JPH0542277U - 油圧パワーユニツトの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧パワーユニットに備えられるベルトのス
リップに伴う事故を未然に防止し、且つむやみに建屋の
警報装置を動作させることを防止する。 【構成】 プーリ４、５の少なくとも一方の上方位置に
設けられた煙感知器１０と、この煙感知器１０が作動し
たとき動作する前記電動機３の電源１３を遮断する電動
機停止手段、並びに煙の分子を吸収する空気清浄器１１
と油圧パワーユニットの状態を表示する手段から構成さ
れている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は油圧エレベーターや油圧機器の油圧源として用いられる油圧パワーユ ニットの安全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

油圧エレベーターや油圧機器の油圧源として利用されている油圧パワーユニッ トは、作動油を溜めておく油圧タンク、油圧機器に作動油を圧送する油圧ポンプ 、この油圧ポンプをプーリおよびベルトを介して駆動する電動機等から構成され ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

火災に至らないような初期段階の発煙を建屋側感知が感知した場合、デパート 、駅舎などの不特定多数者が集合する場所では情報拡大で混乱を招く懸念がある 。

【０００４】 本考案の目的は、油圧パワーユニットに備えられるベルトのスリップに伴う事 故を未然に防止し、且つ、むやみに建屋の警報装置を動作させることがない油圧 パワーユニットの安全装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、作動油を溜めておく油タンクと、油タン ク内の作動油を油圧機器に圧送する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する電 動機と、電動機の回転を油圧ポンプに伝送する対のプーリおよび両プーリ間に掛 けられたベルトとを有する油圧パワーユニットの安全装置において、前記両プー リの少なくとも一方の上方位置に設けられた煙感知器と、この煙感知器が作動し たとき動作する前記電動機の電源を遮断する電動機停止手段と、煙の分子を吸収 する空気清浄器と、油圧パワーユニットの状態を表示する手段とを設けたもので ある。

【０００６】

【作用】

上記の構成であることから、ベルトに付着した油、およびベルト張力の低下か らプーリ、ベルト間のスリップが生じて発熱し、これに伴い発煙する。この煙が 煙感知器を作動させ、油圧ポンプを駆動している電動機が停止されることにより 、発煙、火災を未然に防止できる。そして上記停止と同時に油圧パワーユニット の異常状態が表示される。また集煙カバーで集めた煙の分子を空気清浄器により 油圧パワーユニット内で吸収処理できるため外部への排煙を抑制することが可能 となる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図３により説明する。

【０００８】 図１は油圧パワーユニットの安全装置の一実施例を示す全体正面図、図２はそ の右側面図、図３は煙感知器、空気清浄器、監視盤および電動機の制御系統と表 示系統図である。

【０００９】 図１〜図２に示す油圧パワーユニットは作動油を溜めておく油タンク１と、油 タンク１内の作動油を油圧機器すなわち油圧ジャッキ（図示せず）に圧送するた めの油圧ポンプ２と、この油圧ポンプ２を駆動するための電動機３と、この電動 機３の回転を油圧ポンプ２のロータ軸に取付けられたプーリ４、５と、これら両 プーリ４、５間に掛けられた複数本のＶベルト６と、油圧ポンプ２から吐出され 、油圧ジャッキに送り込む作動油の量や送り込む時期、油圧ジャッキから戻って くる作動油の量や戻す時期などを制御する制御弁７と、油圧ポンプ２からの作動 油の吐出音を減衰させるマフラ８と、前記プーリ４、５の上方に位置し、Ｖベル ト６の上方部を覆う集煙カバー９と、この集煙カバー９の下面側で煙が最も集ま りやすい最上部に取付けられた煙感知器１０と、煙感知器１０の奥に煙を吸収消 煙する空気清浄器１１と、図３に示すように前記煙感知器１０が作動したとき、 前記電動機３の起動、停止用接触器１２を動作させ電動機３への電源１３を遮断 する電動機停止回路１４と、煙感知器１０が作動と同時にその異常情報を表示す る監視盤１５とを具備している。

【００１０】 次に異常を検出し電動機を停止させ、異常情報を表示するまでの動作を説明す る。

【００１１】 電動機３が運転されている途中において、Ｖベルト６が弛み、張力が不足する ことによりＶベルト６とプーリ４、５、特にプーリ直径が小さい負荷側プーリ４ とＶベルト６との間の滑りが多くなる。または周囲の機器からの油がＶベルト６ に飛散付着した場合もＶベルト６とプーリ４、５間に滑りが発生する。このよう な滑りが生じている状態で運転が継続されるに伴って摩擦熱が発生し、この熱に よってＶベルト６、プーリ４、５も過熱状態となり発煙する。この煙が集煙カバ ー９によってその上部の煙感知器１０に導かれ、煙感知器１０が作動して電動機 停止回路１４を介して接触器１２が開離し電源１３が遮断され、電動機３が停止 する。煙感知器１０の最初の作動時には監視盤１５と空気清浄器１１へ各々信号 が与えられ煙が油圧ユニット内で吸収消煙される。

【００１２】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、スリップによって発生する摩擦熱で発煙 することによって電動機を停止しているので発煙の進行を阻止できると共に、Ｖ ベルトやプーリの損傷を最小限に留め、しいては火災発生の防止など被害を最小 限にすることができる。また監視盤に異常状態を表示することにより、故障状態 の検索が簡単になり復旧時間の短縮と、空気清浄器による煙の吸収を油圧パワー ユニット内で処理できるため、建屋側煙感知器が感知しないのでデパート、駅舎 などの不特定多数者が集合する場所にあっては、いたずらに情報拡大することに より混乱を招くことなく必要最小限に留めることができる。更に集煙カバーがＶ ベルト、プーリ全体を覆っていることから作動油の飛散付着からも隔離できると 共に、回転物からの人身事故防止の効果も併せもっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の油圧パワーユニットの安全装置の一実
施例を示す全体正面図である。

【図２】図１の油圧パワーユニットの右側面図である。

【図３】煙感知器、空気清浄器、監視盤の動作系統と電
動機の制御系統図である。

【符号の説明】

４、５ プーリ ６ Ｖベルト ９ 集煙カバー １０ 煙感知器 １１ 空気清浄器 １４ 電動機停止回路 １５ 監視盤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 作動油を溜めておく油タンクと、油タン
   ク内の作動油を油圧機器に圧送する油圧ポンプと、この
   油圧ポンプを駆動する電動機と、電動機の回転を油圧ポ
   ンプに伝送する対のプーリおよび両プーリ間に掛けられ
   たベルトとを有する油圧パワーユニットの安全装置にお
   いて、前記両プーリの少なくとも一方の上方位置に設け
   られた煙感知器と、この煙感知器が作動したとき動作す
   る前記電動機の電源を遮断する電動機停止手段と、煙の
   分子を吸収する空気清浄器と、油圧パワーユニットの状
   態を表示する手段とを設けたことを特徴とする油圧パワ
   ーユニットの安全装置。