジルメタクリレート140gにN,
N′,N″―トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサ
ヒドロ―S―トリアジン2.1g、イミダゾール2.1
g及び1,3―ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン4.2gを均一に溶解した溶液をB液とす
る。
【0083】これと別に表2に示したポリメチレンポリ
フェニルポリイソシアネートをA液とする。
【0084】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ室温(約30℃)の3mm厚の金型に注入し
た。15分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得ら
れた成形板を更に150℃で2時間後硬化(ポストキュ
ア)した。
【0085】この物の熱変形温度(HDT)を表2に示
すが、何れの樹脂も耐熱性の高い樹脂であることがわか
った。
【0086】
【表2】
【0087】
【実施例5〜14】グリシジルメタクリレート14.0
gに表3に示した所定量の触媒を加え溶解した溶液をB
液とする。
【0088】これと別にカルボジイミド変性4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当
量6.90×10-3当量/g)28.4gをA液とす
る。この際、B液は試験直前に調整した物を使用する。
上記A,B2液を試験官に入れ均一に素早く混合した
後、表3に示した温度の浴で混合物の流動性がなくなり
ゲル化するまでの時間を測定した。その結果を表3に示
すが触媒によっては非常に速く反応させることができ、
また反応制御も容易であり、取扱性に優れた樹脂組成物
であることがわかった。
【0089】
【表3】
【0090】
【実施例15〜18】グリシジルメタクリレート70g
にベンジルジメチルアミン1.06gBPOB(表1記
載のものと同じもの)2.12gさらに表4に示す量の
フェノール及びビスフェノールAを加え溶解した溶液を
24時間室温で熟成した溶液をB液とする。
【0091】これと別にカルボジイミド変性4,4′―
ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当
量6.90×10-3当量/g)142gをA液とする。
【0092】上記B液のB型粘度計を使用した液粘度及
びB液7.0g、A液14.2gを試験官に入れ均一に
素速く混合した後、室温(約30℃)で流動性がなくな
りゲル化するまでの時間、さらにB液20g、A液4
0.6gを実施例5,6に示した成形法に従い100℃
30分硬化反応させ、これを180℃で2時間後硬化
(ポストキュア)したものの熱変形温度を表4に示す。
【0093】又、上記B液を表4に示す日数室温で放置
したものを用いて上記同様に液粘度、ゲル化時間及び成
形物の熱変形温度を測定した結果を表4に示すが、保存
安定性に優れ、経時した後も取扱性、耐熱性に優れてい
ることがわかった。
【0094】
【表4】
【0095】
【実施例19】グリシジルメタクリレート70gにベン
ジルジメチルアミン1.06gBPOB(表1記載のも
のと同じもの)2.12gさらに表5に示した量のアク
リロニトリル/ブタジエン液状ゴム(末端ビニル変性、
分子量3500アクリロニトリル成分16.2重量%含
有)を加え溶解した溶液をB液とする。
【0096】これと別にポリオール変性4,4′―ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量
6.29×10-3当量/g)159gをA液とする。
【0097】上記A,B2液を試験官に入れ均一に素速
く混合した後、真空脱泡し、これを予め100℃に加熱
した3mm厚の金型に注入した。30分後にとりだし3mm
厚の成形板を得た。得られた成形板をさらに180℃で
2時間硬化(ポストキュア)した。
【0098】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果をノッチ付きアイゾット(N.I.)衝撃強度の値と
ともに表5に示した。
【0099】本発明の樹脂組成物から得られた硬化樹脂
が耐熱性、機械特性に優れていることがわかった。
【0100】
【表5】
【0101】
【実施例20】グリシジルメタクリレート7.0gにベ
ンジルジメチルアミン0.11g、BPOB(表1記載
のものと同じ)0.22gを加え溶解した溶液をB液と
する。
【0102】これと別にカルボジイミド変性4,4′―
ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当
量6.90×10-3当量/g)14.2gをA液とす
る。
【0103】上記A,B2液を試験官に入れ均一に素速
く混合した後、NaCl板上にうすく塗布し100℃の
オーブン中で30分つづいて180℃のオーブン中で2
時間処理し、赤外吸収スペクトルを測定した。
【0104】その結果2258cm-1のイソシアネート基
の吸収、1638cm-1のビニル結合の吸収、904cm-1
のエポキシ基の吸収が消失し1710cm-1にイソシアヌ
レート環にもとづくピークが観測され、本発明の樹脂組
成物を硬化させた際の耐熱性発現機構はイソシアネート
の環化3量化に基づくイソシアヌレート環の形成とこれ
に伴なう架橋密度の向上に起因することが検証された。
【0105】
【実施例21】グリシジルメタクリレート350gにベ
ンジルジメチルアミン5.3g、BPOB(表1記載の
ものと同じ)10.6gを加え溶解した溶液をB液とす
る。
【0106】これと別にカルボジイミド変性4,4′―
ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当
量6.90×10-3当量/g)710gをA液とする。
【0107】上記A,B2液を予め真空脱泡し、スタテ
ィックミキサーを設置した導入管を通し予め100℃に
予熱した38cm×48cm厚み3mmの金型内部に平織りガ
ラスクロス(目付195.6g/m2 )を15枚設置し
た金型中に圧入した。この際必要とした圧力は2.5kg
/cm2 で本発明の樹脂組成物が低粘度で低圧注入が可能
であることがわかった。液注入後20分で脱型し厚さ3
mmの全くボイドのない含浸が良好なガラス繊維強化複合
材料を得た。この板を180℃で2時間後硬化(ポスト
キュア)した。
【0108】得られた板の熱変形温度(HDT)、ノッ
チ付(N.I.)アイゾット衝撃強度、さらに成形板を
巾12.7mm、長さ60mmに切り出し30Ton 万能試験
機(オリエンテック製UCT―30)を用いスパン48
mmヘッドスピード2mm/分で3点曲げ測定を行った結
果、HDTは300℃以上、アイゾット衝撃強度110
kg・cm/cm、曲げ強度44kg/mm2 、曲げ弾性率189
0kg/mm2 であり、本発明の樹脂組成物が成形性に優れ
ること及び得られた硬化樹脂の耐熱性及び衝撃強度、曲
げ特性等の機械特性に優れていることがわかった。
【0109】
【比較例1】塩化カルシウム管、撹拌装置、還流管を備
えた213ツ口フラスコにトルエン700gにグリシジ
ルメタクリレート140g、ヒドロキノン0.337
g、ポリオール変性4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(イソシアネート当量6.29×10-3当量
/g)159gを加えた窒素雰囲気中撹拌下加熱し12
0℃になった時点でベンジルジメチルアミン1.04g
を加えた。添加後まもなく白い濁りが発生し2時間後に
は全体に白い固体が析出した。この固体は融点300℃
以上でその後の成形には供し得なかった。上述のポリオ
ール変性4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
の代わりにカルボジイミド変性4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(イソシアネート当量6.90×
10-3当量/g)を142g及び284g用いて同様の
実験を行ったが、やはり融点300℃以上の固体がで
き、その後の成形には供し得なかった。
【0110】以上の実験結果から、特公昭53―315
15号公報記載の方法において、本発明で用いる第3級
アミン系触媒の如きイソシアネートの環化(3量化)触
媒を用いた場合には、重合性プレポリマーを作る段階で
イソシアネートの環化による架橋がおこり、これを用い
て硬化樹脂を製造するのは事実上困難なことがわかっ
た。
【0111】
【比較例2】特公昭53―31515号公報に記載の方
法に準じて重合性プレポリマーの製造を試みた。すなわ
ち、比較例1で用いたと同じ装置にトルエン700g、
グリシジルメチクリレート140g、ヒドロキノン0.
337g、カルボジイミド変性4,4′―ジフェニルメ
タンジイソシアネート(イソシアネート当量6.90×
10-3当量/g)142gを仕込み窒素雰囲気中撹拌下
加熱し120℃になった時点でテトラブチルアンモニウ
ムヨージド0.474gを加え6時間反応を継続した。
この液を室温まで冷却した後、減圧下トルエンを流留し
た。得られた反応混合物は粘稠な液体ではあるが、鋼球
を用いた落球粘度法では鋼球が落下せず粘度が測定でき
なかった。
【0112】以上の実験結果から、特公昭53―315
15号公報記載の如き重合性プレポリマーを経る硬化樹
脂の製造法では、プレポリマーの粘度が高く取扱性が著
しく劣ることがわかった。
【0113】
【実施例22】グリシジルメタクリレート140gに
1,1―ジ―t―ブチルパーオキシ―3,3,5―トリ
メチルシクロヘキサン4.24gを均一に溶解した溶液
をB液とする。これとは別にカーボジイミド変性4,
4′―ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネ
ート当量6.90×10-3当量/g)284gA液とす
る。
【0114】これらとは別にN,N―ジメチルベンジル
アミン2.12gをC液とする。
【0115】上記A,B,C3液を予め真空脱泡し、ス
タティックミキサーを設置した導入管を通し、その中で
混合しつつ100℃の3mm厚の金型に注入した。30分
後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得られた成形板
をさらに180℃で15時間後硬化(ポストキュア)し
た。
【0116】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果285℃であり、本発明の樹脂組成物が耐熱性の高い
硬化樹脂を与えることがわかった。
【0117】
【実施例23】カルボジイミド変性4,4′―ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量6.9
0×10-3当量/g)324gをA液とし、これとは別
にグリシジルメタクリレート213gにN,N′,N″
―トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ―S
―トリアジン2.1gおよび1,3―ビス(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン4.2gを加え溶解
した溶液を調製し、これをB液とした。
【0118】A液,B液の40℃における粘度はB型粘
度計で測定するとそれぞれ45cpsおよび5cps以
下であり、ともに粘度の低い液体であった。
【0119】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ室温(約30℃)の3mm厚の金型に注入し
た。15分後にとりだし3mm厚の成形板を得た。得られ
た成形板を150℃で2時間後硬化した。
【0120】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定したと
ころ253℃であり、耐熱性の高い硬化樹脂であること
がわかった。
【0121】
【実施例24】実施例23において、A液として上記カ
ルボジイミド変性4,4′―ジフェニルメタンジイソシ
アネートの代わりにポリオール変性4,4′―ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量6.9
0×10-3当量/g)484gを用い実施例23と同様
の成形を行った。得られた成形板についても同様にして
HDTを測定したが、HDTは250℃であり、耐熱性
の高い硬化樹脂であることがわかった。
【0122】
【実施例25】カルボジイミド変性4,4′―ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量6.2
9×10-3当量/g)142gをA液とし、グリシジル
メタクリレート70gにベンジルジメチルアミン1.0
6g、1,3―ビス(t―ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン2.12gを加え溶解した溶液を24時間
室温で熟成した溶液をB液とする、A,B2液を調製し
た。
【0123】B液の液粘度を液の調製直後および1日後
にB型粘度計にて測定したところ、それぞれ54cps
以下であった。
【0124】上記A液14.2g、B液7.0g(B液
は調製後1日保存したものを使用)を試験管に入れ、素
速く混合した後、室温(約30℃)で流動性がなくなり
ゲル化するまでの時間を測定したところ12秒であっ
た。
【0125】さらに、A液40.6g、B液20gを予
め真空脱泡し、これをスタティックミキサーを設置した
導入管を通し、その中で混合しつつ3mm厚の金型に注入
し100℃で30分硬化反応させ、得られた成形板をさ
らに180℃で30分後硬化(ポストキュア)した。
【0126】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果、292℃ときわめて高い耐熱性を示した。
【0127】
【実施例26】実施例25のB液を、調製後60日間室
温で放置した。その後実施例25と同様にして液粘度お
よびゲル化時間を測定したところ、それぞれ5cps以
下、18秒であり、調製直後と実質上差がなく貯蔵安定
性の良好なことが確認された。次いで、この60日間放
置後のB液を実施例25のA液と同実施例と同様に混合
し、成形した後、後硬化を実施した。成形性は良好で、
得られた成形板のHDTは295℃であった。この実験
により、経時したB液を用いて成形した場合も耐熱性に
すぐれた硬化樹脂成形品が得られることがわかった。
【0128】
【実施例27】A液として、カルボジイミド変性4,
4′―ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネ
ート当量6.90×10-3当量/g)710gを用い、
B液として、グリシジルメタクリレート350gにベン
ジメジメチルアミン5.3g、BPOB(1,3―ビス
(t―プチルパーオキシイソプロピルベンゼン)10.
6gを加え溶解した溶液を用いて、2液法で成形した。
【0129】すなわち、上記A,B2液を予め真空脱泡
し、スタティックミキサーを設置した導入管を通し予め
100℃に予熱した38cm×48cm厚み3mmの金型内部
に平織りガラスクロス(目付195.6g/m2 )を2
2枚挿入した金型中に圧入した。この際必要とした圧力
は4.5kg/cm2 で本発明で使用する樹脂組成物が低粘
度で低圧注入が可能であることがわかった。液注入後3
0分で脱型し、厚さ3mmのガラス繊維強化複合材料を得
た。引続き、この板を180℃で2時間後硬化した。
【0130】得られた板の熱変形温度(HDT)は30
0℃以上であり、ノッチ付(N.I.)アイゾット衝撃
強度は121kg・cm/cmであった。さらに、成形板を巾
12.7mm長さ60mmに切り出し30Ton 万能試験機
(オリエンテック製UCT―30)を用いてスパン48
mmヘッドスピード2mm/分で3点曲げ測定を行った結
果、曲げ強度は54kg,mm2 、曲げ弾性率は3030kg
/mm2 を示した。
【0131】これらの結果から、本発明の製造法によれ
ば樹脂組成物の成形性に優れることを生かして繊維含有
率の高い複合材料を製造でき、得られた複合材料は耐熱
性および衝撃強度、曲げ特性等の機械特性に優れている
ことがわかった。
【0132】
【実施例28〜31】カルボジイミド変性4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量
6.90×10-3当量/g)284gをA液とし、これ
とは別に表6に示した所定量のグリシジルメタクリレー
トに表6に示した所定量のグリセリンの末端水酸基にエ
チレンオキサイドを付加させたOH価56mgKOH /gの
ポリエーテルポリオールとポリプロピレンポリエーテル
ボリオールの末端水酸基にエチレンオキサイドを付加さ
せたOH価280mgKOH /gのポリエーテルポリオール
とを重量で7対3に混合したポリエーテルポリオール、
ベンジルメチルアミン2.0g及び1,3−ビス(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン4.2gを加
え溶解した溶液を調製し、これをB液とした。
【0133】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ100℃に加熱した3mm厚の金型に注入し
た。30分後に金型からとりだし3mm厚の成形板を得
た。得られた成形板をさらに180℃で5時間後硬化し
た。
【0134】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い測定した熱変形温度(HDT)及び
ノッチ付アイゾット衝撃強度を測定し、その結果を表6
に示したが、何れも耐熱性及び靭性の高い硬化樹脂であ
ることがわかった。
【0135】
【表6】
【0136】
【実施例32】カルボジイミド変性4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量6.9
0×10-3当量/g)284gをA液とし、これとは別
にグリシジルメタクリレート47.3gをB液とし、こ
れとは別にグリセリンの末端水酸基にエチレンオキサイ
ドを付加させたOH価56mgKOH /gのポリエーテルポ
リオールとポリプロピレンポリエーテルポリオールの末
端水酸基にエチレンオキサイドを付加させたOH価28
0mgKOH /gのポリエーテルポリオールとを重量で7対
3に混合したポリエーテルポリオール47.3gに、
N,N―ジメチルベンジルアミン1.89gと1,1―
ジ―t−ブチルパーオキシ―3,3,5―トリメチルシ
クロヘキサン3.79gを加え溶解した溶液をC液とし
た。
【0137】上記A,B,C3液を予め真空脱泡し、こ
れをスタティックミキサーを設置した導入管を通し、そ
の中で混合しつつ120℃の3mm厚の金型に注入した。
30分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得られた
成形板をさらに180℃で5時間後硬化(ポストキュ
ア)した。
【0138】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果277℃で、ノッチ付アイゾット衝撃強度は4.1kg
・cm/cmであり本発明の樹脂組成物が耐熱性及び靭性の
高い硬化樹脂を与えることがわかった。
【0139】
【実施例33】カルボジイミド変性4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量6.9
0×10-3当量/g)284gをA液とし、これとは別
にグリシジルメタクリレート47.3g、グリセリンの
末端水酸基にエチレンオキサイドを付加させたOH価5
6mgKOH /gのポリエーテルポリオール66.2gとt
−ブチルパーオクトエイト4.26gを溶解した溶液を
B液とし、これとは別にポリプロピレンポリエーテルボ
リオールの末端水酸基にエチレンオキサイドを付加させ
たOH価280mgKOH /gのポリエーテルポリオール2
8.4gにN,N―ジメチルベンジルアミン2.13g
を溶解した溶液をC液とした。
【0140】上記A,B,C3液を予め真空脱泡し、こ
れをスタティックミキサーを設置した導入管を通し、そ
の中で混合しつつ120℃の3mm厚の金型に注入した。
30分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得られた
成形板をさらに180℃で5時間後硬化(ポストキュ
ア)した。
【0141】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果244℃で、ノッチ付アイゾット衝撃強度は4.8kg
・cm/cmであり本発明の樹脂組成物が耐熱性及び靭性の
高い硬化樹脂を与えることがわかった。
【0142】
【実施例34,35】カルボジイミド変性4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量
6.90×10-3当量/g)426gをA液とし、これ
とは別に表7に示した所定量のグリシジルメタクリレー
トに表7に示した所定量のビスフェノールAにプロピレ
ンオキシドを付加させたポリエーテルポリオール(OH
価138mgKOH /g)、ベンジルメチルアミン2.0g
及び1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン4.2gを加え溶解した溶液を調製し、こ
れをB液とした。
【0143】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ100℃に加熱した3mm厚の金型に注入し
た。30分後に金型からとりだし3mm厚の成形板を得
た。得られた成形板を180℃で5時間後硬化した。
【0144】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い測定した熱変形温度(HDT)及び
ノッチ付アイゾット衝撃強度を測定し、その結果を表7
に示したが、何れも耐熱性及び靭性の高い硬化樹脂であ
ることがわかった。
【0145】
【表7】
【0146】
【実施例36,37】カルボジイミド変性4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量
6.90×10-3当量/g)284gをA液とし、これ
とは別にグリシジルメタクリレート47gにグリセリン
の末端水酸基にエチレンオキサイドを付加させたOH価
56mgKOH /gのポリエーテルポリオールとポリプロピ
レンポリエーテルポリオールの末端水酸基にエチレンオ
キサイドを付加させたOH価280mgKOH /gのポリエ
ーテルポリオールとを重量で7対3に混合したポリエー
テルポリオール142gに表8に示した所定量の触媒を
加え溶解した溶液を調製し、これをB液とした。
【0147】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ表8に示した所定温度に予熱した3mm厚の
金型に注入した。30分後にとりだし3mm厚の成形板を
得た。得られた成形板を180℃で5時間後硬化した。
【0148】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い測定した熱変形温度(HDT)を表
8に示したが、何れも耐熱性の高い硬化樹脂であること
がわかった。
【0149】
【表8】
【0150】
【実施例38〜40】カルボジイミド変性4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量
6.90×10-3当量/g)284gをA液とし、これ
とは別に表9に示した所定量の(β―メチル)グリシジ
ル(メタ)クリレートにグリセリンの末端水酸基にエチ
レンオキサイドを付加させたOH価56mgKOH /gのポ
リエーテルポリオールとポリプロピレンポリエーテルポ
リオールの末端水酸基にエチレンオキサイドを付加させ
たOH価280mgKOH /gのポリエーテルポリオールと
を重量で7対3に混合したポリエーテルポリオール14
2gに表9に示した所定量の触媒を加え溶解した溶液を
B液とした。
【0151】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ70℃の3mm厚の金型に注入した。10分
後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得られた成形板
を180℃で5時間後加熱し、後硬化(ポストキュア)
した。
【0152】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果を表9に示す。
【0153】
【表9】
【0154】
【実施例41】グリシジルメタクリレート47gにグリ
セリンの末端水酸基にエチレンオキサイドを付加させた
OH価56mgKOH /gのポリエーテルポリオールとポリ
プロピレンポリエーテルポリオールの末端水酸基をエチ
レンオキサイドに付加させたOH価280KOHmg /gの
ポリエーテルポリオールとを重量で7対3に混合したポ
リエーテルポリオール142gとベンジルジメチルアミ
ン2.0g及び1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼン4.2gを加え溶解した溶液を調
製し、これをB液とした。これとは別に表10に示した
所定量のポリイソシアネートをA液とした。
【0155】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ100℃の3mm厚の金型に注入した。30
分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得られた成形
板をさらに180℃で5時間後硬化(ポストキュア)し
た。
【0156】この成形板の熱変形温度(HDT)を表1
0に示すが何れの樹脂も耐熱性の高い樹脂であることが
わかった。
【0157】
【表10】
【0158】
【実施例42,43】グリシジルメタクリレート47g
にグリセリンの末端水酸基にエチレンオキサイドを付加
させたOH価56mgKOH /gのポリエーテルポリオール
とポリプロピレンポリエーテルポリオールの末端水酸基
をエチレンオキサイドに付加させたOH価280KOHmg
/gのポリエーテルポリオールとを重量で7対3に混合
したポリエーテルポリオール47gとベンジルジメチル
アミン2.0g及び1,3−ビス(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン4.2gを加え溶解した溶液
を調製し、これをB液とした。これとは別に表11に示
した所定量のポリイソシアネートをA液とした。
【0159】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ100℃の3mm厚の金型に注入した。30
分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得られた成形
板をさらに180℃で5時間後硬化(ポストキュア)し
た。
【0160】この成形板の熱変形温度(HDT)を表1
1に示すが何れの樹脂も耐熱性の高い樹脂であることが
わかった。
【0161】
【表11】
【0162】
【実施例44,45】カルボジイミド変性4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量
6.90×10-3当量/g)284gをA液とし、これ
とは別に表12に示した所定量のグリシジルメタクリレ
ートに表12に示した所定量のグリセリンの末端水酸基
にエチレンオキサイドを付加させたOH価56mgKOH /
gのポリエーテルポリオールとポリプロピレンポリエー
テルポリオールの末端水酸基をエチレンオキサイドに付
加させたOH価280KOHmg /gのポリエーテルポリオ
ールとを重量で7対3に混合したポリエーテルポリオー
ル及びエポキシ当量158g/eqのビスフェノールF
タイプエポキシ蒸留品、ベンジルジメチルアミン2.0
g及び1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン4.2gを加え溶解した溶液を調製し、こ
れをB液とした。
【0163】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ100℃に加熱した3mm厚の金型に注入し
た。30分後にとりだし3mm厚の成形板を得た。得られ
た成形板をさらに180℃で5時間後硬化した。
【0164】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い測定した熱変形温度(HDT)及び
ノッチ付アイゾット衝撃強度を表12に示したが、何れ
も耐熱性及び靭性の高い硬化樹脂であることがわかっ
た。
【0165】
【表12】
【0166】
【実施例46】カルボジイミド変性4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量6.9
0×10-3当量/g)284gをA液とし、これとは別
にグリシジルメタクリレート107gエポキシ当量15
8g/eqのビスフェノールFタイプエポキシ蒸留品7
gと1,3―ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン4.2gを溶解した溶液をB液とし、これ
とは別にグリセリンの末端水酸基エチレンオキサイドを
付加させたOH価56mgKOH /gのポリエーテルポリオ
ールとポリプロピレンポリエーテルポリオールの末端水
酸基にエチレンオキサイドを付加させたOH価280KO
Hmg /gのポリエーテルポリオールとを重量で7対3に
混合したポリエーテルポリオール34gにN,N―ジメ
チルベンジルアミン2gを溶解した溶液をC液とした。
【0167】上記A,B,C3液を予め真空脱泡し、こ
れをスタティックミキサーを設置した導入管を通し、そ
の中で混合しつつ100℃の3mm厚の金型に注入した。
30分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得られた
成形板をさらに180℃で5時間後硬化(ポストキュ
ア)した。
【0168】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果273℃でノッチ付アイゾット衝撃強度は3.1kg・
cm/cmであり本発明の樹脂組成物が耐熱性及び靭性の高
い硬化樹脂を与えることがわかった。
【0169】
【実施例47】カルボジイミド変性4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量6.9
0×10-3当量/g)5680gをA液とし、これとは
別にグリシジルメタクリレート946gをB液とし、こ
れとは別にグリセリンの末端水酸基にエチレンオキサイ
ドを付加させたOH価56mgKOH /gのポリエーテルポ
リオールとポリプロピレンポリエーテルポリオールの末
端水酸基をエチレンオキサイドを付加させたOH価28
0mgKOH /gのポリエーテルポリオールとを重量で7対
3に混合したポリエーテルポリオール946gにN,N
―ジメチルベンジルアミン37.8g1,1―ジ―t−
ブチルパーオキシ―3,3,5―トリメチルシクロヘキ
サン75.8gを加え溶解した溶液をC液とした。
【0170】上記A,B,C3液を予め真空脱泡し、こ
れをスタティックミキサーを設置した導入管を通し予め
100℃に予熱した38cm×48cm厚み30mmの金型内
部に平織りガラスクロス(目付195.6g/m2 )を
220枚挿入した金型中に圧入した。液注入後30分で
脱型し、厚さ30mmのガラス繊維強化複合材料を得た。
引続き、この板を180℃で2時間後硬化した。
【0171】得られた板の熱変形温度(HDT)は30
0℃以上であり、ノッチ付(N.I.)アイゾット衝撃
強度は138kg・cm/cmであった。さらに、成形板を巾
12.7mm長さ60mm厚み3mmに切り出し30Ton 万能
試験機(オリエンテック製UCT―30)を用いてスパ
ン48mmヘッドスピード2mm/分で3点曲げ測定を行っ
た結果、曲げ強度は53kg/mm2 、曲げ弾性率は298
0kg/mm2 を示した。
【0172】本組成からポリエーテルポリオールを除外
すると反応発熱、成形収縮が大きい為、30mm厚の様に
厚みの大きい成形板を作成すると一部に自己発熱による
こげやクラックが入る事があるが、本組成では問題なく
成形できしかも金型からの離型性も更に改善された。
【0173】これらの結果から、本発明の製造法によれ
ば樹脂組成物の成形性に優れることを生かして繊維含有
率の高い複合材料を製造でき、更には厚手の成形も可能
であり、得られた複合材料は耐熱性および衝撃強度、曲
げ特性等の機械特性に優れていることがわかった。
【0174】
【実施例48〜52、比較例3】カルボジイミド変性
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシ
アネート当量6.90×10-3当量/g)284gをA
液とし、これとは別にグリシジルメタクリレート140
gに表13に示した各種のポリエポキシ化合物及びN,
N′,N″−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサ
ヒドロ−S−トリアジン2.1g及び1,3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン4.2gを
加え溶解した溶液を調製し、これをB液とした。
【0175】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ室温(約30℃)の3mm厚の金型に注入し
た。30分後に金型からとりだし3mm厚の成形板を得
た。得られた成形板をさらに150℃で5時間後硬化し
た。
【0176】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い測定した熱変形温度(HDT)を測
定し、その結果を表13に示したが、何れも耐熱性の高
い硬化樹脂であることがわかった。
【0177】
【表13】
【0178】
【化3】
【0179】
【実施例53】グリシジルメタクリレート47gにエポ
キシ当量158g/eqのビスフェノールFタイプエポ
キシ47g、テトラ―n―ブチルアンモニウムフルオラ
イド2.0g、1,3―ビス(t―ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼン4.2gを加え溶解した溶液をB
液とした。これとは別にカルボジイミド変性4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当
量6.90×10-3当量/g)284gをA液とした。
A液,B液はともに粘度の低い液体であった。
【0180】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ120℃に予熱した3mm厚の金型に注入し
た。15分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得ら
れた成形板をさらに180℃で5時間後硬化(ポストキ
ュア)した。
【0181】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果をHDTは232℃で、ノッチ付アイゾット衝撃強度
は2.0kg・cm/cmであり本発明の樹脂組成物が何れも
耐熱性及び靭性の高い硬化樹脂を与えることがわかっ
た。
【0182】
【実施例54】グリシジルメタクリレート47gにエポ
キシ当量158g/eqのビスフェノールFタイプエポ
キシ47g、1,3―ビス(t―ブチルパーオキシイソ
プロピル)ベンゼン4.2gを加え溶解した溶液をB液
とした。これとは別にカルボジイミド変性4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート当量
6.90×10-3当量/g)284gをA液とした。こ
れとは別にN,N―ジメチルベンジルアミン1.89g
をC液とした。A液,B液,C液はともに粘度の低い液
体であった。
【0183】上記A,B,C3液を予め真空脱泡し、こ
れをスタティックミキサーを設置した導入管を通し、そ
の中で混合しつつ120℃に予熱した3mm厚の金型に注
入した。15分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。
得られた成形板をさらに180℃で5時間後硬化(ポス
トキュア)した。
【0184】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果をHDTは238℃で、ノッチ付アイゾット衝撃強度
は2.1kg・cm/cmであり本発明の樹脂組成物が何れも
耐熱性及び靭性の高い硬化樹脂を与えることがわかっ
た。
【0185】
【実施例55〜59、比較例4】グリシジルメタクリレ
ート7.0gに表14に示した所定量の触媒を加え溶解
した溶液をB液とした。これと別にカルボジイミド変性
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシ
アネート当量6.90×10-3当量/g)14.2gを
A液とした。この際、B液は試験直前に調製したものを
使用した。上記A,B2液を試験管に入れ均一に素早く
混合した後、100℃で混合物の流動性がなくなりゲル
化するまでの時間を測定した。その結果を表14に示
す。
【0186】比較例5として、第3級アミンであるジメ
チルベンジルアミン及び表14に示したラジカル触媒を
グリシジルメタクリレート7.0gに溶解し2日間熟成
したものをB液として用いる他は上記と同様の実験を行
った際のゲル化時間を表14に併記した。この表14よ
り本発明の組成物は反応が遅く、樹脂液供給能力の高く
ない装置にも適用しうることが明らかである。
【0187】また、実施例55〜59で用いたB液を1
ケ月放置した後上記と同様のゲル化テストを行ったがゲ
ル化時間は殆んど変化しておらず、何れの系も貯蔵安定
性が良好であることが確認された。
【0188】
【表14】
【0189】
【実施例60〜62、比較例5】後掲の表15に示した
所定量のグリシジルメタクリレートに表15に示した所
定量の触媒を加えて溶解した溶液をB液とした。これと
は別にカルボジイミド変性4,4′―ジフェニルメタン
ジイソシアネート(イソシアネート当量6.90×10
-3当量/g)284gをA液とした。A液,B液を予め
真空脱泡し、これをスタティックミキサーを設置した導
入管を通し、その中で混合しつつ100℃に加熱した3
mm厚の金型中に流し込み、30分後に金型をとり出し、
3mm厚の成形板を得た。得られた成形板をさらに180
℃で2時間後硬化(ポストキュア)した。
【0190】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果を表15に示す。
【0191】比較例5として、上記ポリイソシアネート
にグリシジルメタクリレートをイソシアネート基と当量
のエポキシ基を有する量だけ加えて同様の成形を行い、
熱変形温度を測定した結果も表15に示した。表15よ
り、本発明の樹脂組成物が何れも耐熱性の高い硬化樹脂
を与えることがわかる。
【0192】なお、表15中の触媒欄の略号はそれぞれ
次の化合物を表わす。TBAF:テトラ―n―ブチルア
ンモニウムフルオライドBPOB:1,3―ビス(t―
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン
【0193】
【表15】
【0194】
【実施例63〜65】後掲の表16に示した所定量の
(β―メチル)グリシジル(メタ)アクリレートにテト
ラ―n―ブチルアンモニウムフルオライド2.0g、
1,3―ビス(t―ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン4.2gを加え溶解した溶液をB液とした。これ
とは別にカルボジイミド変性4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(イソシアネート当量6.90×1
-3当量/g)284gをA液とした。A液,B液はと
もに粘度の低い液体であった。
【0195】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ100℃に予熱した3mm厚の金型に注入し
た。15分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得ら
れた成形板をさらに150℃で5時間後硬化(ポストキ
ュア)した。
【0196】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果を表16に示すが、本発明の樹脂組成物が何れも耐熱
性の高い硬化樹脂を与えることがわかった。
【0197】
【表16】
【0198】
【実施例66,67】グリシジルメタクリレート140
gにテトラ―n―ブチルアンモニウムフルオライド2.
12g、1,3―ビス(t―ブチルパーオキシイソプロ
ピル)ベンゼン4.24gを溶解した溶液をB液とし
た。これとは別に表17に示した所定量のポリイソシア
ネートをA液とした。
【0199】上記A,B2液を予め真空脱泡し、これを
スタティックミキサーを設置した導入管を通し、その中
で混合しつつ100℃に予熱された3mm厚の金型に注入
した。30分後にとりだし、3mm厚の成形板を得た。得
られた成形板をさらに180℃で2時間後硬化(ポスト
キュア)した。
【0200】この成形板を東洋精機製作所製HDT&V
SPテスターを用い熱変形温度(HDT)を測定した結
果を表17に示したが、本発明の樹脂組成物が何れも耐
熱性の高い硬化樹脂を与えることがわかった。
【0201】
【表17】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−80375 (32)優先日 平3(1991)3月20日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−124417 (32)優先日 平3(1991)4月30日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のポリイソシアネート化
    合物(a)よりなるA液と、(β―メチル)グリシジル
    (メタ)アクリレート(b)及び少なくとも1種の成環
    触媒(c)よりなるB液との組合せよりなり、A液及び
    /又はB液に少なくとも1種のラジカル触媒(d)を含
    有する多液型熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 B液に、ポリオール化合物(e)及び/
    又はポリエポキシ化合物(f)を含有する請求項1記載
    の多液型熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 B液が、(β―メチル)グリシジル(メ
    タ)アクリレート(b)よりなる第1液(i)と、成環
    触媒(c)よりなる第2液(ii)とに分けられている請
    求項1又は2記載の多液型熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記第1液(i)及び/又は第2液(i
    i)にポリオール化合物(e)を含有する請求項3記載
    の多液型熱硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 上記第1液(i)にポリエポキシ化合物
    (f)を含有する請求項3又は4記載の多液型熱硬化性
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 A液を構成するポリイソシアネート化合
    物(a)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,
    2,4―もしくは2,4,4―トリメチルヘキサメチレ
    ン―1,6―ジイソシアネート、イソホロンジイソシア
    ネート、4,4′―ジシクロヘキシルメタンジイソシア
    ネート、水添メタもしくはパラキシレンジイソシアネー
    ト、2,4―もしくは2,6―トリレンジイソシアネー
    ト、4,4′―ジフェニルメタンジイソシアネート、
    3,4′―もしくは4,4′―ジフェニルエーテルジイ
    ソシアネート、1,5―ナフタレンジイソシアネート、
    メタ―もしくはパラ―キシリレンジイソシアネート、ポ
    リフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、カーボ
    ジイミド変性もしくはポリオール変性4,4′―ジフェ
    ニルメタンジイソシアネート、及び少なくとも1個のイ
    ソシアヌレート環構造を有するジイソシアネート化合物
    のターポリマーよりなる群より選ばれる少なくとも1種
    の化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の多液型熱硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 B液を構成する(β―メチル)グリシジ
    ル(メタ)アクリレートが、グリシジルアクリレート、
    グリシジルメタクリレート、β―メチルグリシジルアク
    リレート、β―メチルグリシジルメタクリレートよりな
    る群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項1〜6記載の多液型熱硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 B液中のポリオール化合物(e)が、
    (イ)ポリエーテル系ポリオール類、(ロ)ポリエステ
    ル系ポリオール類、(ハ)重合体系ポリオール類、
    (ニ)ポリアルキレングリコール類、グリセリン、ペン
    タエリスリトール、ソルビトール、トリメチロールプロ
    パン、芳香族,脂環族,脂肪族のN―モノ置換エタノー
    ルアミン、(ヘ)末端ヒドロキシを有するポリブタジエ
    ン、ポリブタジエン―スチレン共重合体、ポリブタジエ
    ン―アクリロ・ニトリル共重合体よりなる群から選ばれ
    る少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の多液型熱硬化性樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】 B液中のポリエポキシ化合物(f)が、
    グリシジルエーテル系化合物、グリシジルエステル系化
    合物、N―グリシジル系化合物、グリシジルエーテルエ
    ステル系化合物、脂環式エポキシ化合物及びp―アミノ
    フェノールのトリグリシジル化合物よりなる群より選ば
    れた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載の多液型熱硬化性樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 B液中の成環触媒(c)が、第3級ア
    ミノ化合物、イミダゾール類、モルホリン誘導体、ヘキ
    サヒドロ―S―トリアジン類、ジアザビシクロ化合物及
    び第4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種の
    化合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    に記載の多液型熱硬化性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 ラジカル触媒(d)が、有機過酸化物
    及び有機アゾ化合物から選ばれた少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の多
    液型熱硬化性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 (β―メチル)グリシジル(メタ)ア
    クリレート(b)のエポキシ基とポリエポキシ化合物
    (f)のエポキシ基の総和100当量に対し、ポリイソ
    シアネート化合物(a)のイソシアネート基が120〜
    1000当量である請求項1〜11記載の多液型熱硬化
    性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 ポリイソシアネート化合物(a)のイ
    ソシアネート基の当量から、(β―メチル)グリシジル
    (メタ)アクリレート(b)とポリエポキシ化合物
    (f)のエポキシ基の総和当量を差し引いたイソシアネ
    ート基100当量に対し、ポリオール化合物(e)のヒ
    ドロキシ基が5〜75当量である請求項2〜12のいず
    れかに記載の多液型熱硬化性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載のA
    液及びB液よりなる多液型熱硬化性樹脂組成物を用いた
    硬化樹脂成形物の製造法において、成形時にA液とB液
    とを混合せしめ、混合液を所定の型内に注入し、加熱硬
    化せしめることを特徴とする硬化樹脂成形物の製造法。
  15. 【請求項15】 加熱硬化における硬化温度が10〜2
    80℃であることを特徴とする請求項14記載の硬化樹
    脂成形物の製造法。
  16. 【請求項16】 加熱硬化を不活性ガス雰囲気下で実施
    することを特徴とする請求項14又は15記載の硬化樹
    脂成形物の製造法。
  17. 【請求項17】 B液が、(β―メチル)グリシジル
    (メタ)アクリレート(b)よりなる第1液(i)と、
    成環触媒(d)よりなる第2液(ii)に分けられている
    ことを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の
    硬化樹脂成形物の製造法。
  18. 【請求項18】 第1液(i)及び/又は第2液(ii)
    にポリオール化合物(e)を含有する請求項17記載の
    硬化樹脂成形物の製造法。
  19. 【請求項19】 第2液(ii)にポリエポキシ化合物
    (f)を含有する請求項17又は18記載の硬化樹脂成
    形物の製造法。
  20. 【請求項20】 各液を混合する際、まず上記第1液
    (i)と第2液(ii)とを混合してB液を調製し、さら
    にそのB液と上記A液とを混合することを特徴とする請
    求項17〜19のいずれかに記載の硬化樹脂成形物の製
    造法。
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