JPH0542494B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0542494B2 JPH0542494B2 JP57192087A JP19208782A JPH0542494B2 JP H0542494 B2 JPH0542494 B2 JP H0542494B2 JP 57192087 A JP57192087 A JP 57192087A JP 19208782 A JP19208782 A JP 19208782A JP H0542494 B2 JPH0542494 B2 JP H0542494B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- content
- toughness
- steel
- less
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 claims description 42
- 239000010959 steel Substances 0.000 claims description 42
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 claims description 8
- 229910000859 α-Fe Inorganic materials 0.000 claims description 8
- 239000012535 impurity Substances 0.000 claims description 7
- 229910052717 sulfur Inorganic materials 0.000 claims description 6
- 229910052759 nickel Inorganic materials 0.000 claims description 3
- 239000002245 particle Substances 0.000 claims description 3
- 239000000463 material Substances 0.000 description 25
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 22
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 5
- 238000005098 hot rolling Methods 0.000 description 5
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 5
- 239000010953 base metal Substances 0.000 description 4
- 238000010791 quenching Methods 0.000 description 4
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 description 4
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 4
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 3
- 150000004767 nitrides Chemical class 0.000 description 3
- ATJFFYVFTNAWJD-UHFFFAOYSA-N Tin Chemical compound [Sn] ATJFFYVFTNAWJD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 2
- 238000009835 boiling Methods 0.000 description 2
- 230000003749 cleanliness Effects 0.000 description 2
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 2
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 2
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 2
- 230000008092 positive effect Effects 0.000 description 2
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 2
- 150000003568 thioethers Chemical class 0.000 description 2
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 2
- UCKMPCXJQFINFW-UHFFFAOYSA-N Sulphide Chemical compound [S-2] UCKMPCXJQFINFW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000005275 alloying Methods 0.000 description 1
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910001566 austenite Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910001563 bainite Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000005336 cracking Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 238000009863 impact test Methods 0.000 description 1
- 230000001771 impaired effect Effects 0.000 description 1
- 239000004615 ingredient Substances 0.000 description 1
- 229910000734 martensite Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 description 1
- 230000008569 process Effects 0.000 description 1
- 238000005496 tempering Methods 0.000 description 1
- 230000009466 transformation Effects 0.000 description 1
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
Description
この発明は、低温靭性にすぐれ、かつ高強度を
有する鋼材に関するものである。 一般に、沸点が−43℃のLPG用のタンク等に
使用されている鋼板は、その沸点よりもさらに60
〓低い温度での靭性が必要とされ、−76℃におけ
るNRL落重試験で判定される厳しい低温靭性が
要求されている。 そこで、本発明者等は、上記の要求を満足する
鋼材を開発すべく研究を行なつた結果、 (a) 鋼を、重量%で(以下、%は重量%を示す)、 C :0.03〜0.12%、 Si:0.001〜0.250%、 Mn:1.0〜1.6%、 Ti:0.005〜0.014%、 Nb:0.003〜0.030%、 Al:0.01〜0.09%、 N :0.0001〜0.0070%、 Ca:0.0010〜0.0040%、 Ni:4.5〜9.8%、 B :0.0005〜0.0015%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなり、
かつ前記不可避不純物のうちのSおよびO(酸素)
の含有量を、それぞれ、 S:0.001%未満、 O:0.0020%以下、 とした組成を有する鋼に特定し、この鋼に、 (b) まず、炭窒化物を固溶させるために、例えば
1200〜1250℃の比較的高温に加熱し、この状態か
ら冷却途中の100℃を越えない温度にて30%以上
の圧下率で第1回熱間圧延加工を施してNbおよ
びTiの炭窒化物を極微細に析出させ、引続いて
一旦フエライト組織とするために600℃以下まで
冷却し、 (c) 上記組織では、析出粒子が微細すぎるために
オーステナイト化時に不安定な状態のものが多数
存在するのが通常であるので、オーステナイト化
時の安定化を確保するために焼入れ時のオーステ
ナイト化温度に近い温度、すなわちAC3点〜
(AC3点+100℃)の温度域に加熱して炭窒化物を
若干成長させ、これによつてオーステナイト粒の
成長防止と、特に冷却変態時のフエライト生成に
有効に作用させると共に、極細粒のフエライト組
織が得られるように温度が(Ar1点+30℃)にな
るまでの間に50%以上の圧下率で第2回熱間圧延
加工を施してから、600℃以下の温度に冷却して
フエライト変態を完了させ、 (d) 引続いて、鋼材組織をオーステナイト化する
ために870〜950℃の温度域に加熱し、この温度域
から10〜20℃/secの冷却速度で冷却の焼入れ処
理を施し、 (e) 最終的に鋼材の強度レベルを調整するために
600〜650℃の温度域に加熱の焼戻し処理を施す
と、 (f) この結果得られた鋼材は、平均粒径:12μm
以下のフエライトを主体(ベイナイトまたはマル
テンサイト量は40%以下)とした微細組織をもつ
ようになり、これによつてNDT温度(NRL落重
試験による無延性遷移温度)が−120℃以下のす
ぐれた低温靭性、並びに降伏強さ:33Kg/mm2以
上、引張強さ:46Kg/mm2以上の高強度をもつよう
になるという研究結果得たものである。 この発明は、上記の研究結果にもとづいてなさ
れたものであつた、 C :0.03〜0.12%、 Si:0.001〜0.250%、 Mn:1.0〜1.6%、 Ti:0.005〜0.014%、 Nb:0.003〜0.030%、 Al:0.01〜0.09%、 N:0.0001〜0.0070%、 Ca:0.0010〜0.0040%、 Ni:4.5〜9.8%、 B :0.0005〜0.0015%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなり、
かつ前記不可避不純物のうちのSおよびOの含有
量を、それぞれ、 S:0.001%未満 O:0.0020%以下、 とした組成、並びに平均粒径:12μm以下のフエ
ライトを主体とした微細組織を有する、低温靭性
にすぐれた高強度鋼材に特徴と有するものであ
る。 つぎに、この発明の鋼材において、成分組成を
上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) C 成分は、鋼材の強度を確保するための最も経済
的で有効な元素であるが、その含有量が0.03%未
満では所望の強度を確保することができず、一方
0.12%を越えて含有させると溶接性を損うように
なることから、その含有量を0.03〜0.12%と定め
た。 (b) Si Si成分には、脱酸作用のほかに、鋼母材の靭性
を改善する作用があるが、その含有量が0.001%
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方
0.250%を越えるような過剰添加は溶接部靭性を
損なうことにつながるため、その含有量を0.001
〜0.250%と定めた。 (c) Mn Mn成分には、C成分について経済的に強度確
保を果たす作用があるが、その含有量が1.0%未
満では前記作用に所望の効果が得られず、一方
1.6%を越えて含有させると溶接部靭性を劣化す
るようになるので、その含有量を1.0〜1.6%と定
めた。ただし、Mn量が1.4%を越えた場合には、
他の合金元素との組合せにより靭性の劣化を招く
ことが多く、板厚などの条件にもよるが、強度を
十分に確保できる場合には1.4%以下とすること
が望ましい。 (d) Ti Ti成分は、鋼中においてTi窒化物を形成し、
このTi窒化物を形成し、このTi窒化物が溶接部
靭性に好影響を及ぼすので、溶接部靭性を改善す
るために添加されるものであるが、その含有量が
0.005%未満では溶接部靭性の改善効果が認めら
れず、一方0.014%を越えて含有させるとかえつ
て靭性劣化を来たすようになるので、その含有量
を0.005〜0.014%と定めた。 (e) Nb Nb成分は、少量の添加で母材の強度及び靭性
を改善する作用を有しており、特にこの発明の鋼
材では、Nb(C,N)を熱間圧延によつて析出分
散させることが必要であるので、不可欠の成分で
ある。しかしながら、その含有量が0.003%未満
では前記作用に所望の効果が得られず、一方
0.030%を越えて含有させると溶接部靭性が劣化
するようになることから、その含有量を0.003%
〜0.030%と定めた。 (f) Al Al成分には、鋼材の母材靭性を確保する作用
があるが、その含有量が0.01%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方0.09%を越えて含
有させると鋼の清浄度を悪くし、諸特性に悪影響
を及ぼすようになることから、その含有量を0.01
〜0.09%と定めた。 (g) N N成分は、鋼中に不可避的に入る一種の不純物
であり、鋼中のTiやAlを結合してTiNやAlN等
の窒化物を形成する元素であつて、0.0070%を越
えて鋼中に存在すると溶接部の靭性を損なうよう
になる。一方、適量の存在で、TiとともにTiN
を形成して溶接部靭性に好影響を及ぼすこととな
ることから、これを積極的に利用するために、そ
の含有量を0.0001〜0.0070%と定めた。 (h) Ca Ca成分には、S成分と硫化物を形成し、鋼の
異方性を小さくするとともに溶接部の靭性を向上
する作用があるが、その含有量が0.0010%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方、その
含有量が0.0040%を越えると鋼の清浄度が悪くな
つて鋼材特性に悪影響が出ることから、その含有
量を0.0010〜0.0040%と定めた。 また、Ca成分はS成分との関係で、S含有量
に対するCa含有量の百分率が0.5未満では、S分
の影響で鋼の異方性が大きく現われることから、
(%Ca)/(%S)≧0.5とするのがよい。 (i) Ni Ni成分には、母材および溶接部の靭性を一段
と向上させる作用があるが、その含有量が4.5%
未満では所望の靭性向上効果が得られず、一方そ
の含有量が9.8%を越えると、溶接部に高温割れ
が発生するようになることから、その含有量を
4.5〜9.8%と定めた。 (j) B B成分は、TiやAlと同様に、Nと結びついて
BNを形成する元素であり、溶接部靭性を改善し
たり、母材強度を向上させる作用を有するが、そ
の含有量が0.0005%未満では前記作用に所望の効
果を得られず、一方0.0015%を越えて含有させる
と、B元素による焼入れ性向上作用が強く現われ
て溶接部靭性が劣化するようになることから、そ
の含有量を0.0005〜0.0015%と定めた。 (k) SおよびO 鋼中にSおよびOが存在すると、それぞれ硫化
物および酸化物を形成して非金属介在物となる
が、特にS含有量が0.001%以上では硫化物系
(MnS系が主)介在物を増加し、またO含有量が
0.0020%を越えると酸化物系介在物が増加し、そ
れぞれ鋼の靭性を極端に劣化することとなるの
で、S含有量を0.001%未満に、そしてO含有量
を0.0020%以下に限定した。 また、この発明の鋼材において、フエライトの
平均粒径が12μmを越えると、低温靭性が低下す
るようになり、所望のすぐれた低温靭性を確保す
ることができなくなることから、フエライトの平
均粒径は12μm以下にしなければならない。 つぎに、この発明の鋼材を実施例により具体的
に説明する。 まず、第1表に示される成分組成をもつた溶鋼
を70ton転炉を用いて、通常の条件で溶製し、連
続鋳造にてスラブとし、このスラブに、加熱温
度:
有する鋼材に関するものである。 一般に、沸点が−43℃のLPG用のタンク等に
使用されている鋼板は、その沸点よりもさらに60
〓低い温度での靭性が必要とされ、−76℃におけ
るNRL落重試験で判定される厳しい低温靭性が
要求されている。 そこで、本発明者等は、上記の要求を満足する
鋼材を開発すべく研究を行なつた結果、 (a) 鋼を、重量%で(以下、%は重量%を示す)、 C :0.03〜0.12%、 Si:0.001〜0.250%、 Mn:1.0〜1.6%、 Ti:0.005〜0.014%、 Nb:0.003〜0.030%、 Al:0.01〜0.09%、 N :0.0001〜0.0070%、 Ca:0.0010〜0.0040%、 Ni:4.5〜9.8%、 B :0.0005〜0.0015%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなり、
かつ前記不可避不純物のうちのSおよびO(酸素)
の含有量を、それぞれ、 S:0.001%未満、 O:0.0020%以下、 とした組成を有する鋼に特定し、この鋼に、 (b) まず、炭窒化物を固溶させるために、例えば
1200〜1250℃の比較的高温に加熱し、この状態か
ら冷却途中の100℃を越えない温度にて30%以上
の圧下率で第1回熱間圧延加工を施してNbおよ
びTiの炭窒化物を極微細に析出させ、引続いて
一旦フエライト組織とするために600℃以下まで
冷却し、 (c) 上記組織では、析出粒子が微細すぎるために
オーステナイト化時に不安定な状態のものが多数
存在するのが通常であるので、オーステナイト化
時の安定化を確保するために焼入れ時のオーステ
ナイト化温度に近い温度、すなわちAC3点〜
(AC3点+100℃)の温度域に加熱して炭窒化物を
若干成長させ、これによつてオーステナイト粒の
成長防止と、特に冷却変態時のフエライト生成に
有効に作用させると共に、極細粒のフエライト組
織が得られるように温度が(Ar1点+30℃)にな
るまでの間に50%以上の圧下率で第2回熱間圧延
加工を施してから、600℃以下の温度に冷却して
フエライト変態を完了させ、 (d) 引続いて、鋼材組織をオーステナイト化する
ために870〜950℃の温度域に加熱し、この温度域
から10〜20℃/secの冷却速度で冷却の焼入れ処
理を施し、 (e) 最終的に鋼材の強度レベルを調整するために
600〜650℃の温度域に加熱の焼戻し処理を施す
と、 (f) この結果得られた鋼材は、平均粒径:12μm
以下のフエライトを主体(ベイナイトまたはマル
テンサイト量は40%以下)とした微細組織をもつ
ようになり、これによつてNDT温度(NRL落重
試験による無延性遷移温度)が−120℃以下のす
ぐれた低温靭性、並びに降伏強さ:33Kg/mm2以
上、引張強さ:46Kg/mm2以上の高強度をもつよう
になるという研究結果得たものである。 この発明は、上記の研究結果にもとづいてなさ
れたものであつた、 C :0.03〜0.12%、 Si:0.001〜0.250%、 Mn:1.0〜1.6%、 Ti:0.005〜0.014%、 Nb:0.003〜0.030%、 Al:0.01〜0.09%、 N:0.0001〜0.0070%、 Ca:0.0010〜0.0040%、 Ni:4.5〜9.8%、 B :0.0005〜0.0015%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなり、
かつ前記不可避不純物のうちのSおよびOの含有
量を、それぞれ、 S:0.001%未満 O:0.0020%以下、 とした組成、並びに平均粒径:12μm以下のフエ
ライトを主体とした微細組織を有する、低温靭性
にすぐれた高強度鋼材に特徴と有するものであ
る。 つぎに、この発明の鋼材において、成分組成を
上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) C 成分は、鋼材の強度を確保するための最も経済
的で有効な元素であるが、その含有量が0.03%未
満では所望の強度を確保することができず、一方
0.12%を越えて含有させると溶接性を損うように
なることから、その含有量を0.03〜0.12%と定め
た。 (b) Si Si成分には、脱酸作用のほかに、鋼母材の靭性
を改善する作用があるが、その含有量が0.001%
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方
0.250%を越えるような過剰添加は溶接部靭性を
損なうことにつながるため、その含有量を0.001
〜0.250%と定めた。 (c) Mn Mn成分には、C成分について経済的に強度確
保を果たす作用があるが、その含有量が1.0%未
満では前記作用に所望の効果が得られず、一方
1.6%を越えて含有させると溶接部靭性を劣化す
るようになるので、その含有量を1.0〜1.6%と定
めた。ただし、Mn量が1.4%を越えた場合には、
他の合金元素との組合せにより靭性の劣化を招く
ことが多く、板厚などの条件にもよるが、強度を
十分に確保できる場合には1.4%以下とすること
が望ましい。 (d) Ti Ti成分は、鋼中においてTi窒化物を形成し、
このTi窒化物を形成し、このTi窒化物が溶接部
靭性に好影響を及ぼすので、溶接部靭性を改善す
るために添加されるものであるが、その含有量が
0.005%未満では溶接部靭性の改善効果が認めら
れず、一方0.014%を越えて含有させるとかえつ
て靭性劣化を来たすようになるので、その含有量
を0.005〜0.014%と定めた。 (e) Nb Nb成分は、少量の添加で母材の強度及び靭性
を改善する作用を有しており、特にこの発明の鋼
材では、Nb(C,N)を熱間圧延によつて析出分
散させることが必要であるので、不可欠の成分で
ある。しかしながら、その含有量が0.003%未満
では前記作用に所望の効果が得られず、一方
0.030%を越えて含有させると溶接部靭性が劣化
するようになることから、その含有量を0.003%
〜0.030%と定めた。 (f) Al Al成分には、鋼材の母材靭性を確保する作用
があるが、その含有量が0.01%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方0.09%を越えて含
有させると鋼の清浄度を悪くし、諸特性に悪影響
を及ぼすようになることから、その含有量を0.01
〜0.09%と定めた。 (g) N N成分は、鋼中に不可避的に入る一種の不純物
であり、鋼中のTiやAlを結合してTiNやAlN等
の窒化物を形成する元素であつて、0.0070%を越
えて鋼中に存在すると溶接部の靭性を損なうよう
になる。一方、適量の存在で、TiとともにTiN
を形成して溶接部靭性に好影響を及ぼすこととな
ることから、これを積極的に利用するために、そ
の含有量を0.0001〜0.0070%と定めた。 (h) Ca Ca成分には、S成分と硫化物を形成し、鋼の
異方性を小さくするとともに溶接部の靭性を向上
する作用があるが、その含有量が0.0010%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方、その
含有量が0.0040%を越えると鋼の清浄度が悪くな
つて鋼材特性に悪影響が出ることから、その含有
量を0.0010〜0.0040%と定めた。 また、Ca成分はS成分との関係で、S含有量
に対するCa含有量の百分率が0.5未満では、S分
の影響で鋼の異方性が大きく現われることから、
(%Ca)/(%S)≧0.5とするのがよい。 (i) Ni Ni成分には、母材および溶接部の靭性を一段
と向上させる作用があるが、その含有量が4.5%
未満では所望の靭性向上効果が得られず、一方そ
の含有量が9.8%を越えると、溶接部に高温割れ
が発生するようになることから、その含有量を
4.5〜9.8%と定めた。 (j) B B成分は、TiやAlと同様に、Nと結びついて
BNを形成する元素であり、溶接部靭性を改善し
たり、母材強度を向上させる作用を有するが、そ
の含有量が0.0005%未満では前記作用に所望の効
果を得られず、一方0.0015%を越えて含有させる
と、B元素による焼入れ性向上作用が強く現われ
て溶接部靭性が劣化するようになることから、そ
の含有量を0.0005〜0.0015%と定めた。 (k) SおよびO 鋼中にSおよびOが存在すると、それぞれ硫化
物および酸化物を形成して非金属介在物となる
が、特にS含有量が0.001%以上では硫化物系
(MnS系が主)介在物を増加し、またO含有量が
0.0020%を越えると酸化物系介在物が増加し、そ
れぞれ鋼の靭性を極端に劣化することとなるの
で、S含有量を0.001%未満に、そしてO含有量
を0.0020%以下に限定した。 また、この発明の鋼材において、フエライトの
平均粒径が12μmを越えると、低温靭性が低下す
るようになり、所望のすぐれた低温靭性を確保す
ることができなくなることから、フエライトの平
均粒径は12μm以下にしなければならない。 つぎに、この発明の鋼材を実施例により具体的
に説明する。 まず、第1表に示される成分組成をもつた溶鋼
を70ton転炉を用いて、通常の条件で溶製し、連
続鋳造にてスラブとし、このスラブに、加熱温
度:
【表】
【表】
【表】
【表】
1230℃、圧下率:35%、仕上温度:750℃の条件
で第1回熱間圧延加工を施し、ついで加熱温度:
950℃、圧下率:70%、仕上温度:780℃の条件で
第2回熱間圧延加工を施し、引続いて加熱温度:
870℃、冷却速度:10〜20℃/secの条件での焼入
れ処理と、温度620℃に加熱の焼戻し処理を施す
ことにより、いずれも25mmの板厚を有する本発明
鋼材1〜21および比較鋼材1〜12をそれぞれ
製造した。 なお比較鋼材1〜12は、いずれも構成成分の
うちのいずれかの成分含有量(第2表に*印を付
す)が、この発明の範囲から低い方に外れるか、
あるいはこれを含有しない組成をもつものであ
る。 また、比較の目的で、本発明鋼材2と同じ組成
の鋼について、焼入れ処理時の冷却速度を3℃/
secと遅くする以外は同じ条件で比較鋼材13を
製造した。 さらに、第1、第2表には、この結果得られた
各種鋼材のフエライトの平均粒径および面積率の
測定結果を示した。 つぎに、この結果得られた各種鋼材について、
引張強さ(T.S.)、降伏点(Y.S.)、シヤルピー衝
撃試験破面遷移温度(vTs)、−100℃におけるシ
ヤルピー衝撃吸収エネルギー値 (vE-100)、お
よびNDT温度を測定し、第3表に示した。 第1〜3表に示される結果から、本発明鋼材1
〜21は、いずれもすぐれた低温靭性と高強度を
有するのに対して、比較鋼材1〜13に見られる
ように、構成成分のうちのいずれかの成分の含有
量がこの発明の範囲から低い方に外れた場合や、
あるいはこれを含有しない場合、さらにフエライ
トの平均粒径が12μmを越えて粗い組織をもつ場
合には、強度および靭性、さらに低温靭性のうち
の少なくともいずれかの特性が相対的に劣つたも
のになることが明らかである。 上述のように、この発明の鋼材は、すぐれた低
温靭性と高強度を有するので、LPG用タンク等
の構造材として用いるのに適したものである。
で第1回熱間圧延加工を施し、ついで加熱温度:
950℃、圧下率:70%、仕上温度:780℃の条件で
第2回熱間圧延加工を施し、引続いて加熱温度:
870℃、冷却速度:10〜20℃/secの条件での焼入
れ処理と、温度620℃に加熱の焼戻し処理を施す
ことにより、いずれも25mmの板厚を有する本発明
鋼材1〜21および比較鋼材1〜12をそれぞれ
製造した。 なお比較鋼材1〜12は、いずれも構成成分の
うちのいずれかの成分含有量(第2表に*印を付
す)が、この発明の範囲から低い方に外れるか、
あるいはこれを含有しない組成をもつものであ
る。 また、比較の目的で、本発明鋼材2と同じ組成
の鋼について、焼入れ処理時の冷却速度を3℃/
secと遅くする以外は同じ条件で比較鋼材13を
製造した。 さらに、第1、第2表には、この結果得られた
各種鋼材のフエライトの平均粒径および面積率の
測定結果を示した。 つぎに、この結果得られた各種鋼材について、
引張強さ(T.S.)、降伏点(Y.S.)、シヤルピー衝
撃試験破面遷移温度(vTs)、−100℃におけるシ
ヤルピー衝撃吸収エネルギー値 (vE-100)、お
よびNDT温度を測定し、第3表に示した。 第1〜3表に示される結果から、本発明鋼材1
〜21は、いずれもすぐれた低温靭性と高強度を
有するのに対して、比較鋼材1〜13に見られる
ように、構成成分のうちのいずれかの成分の含有
量がこの発明の範囲から低い方に外れた場合や、
あるいはこれを含有しない場合、さらにフエライ
トの平均粒径が12μmを越えて粗い組織をもつ場
合には、強度および靭性、さらに低温靭性のうち
の少なくともいずれかの特性が相対的に劣つたも
のになることが明らかである。 上述のように、この発明の鋼材は、すぐれた低
温靭性と高強度を有するので、LPG用タンク等
の構造材として用いるのに適したものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、 C :0.03〜0.12%、 Si:0.001〜0.250%、 Mn:1.0〜1.6%、 Ti:0.005〜0.014%、 Nb:0.003〜0.030%、 Al:0.01〜0.09%、 N :0.0001〜0.0070%、 Ca:0.0010〜0.0040%、 Ni:4.5〜9.8%、 B :0.0005〜0.0015%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなり、
かつ前記不可避不純物のうちのSおよびOの含有
量を、 S:0.001%未満、 O:0.0020%以下、 とした組成、並びに平均粒径:12μm以下のフエ
ライトを主体とした微細組織を有することを特徴
とする低温靭性のすぐれた高強度鋼材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19208782A JPS5980718A (ja) | 1982-11-01 | 1982-11-01 | 低温靭性のすぐれた高強度鋼材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19208782A JPS5980718A (ja) | 1982-11-01 | 1982-11-01 | 低温靭性のすぐれた高強度鋼材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5980718A JPS5980718A (ja) | 1984-05-10 |
JPH0542494B2 true JPH0542494B2 (ja) | 1993-06-28 |
Family
ID=16285427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19208782A Granted JPS5980718A (ja) | 1982-11-01 | 1982-11-01 | 低温靭性のすぐれた高強度鋼材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5980718A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FI971625A (fi) * | 1997-04-17 | 1998-10-18 | Aspector Oy | Teräksen lämpökäsittely |
CN110983182B (zh) * | 2019-12-16 | 2021-03-23 | 首钢集团有限公司 | 一种800MPa级热轧钢及其制备方法、应用 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5261122A (en) * | 1975-11-14 | 1977-05-20 | Nippon Steel Corp | Manufacturing method of high tension steel having low temperature tena city |
JPS5621809A (en) * | 1979-07-31 | 1981-02-28 | Tanto Kk | Method of molding bevelling tile |
JPS5740891A (en) * | 1980-06-24 | 1982-03-06 | Sunbeam Corp | Heating cable for electric carpet |
-
1982
- 1982-11-01 JP JP19208782A patent/JPS5980718A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5261122A (en) * | 1975-11-14 | 1977-05-20 | Nippon Steel Corp | Manufacturing method of high tension steel having low temperature tena city |
JPS5621809A (en) * | 1979-07-31 | 1981-02-28 | Tanto Kk | Method of molding bevelling tile |
JPS5740891A (en) * | 1980-06-24 | 1982-03-06 | Sunbeam Corp | Heating cable for electric carpet |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5980718A (ja) | 1984-05-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6632295B2 (en) | High tensile strength hot-rolled steel sheet and method for manufacturing the same | |
EP0940477B1 (en) | Wide-flange beams made from a steel with high toughness and yield strength, and process for manufacturing these products | |
JP7262288B2 (ja) | 母材と溶接熱影響部の靭性に優れかつ音響異方性の小さい高強度低降伏比厚鋼板およびその製造方法 | |
KR102209581B1 (ko) | 용접열영향부 인성이 우수한 강재 및 이의 제조방법 | |
JP3045856B2 (ja) | 高靱性Cu含有高張力鋼の製造方法 | |
KR102255821B1 (ko) | 저온 충격인성이 우수한 고강도 극후물 강재 및 이의 제조방법 | |
KR100723201B1 (ko) | 다층용접부 인성이 우수한 고강도 고인성 강 및 그제조방법 | |
JP5515954B2 (ja) | 耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板 | |
JPH08199293A (ja) | 亀裂伝播停止特性に優れた耐サワー鋼板 | |
KR102400036B1 (ko) | 저온인성이 우수한 저항복비 강판 및 그 제조방법 | |
JPS624826A (ja) | 不安定延性破壊伝播停止特性にすぐれた高強度高靭性ラインパイプ用鋼板の製造方法 | |
JP2688312B2 (ja) | 高強度高靭性鋼板 | |
CA3108674C (en) | Steel for pressure vessel having excellent surface quality and impact toughness, and method for manufacturing same | |
KR20140098903A (ko) | 고강도 강판 및 그 제조 방법 | |
JPH0542494B2 (ja) | ||
JPH093591A (ja) | 極厚高張力鋼板およびその製造方法 | |
JP3635803B2 (ja) | 靱性に優れた高張力鋼材の製造方法 | |
JPH11189840A (ja) | 耐水素誘起割れ性に優れたラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP2671732B2 (ja) | 溶接性に優れた高張力鋼の製造方法 | |
JP2582147B2 (ja) | 溶接部靱性の優れた低温用ニッケル鋼板の製造方法 | |
KR102250324B1 (ko) | 강재 및 그 제조방법 | |
KR101344556B1 (ko) | 고강도 후물 강재 및 그 제조 방법 | |
KR101344610B1 (ko) | 강판 및 그 제조 방법 | |
US20230416890A1 (en) | Steel material having low surface hardness and excellent low temperature impact toughness, and method for manufacturing same | |
JP2546888B2 (ja) | 溶接性、靭性の優れた高張力鋼板の製造方法 |