JPH0542861U - 電磁弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ソレノイド部の摩耗を防止でき、かつ摩耗防
止部のメンテナンスが容易な電磁弁を提供する。 【構成】 可動鉄心９の外周面に設けた取付溝２０に、
弾性材を有する素材で形成した欠円状または略円状の止
め輪２１を取外し可能に嵌着させ、この止め輪２１の磁
気リング８の中心孔に対向する案内筒部２１ａの外径
を、可動鉄心９の外径より僅かに大きくし、磁気リング
８の弁部２側の面に対向するフランジ２１ｂと磁気リン
グ間の距離を、可動鉄心のストロークより僅かに小さく
する。 【効果】 止め輪に設けた案内部とフランジとによっ
て、可動鉄心と磁気リングとの接触及び鉄心相互の衝突
を防止でき、止め輪の交換が容易である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電磁弁に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

コイルを巻いたボビン、該ボビンの中心孔に装着した固定鉄心、これらを囲む 磁気枠と磁気板、ボビンと磁気板の中心孔に摺動可能に挿入した可動鉄心、及び その復帰ばねを有するソレノイド部と、複数のポート、これらのポートを連通さ せる通路中の弁座、上記可動鉄心で駆動されて上記弁座を開閉する弁体を有する 弁部とを備えた電磁弁は、特に例示するまでもなく周知である。 しかしながら、上記周知の電磁弁は、可動鉄心が固定鉄心に衝突したり、可動 鉄心が磁気板に接触したりするために、これらの摩耗が大きくてソレノイド部の 寿命が短いという問題がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、鉄心相互の衝突及び可動鉄心と磁気リング の接触による摩耗を防止でき、かつメンテナンスが容易な電磁弁を提供すること にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は、コイルを巻いたボビン、該ボビンの中心 孔に装着した固定鉄心、これらを囲む磁気枠と磁気リング、及びボビンと磁気リ ングとの中心孔に摺動可能に挿入した可動鉄心を有するソレノイド部と、複数の ポート、これらのポートを連通させる通路中の弁座、及び上記可動鉄心で駆動さ れて上記弁座を開閉する弁体を有する弁部とを備えた電磁弁において、上記可動 鉄心の外周面に、弾性を有する素材で形成され、上記磁気リングの中心孔に対向 する案内筒部と、磁気リングの弁部側の面に対向するフランジとを有する欠円状 または略円状の止め輪を取外し可能に嵌着し、上記案内筒部の外径を可動鉄心の 外径より大径にするとともに、フランジと磁気リング間の距離を可動鉄心のスト ロークより小さくしたことを特徴としている。

【０００５】

【作用】

コイルへの通電によって固定鉄心が可動鉄心を吸引し、コイルの通電を解除す ると可動鉄心が元の状態に復帰して、弁体が弁座を開閉する。 この場合、止め輪の案内筒部の外径が可動鉄心の外径より大きいために、可動 鉄心が磁気リングに接触することなく摺動するので、これらの接触による摩耗が 防止される。 また、止め輪のフランジと磁気リング間の距離が可動鉄心のストロークより小 さいために、鉄心相互の衝突による摩耗が防止され、かつ可動鉄心が固定鉄心に 吸着されないので、復帰の応答性がよい。 さらに、止め輪を欠円状または略円状として可動鉄心に取外し可能に嵌着した ことにより、止め輪を簡単に交換できるので、メンテナンスが容易である。

【０００６】

【実施例】

図は本考案の実施例を示し、この電磁弁は、ソレノイド部１と弁部２を備えて いる。 上記ソレノイド部１は、コイル４を巻いたボビン５、ボビン５の中心孔に気密 に装着した固定鉄心６、これらを囲む磁気枠７と磁気リング８、ボビン５と磁気 リング８の各中心孔に摺動可能に挿入した可動鉄心９を備え、ボビン５のフラン ジと磁気枠７と磁気リング８との間は、Ｏリング１０でシールされている。 一方、弁部２の弁本体１１は、圧力流体の入力ポートＰ、出力ポートＡ及び排 出ポートＲ、これらのポートを連通させる通路に互いに背向させて形設した、ポ ートＰとＡ間の供給弁座１２及びポートＡとＲ間の排出弁座１３、これらの弁座 と略同心の供給弁室１４と排出弁室１５、並びに弁室１４と１５を連通させる連 通孔１６，・・を備え、シールリング１７を介して、適宜の手段によって上記ソ レノイド部１に気密に組付けられている。

【０００７】 図２に詳細を示す上記可動鉄心９には、弁部２側が順次拡径する軸方向の貫通 孔１９と、外周面の環状の取付溝２０とが形成されており、取付溝２０に後記す る止め輪２１が取外し可能に嵌着されている。上記貫通孔１９には、固定鉄心６ 側に、貫通孔１９から突出する先端部分が固定鉄心に当接するばね押え２２が、 弁部２側に供給弁座１２を開閉する供給弁体２３が、中間にばね受け２４が、そ れぞれ摺動可能に挿入され、ばね押え２２と供給弁体２３とは、ばね受け２４と の間に縮設した第１弁ばね２５ａ，２５ｂによって互いに離間する方向に付勢さ れ、ばね押え２２はテーパ部が貫通孔１９のテーパ面に、供給弁体２３は周縁が 可動鉄心９の係止部９ａにそれぞれ当接して、可動鉄心９からの飛出しが防止さ れている。 また、上記止め輪２１は、合成樹脂等の弾性を有する素材で欠円状または略円 状に形成され（図３参照）、磁気リング８の中心孔に対向する案内筒部２１ａと 、磁気リング８の弁部側の面に対向するフランジ２１ｂとを備え、弾性によって 取付溝２０に取外し可能に嵌着され、案内筒部２１ａの外径は可動鉄心９の外径 より僅かに大きく、フランジ２１ｂと磁気リング８間の距離は、固定鉄心６と可 動鉄心９間の距離、換言すれば可動鉄心９のストロークより僅かに小さくされて いる。

【０００８】 排出弁座１３を開閉する排出弁体２７は、ばね座２８との間に縮設した第２弁 ばね２９によって排出弁座１３を閉鎖する方向に付勢され、排出弁体２７を駆動 する押圧部材３０の先端は、連通孔１６，・・を通って可動鉄心９の係止部９ａ に当接している。 図中の符号３２は押圧により供給弁座１４を開放させる手動操作釦、３３はコ イル４に給電するための配線基板である。

【０００９】 上記実施例は、ソレノイド部１の組付け時に、可動鉄心９の取付溝２０に止め 輪２１が嵌着される。 コイル４に非通電のときは、第１弁ばね２５ａ，２５ｂの付勢力によって供給 弁体２３が供給弁座１２を閉鎖し、押圧部材３０で押圧された排出弁体２７が排 出弁座１３を開放するので、ポートＡとＲが連通している（図１左半分参照）。 コイル４に通電すると、固定鉄心６が第１弁ばね２５，２５の付勢力に抗して 可動鉄心９を吸引するので、供給弁体２３が供給弁座１２を開放するとともに、 第２弁ばね２９の付勢力により排出弁体２７が排出弁座１３を閉鎖するので、ポ ートＰとＡが連通する（図１右半分参照）。

【００１０】 この場合、止め輪２１の案内筒部２１ａの外径が可動鉄心９の外径より僅かに 大きいために、可動鉄心９は案内筒部２１ａに案内されて磁気リング８に接触す ることなく摺動する。また、止め輪２１のフランジ２１ｂと磁気リング８間の距 離が可動鉄心９のストロークより僅かに小さいために、フランジ２１ｂと磁気リ ング８とが当接して可動鉄心９が固定鉄心６に衝突しない。 したがって、可動鉄心９と固定鉄心６及び磁気リング８との衝突及び接触によ るこれらの摩耗を防止できる。

【００１１】 コイル４への通電を解除すると、第１弁ばね２５ａ，２５ｂの付勢力により、 可動鉄心９が案内筒部２１ａに案内されて磁気リング８に接触することなく元の 状態に復帰する。この場合、可動鉄心９が固定鉄心６に吸着されないために、復 帰の応答性がよい。 また、止め輪２１は、摩耗したときは交換できるばかりでなく、交換時にソレ ノイド部を分解しなくてもよいので、メンテナンスが容易である。

【００１２】 なお、上記実施例は３ポート弁であるが、本考案の電磁弁はこれに限定される ものではなく、複数のポートを有するものであればよい。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の電磁弁は、可動鉄心に取外し可能に嵌着させた欠円状または略円状の 止め輪によって、可動鉄心と磁気リングとの接触及び鉄心相互の衝突を防止する ので、これらの摩耗が小さくてソレノイド部の寿命を長くすることができ、しか も可動鉄心の復帰時の応答性がよい。 また、止め輪の交換が簡単であるから、メンテナンスが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の縦断正面図である。

【図２】可動鉄心の縦断面図である。

【図３】図２のＡーＡ断面図である。

【符号の説明】

１ ソレノイド部 ２ 弁部 ４ コイル ５ ボビン ６ 固定鉄心 ７ 磁気枠 ８ 磁気リング ９ 可動鉄心 １２ 供給弁座 ２１ 止め輪 ２１ａ 案内筒部 ２１ｂ フランジ ２３ 供給弁体 Ｐ，Ａ，Ｒ ポート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイルを巻いたボビン、該ボビンの中心
   孔に装着した固定鉄心、これらを囲む磁気枠と磁気リン
   グ、及びボビンと磁気リングとの中心孔に摺動可能に挿
   入した可動鉄心を有するソレノイド部と、複数のポー
   ト、これらのポートを連通させる通路中の弁座、及び上
   記可動鉄心で駆動されて上記弁座を開閉する弁体を有す
   る弁部とを備えた電磁弁において、 上記可動鉄心の外周面に、弾性を有する素材で形成さ
   れ、上記磁気リングの中心孔に対向する案内筒部と、磁
   気リングの弁部側の面に対向するフランジとを有する欠
   円状または略円状の止め輪を取外し可能に嵌着し、上記
   案内筒部の外径を可動鉄心の外径より大径にするととも
   に、フランジと磁気リング間の距離を可動鉄心のストロ
   ークより小さくした、 ことを特徴とする電磁弁。