JPH0543235B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、画像信号の伝送あるいは記録に適用
できる画像信号帯域圧縮方式に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来、画像信号の帯域圧縮技術に関して、電子
通信学会通信方式研究会資料CS84−７「高品位テ
レビ信号の時間軸変換帯域圧縮方式」に報告され
ているTAT方式という技術が知られている。

TAT方式は、まず粗いサブサンプリングによ
つて画像の基本構造を表す基本画素を取り出し、
次に残りの画素の中から画像の精細さを表すため
に必要な追加画素をとるものである。

これは、画像を小さなブロツクに分割し、ブロ
ツク内の画像の細かさに応じて第６図ａ，ｂに示
すようにサンプリングパターンを変化させること
に相当する。即ち、１つのサンプリングパターン
を１つのモードとして複数のモードを設定し画像
の細かさに応じて各ブロツク毎にモードを切り替
えて割り当て、割り当てられたモードに従つて画
素を間引き帯域圧縮を行う。このようにすること
で、画像の詳細な部分では画素を間引かずに、画
像の平坦な部分では画素を間引いて、全体として
補間誤差を小さくすることが可能である。TAT
方式におけるモードの決定では、モードの数が第
６図ａ，ｂに示す２種類の場合、第７図に示すよ
うに、第６図ｂのモード２に対する補間誤差を絶
対値のブロツク内総和であるブロツク毎の歪量Ｓ
のヒストグラムを用いて、Ｓの或る値Thを境界
にしてモードを決定している。即ち、Thを越え
たブロツクはモード１が、Th以下のブロツクモ
ード２が割り当てられる。

（発明が解決しようとする問題点） 従来のTAT方式では原画像から画素を間引い
た画像信号を送信する。また、画素の間引きと補
間の方法を示すモードはその情報を受信側に伝送
する必要があるために、むやみにその種類を増や
すことはできない。従つて受信側で復元される画
像は、特に歪量Ｓが閾値Th近傍である画像領域
においてはブロツク毎に画質差の大きな限られた
種類のモードが複雑に入り組むことになり、これ
が画質劣化となつて現れる。

本発明の目的は、送信側において、従来の
TAT方式と同様にしてモードを決定した後、決
定されたモードに基づいて復元画像信号を計算し
この復元画像信号と原画像の差である誤差信号に
ある演算（例えば低域通過型フイルタ）を施して
修正信号とし、この修正信号を入力画像信号かま
たは前記復元画像信号の内どちらか一方と加算し
てこれを修正画像信号とし、前記モードに従つて
修正画像信号の画素の間引きを行ないこの信号を
受信側に送信することにより、上述した問題点を
緩和した画像信号帯域圧縮方式を提供することに
ある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の画像信号帯域圧縮方式は、送信側で画
素を間引き、受信側で間引かれた画素を補間して
画像を復元する画像信号帯域圧縮方式の送信側に
おいて、画素の間引き及び補間の方法を示すモー
ドを決定し、前記モードの決定結果に従つて入力
画像信号の画素の間引き及び補間を行いこれを復
元画像信号とし、前記入力画像信号と前記復元画
像信号との差を誤差信号とし、前記誤差信号に対
して定められた演算を行いこれを修正信号とし、
前記修正信号を前記入力画像信号かまたは前記復
元画像信号の内どちらか一方に加算してこれを修
正画像信号とし、前記モードの決定結果に従つて
前記修正画像信号の画素を間引いて受信側に送信
するものである。

なお、前記修正信号の導出において、前記モー
ドの決定結果より各画素の重み係数を決定し、前
記誤差信号に対して定められた演算を行つて得ら
れる信号に前記重み係数を乗算し、これを修正信
号としてもよい。

（作用） 本発明では、送信側で画素を間引き、受信側で
間引かれた画素を補間して画像を復元する画像の
帯域圧縮における送信画像信号の計算方法がポイ
ントとなる。

第１図に本発明の画像信号帯域圧縮方式の送信
部の基本部分の概略を示すブロツク図の一例を示
す。一例としてテレビジヨン信号を入力としてフ
イールドを４画素×４画素の大きさのブロツクに
分割し、フイールド毎に各ブロツクに対してモー
ドの決定を行う場合について考える。モードの種
類は一例として第６図ａ，ｂの２種類とする。従
来のTAT方式と全く同様にしてモードを決定し
た後、まず、決定されたモードに従つて入力画像
信号の画素を間引き補間を行つて復元画像信号と
し、この復元画像信号と入力画像信号との差であ
る誤差信号を計算する。この時、モード１（間引
き無し）の復元画像信号は入力画像信号そのもの
であり誤差信号はＯとなり、モード２の誤差信号
は或値を持つ。次に、この誤差信号の定められた
演算（一例として低域通過型空間フイルタ）を施
してこれを修正信号とし、この修正信号に前記復
元画像信号かまたは入力画像信号の内どちらか一
方を加算して修正画像信号とする。この修正画像
信号は、モード１ブロツクのみ集まつている領域
の中心部分では入力画像信号そのものとなり、モ
ード２ブロツクのみ集まつている領域の中心部分
ではほぼモード２に対応するぼけた画質となる。
さらに、モード１とモード２のブロツクの境界領
域では誤差信号の高域成分がフイルタによりとら
れて境界領域に滑らかに広がるため、この領域の
画質はモード１とモード２の中間的な画質とな
る。この修正画像信号の画素を前記モードに従つ
て間引き受信側に送信すれば、受信側で画像を復
元する際にもモード１のブロツクとモード２のブ
ロツクが入り組んでいる領域の境界領域の画質は
モード１による復元画像信号とモード２による復
元画像信号の中間的な画質となり、視覚的に画質
劣化として感じにくくなり、滑らかで自然な復元
画像信号を得ることが可能となる。

また、上記修正信号の導出において前記モード
の決定結果より各画素の重み係数を決定し、前記
誤差信号に対して定められた演算を行つて得られ
る信号に前記重み係数を乗算しこれを修正信号と
すれば、例えば重み係数としてモード１とモード
２のブロツクの境界領域の画素に対してのみ修正
信号を加算することになるように計算した場合に
は、モード１あるいはモード２のブロツクのみ集
中した領域の内部に対して修正信号を加算するこ
とによる画質劣化を無くすことができる。

（実施例） 次に第１図〜第７図を用いて本発明の実施例に
ついて説明する。

本実施例では一例として、テレビジヨン信号を
入力としてフイールドを４画素×４画素の大きさ
のブロツクに分割し、フイールド毎に各ブロツク
に対してモードの決定を行い、画素の数を全体の
１／２に間引く場合について示している。また本実
施例におけるモードは、一例として第６図ａ，ｂ
に示すモード１、モード２の２種類とする。各モ
ードの圧縮率はモード１が１、モード２が1/4で、
モード２はフイールド内補間を用いている。

即ち本実施例は、第６図のａ，b2種類のモー
ドを各ブロツクに割り当て、それぞれに対応した
間引きを行い、帯域圧縮を行うものであり、以下
では特にそのモード決定方法と修正画像信号の計
算方法について説明する。

第１図は本発明の一実施例であるテレビジヨン
信号帯域圧縮方式の送信部の基本部分の概略を示
すブロツク図である。

入力端子から入力される画像信号５０に対し、
モード決定回路１において従来のTAT方式と同
様にしてモードを決定してモード信号５２を出力
する。モード決定回路１の中身の一例を第２図に
示す。第２図において、まず、入力端子から入力
される画像信号５０に対し、モード２間引き補間
回路１０でモード２の間引きおよび補間が行わ
れ、その出力である補間信号７０は差分回路１１
に入力され、補間信号と原信号との差分が計算さ
れる。その差分信号７１は歪量計算回路１２に入
力され、差分信号の絶対値のブロツク内の総和で
あるブロツク毎の歪量Ｄ２が計算され、これを歪
量信号７２として出力する。歪量信号７２はヒス
トグラム作成回路１３に入力されて、第７図に示
されるような歪量Ｄ２のヒストグラムが作成され
る。閾値決定回路１４において、ヒストグラム作
成回路１３で作成されたヒストグラムの内容をＤ
２の大きな方から次々に読み出して加算してい
き、全ブロツク数の1/3以上となつたときのＤ２
の値を閾値Thとし、閾値信号７３として出力す
る。歪量出力７２は閾値決定回路１４で閾値Th
が決定されるまで遅延回路１６で遅延される。モ
ード割り当て回路１５では、遅延された歪量信号
７４と閾値信号７３を用いて全ブロツクに対する
モードを決定する。即ち、各ブロツクについて、
歪量Ｄ２がTh以上の値を持つブロツクではモー
ド１を、Thより小さい値を持つブロツクではモ
ード２を割り当ててモード信号５２を出力する。

第１図において、入力画像信号５０が入力され
てからモード決定回路１でモードが決定されるま
での間、入力画像信号５０を遅延回路２で遅延さ
せておき、遅延された入力画像信号５１とモード
信号５２は間引き補間回路３に入力されてモード
信号に従つて入力画像信号が間引かれ補間されて
復元画像信号５３が計算される。

次に差分回路４において、遅延された入力画像
信号５１と復元画像信号５３との差である誤差信
号５４が計算され、これが演算回路５に入力され
て低域通過型空間フイルタがかけられ修正信号５
５として出力される。

修正信号５５と復元画像信号５３は加算回路６
で加算されて修正画像信号５６として出力され
る。

修正画像信号５６は間引き回路７においてモー
ド信号５２に従つて画素が間引かれ、間引かれた
修正画像信号５７とモード決定回路１で決定され
たモード信号５２はそれぞれ出力端子からの受信
側に送信される。

以下に、本実施例を基にしたモード決定方法に
ついて説明する。

第２図のモード決定の実施例では、フイールド
毎のモードを決定しているが、複数フイールド分
をまとめて行つてもよい。

また、第２図のモード２間引き補間回路１０に
おいて間引きをする前に、モード２に対応して、
折り返し歪み防止のために信号帯域の制限を行つ
てもよい。

また、第２図の閾値決定回路１４における閾値
Th決定方法として、ヒストグラムの内容の読み
出しは歪量Ｄ２の小さな方から行つてもよい。た
だしその場合には、加算結果が全ブロツク数の2/
３を越えた時のＤ２の値をThとする。

また、用いるモードの種類は第６図ａ，ｂと異
なるものでもよい。

また、第１図の実施例のように加算回路６にお
ける加算を復元画像信号５３と修正信号５５との
間で行うのではなく、第３図に示されるように加
算回路６における加算は遅延された入力画像信号
５１と修正信号５５との間で行いこれを修正画像
信号５６としてもよい。

また、修正信号５５の導出において、モードの
決定結果を用いて各画素に対する重み係数を計算
し、誤差信号５４に対して定められた演算を行つ
て得られる信号にその重み係数を乗算してこれを
修正信号としてもよい。即ち、第４図に示すよう
に、重み係数計算回路９においてモード信号５２
を用いて各画素に対する重み係数を決定し重み係
数信号５９として出力する。この重み係数信号５
９と演算回路５の出力信号５８を乗算回路８にお
いて乗算し、この乗算の結果を修正信号５５とす
ればよい。なお、重み係数計算回路９における重
み係数の計算方法の例としては、例えば第５図に
示すようにモード１のブロツクのみが集まつてい
る領域とモード２のブロツクのみが集まつている
領域に対しては重み係数Ｗ２＝０を、またモード
１のブロツクのみの領域とモード２のブロツクの
みの領域の境界領域（例えば第５図の斜線領域）
では重み係数ｗ１＝１を与えるようにすればよ
い。さらに、この場合にも第３図の場合と同様に
加算回路６における加算は遅延された入力画像信
号５１と修正信号５５との間で行いこれを修正画
像信号５６としてもよい。

本実施例によればテレビジヨン信号の信号帯域
を1/2に圧縮でき、伝送時に必要とする伝送路の
帯域は1/2になり、さらに画像品質が良い画像信
号帯域圧縮方式が可能となる。なお、画像信号の
圧縮率は各モードの圧縮率あるいはThの値を制
御することにより可変となる。

（発明の効果） 以上述べてきたように、本発明によれば、入力
画像信号かまたは従来のTAT方式と同様にして
得られる復元画像信号の内どちらか一方と、誤差
信号に対してある演算を施した出力を加算して修
正画像信号としこの修正画像信号の画素を間引い
て受信側に送信することにより、受信側で画像を
復元する際に複数種類のモードのブロツクが複雑
に入り組んでいる領域において、各モードの境界
領域の画質が各モードによる復元画像信号の中間
的な画質となり、視覚的に画質劣化として感じに
くくなり、滑らかで自然な復元画像信号を得るこ
とが可能となる。

また、上記修正信号の導出において、モードの
決定結果より各画素の重み係数を決定し、前記誤
差信号に対して定められた演算を行つて得られる
信号に前記重み係数を乗算しこれを修正信号とす
れば、１種類のモードのブロツクのみの領域に対
して修正信号を加算することによる画質劣化を無
くすことができる。

従つて、従来のTAT方式より視覚的に高画質
な画像の帯域圧縮が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における送信部の基
本部分を概略を示すブロツク図、第２図は本発明
の一実施例における送信部のモード決定回路の一
例を示すブロツク図、第３図は本発明の一実施例
における送信部の基本部分の概略を示すブロツク
図、第４図は本発明の一実施例における送信部の
基本部分の概略を示すブロツク図、第５図は本発
明の一実施例における重み付け方法の一例を示す
図、第６図ａ，ｂはTAT方式のサンプリングパ
ターンを示す説明図、第７図はTAT方式におけ
るモード決定方法を示す説明図である。 図において、１……モード決定回路、２……遅
延回路、３……間引き補間回路、４……差分回
路、５……演算回路、６……加算回路、７……間
引き回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 送信側で画素を間引き、受信側で間引かれた
   画素を補間して画像を復元する画像信号帯域圧縮
   方式の送信側において、画素の間引き及び補間の
   方法を示すモードを決定し、前記モードの決定結
   果に従つて入力画像信号の画素の間引き及び補間
   を行いこれを復元画像信号とし、前記入力画像信
   号と前記復元画像信号との差を誤差信号とし、前
   記誤差信号に対して定められた演算を行いこれを
   修正信号とし、前記修正信号を前記入力画像信号
   に加算してこれを修正画像信号とし、前記モード
   の決定結果に従つて前記修正画像信号の画素を間
   引いて受信側に送信することを特徴とする画像信
   号帯域圧縮方式。 ２ 前記修正画像信号の導出において、前記修正
   信号を前記復元画像信号に加算した信号を修正画
   像信号とすることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の画像信号帯域圧縮方式。 ３ 前記修正信号の導出において、前記モードの
   決定結果より各画素の重み係数を決定し、前記誤
   差信号に対して定められた演算を行つて得られる
   信号に前記重み係数を乗算し、これを修正信号と
   することを特徴とする特許請求の範囲第１項また
   は第２項に記載の画像信号帯域圧縮方式。