JPH0542173U - 包装用敷物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 網状クッション材の下面に吸湿材と保型材と
を付着積層して一体形成したことにより、緩衝性、吸湿
性、保型性に優れ、果菜類から浸出する水分を吸湿材で
吸着処理して腐敗が防止され、また保型性により箱体内
への敷き込みもし易いことを目的とする。 【構成】 網状クッション材と、この網状クッション材
の下面に付着積層された吸湿材と、保型材と、で一体的
に形成されて成る包装用敷物から構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、果菜類を箱体内に包装する場合の敷物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、リンゴ、メロン、トマト等の果菜類を生産者が市場へ出荷し、また生産 地に近い市場で集荷した果菜類を大都市に近い市場へと長距離輸送する場合にお いては、ダンボ−ル箱の様な箱体内にシ−ト状の敷物を敷設して果菜類を包装し 、搬送中における果菜類の傷つきによる品質の低下を防止している。 この箱体内の敷物としては、発泡スチレンの様な発泡合成樹脂を素材としたシ −ト類が、対衝撃性や見掛け比重の軽さから緩衝材として優れているため多用さ れているものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

しかしながら、前記発泡合成樹脂を素材とした敷物においては、包装した果菜 類が敷物と接触する部位に水分が浸出し、敷物上面に滞留しやすくこの浸出滞留 した水分に細菌が繁殖して果菜類が腐敗し易い欠点がある。 また、前記敷物は、軽くて保型性がないために箱体内に敷き込みし難い等の問 題があった。

【０００４】 本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発泡 合成樹脂を素材とした網状クッション材の下面に吸湿材と保型材とを付着積層し て一体形成したことにより、緩衝性、吸湿性、保型性に優れ、果菜類から浸出す る水分を吸湿材で吸着処理して腐敗が防止され、また保型性により箱体内への敷 き込みもし易い包装用敷物を提供することにある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は網状クッション材１２と、この網状クッ ション材１２の下面に付着積層された吸湿材１４と、保型材１６とで一体的に形 成されて成る包装用敷物１０から構成される。

【０００６】

【作用】

本考案の包装用敷物は、網状クッション材の下面に吸湿材と保型材とを付着積 層して一体的に形成したものであり、果菜類を包装する箱体内に敷き込む時に、 保型性があるため敷き込みがし易く、また果菜類を箱体内に包装して長距離輸送 した場合に、上面の網状クッション材が輸送中、或は積み降ろし時における振動 を吸収して果菜類の傷付きを抑制できる。更に、網状クッション材との接触部位 に果菜類内から水分が浸出しても、下面の吸湿材が浸出した水分を吸着処理する ため浸出部位が腐敗することもなく、果菜類を包装して長距離輸送した場合の品 質低下を防止できる。

【０００７】

【実施例】

以下、添付図面を参照しながら、本考案の好適な実施例を説明する。 図１、２には、本考案の実施例に係る包装用敷物１０が示されている。 図において、包装用敷物１０は、網状に成型された網状クッション材１２と、 この網状クッション材１２の下面に付着積層された吸湿材１４と、保型材１６と で一体的に形成されている。 前記網状クッション材１２は、発泡スチレンの様な発泡合成樹脂を素材とした 線条１８で網目２０を有した網目シ−ト２２として成型されている。 この網目２０は、実施例では菱型に形成されているが、この形状に限定される ことなく、四角型、円型等でもよい。この網目シ−ト２２は、柔軟で、比重も軽 いために緩衝材として優れ、果菜類を包装した箱体の振動を吸収して果菜類への 振動を抑制できる。更に網目シ−ト２２は、果菜類との接触面も少なく、果菜類 の表面の傷つき等が防止できる。

【０００８】 前記吸湿材１４としては、水分を効率よく吸着する吸湿紙２４や水分を吸着し てゼリ−状に膨潤する高分子ハイドロゲルが内部に配分された扁平な透水性袋体 等が好ましい。 この吸湿材１４を網状クッション材１２の下面に付着させたことにより、網状 クッション材１２と、これに載着された果菜類との接触部等より水分が浸出した とき、この水分は順次下方の吸湿材１４へと浸潤して吸着処理され、果菜類の表 面に水分が残存して腐敗が発生するのを防止できる。 また、前記保型材１６は、厚紙、或は段ボ−ル原紙２６等より成り、前記吸湿 材１４の下面に付着されている。この保型材１６により包装用敷物１０は、箱体 内への挿入時に曲ったりすることなく、箱体と同一の長幅形状に形成しおくこと によって、箱体内に投入するだけで容易に敷き込みできることとなる。

【０００９】 図３に示す様に、本考案の包装用敷物１０は、例えばダンボ−ル箱の様な箱体 ２８内にリンゴ、メロン、トマトの様な果菜類３０を包装する時に敷き込むもの であり、最下面の保型材１６によって形状が保持されて曲ったりすることがない ために箱体２８内への敷き込みがし易くなり、また上面の網状クッション材１２ の緩衝性により振動が吸収されて内部の果菜類３０が傷つきすることもなく、果 菜類３０の表面で、網状クッション材１２の線条１８との接触部位に水分が浸出 しても、下面の吸湿材１４へ浸潤して吸着処理されるため、浸出した水分が果菜 類３０の表面に残存して腐敗することもなく、遠隔した市場等へ果菜類３０を長 距離輸送した場合における品質の低下をも防止できることとなる。

【００１０】

【考案の効果】

以上、説明した様に請求項１に係る包装用敷物によれば、網状クッション材と 、この網状クッション材の下面に付着積層された吸湿材と、保型材と、で一体形 成したことにより、下面に付着された保型材で板状に保型されるため箱体内への 敷き込みがし易く、上面の網状クッション材の緩衝性で振動が吸収されて果菜類 が振動で傷つくこともなく、更に網状クッション材の下面の吸湿材が果菜類から 浸出する水分を吸着処理して果菜類の腐敗を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る包装用敷物の斜視図であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ線一部拡大断面図である。

【図３】箱体内に包装用敷物を敷き込んで果菜類を包装
した状態の断面図である。

【符号の説明】

１０ 包装用敷物 １２ 網状クッション材 １４ 吸湿材 １６ 保型材 ２８ 箱体 ３０ 果菜類

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 網状クッション材と、この網状クッショ
   ン材の下面に付着積層された吸湿材と、保型材と、で一
   体的に形成されて成る包装用敷物。