JPH0542112A - 電子血圧計 - Google Patents

電子血圧計

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JPH0542112A
JPH0542112A JP3200541A JP20054191A JPH0542112A JP H0542112 A JPH0542112 A JP H0542112A JP 3200541 A JP3200541 A JP 3200541A JP 20054191 A JP20054191 A JP 20054191A JP H0542112 A JPH0542112 A JP H0542112A
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修 白崎
Yoshinori Miyawaki
義徳 宮脇
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】カフ圧の加圧過程において、通常レベルの脈波
信号によっては脈波振幅の包絡線を完全に特定できない
場合に、微少レベルの脈波信号の振幅を用いて包絡線を
特定することによって最高血圧値を推定し、カフ圧の加
圧目標値を自動的に設定する血圧計を提供する。 【構成】通常レベルの脈波の振動が終了した時点(復帰
点)(ST7がNoでST9がYes)から、次の脈波
の振動の開始時点(ST7がYes)までの間は、微少
レベルの信号の振幅値を算出しておき(ST11)、必
要があれば、これらを最高血圧の推定(ST12)に利
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オシロメトリック式
血圧計に関する。
【0002】
【従来の技術】オシロメトリック式血圧計には、例えば
カフ圧を時間的に変化させ(図9の(a)参照)、この
カフ圧上に重畳する脈波の振幅の変化(図9の(b)参
照)から血圧を算出するものがある。図9の(b)は、
このような血圧計のカフ圧の減圧過程における脈波振幅
の変化を示したものであり、P点は最大振幅点(AMAX
とする)を示している。また、D点は、最大振幅点に対
して0.7AMAX の振幅を有する点であり、S点は、最
大振幅点に対して0.5AMAX の振幅を有する点であ
る。そして、例えばS点とD点に対応する図9の(a)
の各点より、収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最
低血圧)を決定していた。
【0003】オシロメトリック式血圧計では、例えば、
以上のようにして血圧値を決定するので、図9(b)の
S点が検出できる程度の加圧が必要であるが、計測前に
は収縮期血圧(最高血圧)を予測できないので加圧目標
値(カフ圧の加圧を停止する点)を適切な値に設定する
ことは難しく、血圧変動の激しい高血圧者においては特
に困難である。また、加圧目標値を、むやみに高い値に
設定すると被測定者に苦痛を強いることにもなる。
【0004】そこで、従来は、カフ圧の加圧過程におい
て、カフ圧信号を捕捉して、このカフ圧信号に重畳する
脈波の振幅の時間的推移(脈波包絡線)を求めることに
よって、簡易的に収縮期圧を推定していた。例えば、最
大振幅値AMAX に対して0.5AMAX の振幅を有する点
を特定して、この0.5AMAX の振幅を有する点におけ
るカフ圧をもって収縮期圧を推定していた。そして、こ
の推定した収縮期圧を基にして自動的に加圧目標値を設
定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した血圧
計では、所定のしきい値を越える通常レベルの脈波信号
のみを脈波信号の振幅を算出する対象にしているので、
収縮期圧を推定する為に必要となる包絡線が完全な形で
は得られないことがある。すなわち、脈波抽出のタイ
ミングに比べてカフ圧の加圧速度が速い場合、逆にカ
フ圧の加圧速度に比べて脈波周期が長い(脈拍数が少な
い)場合、脈圧(最高血圧と最低血圧の差)が小さく
脈波振幅の最大点の前後で振幅が急激に減少する場合、
及び全体に脈波振幅が小さい場合等は、微少な脈波振
幅の部分も含めないと必要な包絡線が形成できず、その
為に、収縮期圧が推定できないことがある。
【0006】尚、かかる問題点の解決策として、前記し
きい値を極端に低く設定することは出来るが、しきい値
をあまり低く設定すると通常レベルの脈波信号によって
充分に収縮期圧を推定できる場合にまで、脈波信号に重
畳するノイズなどを拾ってしまうことになり妥当でな
い。この発明は、上記の問題点に着目したものであっ
て、通常脈波信号によっては脈波振幅の包絡線を充分に
特定できない場合に、微少な脈波信号の振幅を用いて包
絡線を特定することによって収縮期圧を推定し、カフ圧
の加圧目標値を自動的に設定する血圧計を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明にかかる血圧計は、生体動脈を圧迫するカ
フと、このカフを加圧する加圧手段と、カフ内の圧力を
検出する圧力センサと、この圧力センサの検出したカフ
圧信号からこのカフ圧信号に重畳する脈波信号を抽出す
る脈波抽出手段と、この脈波抽出手段の抽出した脈波信
号が所定値幅を越えて振動する場合の、1拍の振動の立
ち上がり点である脈波の区切り点を検出する区切り点検
出手段と、この区切り点で区切られる区間内の脈波の振
幅値を算出する脈波振幅算出手段と、この脈波振幅算出
手段によって算出された脈波振幅の時間的推移に基づい
て、カフ圧の加圧過程において収縮期圧を推定する収縮
期圧推定手段と、推定された収縮期圧に基づいて加圧目
標値を設定しカフ圧が加圧目標値に達すると前記加圧手
段の動作を停止させる加圧停止手段と、加圧停止後にカ
フ圧を徐々に減圧する減圧手段と、カフ圧の減圧過程に
おいて、前記脈波振幅算出手段の算出結果に基づいて血
圧値を決定する血圧決定手段とを備える電子血圧計にお
いて、所定値幅を越えて振動する脈波について、1拍の
脈波の振動が終了したことを検出する復帰点検出手段
と、この復帰点から前記区切り点までの区間において、
微少に振動する信号を順次抽出してその振幅値を求める
微少振幅算出手段と、前記復帰点から所定の時間が経過
しても前記区切り点が検出できない場合に、前記微少振
幅算出手段の算出した振幅値を前記収縮期圧推定手段に
供給する微少振幅供給手段とを設けている。
【0008】
【作用】区切り点検出手段は、所定値幅を越えて振動す
る通常レベルの脈波信号の立ち上がり点(区切り点)を
検出する。一方、復帰点検出手段は通常レベルの脈波の
振動の終了した点(復帰点)を検出する。そして、微少
振幅算出手段は、この復帰点から前記区切り点の区間内
の微少信号の振幅値を算出する。尚、この微少信号は、
区切り点が次々と検出できる状態ではノイズと考えられ
るが、カフ圧の増加と共に脈波振幅が減少してゆき、も
はや所定値幅を越えて振動する脈波が存在しなくなった
場合には、微少振幅の脈波と考えられる。
【0009】一方、脈波振幅算出手段は、区切り点検出
手段が区切り点を検出したタイミングで、前回の区切り
点と今回の区切り点との区間で振動する通常レベルの脈
波信号の振幅値を算出する。そして、収縮期圧推定手段
は、この脈波振幅の時間的推移(包絡線)を基にして、
例えば最大脈波振幅AMAX に対して0.5AMAX の脈波
振幅を有する点に対応するカフ圧を収縮期圧と推定す
る。
【0010】ところが、通常レベルの脈波信号だけでは
脈波振幅の包絡線を充分に特定できない場合もあり、そ
の場合は、微少振幅供給手段、収縮期圧推定手段が次の
ように作用する。すなわち、微少振幅供給手段は、前記
復帰点から所定の時間が経過しても、前記区切り点検出
手段が区切り点を検出できない場合に、前記微少振幅算
出手段の算出した振幅値を前記収縮期圧推定手段に供給
する。つまり、復帰点から所定の時間が経過しても区切
り点が検出できないので、脈波振幅は通常レベルから微
少レベルに推移したと判断して、この微少レベルの脈波
振幅を収縮期圧推定手段に供給する。そして、収縮期圧
推定手段はこの微少脈波の振幅値も含めて脈波包絡線を
特定して収縮期圧を推定する。
【0011】尚、ここで、微少脈波信号の振幅とは、脈
波信号の最大値、あるいは脈波信号の最大値と最小値の
差をいう。また、微少脈波信号の振幅値に対応するカフ
圧として、加圧過程のどの時点のカフ圧を採用するかは
特に限定されないが、例えば、微少脈波が微少振動区間
で最大値となった時点のカフ圧を採用する。
【0012】
【実施例】図1はこの発明の一実施例である電子血圧計
のブロック図である。この電子血圧計は、生体動脈を圧
迫するカフ1と、カフ1を加圧するポンプ2と、カフ1
の圧力(空気圧)を急速排気する急速排気弁3と、カフ
1の空気を徐々にに排気する微速排気弁4と、カフ1の
圧力を検出する圧力センサ5と、ローパスフィルタ6
と、圧力センサ5の出力をデジタル値に変換するA/D
変換器7と、A/D変換器7からの信号を取り込み、後
述する種々の処理を行うMPU8と、測定した血圧値を
表示する表示器9を備えている。尚、ローパスフィルタ
6は加圧途上で脈波を抽出する場合において、カフ圧信
号上に混入する加圧ポンプ2の圧力ノイズを除去するも
のである。
【0013】図2及び図3は、図1に示す電子血圧計の
全体動作を示すゼェネラルフローチャートである。尚、
脈波抽出処理(ST4)、脈波振幅算出処理(ST
8)、加圧目標値の設定処理(ST14)および血
圧測定処理(ST17)は、それぞれ以下の処理をする
部分である。 脈波抽出処理(ST4):カフ圧データから、カフ圧
データに重畳する脈波信号を抽出する処理である。 脈波振幅算出処理(ST8):しきい値幅を越える通
常レベルの脈波について、その起点と終点を1拍ごとに
認識して脈波の振幅値を算出する処理である。 加圧目標値の設定処理(ST14):推定された収縮
期圧(最高血圧値)に適切な値を加算して加圧目標値を
求める処理である。 血圧測定処理(ST17):カフ圧の減圧過程におけ
る脈波振幅の包絡線より最高血圧値(収縮期圧)と最低
血圧値(拡張期圧)を算出する処理である。
【0014】以下、図2、図3のフローチャートに従っ
て、図1に示す電子血圧計の動作を説明する。スタート
スイッチなどにより動作が開始されると、MPU8はポ
ンプ2を駆動して加圧を開始して(ステップST(以下
STと略す)1)、カフ圧などのデータのカウンタt0
を1に初期設定する(ST2)。次にMPU8は、A/
D変換器7からカフ圧データP(t0 )を読み込み(S
T3)、前述の脈波抽出処理に移り、カフ圧データP
(t0 )から脈波信号PW (t0 )を抽出する(ST
4)。この脈波信号抽出処理は、例えばカフ圧データ
P(t0 )を入力値とするハイパスフィルタの処理とし
て実現される。次に、脈波区切り処理(ST5)に移
り、現在の時点t0 が脈波の区切り点、つまり、脈波が
まさに立ち上がらんとする時点なのか否かを調べる。そ
して次に、通常レベルの振幅を有する脈波の一拍につい
て、その脈波振幅を求める準備として、最大値DMAX0
最小値DMIN0の値の更新をする(ST6)。
【0015】続いて、ST7ではST5での処理結果を
基にして、現在の時点t0 が脈波の区切り点(次の脈波
がまさに立ち上がろうとする点)なのか否かを判定する
(ST7)。もし、脈波の区切り点なら、現在時点t0
は、今回の通常脈波の終点であり、かつ次回の通常脈波
の始点であるので、図5に示す通常レベルの脈波に対す
る振幅算出処理をする(ST8)。改めて確認するが、
この振幅算出処理(ST8)は、脈波が所定のしきい値
を越える通常レベルの振幅を有する場合に、その脈波振
動の振幅を求める処理である。
【0016】以下、図5を参照しつつ具体的に振幅算出
処理(ST8)を説明すると、今現在t0 は、脈波振動
の終点であるので、先ず、脈波番号iを更新する(ST
-1)。そして、ST6で求められている脈波の最大値
MAX0と最小値DMIN0より今回(i番目)の脈波の振幅
値AMP(i)を求める(ST8-2)。次に、今回(i
番目)の脈波に対応するカフ圧PC (i)を特定する必
要があるが、配列Tには脈波振動の各終点(区切り点)
における加圧開始からの経過時間が記憶されているの
で、今回(i番目)の脈波振動に対応するカフ圧P
C (i)を、前回、つまりi−1番目の脈波振動の終点
の時間T(i−1)を基にしてP〔T(i−1)〕のよ
うに特定する(ST8-3)。以上の処理で今回分(i番
目)の通常脈波についての処理が終わるので、次回の脈
波振動の振幅値計算の準備としてDMAX とDMIN を0に
初期設定する。そして、以降は、図2のST12に移
る。
【0017】今回分(i番目)の通常レベルの脈波に対
する振幅の算出(ST8)が終わると、最高血圧(収縮
期圧)の推定処理をする(ST12)。この処理(図8
参照)では推定収縮期圧ESPが算出される場合と、単
に脈波振幅AMP(i)の最大値AMAX が更新される場
合があるが(詳しくは後述する)、収縮期圧が未だ推定
されていない場合はST3に戻ってST3〜ST12の
処理を繰り返す(ST13)。逆に、収縮期圧ESPが
推定されている場合は、図3に示す処理に移る。なお、
ST12における最高血圧(収縮期圧)の推定処理で
は、脈波の振幅値AMP(i)などが必要であるが(図
8参照)、この振幅値AMP(i)は、ST8で求まる
通常レベルの脈波の振幅値の他、後述するST11の処
理で求まる微少レベルの脈波の振幅値も含まれる。
【0018】次に、図2に示すST7の処理に戻って、
現在の時点t0 が区切り点でない場合を説明する。現在
の時点t0 が区切り点でない場合は、現在時点t0 が復
帰点か否かの判定をする(ST9)。ここで、復帰点と
は、心拍に伴う脈波の正および負のピークを通過し、脈
波信号がほぼ基線レベルに戻り切った点をいうが、この
点をどのようにして検出するかは後述する(図6参
照)。
【0019】現在の時点t0 が復帰点であれば、ウイン
ド処理の初期化をする(ST10、図4参照)。具体的
には、復帰点を起点とした時間経過を求める為の変数t
1 と、微少信号の振動区間(復帰点から区切り点までの
区間)における微少振動の最大値と最小値を求める為の
変数DMAX ,DMIN を全て0に初期設定する(図4に示
すST10-1,ST10-2)。
【0020】もし、現在の時点t0 が復帰点でなけれ
ば、ウインドによる振幅算出処理をする(ST11)。
この処理は、復帰点からの時間経過を算出しつつ微少振
動の最大値DMAX と最小値DMIN を求めてゆき、復帰点
から1.5秒経過した時点で微少信号の振幅などを求め
る処理であるが(図7参照)、詳しくは後述する。以上
ST9〜ST11について概説したように、脈波振動の
復帰点(脈波信号がほぼ基線レベルに戻り切った点)か
ら脈波振動の区切り点(次の脈波振動の開始点)までの
間においても、その区間での微少振動の振幅値AMP
(i)、と対応するカフ圧値PC (i)を求めており、
必要があればこれらの値が最高血圧(収縮期圧)推定処
理ST12で利用される。つまり、カフ圧の加圧速度が
速い等の理由から、通常レベルの脈波(しきい値を越え
る振動をする脈波)の振幅だけでは必要となる包絡線を
描けない場合でも、通常レベルの脈波の、最後の振動が
終わった後の1.5秒区間内の微少振動の振幅を利用し
て必要な包絡線を描くことができる。
【0021】次に、図3に移って最高血圧(収縮期圧)
の推定が終わった以降の処理を説明する。収縮期圧が推
定されれば、図3に示すST14以降の処理をする。す
なわち、MPU8は、推定された収縮期圧を基にして加
圧目標値を計算し(ST14)、この加圧目標値に達す
るまで加圧を持続する(ST15)。なお、この加圧目
標値は、収縮期圧の推定誤差や加圧停止直後から脈波の
振幅測定開始時までの圧力降下なども考慮して、例えば
収縮期圧推定値に30mmHgを加算した値に設定され
る。そして、カフ圧が加圧目標値に達したら加圧をスト
ップする(ST16)。
【0022】これ以降は、通常の血圧測定処理である。
すなわち、微速排気弁4を動作させてカフ圧の減圧過程
に移行し、この減圧過程における脈波振幅の包絡線よ
り、最高血圧と最低血圧を算出して、その血圧値を表示
器9に表示して全ての処理を終わる。図6は、復帰点の
検出(図2のST9参照)方法を示すフローチャートで
ある。カフ圧信号P(t0 )から抽出された脈波信号P
W (t0 )は、先ず、その値が負か否かが判定される
(ST9-1)。そして、脈波信号PW (t0 )が負でな
ければ、現在時点t0 は復帰点でないと判断される。逆
に脈波信号PW (t0 )が負であれば、次に、脈波信号
W (t0 )のレベルがしきい値TH(負の値)と大小
比較される(ST9-2)。そして、脈波信号P
W (t0 )のレベルがしきい値TH(負の値)のレベル
より低ければ、現在時点t0 は復帰点でないと判断され
る。
【0023】もし、現在時点t0 の脈波信号P
W (t0 )のレベルがしきい値THのレベル以上であれ
ば、1つ以前の脈波信号PW (t0 −1)のレベルとし
きい値THが大小比較される(ST9-3)。そして、1
つ以前の時点t0 −1も、現在時点t 0 も、共に脈波信
号PW がしきい値TH以上のレベルであれば、今は復帰
点以降の時点であり、従って現在時点t0は復帰点でな
いと判断される。
【0024】以上の処理(ST9-1〜ST9-3)を改め
て整理すると、結局、処理がST9 -4に移行する為に
は、脈波信号PW が負のレベルであり(ST9-1)、前
回t0−1はしきい値THより低いレベルであったが
(ST9-3)、今回始めて、しきい値THより高いレベ
ルになる(ST9-2)ことが条件となる。そして、この
ような場合は、現在の時点t0 が、いま終了した脈波に
ついての、負のピークの時点tDIP からどれだけ時間が
経過しているかが判定される(ST9-4)。そして、現
在時点t0 が脈波の負ピークの時点tDIP から例えば
0.3秒以内なら、今現在t0 が復帰点と判定される
(ST9-4)。
【0025】図7はウインドによる振幅算出処理(図2
のST11)を更に詳細に示すフローチャートである。
ここで、ウインドによる振幅算出処理とは、復帰点から
の時間経過t1 を算出しつつ微少振動の最大値DMAX
最小値DMIN を求めてゆき、復帰点から1.5秒経過し
た時点で微少信号の振幅等を求める処理である。以下図
7を参照しつつ説明する。
【0026】先ず、復帰点において0クリアされたカウ
ンタt1 の値(図4のST10-1参照)に1加算して値
を更新する(ST11-1)。そして、現在時点t1 の脈波
信号PW(t1)の値が、最大値を求める為の変数DMAX
値と比較される(ST11-2)。そして、もしPW (t
1 )≧DMAX なら、最大値を求める為の変数DMAX の値
が更新され(ST11-3)、この時点t1 でのカフ圧P
(t1 )が変数PMAX に保存される(ST11-4)。
【0027】続いて、現在時点t1 の脈波信号PW (t
1 )の値が、最小値を求める為の変数DMIN の値と比較
される(ST11-5)。そして、もしPW (t1 )≦D
MIN なら、最小値を求める為の変数DMIN の値が更新さ
れる(ST11-6)。次に、現在の時点t1 が復帰点か
ら例えば1.5秒経過しているかが判定される(ST1
-7)。もし、現在時点t1 が復帰点から1.5秒以内
であれば、何もしないでST11の処理を終え、図2の
ST12の処理に移る。逆に、現在の時点t1 が復帰点
から1.5秒経過していれば、この時点で微少振動につ
いての振幅の抽出処理を終わるべく、脈波番号iの値を
更新し(ST1-8)、微少振動についての最大値DMAX
と最小値DMIN より脈波振幅AMP(i)を求める(S
T11-9)。そして、ST11-4で保存しておいたカフ
圧値PMAX を脈波番号iに対応したカフ圧としてP
C (i)に記憶する(ST11-10 )。
【0028】以上のように動作して、ウインドによる振
幅算出処理(ST11)が終わるが、この脈波振幅AM
P(i)及びカフ圧PC (i)は、通常の振幅算出(図
2のST8)による脈波振幅とカフ圧だけでは、充分で
脈波包絡線が特定できない場合(例えば、ST8による
脈波振幅だけでは0.5AMAX 以下となる時点を特定で
きない場合)に、最高血圧推定処理(ST12)で用い
られる。
【0029】尚、この実施例では微少振動の振幅として
最大値DMAX と最小値DMIN の差を使用したが、これに
限定される必要はなく、例えば脈波信号の最大値を使用
してもよい。また、この実施例では、脈波番号iに対応
するカフ圧PC (i)を、微少振動のレベルが最高値と
なる時点のカフ圧(ST11-4参照)を利用したが、こ
れに限定される必要はない。
【0030】図8は最高血圧推定処理(図2のST1
2)を更に詳細に示すフローチャートである。なお、図
8においてAMP(i)は、通常の振幅算出(ST8)
又はウインドによる振幅算出(ST11)で抽出された
通常レベルの脈波又は微少レベルの脈波に対する脈波振
幅を示している。また、各脈波振幅AMP(i)に対す
る各カフ圧PC (i)も、通常の振幅算出(ST8)ま
たはウインドによる振幅算出(ST11)で算出されて
いる(図5のST8-3、図7のST11-9参照)。尚、
iは抽出された脈波の順番を示す脈波番号であり、脈波
番号iと、脈波振幅の最大値を求める為の変数A
MAX は、共に0に初期設定されている。以下、図8に従
って最高血圧(収縮期圧)推定処理の内容を説明する。
【0031】先ず、脈波振幅AMP(i)を脈波振幅最
大値AMAX と比較する(ST21)。ここでAMP
(i)≧AMAX である場合は、脈波の包絡線が上昇過程
にあり、未だ極大点に達していないと判断してAMAX
AMP(i)の値を代入して(ST22)処理を終わ
る。逆に、AMP(i)<AMAX の場合には、脈波振幅
の包絡線が極大点を通過して減少過程にあると判断し
て、脈波振幅AMP(i)を収縮期圧決定の為のしきい
値と比較する(ST23)。この実施例では、収縮期圧
決定の為のしきい値を例えば0.5AMAX に設定してお
り、AMP(i)≦0.5AMAX なら次の処理に移って
収縮期圧の推定値ESPを算出する(ST24)。逆
に、AMP(i)>0.5AMAX なら収縮期圧の推定値
を決定しないで処理を終わる。尚、加圧区間ではカフ圧
の変化が大きく、脈波間のカフ圧間隔が広い為、脈波振
幅がしきい値以下に減少した時点でのカフ圧を、そのま
ま収縮期圧の推定値として採用すると精度が悪い。ま
た、通常レベルの脈波振幅を抽出できず微少レベルの脈
波振幅によって包絡線を特定する場合もある。そこで、
本実施例では、以下の直線補完式を用いて収縮期圧の推
定値ESPを算出している。
【0032】
【数1】
【0033】尚、(数1)におけるTHS は、収縮期圧
決定の為のしきい値である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
電子血圧計では、カフ圧の加圧過程において、通常レベ
ルの脈波信号を捕捉できなくても、微少に振動をする脈
波信号を捕捉して最高血圧の推定をする。従って、加圧
過程において通常レベルの脈波振幅を抽出できない場合
でも、加圧目標値を自動的に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である電子血圧計の回路ブ
ロック図である。
【図2】図1の電子血圧計の全体動作を説明する為のフ
ロー図の一部である。
【図3】図1の電子血圧計の全体動作を説明する為のフ
ロー図の残りの一部である。
【図4】図1の電子血圧計のウインド初期化動作を説明
する為のフロー図である。
【図5】図1の電子血圧計の通常の振幅算出処理を説明
する為のフロー図である。
【図6】図1の電子血圧計の復帰点算出の処理を説明す
る為のフロー図である。
【図7】図1の電子血圧計のウインドによる振幅算出処
理を説明する為のフロー図である。
【図8】図1の電子血圧計の最高血圧推定処理を説明す
る為のフロー図である。
【図9】オシロメトリック方式の電子血圧計における血
圧決定方法を説明する為の図である。
【符号の説明】
1 カフ 2 ポンプ 3 急速排気弁 4 微速排気弁 5 圧力センサ 8 MPU

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体動脈を圧迫するカフと、このカフを加
    圧する加圧手段と、カフ内の圧力を検出する圧力センサ
    と、この圧力センサの検出したカフ圧信号からこのカフ
    圧信号に重畳する脈波信号を抽出する脈波抽出手段と、
    この脈波抽出手段の抽出した脈波信号が所定値幅を越え
    て振動する場合の、1拍の振動の立ち上がり点である脈
    波の区切り点を検出する区切り点検出手段と、この区切
    り点で区切られる区間内の脈波の振幅値を算出する脈波
    振幅算出手段と、この脈波振幅算出手段によって算出さ
    れた脈波振幅の時間的推移に基づいて、カフ圧の加圧過
    程において収縮期圧を推定する収縮期圧推定手段と、推
    定された収縮期圧に基づいて加圧目標値を設定しカフ圧
    が加圧目標値に達すると前記加圧手段の動作を停止させ
    る加圧停止手段と、加圧停止後にカフ圧を徐々に減圧す
    る減圧手段と、カフ圧の減圧過程において、前記脈波振
    幅算出手段の算出結果に基づいて血圧値を決定する血圧
    決定手段とを備える電子血圧計において、 所定値幅を越えて振動する脈波について、1拍の脈波の
    振動が終了したことを検出する復帰点検出手段と、 この復帰点から前記区切り点までの区間において、微少
    に振動する信号を順次抽出してその振幅値を求める微少
    振幅算出手段と、 前記復帰点から所定の時間が経過しても前記区切り点が
    検出できない場合に、前記微少振幅算出手段の算出した
    振幅値を前記収縮期圧推定手段に供給する微少振幅供給
    手段とを設けることを特徴とする電子血圧計。
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